PTA法(ドッサリース農法)



植物から見た光合成移転理論


     植物から見た光合成移転理論 

最新更新日は2010年01月12日です


光合成移転理論(photosynthesis transfer agricultural theory: PTA理論)

光合成のリサイクルで耕地の生産性が倍増以上に高められる?

今の栽培では、耕地の生産性を40%程度しか引き出していない?

炭素肥料は、収穫される作物よりも大量に施肥される肥料です。




私たちは、耕地の生産能力を40%程度しか引き出していなかったかもしれません。簡単に倍増できるかもしれません。

猛烈に収量が増え、美味しくなる栽培を具に検討したところ、恐ろしいまでの自然の理が浮かび上がってきました。

農業と言う最も根源的な所作において、生産性(効率)を倍増以上に高める術が残されていたかもしれません。


1.植物から見た光合成移転理論

要旨

植物は、有機物を獲得する手段として光合成と吸収との2つの手段をもっています。

しかし、有機物を吸収する後者の手段は、ほとんど活用されていません。

光合成移転理論は、低分子量有機物を炭素肥料と考えて植物に供給し、光合成と有機物の吸収という2つの手段を合算して生育を促進する新しい栽培理論です。

光合成は新しい有機物を生み出し、吸収による有機物の供給は、過去の光合成産物を再利用します。

そして、このリサイクルは人の努力次第で高めることができ、これまでの栽培実績を勘案すれば、条件次第では光合成を遥かに凌ぐ生育が付加されていると思われます。

植物の生長の主エンジンとも言える光合成に対して、補助エンジンとも言える吸収による有機物の獲得を付与することは、過去の光合成の活動の全てを炭素肥料に転換して、それを施肥することで吸収によって作物に付加するものであり、「今」という刹那に規制されていた光合成、ひいては食糧生産が、過去から未来への全ての時限を統合するものであり、PTA理論は、未来の社会を益々豊かなものにします。

「光合成」だけであった有機炭素の獲得手段を、「光合成」と「有機物の吸収」という2つの手段に広げることは、単に、生長の源を拡大するばかりか、自然任せの光合成に比べ、炭素肥料の施肥・灌水という人為的な操作で高めることができる要素を組み込むことになり、人の努力で、生産性を増すことができます。

自然任せの農業が、自助努力が成果に直結する農業へと変貌します。

ここでは、「有機物の吸収を是とする見方」「炭素肥料は成り立たないとする見方」との2つを対比し、前者の正当性を示します。

驚くべきことに、有機炭素を施肥することは、計算上からも十分経済性を持つことが示唆され、そして、家畜糞尿の完全殺菌が、実は膨大な利益を生み出す、という常識を覆す見方・現実も極めて順当であることが示唆されます。この項の最後にあります。

■ 炭素肥料は、収穫される作物の量よりも多量に施肥されている。 ■ しかし、施肥する肥料代金よりは多額の増収効果がある。 ▼ 肥料は、少量施肥して、大量の作物を得る、と勝手に勘違いしているために炭素肥料の理解を困難にしている。(××の壁) △ 耕地の収量が増すことは、その目方ではなく、食味の上昇に経済的価値の上昇の意義がある。それは今の経営の算術では無力。収量の倍増は、食味の向上で、耕地の生産額を4〜6倍にも高める(日本人は安い外米をコメとは考えない。ごみでしかない。外米を作るか、国産米を作るか。美味しいコメは、超高額でも瞬間的に飛ぶように売れている。生産過剰で騒いでいるのは不味いコメだけ。)。

■ 炭素肥料・有機物の吸収の概念が理解されると、世界中の社会・経済が一変する。耕地の生産性は倍増し、家畜糞尿・生ごみ・食品残渣は有益な資源として見直され、完全殺菌して、炭素肥料として圃場還元される。耕地は半減し、一人500uの余剰耕地が出現する。


経緯

約30年前から、家畜糞尿を生石灰によって殺菌分解した後、土壌改良資材として多様な品目の栽培に利用されていました。適正な処理と適正な肥培管理の下では、耕種農業における激しい増益のために、家畜糞尿の処理費は十分に賄われ、「家畜糞尿を完全殺菌し、始末する」という行為は、畜産に些少の利益をもたらし、且、経営の負担になることはありません。「糞尿を完全殺菌して、些少の利益になる」という奇想天外な現実が長く続いており、その合理的な解釈のために、光合成移転農法という概念を提案しました。

光合成移転農法(photosynthesis transfer agricultural method: PTA法)は、ある種の有機物が作物に吸収され、同化される現象を炭素肥料と大袈裟にとらえて、積極的に炭素肥料を供給する栽培の取り組みです。

NPKの化学肥料を中心とした、所謂、慣行農法に炭素肥料を加えることで、収穫量の大幅な向上、食味の改善、老木の若返り等の効果があるものと提案したものです。

勿論、栽培の効果の大半は、従来、土壌改良資材として用いた時の効果と同じです。しかし、「炭素肥料」と解釈することで、高緯度地方や日照の少ない栽培(日陰、室内)における擬似的な日照の補給になり、更に、光合成が不得手な陰性植物に対して、光合成によらない有機物の獲得になり、生育を大きく助勢する可能性を新たに提案しました。

光合成移転農法(PTA法)は、栽培における肥料の構成が極めて簡略化され、C+NPKというように簡略に示されるように、炭素肥料と従来のNPK化学肥料との組み合わせで栽培を進める取り組みが合理的と思われます。

そして、この章で提案する「光合成移転理論」は、植物の側から見た新しい自然の姿を記したものです。

あえて、植物の側から概観した理由は、この一連の現象を理解しやすいからです。

沢山の種類がある肥料の中に「炭素肥料」が一つ増えるのではなく、たった1つしかなかった「生長エンジン」が2つに増えるため、判りやすいからです。

光合成1つだけであった、生長エンジンがもう一つ増えて、2つになることによる、生長の違いを検討するだけで良いことになります。

次の図では、「赤い矢印」が新たに付加される吸収による炭素の流れです。たったこれだけの事が世界中の人々に絶大な恩恵を及ぼします。好むと好まざるとにかかわらず、ほぼ全員の食事の時に食べる農産物の栽培の殆ど全てが、この赤い矢印を利用したものとなるでしょう。安くて美味しいからです。

PTA理論は、有機物を有機物のまま植物の生育に付加する光合成機能をバイパスした光合成のリサイクルです。

完璧に見落としていた「有機物の吸収」は、光合成以上に働きます。

有史以来の最大の見落としかもしれません。


2.光合成移転理論(photosynthesis transfer agricultural theory : PTA理論、PTA theory)


光合成移転理論は、植物が有機炭素を獲得することは、当該植物が生長することとほぼ等しいと考え、植物が元々有機炭素を獲得する経路として「光合成 」と「有機物の吸収」との2つの経路があることに着目し、後者の有機物を吸収する経路を炭素肥料(低分子量有機物)を施肥することで機能を呼び起こすことを意図した新しい植物の生育理論です。

有機物は、過去のいずれかの時点で光合成によって生まれた有機炭素化合物であり、低分子量の有機物を炭素肥料として植物に供給することは、過去の光合成を耕地で生育中の作物に加えることであり、光合成を移転する行為と考えます。

私たちは、植物の生長に関して、今日まで、この「有機物を吸収する回路」を活用していませんでした。

植物の生育は、専ら、光合成によって推進されると考えてきました。

勿論、炭酸ガスを有機炭素に転換する行為は、専ら、光合成でなければなりません。

しかし、植物が有機物を吸収できないわけではありません。植物は様々な生命機能を持っているにしても、その物質吸収に際しては、その都度、考えた上で吸収の奈何を決めるものではないでしょう。

単に、細胞膜の物質の透過性だけによって決定されるべきものです。そして、前世紀の初期から有機物の吸収が科学的に検証されており、「植物が有機物を吸収する」という事柄に関しては当然のことと受け入れられています。

しかし、この現象は長い間産業上に活用されることはありませんでした。

何故ならば、光合成によって自然界から自動的に獲得できる有機物を施肥によって補う意味が感じられないからです。

植物が、ある種の有機物を吸収し、同化する現象は遥か昔から認識され、科学的にも検証されている自然現象です。この、元来、植物が備えている有機物を吸収する経路を、私たちは知っていながら活用していませんでした。


方程式で作物の生長を見てみよう

植物が有機炭素を吸収する経路として、光合成と有機物の吸収との2つの経路を有していることを、方程式に置き換えて概観します。

以下、いくつかの見方を方程式に表示します。その記号の大まかな意味は次の通りです。

【A】: 植物における光合成

【B】: 植物における有機物の吸収

【C】: 植物の有機炭素の獲得=植物の生長


【C:植物の有機炭素の獲得】=【A:光合成】【B:有機物の吸収】   ・・・式(1)(植物の生育の一般式)

【C:慣行農法】=【A:光合成】【B=0:有機物の吸収】≒【A:光合成】・・・式(2)(慣行農法は、特異解)

【C:有機物】  =【A:新生】     【B:リサイクル】         ・・・式(3)(PTA理論は、光合成リサイクル)

【C:比喩1】  =【A:主エンジン】  【B:補助エンジン】       ・・・式(4)(サブであっても、努力次第でメインを上回る能力)

【C:比喩2】  =【A:天気次第】   【B:努力次第】           ・・・式(5)(努力次第で成果が上がる)

【C:部位】    =【A:葉】      【B:根】              ・・・式(6)(場所が違い、手段が違う)

【C:原料の炭素】=【A:CO2】    【B:有機物】                   ・・・式(7)(有機物は光合成の名残、生命の名残)

【C:原料の所在】=【A:空気】    【B:世界中の有機物】            ・・・式(8)(世界中、特に臭くて始末に困る処に大量に存在している)

【C:原料の調節】=【A:困難】    【B:容易】                     ・・式(9)(大量施肥が可能で、消費分が減る)

【C:原料の保存】=【A:困難】    【B:容易】                     ・・・式(10)(PTA理論は高効率、無駄が少ない)

【C:原料の量】 =【A:低濃度安定】【B:常時発生】           ・・・式(11)(原料は膨大、日々、生まれる)

【C:原動力】  =【A:光】      【B:蒸散、吸水】          ・・・式(12)(灌水が重要な輸送エンジン)

【C:動力の調節】=【A:困難】    【B:可能】              ・・・式(13)(炭素肥料、灌水は努力次第で増やせる)

【C:作動時間】 =【A:昼間】    【B:一日中】             ・・・式(14)(吸収は、休むことなく働き続ける)

【C:人の関与】=【A:少ない】    【B:人手で初めて機能する】    ・・・式(15)(今まで手当てがないので機能停止だった)

【C:時】    =【A:今】       【B:過去・現在・未来】     ・・・式(16)(PTA理論は、光合成が時空種を駆け巡る)

【C:比喩3】  =【A:微分型経営】  【B:定数又は積分型経営】  ・・・式(17)(農業経営が、効率化、安定化する)

【C:主従関係】=A(1B)                          ・・・式(18)(吸収は強大なエンジンであっても、あくまでも補助)


上記の方程式が意味することを順次認めます。

■式(1)は、作物の生長の一般式といえます。

【C=A+B】。作物が生長することを、「有機炭素の獲得」と解釈し、その手法として【A:光合成】と【B:有機物の吸収】との2つのチャンネルが知られています。

A:光合成】は誰もが知っていることです。そして、この光合成が植物を生長させる唯一のチャンネルと考えています。小学校、中学校等の教育課程からこの考え方が貫かれています。

PTA理論は、この従来のものの見方が適切ではない、と別の見方を提案するものです。

【B:】は、植物が有機物を吸収する考えで、古くはWood・Werkman による従属栄養植物の研究によって科学的に検証された物質吸収チャンネルであり、格別新しい知見ではありません。しかし、この有機物を吸収するチャンネルを活用することはほとんど稀でした。勿論、有機液肥、液状有機、液状堆肥というような通称で流通している資材では、明らかに作物に有機物を供給する意図をもった資材です。しかし、それをして「炭素肥料」という見方まではしていません。

PTA理論では、「植物の有機炭素の獲得」という概念で植物の生長をとらえ、光合成と有機物の吸収との双方が植物の生長に寄与すると考えています。

式(2)は、慣行農法を示す一般式です。慣行農法では、作物は、専ら光合成によって有機物を合成して生長するものと考えられています。このため、式(1)の生長の一般式の中の【B】項がゼロとなります。このようの、式(1)は、慣行農法の状態も表現できることから、一般式とみて良いものといえます。そして、慣行農法は、【B=0】としたときの特異解となります。このことから、式(1)の一般式を理解することが、慣行農法を理解することでもあり、また、PTA理論に固有の【B:有機物の吸収】についても理解を深めることになります。そのため、慣行農法を特別に取り上げる必要はなくなります。

■式(3)は、有機物の観点から見たものです。光合成は、新しく有機炭素を合成する行為です。そして、有機物の吸収は、既に存在する有機炭素を取り込む行為です。一般的な表現でいえば、光合成は新規の製造であり、有機物の吸収はリサイクルです。そして、PTA理論は、これまで新規の製造だけを想定していた栽培に、リサイクルを加えたことになります。

このため、PTA理論は、光合成リサイクル理論・光合成バイパス理論という見方もできます。

■ 光合成リサイクル理論: 有機物の炭素原子は、その昔の何れかの時点で光合成によって有機物となった炭素原子です。作物が、有機物を吸収して活用することは、昔の光合成をリサイクルすることと考えることができます。それで「光合成リサイクル」ということができます。クズ鉄、古紙、ガラス、空き瓶、アルミなどリサイクルが盛んです。光合成のリサイクルは、もっとも稀有壮大なリサイクルです。何故ならば、光合成は、地球上のすべての生命体の根本を支える重要なプロセスです。従来のリサイクルが、小さく見えます。

■ 光合成バイパス理論: 有機物は、光合成の産物の名残です。その有機物を、作物が吸収して利用することは、既に光合成が完了している物質であるため、再度、改めて光合成を辿る必要はなく、光合成のメカニズムをバイパスして作物の体内で自由に利用できます。有機物である、ということは植物体内において「自由行動」の免許を得たようなものです。有機物の吸収は、太陽の光エネルギーを大量に消費する光合成メカニズムをバイパスして植物成分として自由に行動できるので、光合成メカニズムの前段で長い行列をなして待つ必要もなく、簡単に作物の活動に参加できます。

■式(4)は、植物の生長に関して、大雑把にみて、光合成は主エンジンであり、有機物のリサイクルは補助エンジンと言えなくもありません。光がない場合には作物が育ちません。その意味で、有機物の吸収は、あくまでも補助エンジンと言えます。但し、この補助エンジンは、主エンジンが作動する限り、かなり強力なものとなり、場合によっては、主エンジン以上の出力の補助となります。

■式(5)は、それぞれの特性を示したものであり、光合成は大変重要な過程であるにも関わらず、人間が関与できる部分が殆どありません。光合成は、人間が農耕を開始する以前から、さまざまな植物の生育に決定的な影響を及ぼすものであり、人間の介在がなくても何不自由なく進行している自然現象です。その意味で、光合成の活動を人間が大きく調節することは難しい側面を持ちます

■他方、有機物の吸収は、自然の成り行きに任せていた場合には、殆ど機能しない生長チャンネルです。そのため、長い農耕の歴史において、誰も気付きませんでした。PTA理論で、初めてクローズアップされた植物が元来備えていた機能です。気付いて、手当てしなければ作動しない機能は不便かもしれませんが、しかし、それは適切な手当てをすれば、人の所作に準じて作動する機能とも見ることができ、努力次第で高めることができる機能と言えます。光合成のように「神に祈る」しかないものと違い、それなりに有意義な生長のチャンネルと言えます。

■式(6)は、光合成と有機物の吸収とが生じる部位を示しています。多くの場合には、光合成は葉緑体のある葉であり、有機物の吸収は根です。それぞれ異なる部位の機能が、植物の生長に寄与することは大変便利です。少なくとも一方の機能のための所作が、他方の機能に悪影響を及ぼすことが少ないからです。言うなれば、其々が勝手に良いと思われるようにすればよく、単純で便利です。勿論、人間の便益のために自由自在に植物を作りかえることは困難であることが多く、単に、光合成の場所と、吸収の場所とが違っている、というだけのことではあります。そして、有機物の吸収を促進するために人が努力すべきことが、「根における吸収量の増加」であり、それを促すには、根の表面積の増大、根圏における炭素肥料の濃度の維持、吸収の根源となる土壌水分の適切な維持という事柄にあることが示唆されます。

■式(7)は、其々が獲得する有機炭素の源の炭素の形態です。光合成は、炭酸同化作用と言うように「炭酸ガス、二酸化炭素」が原料です。そして、有機物の吸収では、有機物が原料です。殆どの有機物の有機炭素は、過去の光合成によって有機炭素となったものであり、その意味では有機物は光合成の名残といえます。また、生命の活動の証とも言えます。このようにして見れば、光合成は、新品の製造であり、有機物の吸収は、光合成によって生まれた有機物のリサイクルと言えます。二酸化炭素は、世界中の大気に0.03%程含まれています。なお、有機物も地球上に大量に存在し、且、光合成によって新たに生まれ続けています。

■式(8)は、原料の所在を示しています。上記にも記しました。空気中の炭酸ガスは、世界中に等しく存在します。ただ、その濃度は0.03%と希薄です。そして、作物の近傍を通過するものだけが光合成の対象となります。他方、有機物は、世界中の有機物が対象です。そして、有機物の吸収に特徴的なことは、海中とか森林、原野というさまざまな場所の有機物を炭素肥料にして圃場に持ち込めることです。有機物を捕捉し、固定し、集荷し、貯蔵し、そして、必要とする圃場へ施用できます。施用量も適宜増減できます。

■式(9)は、原料の濃度の調節です。光合成の炭酸ガス濃度を調節することは不可能ではないにしても、困難性が大きい場合が多いです。また、炭酸ガス濃度は低く、光合成で消費されると、その場所の炭酸ガス濃度は低下します。他方、有機物の吸収では、有機物を炭素肥料として補給します。通常は、播種、定植の前に施用します。施用量は、この時の施肥で調節できます。永年性作物(果樹)では、適宜、土壌に施用します。その意味では、施用量(濃度)は調節しやすいかもしれません。炭素肥料の場合には、調節というよりも、「より多く施用する」ということかもしれません。

■式(10)は原料の保存性について示しています。光合成では、光を保存することはできません。炭酸ガスも保存ができないものです。水については保存ができます。他方、有機物の吸収では、炭素肥料は保存ができます。肥料を搬送する水も保存ができます。保存がしやすいことは、予め準備できることを意味しています。栽培とは関係の無い場所や時刻に炭素肥料を準備して栽培に備えることができます。

■式(11)は原料の量を示しています。光合成のための炭酸ガスや日光や水は、ほとんど無尽蔵といえるほどの量があります。ただ、炭酸ガス濃度が0.03%と低いことが難点です。水は人為的に操作することもできます。日光については、操作できません。他方、炭素肥料となる有機物も大量に存在しています。私たちが代謝で消費するエネルギーを「0.4」とすれば、光合成によって生産される有機物は「60」程にもなり、有り余る有機物が常に生産され続けています。通常の地下資源のように採掘すれば枯渇するものと違い、家畜糞尿、食品残渣、雑草等ほとんど無尽蔵と言えるほど、次々に生み出されています。

■式(12)は原動力(driving force)について示しています。光合成の原動力は、光とされています。太陽光については、多いとも少ないともいえません。自然条件そのものです。人的に操作できることは極めて少なく、精々、遮る程度です。他方、有機物の吸収の原動力は水です。有機物の吸収は水流によって促進されます。根から葉に輸送することも水流が行います。この根から葉に向かう水流は、葉における水分蒸発(蒸散)によって齎されるものであり、蒸散が原動力と見ることもできます。その表現はどうであっても、その現象を把握していれば、炭素肥料をより多く吸収するための工夫が可能となります。

■式(13)は原動力の調節性です。日光を調節することはできません。太陽を止めたり、近づけたり、増やしたりすることはできません。有機物の吸収では、その原動力となる水流は、風や湿度などに影響されます。しかし、灌水したり、より深く耕起して根の伸展をよくして、大きな根圏として吸水量、ひいては有機物の吸収量を高めることができます。光合成における太陽光と違い、有機物の吸収における吸水の量を増すことは、状況によっては助勢することができます。

■式(14)は其々の機能が作動する時間を示しています。光合成は、昼間だけの機能です。勿論、暗反応はあるにしても、光合成は光エネルギーを獲得することであり、光があるのは昼間に限られます。他方、有機物の吸収は、四六時中いつでも機能しています。蒸散の具合などの条件によって増減はあるものの土壌に水分があれば、蒸散に伴う水流が形成され、有機物の吸収が促進されます。

■式(15)は、それぞれのチャンネルに対する人の関与の度合いです。光合成は人が関与する部分は少ないです。しかし、有機物の吸収は、ほとんど人手による所作がなければ機能が停止していると考えてよいほどのものです。このため、これまでは、何も手当てをしていないので何も機能していないといえます。所が、植物が吸収しやすい有機物(炭素肥料)を施肥し、適切な土壌水分を保持し、また、必要に応じて深耕によって大きな根圏を形成するというように、配慮すれば有機物の吸収量を高めることができます。

■式(16)は、「時」について概観したものです。光合成は、栽培期間中の圃場に照射する「今」の光が営む所作です。そして、栽培期間中に当該作物に照射した日光だけが、作物に成果となって残されています。他方、有機物の吸収は、それほど「時」を競うことは少なく、有機物は過去の光合成によって生じた有機物であり、数日、数年の過去の光合成で生じた有機物を、ゆっくりと集めて、然るべき時間を費やして炭素肥料に加工し、保管し、貯蔵し、そして、必要とされる圃場へ施用されます。そして、驚くべきことに、炭素肥料として固定された有機物は、今、ばかりか遠い未来まで保存できます。PTA理論は、光合成移転理論ともいいます。光合成を、過去、今、未来にわたって駆け巡るようにしたものです。

■式(17)は、PTA理論が農業の経営に与える影響を示したものです。慣行農法は、近未来の自然条件に成果を委ねるため、不確定要素が大きく、自然任せであり、感覚的にいえば「微分的経営」といえます。他方、有機物を吸収させることで生育を助勢することは、炭素肥料の施肥量、灌水量、耕起の深さなど様々な要素について、人が独自に決定でき、しかも、それを高めることができます。また、炭素肥料についても事前に十分な期間にわたって十分な量を準備することができます。してみると、有機物の吸収の部分は、半ば、成果に「定数」を加えるようなものであり、その意味で「積分的経営」といえます。即ち、安定性が大きく増します。

■式(18)は、主エンジンである光合成と、補助エンジンである有機物の吸収との関係を示したもので、あくまでも光合成が植物の生長の主導的な役割を担い、その上で、有機物の吸収が補助的な助勢を行うことを示しています。何故ならば、光の無い条件の下で、有機物の吸収だけで作物が生長しないためです。

(ここで、今一度、上記の式を概観すると、この方程式を眺めるだけで、作物の生長が意味することが判ります。この考えで、耕地の生産量は倍増します。)



植物が有機炭素を獲得する現象を、格別の目的もなくいろいろな観点から概観すると、これまでの植物の生育、あるいは耕種農業の姿と、PTA理論が提案するものとのがおぼろげながら浮かび上がってきます。

元より、植物の生育は生命の営みであり、人知をして推し量ることができない深遠なものであり、PTA理論では、茫洋とした植物の営みを何となく大雑把に捉え、人が為すべき合理的な所作を見出そうとするものです。

植物の営みを生業とする耕種農業においては、栽培期間中の作物の生育については格別気になるものと思われます。何故ならば、それが生活の基盤となっているからです。

しかし、これまで、作物の生育は光合成に委ねられていました。そして、この光合成に関しては、人間が関与できることは大変少ないです。

太陽を増やすことは困難でしょう。

また、自らの耕地の真上に太陽を止めておくことも難しいでしょう。

地球と太陽との距離を短くすることも難しいかもしれません。

あるいは、耕地の上の雲を消し去ることも難しいでしょう。

炭酸ガス濃度を調節して高めることも難しいです。

植物の光合成について、人間が調節できる部分は大変少ないといえます。NPKの肥料を与え、灌水をすることしかできません。

しかも、肝心の太陽光は、日中しか照射せず、増強することも調節することも難しいといえます。

このように、植物の生育、耕種農業を概観すると、驚くほど、有益な手当てが殆どないことが判ります。

植物から見れば、PTA理論は、入口を1つから2つに増やしたものといえます。

追加した入口は、人の努力で活動を始め、そして、人によって活発にできます。

他方、有機物の吸収について見ると、殆どが人為的な補助で初めて生じるといってもよいほどの機能です。

何故ならば、自然条件の下では、植物が吸収できる有機物の量は少なく、ほとんど無視してよいものです。

多くの場合、この植物が本来持っている性質を、誰も期待していません。

そして第1図は、植物が有機炭素を獲得する2つの経路を示しています。

一つは、メインエンジンとも言えるものでA:光合成であり、他の一つはサブエンジン有機物の吸収です

私たちは、これまで式(2)に示す慣行農法によって食糧を生産していました。

式(1)は、PTA理論に固有の方程式ではなく、一般式であり、これまで有機物の吸収を想定していない慣行農法がB=0という状態での特異点といえます。

式(1)〜式(18)までに示した植物の生育についてのいろいろな関係は、私たちがこれまで、ほとんど努力の甲斐がない領域に身を置いていたことが判ります。


補助エンジンの効力は主エンジンよりも大きいことがある。

PTA理論の源となった、家畜糞尿の生石灰処理とリサイクルにおいては、作物の収量が大きく向上しています。その増収の度合は品目で異なります。

これは、作物の品目によって生育の状況が異なるためです。

果菜類のように、所望の大きさになったら順次果実を収穫するものにおいては、収量を増やしやすい傾向があります。

しかし、大根やキャベツのように、根菜や葉茎菜では、予め収穫するときの大きさを想定している場合には、増収は難しいことがあります。生食用として栽培している蔬菜類では、あまりにも大きくなると商品価値を失います。

更に、稲のように、余りにも実り過ぎて茎が倒れてしまい、「倒伏」という現象で収穫できなくなることもあります。

しかし、お茶、人参、豆類、果菜類等旺盛な生育が障害になりにくい作物においては、この土壌改良資材を用いた栽培では、収量が倍増以上となっている品目もあります。(露地ナス⇒1株で300個以上の収穫、人参⇒1本1kg以上、などどう考えても、標準的な収量の2倍以上になっている品目があります。)

即ち、施用効果として標準的な収量の倍増を超える事態であり、その場合には、有機物の吸収量も大きいものと推測されます。

一般の栽培で、作物を見て、光合成で獲得した炭素であるか、炭素肥料から移行した炭素であるかを区別することは困難です。

多くの場合には、科学的な手段によるしかありません。

ただ、PTA理論は、「家畜糞尿が完全に殺菌され、その経済的な負担がリサイクルで解消され、些少の利益になり、しかも耕種農業においては多様な作物において収量の増加、食味の向上、連作障害の抑制、老木の若返り等の何らかの効果のため、処理コストを負担しても耕種農業に利用した方が便益が大きい」という現象を、できるだけ抵抗なく真似ることができる、一つのものの見方であればよく、その科学的な検証は別に委ねたいと考えています。

特に、食味が向上して単価が高くなっていることに至っては、科学的な検証では無力な主観的な事柄であり、このことが、実は最も大きな便益を生んでいることから、あまり科学的な検証にはとらわれていません。

ただ、全体として、通常の収穫量を遥かに上回る成果となっていることから、この有機物を吸収するという補助エンジンは、光合成という主エンジンよりも大きな効果を奏する場合があると予想されます。

特に、これまでは「土壌改良資材」として利用されており、その施用量は、大まかなマニュアルに規定された通りのものとなる場合が多く、大きな施用量となっていません。

ところが、「炭素肥料」という見方で施用するのであれば、施用効果は施用量で増加する傾向にもなり、全体として施用量が高まることが予想されます。

その結果として、従来よりも収量が高まる可能性があります。

特に、PTA理論では、炭素肥料の施用により作物の食味が向上し、しかも、その度合いが、炭素肥料の効果が大きく、生育が良いほど食味が向上する傾向が予測されており、食味を改善するためにも、炭素肥料の施用量は高まるものと思われます。


3.光合成移転理論における植物の生長のあらまし


上図は、慣行農法と、PTA理論との植物の生長のグラフです。

慣行農法は、栽培期間の経過とともに作物は生長します。この生長は光合成Aによってなされる生長です。このことに何の疑問もありません。

PTA理論では、作物の根から有機物が吸収され光合成によって得られた有機炭素(A)と、炭素肥料由来の有機炭素(B)との合計が生長量となります。

しかし、この時、AとBとによって大柄に生長している作物は、表面積を大きくしているために、通常の光合成よりも光合成は増えています。その増加量が緑色のCです。

作物の総合的な生長量はA+B+Cの合算です。

PTA理論で炭素肥料となる有機物は、光合成によって生まれた有機物全体を低分子量化すれば炭素肥料となすことができます。

光合成は、その瞬間の光によって営まれる刹那の行為です。仮に、太陽から光が照射されても、その光が到達した瞬間に、その位置に作物が存在していなければ、光は光合成に役立ちません。

しかも、作物に対する光合成は、耕地に降り注ぐ光だけが役立ちます。

他方、炭素肥料は、地球全体の光合成によって生まれた有機炭素、そして、地球上の全生命体の活動が対象となり、そのような有機物であれ、、低分子量化に有利なものであれば炭素肥料の原料になり、そして、耕地の作物に与えることができます。

また、炭素肥料は、未来に対して光合成を送り届けることができます。未来が豊かになる根拠です。

光合成による有機炭素の獲得は、ほぼ「標準収量」という値で示されます。

しかし、「有機物の吸収」は、「炭素肥料の施用量」、「蒸散(灌水)」、「深耕」というような要素を考慮して、作物に対する有機物の供給量を増やすことができます。

そして、最も重要なことは、「有機物吸収」に関することは、人為的に配慮しなければ、ほとんど機能しないことです。

そのことは、人が十分配慮することで、大幅に増進できる事柄と言えます。

即ち、適切な所作で、十分な成果が得られるものといえます。




4.作物の生長の推移(不作・標準・豊作等)



作物は、人間の食糧で一番重要なものです。人間は、さまざまな作物の種や苗を植えて、大きく生長した作物を収穫します。

農地に生育している作物の生育にはバラツキがあります。その原因はさまざまです。しかし、一般的には、一つひとつの生育の違いには拘りません。全体の生育状況を見て、適切な管理を行います。

多くの場合、その生育のバラツキは、分布曲線(D)によって表現できます。さらに、この分布曲線(D)は、累積分布曲線(C)として表現することもできます。一方の曲線を示すことで、他方の曲線を誘導することもできます。

このため、必要に応じて、いずれか一方を示したり、双方を示したりします。

栽培の経過を、初期、中間期、収穫期というような見方もできます。ただし、根菜類、果菜類、葉茎菜類、永年性作物、穀物などさまざまな作物があり、一概に表現できないかもしれません。しかし、作物が、小さい状態から、徐々に生長して、最終的には食物に適した状態になる経過については違いはありません。

ここでは、判りやすいように、「人参」を想定して、その生長の過程を概観し、人間の所作との関係を概観します。


さて、次の図は、ニンジンが生長する過程を分布曲線Dと累積分布曲線Cで示しています。横軸は、根の重量か全体の重量を示しています。縦軸は、その割合を示しています。

人参は、最初の時期には全ての株の重量は小さいです。しかし、それでも圃場全体について見れば、株の重量には差があり、その分布曲線や累積分布曲線は図のように示されます。勿論、この曲線は、実測したものではありません。

そして、栽培が進行するに従い、人参は生長して大きくなります。全体に重量が増しています。このため、グラフにおける曲線の位置は、より重い重量の側に推移しています。

そして、収穫時期になると、その重量は更に重くなります。

農民は、このような農作業について長い年月の経験から、標準的な収穫量を把握しており、その収穫量から予想される必須養分元素の物質収支を勘案して、過不足のない肥料を供給しています。

この図は、ごく普通の栽培について全般的に適用される図です。




次の図は、肥料を与えないか、意図的に削減して、収穫量を減少させた例を追加して示しました。

青い曲線は、標準的な栽培で、標準的な収量となった場合です。

肥料が欠乏した時の曲線を赤い線で示します。ただし、この図では、分布曲線Dを省略しています。累積分布曲線Cだけで、作物の生育の進行状況が把握できるからです。

肥料を減じた不作になる赤い線の推移は、標準的な推移の青い線よりも「遅く(軽く)」なります。そして、最終的に収穫される人参においても、青色の標準収量と、赤色の不作の収量とでは違いが生じます。

この標準的な収量の曲線(青色)と、不作の時の収量の曲線(赤線)との違いについて、格別認識に誤りはないと思われます。

この図の曲線から、人間が肥料を与える所作は、赤い曲線を青い曲線に近づける行為と見ることができます。

一般的に、NPKやそれ以下の含有率の必須養分元素の施肥量は、想定される収穫量を上回る豊作にも対応できるように、多めに施肥しています。このため、これらの必須養分元素の不足が作物の収穫量を制限する要因になっていることは考えられません。即ち、標準的な収量とされる収穫量は、それぞれの耕地における日照条件や降水条件など自然条件によるものと思われます。このため、今の先進国の農業では、人為的に出来る努力は殆ど残されていません。




次の図は、豊作の状態を追加したものです。

標準的な収量を青線で示し、それに対して、豊作になった場合の曲線を黒色の二重線で示しました。仮に、ニンジンの育ちが良くて、豊作になるとすれば、初期の段階から個体重が大きく、そして、その傾向が続いて、大きな収量の差となるものと思われます。この段階では、豊作になる理由は特定していません。

PTA理論では、有機酸カルシウムを主成分とする土壌改良資材を用いた栽培において、品目を問わず大幅な増収になっている現象を解釈するために、低分子量有機物が作物に吸収され、同化されている、と想定しています。

即ち、収量が多く、豊作の年の状態としては、植物に吸収される有機物を炭素肥料として供給することで再現できると考えます。

このため、図における「豊作の年の収穫(黒色の二重線)」は、「炭素肥料を施肥した栽培」と置き換えることができます。




この4番目のグラフは、標準収量(青色)と不作の収量(赤色)と豊作の収量(黒色二重線)との最終的な収穫期における分布曲線と累積分布曲線を示しました。

そして、これまでNPKなどの肥料を施用している理由は、赤線の不作の状態を、青線の標準的な収量に引き上げる努力であることが判ります。しかし、NPKあるいはそれ以下の必須養分元素を大量にっ供給しても標準的な収量である青線を越えることはできません。それは、日照や気温などその他の要因が制限要素となっているためです。今日の栽培では、土壌分析や過去の栽培実績を豊富に蓄積しており、NPKのような肥料成分が不足するような栽培は考えられません。過去のどのような豊作が再来してもNPKやその他の肥料成分が不足することのないような施肥設計がなされています。


他方、豊作のような収穫量が多い状態は、誰でも希望する状況であるものの、その術は知られていません。PTA理論では、炭素肥料を施肥することで、作物が吸収によって有機物を獲得し、光合成による有機炭素の獲得と併せて、作物が旺盛に生長すると考えます。このため、作物における有機炭素と言う見方をすれば、標準的な生長曲線(青線)に対して炭素肥料からの有機物が加算されて栽培が促進されると考えます。そして、作柄が大きくなれば光合成のための受光面積や葉緑体が増加して、標準的な栽培よりも光合成量が増えることが考えられます。炭素肥料に由来する有機炭素と大柄になったために増える光合成量とが相まって加算され、作物は大きく生長すると考えます。

即ち、PTA理論による炭素肥料の供給は、生長曲線について見れば、標準的な生長曲線をより旺盛な生長となる方向に移動させることになります。

これまでのNPKを中心とした肥料の供給は、実は、それぞれの耕地における標準的な収量を確保するためのものといえます。

そして、PTA理論による炭素肥料の施肥による栽培は、標準的な収量を高めるように作用するものと言えます。


また、炭素肥料の原料は有機物であり、膨大な量の有機物が日々生産されており、吸収によって耕地の生産性を倍増させることも不可能ではありません。


この作物の生長曲線に関する、PTA理論の見方は、ニンジンを例に示しています。しかし、炭素肥料による生長の促進を、炭素肥料による作物全体の増収と考えることもできます。即ち、所定の炭素肥料原料がどの程度の作物の増収になるかを推測することも可能です。

累積度数分布曲線のいろいろな見方


累積度数分布曲線は、何か難解そうな数学を思い浮かべますが、作物の生長の波と見ることもできます。

横軸の意味を置き換えると、様々な姿が浮かびます。

それぞれの耕地、其々の作物、或いは、肥料と食糧生産全体の関係まで示唆されます。

そして、最も重要なことは、私たちの周囲には、いままで利用されていなかった有機物資源が大量に存在し、それを炭素肥料とすることで、黒色の曲線を人間の努力によって堅実に右側へ移動させることができることです。

そして、その移動量は、品目によっては、従来の耕地の収穫量を2倍以上に高めるほどです。

更に驚くべきことは、次の項目で示唆されます。

PTA理論で広がる領域は、作物が美味しく、付加価値の高い農産物であることが示唆されます。

PTA理論による増産は、単なる増産ではなく、現下の農産品から似て非なる美味しいものの創造になります。

即ち、PTA理論を利用しない、(炭素肥料を利用しない)栽培では、食材としての価値を失いかねないことになります。

それは、今の国産米と、外国産米との違いにも等しいものと言えます。

横軸の意味
赤線の意味
青線の意味
黒線の意味
備考
人参の個体重量 生育の悪人参 標準的な生育の人
生育のよい人参 1本の人参の大きさの大小
人参の収量 不作の人参 平年作の人参 豊作の人参 人参畑の出来、不出来
作物全体の収量 NPKのない昔の農
業収量
今の農業の収量 PTA理論が目的とす
る栽培
生産性の時代の推移
作物全体の生産 昔の農業の生産 NPKの効果による増
炭素肥料が目的とす
る増産
肥料の効果と結果
肥料資源と食糧増
肥料を使用しない NPK資源による増産 有機物資源(糞尿
等)による増産
増産には、対応する資源が必要。有機廃物は、成分に応じて作物に転換できる。糞尿や食品残渣の量から、耕地の生産に加算できる増産量が推測できる。即ち、食糧のマクロ解析に利用できます。

光合成バイパス理論は、有機物を適正に調製して炭素肥料とすることで、作物の生長を大きく助勢するものです。作物に吸収された有機物は効果的に作物組織として利用されるものと推測されます。ただ、これまで光合成バイパス理論のような見方が無いために、さまざまな物質や作物の元素分析や熱量分析が少ないために、「炭素肥料」「炭素肥料の原料」「作物の増産効果」などの精度の良い予測は今後の調査に依ります。


5.驚くべき現実:個体の大きさによる価格の違い:大きいものが美味い。高い。


作物の価格は、作物の大きさで異なる場合があります。図は、リンゴとラフランスの通信販売のデータに基づく個体の大きさと重量価格です。無作為に抽出した少数の値です。送料や梱包費も含まれている値段です。それらを補正する術がないので、消費者における便益と考えてください。

しかし、いずれも大きな玉の果実ほど、重量当たりの価格が高くなっています。大きいものが安くなるものは一つもありません。

PAT理論では、作物の生育を促進することを意図しています。何故ならば、収量が大幅に増加し、また、美味しさが向上している栽培を見て、その現象の解釈として想到したものがPTA理論であり、その真似をすれば収量は増え、美味しさも増します。

そして、PTA理論とは無関係に、実体経済の下では、個体重量の大きな果実がより高い重量単価で流通していることが判ります。このことは、PTA理論が推奨する炭素肥料を利用した栽培が、作物の生長を促進して、より売上が多くなることが期待されます。

因みに、炭素肥料を用いた栽培では、通常の肥料の代金の3〜10倍もの費用を炭素肥料に投じています。その背景には、生育が良くて作柄が大きな作物は、食べても美味しく、高い値段で流通している、というものがあるように推測されます。


どのような場合であっても、信頼性の高い検討のためには、信頼性の高い要素を積み上げて検討します。農業の場合は、売上は「収量×単価」によって決まります。収量は、客観的に計量できる要素で信頼性が高いといえます。しかし、この図から明らかなように、農産品の価値は「単価の高さ」にあります。そして、単価は、主観的な尺度である食味によって決定されます。

このように、農業はち密な作業を積み上げて成り立っていますが、最終的な良否の判断は「食味」という主観に委ねられています。そして、食味を高めるための堅実な手法というものは定説がありません。


PTA理論は、植物の生育に、有機物の吸収という経路を付加し、生育を増進させ、収量を高め、同時に、食味を改善しようとする農業の取り組みです。

一部の農産品の作柄(大きさ)と重量単価を見ると、大きいものほど高くなっており、言い換えれば、美味しくなっていると推測されます。

即ち、PTA理論が示唆する栽培では、収量の増加と共に、美味しさの向上による付加価値の上昇が期待されます。



C+NPKのマークが意味するもの

PTA理論のあらましは、このマークで表示されています。NPKはこれまで主要な肥料として耕種農業の中心的な役割を果たしてきました。

しかし、PTA理論の考え方では、「炭素」が主要な肥料要素として追加されます。その度合いは、マークが示す通りです。

このマークを思い出すだけで、PTA理論の概要が理解できます。

なお、PTA理論で重要な役割を演じている物質は、「ATP]です。


たったこれだけ。


今、全ての資料・文献には「植物は光合成によって炭素を獲得し、・・・」と説明されています。ところが、吸収で光合成以上の炭素を獲得できます。

いままで、誰も利用していない機能です。吸収は、肥料を与えなければ機能しません。肥料を与えないので沈黙していた機能です。

植物は、動物と違い、鳴いたり、叫んだり、動いたりしません。来た餌を吸い取るだけです。

炭素肥料を与えないので、働かなかっただけのことです。「壮大な見落とし」です。

吸収は、過去の光合成で生まれた有機物のリサイクルです。目に見える有機物は、炭素肥料の原料候補です。光合成の全てが食糧に誘導できる恐ろしい理論です。

有史以来、太陽は天空で燃え続けても・・・石炭や石油ならとうの昔に燃え尽きているはずのものが、煤や燃えがらの始末に困っているはずのものが、・・・長年気付かず・・・「相対性理論で、長年燃え続けている」と判ったのは、つい最近です。


光合成移転理論(PTA理論)の簡単な姿


植物は、元来、2つの生長エンジンがあり、完璧に見落としていたのが「吸収」のエンジン。有機物を低分子量にすれば、どんどん吸いこんでリサイクルする従順な補助エンジンです。

光合成のメカニズムをバイパスして、光合成産物を有機物のまま再利用します。

炭酸ガスから有機物を合成するよりも、有機物を吸収しやすい低分子量にする方が遥かに簡単です。



光合成移転理論(PTA理論)の簡単な姿

大きな有機物と小さいな有機物が織りなす世界


大きな有機物は、吸収できません。しかし、小さな有機物にすれば植物も吸収できます。大きな有機物の実体組織は、実は、小さな単位の有機物を繋ぎ合わせただけのものです。結合の順番が少し違うだけで多様な生命圏を描き出しています。小さく分解すれば、意外と単純です。もっと小さくなれば、元素になります。

元素まで小さくしなくても、手ごろなところで分解を止めて、植物に吸収させると、遺伝子がそれなりの用途を見つけて利用します。エネルギーはATPが自由自在に準備します。「体内の有機物」と言うだけで、仲間入りができます。

糞尿をそのまま施用したり、堆肥として施用しても、ほとんど有機物として吸収されません。従来の堆肥を使用する栽培では、有機物の吸収は想定されておらず、無機化の時に解放されるNPK、その他のミネラル成分が作物に吸収されると考えています。

PTA理論の「有機物の吸収」を、「堆肥の施用」と同列に考えるのは大きな間違いです。堆肥の状態の有機物は殆ど作物に吸収されることはありません。

同じ家畜糞尿を、堆肥化して利用する時には、そこに含まれるNPK等の肥料成分量相当の価値を想定します。しかし、その糞尿を生石灰処理して、炭素肥料とした時の資材の価値は堆肥よりも遥かに高額です。これは約30年に亘って続いている実績です。おそらく10倍以上の差になっています。何れも耕種農業において圃場に施用する資材です。その価値は、生産の手間賃ではなく、「施用効果の違い」によるものです。即ち、同じ物質が、加工手法の違いで10倍以上の価値(効果)の違いが生じています。

このことから、PTA理論を実践するために堆肥や有機配合肥料を施用しても殆ど意味が無いといえます。

そして、PTA理論が示唆する栽培では、堆肥や有機配合肥料は炭素肥料と併用できない資材となっています。



「有機物の吸収」という文言から、堆肥や有機配合肥料あるいは有機液肥などを思い浮かべる人が多数いるかもしれませんが、それは明らかに異なることを、明確に記しておきます。それは、当サイトの慣行農法の範疇です。


家畜糞尿を堆肥として利用する時のNPKの価値と、同量の糞尿を生石灰処理し、低分子量化して炭素肥料として利用する時の効果の違いを簡単に例示します。

これは、当サイトの別の項で検討したもので、搾乳牛1頭の1日の糞尿(糞40s、尿20s)がそのまま採取できたとして、大よその計算をしたものです。

糞尿の生石灰処理費は約1500円、その生成物約36kgの大よその売価は2000円(2007年)程度と見込まれます。(下の棒グラフの青棒)。尚、糞尿の推定有機物量から見込まれる発熱量は約30,000kcalであり、この熱量の灯油、電力、都市ガスの値段を併記しています。これは、糞尿のバイオガス発生、バイオガス発電が全ての効率を100%として計算した時の理論上の上限の価値に相当します。

多くの場合では、メタンガス化の効率60%、発電効率30%を超えることはなく、また、NPK等の肥効成分の価値は「肥効価」として220円程度と見込まれます。また、農産品の価格は、可食部の熱量から計算したもので、糞尿の熱量が100%、其々の作物の可食部へ転換した時の価格です。可食部の割合の補正、吸収効率の補正、糞尿中の有機物で低分子量化できない成分の割合、等は考慮していません。

このグラフは、家畜糞尿の堆肥化とPTA理論の「有機物の吸収」とが、経済的な側面から見て全く異なっていることを示すために例示しました。

即ち、有機物の吸収を促進するために堆肥を施用しても殆ど意味を為さない、といえます。適正に低分子量化したものでなければなりません。

糞尿も、よく見れば、大きな利益が隠れている
価値の低い処を狙って利用している傾向がある。


摩り下ろしただけで美味しく飲める人参

糖度が9.5度、個体重300g〜1.5kg(25cm〜)と大きなPTA理論の人参。

包丁で切っても割れずに切断できます。糖度の高い人参の特徴の一つかもしれません。


■ 殆どの作物が猛烈に生育し、収量が倍増を超えるものもあり、しかも美味しい

■ 糞尿を生石灰で殺菌した残渣を追加するだけ

■ 農産物の増益は、糞尿の殺菌経費を遥かに上回り

■ 驚くべきことに【「従来の耕種農業」+「従来の畜産」】の創造価値を上回る程の増益効果を齎している。

 この信じ難い現象の背景には、「作物が光合成ばかりでなく、有機物の吸収によって生長していた」という今まで想定していない現象が作用していた。

 驚くべきことに、このことは、植物が、本質的に「新しい有機物を合成して生長する(光合成)」の他に「古い有機物を再利用する(吸収)」という、「創造」と「再利用」との2つの経路を兼ね備えていたことである。

 私たちは、膨大な有機物を食糧に転換する術を得たことになります。それが糞尿でも、炭素肥料を経て施用することで糞尿の成分が作物体になります。

 今の光合成を増加することは難しくても、今の耕地の生産性を倍増以上することは簡単にできます。

■ おそらく、有史以来の最大の見落としかもしれません。

■ 植物が有機物を吸収することは、光合成をバイパスして光合成産物を獲得することです。作物は簡単に旺盛に生長できます。

■ 今の耕地で、食糧を倍増することは簡単です。

■ 今、一人1000uを超える耕地を食べています。それが半減することは、農業が無駄に広大な土地を占めていたことになります。

■ 広大な余剰耕地は、社会を根底から書き換えることになります。再生可能なエネルギーで文明を維持できる見通しも出てきました。


「有機物の吸収」「炭素肥料」は経済的に成り立たない、とする見方

施肥の増幅率<<1・・・:作物より肥料が重い??

【そもそも、肥料は微量を施肥して、大量を得るもの】

作物の値段は最も安いものであり、大根1本の生産者価格は20円、30円の世界であり、高い資材は使えない、とする見方が支配的です。それゆえ、肥料は僅かな量を施肥して、大量の作物に育てるようになっています。

【思い切って、計算すると】

ここでは、窒素をを取り上げて、肥料の重量と作物の重量とを概観します。作物に占める窒素の重量は乾量基準で1.5%とされています。また、大雑把な作物の水分は92%です。1kgの窒素は、(1÷0.08÷0.015=833s)と、約833sの作物体となります。1kgという僅かな目方が800倍以上にも増幅されます。

仮に炭素で概算すると、乾量基準で45%と見込まれ、同様の計算をすると(1÷0.08÷0.45=27.8s)となり、25倍程度の増幅です。植物体に占める炭素の割合が高いために、炭素を肥料と考えると、増幅率は大変低くなります。炭素は光合成でタダで獲得できる元素であり、それを施肥してもほとんど意味を為さないと考えられます。

この25倍と言う増幅率は、作物全体であり、「可食部」を考えると更に低下します。品目にもよりますが、30%程度が可食部になるものもあります。ここでは、30%と仮定して計算すると、炭素1kgは8.3kgの作物となります。僅かに、8倍の増幅率です。

また、作物が吸収する炭素は、炭素の粉末ではありません。有機物です。有機物には炭素原子の他に、酸素原子や水素原子が含まれています。実際に、糞尿の生石灰処理で最も多量に生成される酢酸カルシウムを考えると、その有機物は酢酸です。分子量60の酢酸には炭素原子が2個含まれており、炭素の含有率は40%です。吸収される有機物が酢酸と仮定して計算を進めると、(8.33×0.4=3.3kg)、酢酸1kgの炭素は作物3.3sに転換されることになります。酢酸の作物への増幅率は3.3倍となります。肥料の増幅率としては異常に小さい値です。1kgの酢酸が僅か3sの作物にしかなりません。直観的に考えても、計算しても、炭素肥料や有機物の吸収が、経済的に引き合うものとは思えません。

台所の酢酸は3%程度の濃度です。それでも十分臭い液体です。実験室では30%の濃度の酢酸が利用されています。無水酢酸は特別な実験の場合です。30%の酢酸で考えると、倍率は更に低下します。(3.33×0.3=1kg)。このような計算では、実験用の30%酢酸であれば、1kgの酢酸が1kgの作物となります。その増幅率は、「1」です。一般的には、作物の値段よりも酢酸の値段が高いことになります。

この他に、雨水による流亡や生育の分布による不良率を加味すれば、大雑把にいえば、炭素肥料とは、肥料の施肥重量よりも、収穫物の重量が少ないという、恐ろしく効率の悪い肥料と言えます。

また、重量面でも効率が悪く、おそらくは、経済的にも優位とは思えません。

「炭素肥料」「有機物の吸収」を耕種農業に取り入れることの意義がない、とする見方の基礎となる考えは以上のようなものかもしれません。ただ、「炭素肥料」も「有機物の吸収」も、それによって作物の増産を意図する栽培思想そのものが無かったので、それを否定する栽培思想も無かったのかもしれません。

しかし、当業者であれば、この程度の計算は瞬時に完了して、答えを導き出しているものと思われます。

【一般的な常識で検討すると、「炭素肥料」「有機物を吸収で与える」という光合成バイパス理論は次のように言えます】

■ 収穫される作物よりも、肥料の目方が重いという非常識な所作である。

■ 収穫される作物よりも、肥料の値段が圧倒的に高い。

■■ このことから、光合成バイパス理論、光合成移転農法、というものの考え方は、明らかに間違っている。

作物よりも肥料の目方が重い肥料など、常識では考えられないことです。

炭素肥料・光合成バイパス理論を否定する論拠です。


ブレークスルーは、いつも常識を打ち破ってもたらされます。
常識による否定の壁が高く、厚いほど、価値が高まります。


エネルギー肥料としての計算:経済的に成り立ってしまう!!

【ともかく、エネルギー肥料で計算してみる】

上記の計算では、「30%酢酸1kgで最大でも1kgの作物が収穫できる程度」という炭素肥料の栽培の様子が窺われます。一応、これに基づいて計算を進めます。

この酢酸には、300g・5モルの酢酸が含まれており、その理論的な燃焼熱は、207.6×5=1038kcalと見込まれます。

リンゴ可食部の熱量を50kcal/100gとすれば、酢酸1kg(30%)はリンゴ2kg程度のエネルギーと等価となります。このことから、30%酢酸1kgは最大でもリンゴ800g程度に転換される可能性はあります。リンゴの生産者価格は1kg240円程度であり、酢酸1kgはリンゴ190円程度になります。(作物は何でも良いですが、リンゴのカロリーが50kcalと計算しやすいため引用しました)

リンゴ190円の売上増のために、酢酸1kgを施用することは通常では考えられません。実験室用の試薬の酢酸は500gで1000円ほどの値段です。酢酸2千円で、190円のリンゴになります。これでは、肥料としては役立ちません。

■ 約1000kcalのエネルギーの供給で、最大限、リンゴ800g(400kcal)・約190円の増収が期待できる、と要約できます。

■ しかし、30%酢酸1kgの値段の方が遥かに高い、と思われます。

【搾乳牛の糞尿(1頭・1日分)の生石灰処理では】

上記の搾乳牛の糞尿の生石灰処理では、60kgの糞尿には約30,000kcalの熱量があり、殺菌処理の後、約33kgの炭素肥料となります。

炭素肥料(処理残渣・固体粉末)1kgには約900kcalの熱量が移行しています。

低分子量有機物に移行しやすい蛋白質と核酸の割合を60%とすれば、炭素肥料1kgのエネルギー肥料としてのエネルギーは540kcalです。

上記の計算では「30%酢酸1kgの熱量は1038kcal」です。大凡、炭素肥料2kgのエネルギーと等価です。

このことは、炭素肥料2kgが、リンゴ800g=190円を生み出すとみることができます。勿論、計算上です。

炭素肥料は、¥2000/33kg程度の価格で販売されています。即ち、炭素肥料2kg=120円。

2s120円の炭素肥料(エネルギー肥料)によって、リンゴ800g、190円の増収を達成できる、と換言できます。

そして、驚くべきことに、肥料:増収量=2s:0.8kg=1:0.4・・・と肥料の目方の4割が作物の目方です。

そして、原料の糞尿からすれば、糞尿の約20%の作物の重量となります。

日本では、毎年8800万トンの家畜糞尿が発生しています。約1700万トンの作物の増産になります。

このように計算を進めると、炭素肥料は計算上、耕種農業において増益に貢献する可能性が生まれます。

勿論、家畜糞尿の生石灰処理が長年様々な栽培で激しい増益効果を齎している現実を見て想到したのが炭素肥料であり、光合成バイパス理論であるため、その試算が「栽培に利益をもたらす」という結果となることは当然です。決して不思議ではありません。

しかし、おそらく、当業者の誰もが「炭素肥料など有り得ない」「糞尿を完全殺菌してリサイクルして利益が出る訳が無い」と思っていたものが、大雑把な計算であれ、「炭素肥料は増益に効果がある」とする計算が成り立ち、実際にも激しい増益となっているのであれば、私たちは、農業の見方を根本的に改めなければなりません。

■ 畜産: 「肉乳卵よりも、糞尿を殺菌したものに巨額の価値がある」「肉乳卵の売上の半分を費やして糞尿を殺菌する」、およそ当事者には信じ難い現象が30年も続いています。それでいて、糞尿処理で些少の利益になる、ということは益々信じられない現象です。しかも、リサイクル全体で見たら、肉乳卵は捨ててもよい位の現実があります。そのことが、理屈の上でも成り立つということが判りました。家畜糞尿を未処理で捨てること、価値の低い用途にリサイクルすることは極めて勿体ないことです。

■ 耕種農家: NPKの肥料代の3〜10倍ものお金を土壌改良材に使い続けている栽培があります。水稲、蔬菜類、果樹、花卉、樹木など殆どの品目です。毎年、土壌改良資材を使い続けるのは、土壌改良が為されていないかもしれません。そのような効果のない土壌改良材に多額のお金を使っている生産者がいます。土壌改良材を止めれば、普通のNPK化学肥料による栽培です。厳しい経営環境の中で、NPK資材費の3〜10倍も使い続ける理由が判りません。しかし、当サイトの見方であればよく理解できる所作です。

■ 炭素肥料・エネルギー肥料・光合成移転・光合成バイパス・光合成リサイクル: 土壌改良資材ではなく、炭素肥料と考えて検討すると、作物の生育や美味しさの創造などスラスラと自然の理が見えてきます。そして、不思議な、都合のよい現象が、自然現象としてよく理解できます。収穫する作物の目方よりも、肥料の目方が重い、そんな肥料は、肥料と言えないかもしれません。

■ 肥料の目方が作物の目方より重い: 「炭素肥料」なら、肥料の目方より、作物の目方が小さくなります。実際にその通りです。しかし、現実には肥料と作物の目方ではなく、『購入費と増益との金額の違い』で比べる事柄です。それであれば、算盤が合うので、高額な費用を負担し続けているのでしょう。計算上も十分見合う勘定です。

■ 糞尿が一定の比率で作物になる: 全体として見れば、糞尿や野菜屑が殺菌されて、一定の比率で作物に転換されています。糞尿の殺菌費用と作物の増産額とを比較すると、余りにも増産額が大きく、畜産が産業として霞んで見えます。

● 糞尿を殺菌した処に楽園が広がっていた。計算上も、現実もそのようになっている:最早、家畜糞尿は生石灰処理によるリサイクルへ突き進むしか選択肢はありません。光合成バイパス理論からすれば、そのようにハッキリと道筋が見えます。

炭素肥料・有機物の吸収は、計算上も現実的にも経済的に成り立つ自然観と言えます。

この計算から、そして、この現実から、家畜糞尿を完全殺菌することで炭素肥料が生まれ、

炭素肥料は安い作物を増産することに役立つ、と言えます。

そして、「糞尿は完全殺菌することで、利益を生み出す」

「炭素肥料を使うことで、耕種農業は増産が可能となる」等

PTA理論が提案する様々な、浮世離れした事柄が全て正当なものであることが判ります。

世界中の家畜糞尿が、経済的に作物に転換できることが確定したといえます。


収量が倍増することは、売上が激増すること

炭素肥料(エネルギー肥料)による増収効果があまり大きくないことが計算上理解されます。実際に畑や果樹園での施肥量は1〜3t/反という大きな値です。また、作物の標準収量は、これに近いかもしれません。即ち、場合によっては、収量が倍増に近い増収が期待されるものもあります。下の図は、果樹・西洋梨(ラフランス)の通信販売のカタログの一例です。1個の目方が重いものの重量単価が高くなっています。仮に、果実の個体重が250gから500gになると、重量単価はキロ500円から、キロ1500円と3倍にもなります。

上記の計算で、炭素肥料による増収効果は「増幅率」として見れば殆ど「1以下」と低いものですが、しかし、そうではあっても、価格面では十分安価であり、且、増収による効果は単純に売上額が増加するのではなく、単価の上昇が伴うことがあります。この場合であれば、単純に計算すると、収量が倍増することで、売上額が6倍になることが判ります。

有機物の吸収による、作物の生育の促進は、多くの場合に食味の向上による単価の上昇があり、結果的に、大幅な売上の上昇となっています。

  

大きく育った作物は重量単価が高い
これは、其々の作物を知り尽くした生産者でなければ気付かない

炭素肥料で生育を促進する経済的な意味合いは極めて大きいものがある