PTA法(ドッサリース農法)


第12章作物の美味しさについての一考察

PTA法から見た作物の美味しさ



最終訂正日:2011-01-26 

第12章 作物の美味しさについての一考察

農産物の美味しさの違いが、その値段に大きな差となって現れています。

この章では、美味しさの違いは何故なのか、どうすれば美味しくなるのか、を概観します。

ゲストブックにコメントをお寄せいただくことができます。500文字の制限がありますが、長いものは、分割してご利用ください。


【農産物の値段の違い・・・説明がつかない現実】

米・野菜・果物などさまざまな食材について、高い値段のものと安い値段のものがあります。勿論、日頃見慣れた光景です。

幾つかのものについて、普通の値段と高い値段のものの凡そを例示します。これ以外の商材においても、同様に単価の違いがあります。

   メロン     : 400円〜10,000円    (1個当り)

   米       : 60円(外米)〜1,700円  (1kg当り)

   リンゴ    : 80円〜2,000円       (1個)

   ダイコン   : 78〜500円         (1本)

   ほうれん草 : 390〜1,500円       (1kg当り)

   ワイン    : 500〜1,000,000円    (1本当り)

   日本酒   : 900〜10,000円       (1.8〜2リットル)

勿論、この値段は厳密なものではありません。しかし、日頃見慣れた値段、或いは、聞き慣れた程度の値段だと思います。

この値段の違いにはそれぞれ理由があるのでしょうが、しかし、その製造原価に大きな差があるとは思えません。

また、ほぼ同じような作業を積み重ねて生産される商材に、このように大きな差が生じることは大変な驚きです。

そして、更に驚くべきことは、この高い値段の商材を購入して、利用する人達が「喜んでいる」という現実です。

常識で考えれば、より安価なものを入手して、利用(食べる)することこそが喜びと思えるのですが・・・

上記のどの商材であっても、栽培に工夫し、生産量を倍増することはほとんど不可能と思われます。

しかし、単価の差は「現実的な収量の差」に比べれば価格の差は遥かに大きいものとなっています。

ここでは、単に、同様の商品において大きな価格の違いがあることを、身近な商品で例示しました。

なお、これらの生産者は、何れも一番高い水準のものになることを望んでおり、また、そうなるべく日々努力を重ねています。それは間違いのないことです。


【PTA法(光合成移転農法)で食味の改善が顕著になってきた: 瓢箪から駒 】

PTA法(光合成移転農法)は、最初、家畜糞尿の処理とリサイクルとを意図したものであったと思われます。

家畜糞尿には、さまざまな感染性病原体が含まれる可能性があり、衛生的な処理が望まれます。

また、その処理残渣が利用できるとすれば、恐らく、圃場に限られます。

そして、耕地では土壌pHが酸性に傾く傾向があり、また、カルシウムが流亡によって失われる傾向にあることから、石灰の補給が恒常的に行われています。

家畜糞尿も石灰も耕地に補給されるものであれば、その石灰を「生石灰CaO」の形態で家畜糞尿と混合して殺菌に利用し、その混合物を耕地に補給するという考え方には、一つの合理性が認められます。

実際には判りませんが、家畜糞尿と生石灰とを混合して、そして、圃場に補給されることは、従来の家畜糞尿の圃場利用、石灰の圃場への施肥からすれば、格別な意味合いを持つものではありません。

しかし、驚くべきことに、収量が劇的に向上し、また、食味の変化が著しく、平易に言えば「美味しく」なりました

他に、連作障害の抑制、或いは、老木の若返り、というような効果もありますが、ここでは「収量と食味」について限定して考えます。

肥料や土壌改良資材には、それ相応の目的があって製造されています。

窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムというような肥料要素は、収穫や流亡によって圃場から失われる成分を補完する意味で施肥されます。

土壌改良資材は、土壌環境を栽培作物に適したものとするための資材です。

施肥設計は、土壌分析を参照して圃場の要求する成分量を、如何に安価に補充するかを算出するものです。

そして、従来の施肥では、「食味を変える」「美味しさを高める」という観点での施肥は為されていませんでした。

勿論、生産者一人ひとり、或いは、生産グループでは「美味しさを高める」という意思を持って日々生産に取り組んでいることは事実です。

しかし、美味しさを高めるための標準的な資材、あるいは、定説というものはありませんでした。

ただ、家畜糞尿や植物残渣に生石灰CaOを加えて殺菌分解した時の残渣を土壌改良資材として利用することで、安定的に美味しさを高めることができることが判り、その美味しい野菜や果物が、美味しさゆえに高い値段で販売されるようになり、かなりのことが判ってきました。

即ち、安定して美味しい農産物を収穫できることで、美味しさを生み出す所作が判ってきました。


【従来の美味しさを高める手法】

ここで、従来から行われている美味しさを高める手法について概観します。

勿論、それ以外のものも多数あり、極論すれば、全ての生産者の全ての所作がそうだ、とする見方もできます。あくまでも代表的なものだけです。

1) メロン: 隔離床で栽培し、1株から1個の果実を育てて収穫する。

2) 米  : 株間を広げて、1株毎に大きく生長させ、大きな稲穂とする。(しかし、実り過ぎると倒伏で壊滅する危険性があります)

3) ミカン: 海に面する南斜面を利用し、海面の反射光を利用する。また、摘果する。

4) リンゴ: 摘果する。また、地面に反射シートを敷いて、光の照射を増やす。

これらの所作を概観すると、収穫物により多くの光(あるいは、光合成産物)を与える、という見方ができます。

これらの所作は、多分に長年の経験から生み出されたものと思われますが、ほとんど共通した結果となっています。

そして、また、天候が良ければ、豊作で美味しい、という言い伝えもあります。


【PTA法(光合成移転農法)は、有機炭素の供給により、生育の負担を軽減させ、ブドウ糖濃度を高める??】

ここで、最初にPTA法(光合成移転農法)の美味しさに関する見方を示します。

1) 作物が生長する理由は、光合成産物(ブドウ糖)が産生され、体内濃度が高まるため、と推測しています。

2) ブドウ糖の体内濃度が高いほど、旺盛に生長するものと思われます。

細かく見れば、代謝を駆動する物質はATP(アデノシン―3―リン酸)です。ATPはあらゆる生命に共通のエネルギー通貨として作用し、所望の反応に不足するエネルギーを付与します。このATPを生みだす原料物質がブドウ糖であり、ブドウ糖1モルから38モルのATPが生成すると考えられています。

旺盛に代謝が推進されるにはATP濃度が高い状態が望ましく、そのためにはブドウ糖濃度の高さが必要になります。化学反応では、反応剤の絶対量の多少よりも、反応剤の濃度の高低が意味を持ちます。

旺盛に生長するには、代謝が活発である必要があり、ATP濃度が常に高い状態が望ましいです。

そのためには、ブドウ糖濃度が高い状態が望ましいといえます。

3) このため、大きく、旺盛に生長した作物ほど、その背景にはブドウ糖濃度が高く、美味しいものとなっているものと思われます。

4) 一般的に、ブドウ糖濃度を高めるには活発な光合成を行えばよく、日照が豊富で、生育条件が整っている風土が望ましいと言えます。

背景の石垣に光を反射させたり、地面に反射シートを敷いたり、あるいは、海面からの光の反射を利用したり、「格別に美味しい」とされる作物の産地には、光を豊富にする何らかの所作が伴っている場合が多々見受けられます。

このような所作は、PTA法の考え方からも十分に納得できるものがあります。

5) 多くの場合、日照も、生育条件も自然任せで、人為的には操作できない因子と考えられています。勿論、野菜工場は別ですが。

6) 作物は、ある種の有機物を直接吸収して同化することが報告され、この場合、同化で消費されるATPが少なくて済むことが予想されます。

しかし、どの程度のATPの軽減になるかは、科学的な検証がなされていません。

それは、作物に吸収される有機物の種類の多さや、分子内における位置によって挙動が異なることが予想されること、さらに、植物の種類によって異なること、加えて、それぞれの生育段階によって有機物の同化の具合が異なるかもしれないことなど非常に複雑な問題が予想されるためです。

加えて、計測する化学種が炭素となれば、代謝の推移を計測する手段が極めて高額になものになるためです。

仮に、放射性核種を利用すれば、膨大な量の放射性廃棄物の発生を伴います。安定同位体を利用するとなれば、栽培の環境を整えるために大変な設備となります。

このため「炭素肥料」という概念は言うのは簡単でも、検証することが大変なものといえます。

7) ATPは、ブドウ糖から生成される生物の代謝における万能のエネルギーであり、ATPの消費がすくないことは、ブドウ糖の消費が少なく、ATP、ブドウ糖の双方の濃度の低下が少ないことが予想されます。

即ち、有機物を吸収して同化する場合には、ATP,ブドウ糖双方の濃度の低下が少なく、共に高い濃度に維持されていることが予想されます。

8) 有機物の吸収と同化によって、生長に伴うATPの消費が少なければ、ブドウ糖濃度の低下が少なく、ATP、ブドウ糖濃度が高ければ、代謝に対してより旺盛な生長を促すと共に美味しい作物となるものと思われます。

9) 結果として、作物が有機物を吸収することで、作物が旺盛に生長し、また、美味しくなるものと思われます。

10)即ち、作物に吸収されやすい有機物を含む物質の施用によって、作物に増収と美味しさをもたらしている、と思われます。

11)PTA法(光合成移転農法)は、有機廃物の生石灰処理の際に、蛋白質、核酸由来の多量の低分子量有機酸が生成し、その有機酸カルシウム塩として処理残渣に含まれていることが判っています。そして、この有機酸塩が適度に水に溶解し、作物に吸収されるため、作物に増収と美味しさをもたらしていると考えます。

家畜糞尿のような有機廃物の生石灰処理では、有機酸カルシウム塩の形態になっています。これは、偶然であったにせよ、都合のよいことです。

酸を酸の状態で利用するよりも、塩の状態で利用する方が利用しやすいからです。「塩酸」は大変取り扱いが難しい危険な化学薬品です。「ナトリウム」は反応性に富む危険な金属です。しかし、塩酸とナトリウムと水で生成する塩化ナトリウムは食塩として、食卓のテーブルに乗せて利用できるほど安全な物質です。食塩であれば、食材に振りかけて利用したり、ある種の飲料の容器の淵に乗せて食べたり、多様な利用が可能となります。

その意味で、有機物である「有機酸」が「有機酸カルシウム塩」となっていることは何ら問題はなく、むしろ好ましい形態と言えます。

12)このような考えに基づくと、従来のNPK等の肥料要素は、美味しさを与える作用には影響しないことが予想される。

13)また、堆肥のような固体状の有機物は、水に溶けないので直近の栽培に関しては効果が期待できないので除外されるでしょう。

14)21世紀になって、有機液肥、液状堆肥というものが脚光を浴びるには、それ相応の根拠があるといえるでしょう。

15)しかし、偶然の産物であったにせよ、家畜糞尿や食品残渣や野菜くずのような有機廃物に生石灰を作用させ、蛋白質、核酸、あるいは生体膜、リン酸化合物などを分解して、低分子量の有機酸カルシウム塩を生成することは、細胞膜を透過しやすい低分子量有機物を多数生成し、土壌の水において有機酸塩の高濃度状態を作り出し、濃度拡散で多量の有機物を作物に与えるには、大変都合がよかったといえます。

16)このように、有機物が多量に吸収された場合には、作物はブドウ糖やATPが高濃度状態に維持され、常に、作物に対して代謝を促進させるべく作用し、作物の生長を促すとともに、ブドウ糖濃度が高く、概して、美味しいとされる状況を生みだすものと推測します。

PTA法(光合成移転農法)は、「作物に、光合成以外の経路で有機炭素を供給する」ことが、収穫物に美味しさを与える人為的な手段の一つと考えます。


【いくつかの代表的な栽培手法】

ここで、いくつかの栽培方法を概観します。

1) 慣行農法 : 化成肥料を中心とした栽培方法・・・現在、最も広く行われている栽培方法

2) 有機栽培 : 堆肥を中心とした栽培方法・・・有機栽培として、近年増えてきた栽培方法

3) 肥溜栽培 : 江戸時代や明治時代のし尿を肥溜に貯めて熟成させ、これを用いた栽培方法・・・今は廃れた栽培方法

4) PTA法(光合成移転農法) : 本サイトで推奨する栽培方法・・・上記1)に簡単に付加できる栽培方法

【慣行農法について】

専ら、NPK等の化学肥料によって作物を栽培する慣行農法では、根や葉部から格別の有機物を吸収することはなく、作物を構成する有機炭素は、当該作物の光合成によって獲得されています。

このような作物は、私たちの日常生活で多量に消費しています。

勿論、見た目では、当該作物であることに変わりはありません。ただ、往時、年配の方々は「味がない」「昔は味がした」というような言い方をします。

しかし、野菜の食味に差があるとすれば、実際に食べ比べてみないと誰しも判りません。

日頃、料理の本や記事で、美味しい料理を作るレシピが氾濫しています。しかし、それぞれの料理も素材の食味に差があれば、その結果として生まれる料理にも当然違いが生まれてしまいます。

それ故、同じ野菜、同じ果物でも店頭価格には大きな違いが生じています。それは、日ごろ目にすることです。

そして、誰しも思うことは、値段が高い、美味しいものがある以上、生産者が皆、美味しい物を生産してくれたらよいのに、と思うことです。

しかし、美味しさを増進する肥料という話はあまり耳にしません。

【有機栽培について】

現下の有機栽培は、NPK或いはミネラル等の肥料要素を、有機物を施肥することで補う栽培です。即ち、「有機物の吸収」という観点では見ていません。

有機物に含まれる窒素、リン酸、カリウム、あるいはさまざまな必須成分が、有機物が生分解を受けて無機化する時に解放され、作物に吸収される、と考える栽培です。

堆肥という、地面に堆積できる状態の有機物を肥料としているため、有機物が速やかに作物に吸収されることはなく、このため、あまり食味が優れているとはいえないでしょう。

但し、玖村等の研究では、作物の有機炭素のうち10〜20%程度が堆肥由来の有機炭素であることが推測されているので、堆肥を中心とした有機栽培であっても、作物が有機物を吸収していることは容易に推測され、その意味では、1)慣行農法に比べて美味しさに勝る、とPTA法(光合成移転農法)では考えています。

ただし、このような見方は、PTA法に基づく一つの主観的な見方でしかありません。ものの好き嫌いは、一人ひとりの感性の問題であり、推し量ることはできません。

【肥溜栽培について】

江戸や明治の時代から続く、肥溜の肥しを利用した栽培では、し尿や落ち葉、雑草等を樽に詰めて、地中で10年以上も寝かせて水のようにサラサラな状態になったものを、水で希釈して株間に施肥していました。

この方法であれば、し尿や落ち葉、雑草というような有機物が水に溶ける程度の低分子量有機物となっており、それ故、水のような低粘度の液状となっています。

このようなサラサラした液体状になっているものを「肥料」として施肥すると、ミネラル分はほぼ全量が残留しており、且つ、原料中の有機炭素もメタンとして揮発するもの以外は低分子量の有機物となって残留しており、PK、及びミネラルと有機炭素が作物へ移行するものと予想されます。

即ち、有機物の吸収が多くなり、作物のブドウ糖の消費が抑制され、美味しい作物となることが予想されます。

因みに、明治時代に農作業を会得した世代では、収穫物を食べて、その味によって「いい肥し(長期間熟成した肥し)」「若くて駄目な肥し(熟成期間が短いか、若しくは、生し尿そのもの)」の何れが施肥されたかを判別できました。


(PTA法の見方からすれば、格別に科学的な解析手段のない江戸や明治の時代に行われていたこのような栽培の在り方を、激賞しています。PTA法は、古人が10年以上の歳月を掛けて行っていたことを、10分間程度の化学反応で済ませ、そして、「汚物感のない、使いやすい資材」に転換して利用している、と言えなくもありません。糞便を10年以上も貯蔵するのは大変であり、それを散布して利用するのも、大変です。古の人たちが、おそらく厳しい生活環境の中で、命を賭して会得した所作は、極めて大きな価値があるように思えます。自然と言う深遠なものに対峙する営みが、人間の稚拙な思惑では購えないことがよく判ります。)


【PTA法(光合成移転農法)について】

ここで、、PTA法(光合成移転農法)と称している栽培方法は、実社会では一つも使われていない言葉です。何故なら、当サイトの筆者の一つの見方に過ぎないからです。

通常は、家畜糞尿や植物残渣等の有機廃物を生石灰で分解処理した残渣を「有機石灰質土壌改良資材」として施用し、窒素・リン・カリウムのような従来からの化学肥料を従来通り施肥して栽培しています。それを便宜上、PTA法(光合成移転農法)と称しています。

この栽培では、収量が増加し、また、食味が向上して、結果的には有機廃物の処理費以上の施用効果があるために、少しずつ利用面積が広まり、30年の期間で数千haに拡大しています。

適用品目は、水稲・蔬菜・果樹・花卉・樹木のように、食糧とならないものに対しても利用されています。

その効果は、収量の増加・食味の改善・連作障害の抑制・老木の若返り・酸性土壌のpH矯正等ですが、結果として、総合的に判断して「良い」ために、施用され続けています。

こと食味について言えば、糖度が高くなり、「食味が良い」「美味しい」と評価されている。

これは、あくまでも推測の域を出ないことではあるが、動物は植物が存在することを前提として生まれた存在であり、ヒトもその一つの種である。

そして、植物、動物問わず、アミノ酸の種類は全生命体に共通しており、更に、生命体の生体エネルギーの共通通貨としてATPが存在している。

植物が旺盛に増殖する原因物質が光合成産物である「ブドウ糖」であり、ブドウ糖は、生体エネルギーであるATPを生産する根源物質となっている。

このように、ブドウ糖はATPと密接な関係にある物質であり、動物としてもその活動エネルギーとしてATPは不可欠であり、その源となるブドウ糖に関しては、格別に鋭い感性を持ち合わせているのかもしれない。

即ち、私たちヒトは、生存する上でブドウ糖は大変重要な物質であり、その存在を認知する感性を備わっていたのかもしれません。





普通の栽培の時

上の図は、作物の生長を模式的に示したものです。

1)作物は、日照によって光合成を営み、光合成産物を合成します。

2)作物が受けた日照の量を便宜上棒グラフで示します。

3) その日照量に応じて、光合成量、ブドウ糖体内濃度、作物生長量、作物収穫量が決まります。

4)あくまでも、日照量が主変動要素として、主導的な要因となっています。

5)勿論、他の要素は十分満たされ、制限要因とはなっていません。

6)赤い棒グラフが制限要因です。

7)普通の条件では有機物の吸収は想定していません。化成肥料の施肥です。

8)棒グラフ先端の黒縦線は、普通の栽培のときの印とします。

9)桃色の棒は、従属因子とします。

10)この(1/6)は、ごく普通の栽培の時の状態を示したものとします。


冷害の時の状況

上の図は、作物の生長を模式的に示したものです。

日照が少なく冷害となった時の状況を想定したものです。

1)赤い棒グラフの日照量が例年より大幅に少ないです。

2)以後、光合成量・ブドウ糖体内濃度・生長量・収穫量は、上記の図よりも少なくなります。

3) この関係は、ある程度納得できるものと思われます。

4)ここでも、化成肥料による施肥で、有機物の吸収は無いものとします。

5)日照が少なく、冷害の年はこのようなものでしょう。

6)ただ、ブドウ糖体内濃度が低いので、収穫物の美味しさは例年より劣るでしょう。


天気がよく、日照が豊富で豊作の年の状況

上の図は、作物の生長を模式的に示したものです。

天気がよく、日照が豊富で豊作の年の状況を想定したものです。

1)赤い棒グラフの日照量が例年より大幅に多くなっています。

2)以後、光合成量・ブドウ糖体内濃度・生長量・収穫量は、上記の図よりも多くなります。

3) この関係は、ある程度納得できるものと思われます。

4)ここでも、化成肥料による施肥で、有機物の吸収は無いものとします。

5)日照量が多く、豊作の年はこのようなものでしょう。

6)ただ、ブドウ糖体内濃度が高いので、収穫物の美味しさは例年より勝るでしょう。

7)古来より、豊作の年の作物は美味しいとされています。

8)ワイン等では、豊作の年のワインが格別良質で、高い評価を受けています。


摘果・摘蕾・減数処理によって収穫物の品位を高める栽培

1)高級メロン、リンゴ、ミカン、高級ワイン(欧米産)では、果実の数を制限して、品位を上げています。

・高級メロンは1株1個の果実です・リンゴやミカンの摘果は日本では常識です。

・欧米産高級ワイン用ブドウは1株6房を目処としている等

2)天候は平年並みとしています。

3)人為的な特別な操作は、摘果・摘蕾などです。(赤棒グラフ)

4)作物の光合成は普通に営まれます。普通に生長します。

5)しかし、果実が少ないので、果実には高濃度の光合成産物が集中します。

)最高の美味しさを兼ね備えた産物として、最高の価格で取引されています。


日照の反射によって品位を高める栽培

1)日照を反射させて増収、美味しさを高める栽培があります。

・温州ミカンでは、海に面する南向き斜面のミカンが特別美味しいとされています。

・リンゴの栽培では、地面に銀色の反射シートを敷いて日照を追加する栽培があります。

2)天候は平年並みとしています。

3)人為的な特別な操作は、反射光による日照の増加です。

4)作物の光合成は反射光のためやや増加します。

5)作物は、旺盛に生長し、また、美味しくなります。

)産地でなければ判らない、ノウハウかもしれません。


PTA法の栽培:炭素肥料・光合成移転農法

1)PTA法では、炭素肥料として有機酸カルシウムを施肥しています(赤棒グラフ)。

2)他の条件は、基本的に平年と同じです。

3)根から吸収された有機物がATPによって同化に利用されます。

4)日照は普通でも、吸収された有機物を利用することで、旺盛な生長量になります。

5)しかし、ATPの消費は少なく、ブドウ糖の消費量も少なく、ブドウ糖の濃度は高まります。

6)そのブドウ糖濃度の高まりは、法外もない日照が齎すものと同じといえます。

7)作物の生長量は大きく、また、収量も多く、食味も優れている。

8)7)の予想は、現実に生じている現象でもあります。

9)炭素肥料の効果を、食味の改善だけ、増収+食味の改善、増収、というように色々利用できる。

10)生産者の栽培の意図がどのようなものであるかで、栽培の仕方はヤヤ変わるでしょう。

11)人為的に炭素肥料の施肥量を高めることはできます。耕地の生産性を倍増も可能となります。

12)炭素肥料は、一旦低分子量化され、酵素機能・生命機能は消失しており、安全です。


【光合成を増すためには?:日照は制御不能】

植物の光合成量を支配する因子は多数ありますが、普通の栽培では「日照」です。

今日の栽培では、的確な土壌分析と過去の収量のデータがあり、NPKなどの肥料要素が欠乏するような肥培管理はあり得ません。

しかし、最も原始的な栽培形態である「露地栽培」において、日照を高めるようなことはできません。

作物の光合成に関連して、実際の光の効率は1〜3%程度であり、実際の光合成に寄与する日照以上のものが供給されていますが、具体的に日照を改善する術が判りません。

日本では、裏日本に位置する地域で格別に美味しい農産物が生産され、主食とされる「米」においても格別に美味しい米が生産されています。

この現象は「寒暖の日較差が大きい地域」に美味しいものが採れる、というジンクスに繋がっています。

この「日較差が大きい」ことを「、見方によっては空気が乾燥していて、水分蒸発が旺盛」と読み替えることもできます。

夏の日本列島に吹き荒れる南風が2000mを超える山脈を越え、気圧と気温を下げて多量の水分が結露して雨となって高山に降りそそぎ、山を越えた後、雨によって乾燥した空気が山肌を駆け下り、この時、気温を上げ、且つ、乾いた熱気で裏日本に熱い夏をもたらします。

この乾燥した熱気が、激しい蒸散を促し、多量の養水分の吸収となり、結果的に光合成が旺盛になるのではないかと、推測されます。

 オアシスのフルーツが美味しのも日照の多さばかりでなく、極めて乾燥した熱気が多量の蒸散を引き起こし、養水分の吸収を促しているように思えます。


【炭素肥料:光合成に依らない有機炭素の獲得:疑似的に代謝の負荷を減じれば・・・??】

PTA法(ドッサリース農法)は、低分子量有機酸カルシウムを主体としたカルシウム質資材を施肥するものです。この低分子量有機酸は、作物に取り込まれて、作物に同化すると考えて栽培を進めます。

仮に、このような「仮説」のように低分子量有機酸が作物に吸収され、同化されるのであれば、当該作物は光合成よりは少ないエネルギーで有機炭素を獲得することとなります。

作物の光合成については「飽和点(飽和照度)」や「炭酸ガス濃度」で自ずと制約を受けます。 

もし、作物が根から有機物を吸収して、これを利用して生長ができるのであれば、エネルギー的には遥かに有利と成ります。

炭酸ガスと水と光でブドウ糖と酸素を合成する光合成は非常に多量のエネルギーを必要とされます。

しかし、有機物を吸収し、それを出発物質として生長に利用するのであれば、疑似的に旺盛な光合成と類似した生息状態を引き起こすことが可能となるかもしれません。

そうであれば、疑似的に形成された旺盛な光合成の下で、農産物の美味しさが増す可能性も生まれます。

そして、現実に、PTA法(ドッサリース農法)によって得られた農産物は、大方のものが美味しいものとなっています。

とすれば、「作物が有機物を経根吸収する」「吸収された有機物が作物に取り込まれる」というPTA法(ドッサリース農法)の仮説は、概ね、実際に得られる結果とよく適合しています。

なお、植物において経根吸収によって有機物を獲得する現象は、科学的に検証されて報告されています。

ただし、多種多様な有機物が作物に経根吸収によって取り込まれるとすれば、その同化の過程はどのようなものであるかは検証されていません。

何故なら、多様な有機物の同化過程は、極めて複雑であり、同じ品目の作物であっても、生育段階の違いで同化過程が異なったりし、極めて検証が難しいからです。従来のNPKあるいはその他の必須元素の同化の過程は元素の追跡で検証ができるために比較的簡単といえます。

有機物は、同じ炭素原子であっても有機物のどのような位置に結合している炭素であるかによって、同化における挙動が異なり、同定が難しくなります。


【有機農法は、作物に吸収される低分子量有機物が少ない?】

堆肥を主要な肥料とする有機農法は、「有機物が無機化して作物に吸収される」と言う見方が広くなされています。

そうであれば、「有機物の施肥」はほとんど意味を持ちません。

ただ、ここで「作物は有機物ではなく、無機物として吸収する」とする見方は、「有機物を吸収するなら、糞便がそのまま作物に取り込まれるのか」というあらぬ疑いを持たれるために「無機化して吸収される」とする見方が生まれたのかもしれません。

しかし、堆肥を圃場に施用した場合、その有機物はいずれ無機化されることは疑いもないことです。

PTA法の見方とすれば、堆肥の巨大有機物はそのままでは作物に吸収されることはなく、分解される段階で、「分子量200以下 」「イオン化していない」と言うような有機物の断片が生じた時、たまたま、作物の根が近傍に存在していた時に有機物の吸収がなされると推測されます。

ただ、作物が吸収し易い低分子量有機物が生成したとしても、作物の根が傍になければ吸収されず、無機化(炭酸ガス化)されるものと思われます。

このため、堆肥を施肥して有機物を作物に与えようとしても、その割合が少ないものと思います。

有機栽培の作物の食味が、さほど改善されていなのは、PTA法のように化学的に大量の低分子量有機物を生成しているものではないためと思われます。

この有機物の有機炭素をどの程度作物に供給し得るか、という違いがPTA法と有機栽培との違いとなっているように思われます。


PTA法では、堆肥のような有機物を施肥した栽培は、施肥した巨大分子量有機物が分解され、無機化される過程において、分子量が小さくなった有機物の一部が植物に吸収されている、と考えます。

ただ、施肥された巨大分子量有機物が作物が吸収できる程度の分子量まで生物分解されねばならず、また、その時に、植物の根がその場になければ、低分子量有機物は無機化されてしまい、経根吸収されません。

このため、「タイミング」の面で、経根吸収によって有機炭素として取り込まれる効率が悪いのが有機農法と思われます。

しかし、有機炭素の経根吸収の同定は、技術的に難しいため、その研究は途上にあるものと思われます。

江戸時代・明治時代という古の長期間にわたり熟成させたし尿・肥溜を施肥する栽培は、巨大分子量有機物が水のようにトロトロになる低分子量有機物まで分解させた後に施肥するため、効率よく低分子量有機物が経根吸収されるものと推測されます。



PTA法(ドッサリース農法)は、有機廃物を生石灰処理で短時間に低分子量有機物として固定し、これを施肥するため作物にとっては、原料に含まれていた有機炭素のうち相当の部分が低分子量有機物となり、何時でも吸収できる状態であり、経根吸収によって作物に取り込まれる割合が高いものと予想されます。

有機農法もPTA法も、低分子量有機物が吸収されている点では軌を一にしているが、PTA法では、予め生石灰分解で低分子量化されているために植物の根によって直ちに吸収できる状態にあり、植物の経根吸収によって植物へ移行する割合が高いため、より旺盛に作物の生長を促す、と考えて栽培を進めます。


【PTA法以上の美味しさは?】

PTA法では、低分子量有機物の製造にかんして、最も安価な原料として糞尿や有機廃物を多用しています。

糞尿や有機廃物を原料としているために、糖質のように必ずしも低分子量化しない成分もあり、低分子量有機物の割合はさほど高いものではありません。

純粋に化学的な操作で高純度の有機酸カルシウムを合成することは可能であり、そのような低分子量有機酸カルシウムを用いれば、さらに多量の低分子量有機物を作物に供給できるでしょう。

そのような意味では、低分子量有機物を供給するという考えに基づいて、更なる改良がなされる余地はあるでしょう。


作物が低分子量有機物を吸収して少ないエネルギーで旺盛に生長できる環境を整えることで、作物の食味を改善できる可能性があります。

PTA法(ドッサリース農法)の見方によれば、NPKを中心とする化成肥料の施肥を主体とする慣行農法では、収穫物の食味は優れているとは言い難く、有機栽培農法では、多少改善されるものの、PTA法(ドッサリース農法)ほどの食味の改善は望めない、と思われます。


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