PTA法(ドッサリース農法)



第7章光合成移転農法(PTA法) 

PTA法(ドッサリース農法の別の見方)

Photosynthesis Transfer Agricultural Method

最終訂正日:2010-12-30 

家畜糞尿や有機廃物をそのまま投棄するよりも、生石灰CaOで処理してリサイクルする方がはるかに経済的で、処理をするものにも、耕地へ利用する者にも、より大きな利益をもたらしています。

PTA法(ドッサリース農法)は、この信じ難い現実を理解するための一つの考え方です。

快適な環境を維持し、集約された丁寧な農業が、野放図な農業よりも経済的に優位となっている事例を理解しようとするものです。

家畜糞尿や有機廃物の処理は生石灰CaOによる処理が最も衛生的で、付加価値を高めます。

この処理残渣は、炭素肥料として極めて有益で、処理コスト以上の営農収益をもたらしています。

このような有機廃物を投棄したり、負担の大きな処理・処分に付す時代ではありません。不経済です。

重複をお詫びします。

PTA法(光合成移転農法)には、大変意表を突く事柄が数多く記載されています。

日頃、見慣れて、理解している事柄を奇妙な視点からとらえて、奇想天外とも言える結論を導き出しています。

余りにも、奇想天外な事柄のために、いろいろな視野から、或いは、いろいろな事例を利用して同じ事柄を述べているため、重複する部分が多々あります。

その理由は、誰もが知っている有り触れた事柄から、思いがけない結論を誘導し、しかも、その結論が生態系の根幹に触れるものであることから、どうしても説明が冗長になり、また、重複しています。

饒舌な記述となっていることを深くお詫びします。

しかし、PTA法(光合成移転農法)は、多少冗長であっても、その結果が及ぼす効果は甚大なものがあり、決して時間の無駄、とは言い切れないかもしれません。



7.1 PTA法とは:光合成移転農法:Photosynthesis Transfer Agricultural Method

このHPでは、ドッサリース農法のものの見方として、「炭素肥料」という新しい肥料成分を提案することに重点を置いています。

しかし、別の見方をすれば「PTA法」という見方もできます。

PTA法(Photosynthesis Transfer Agricultural Method:光合成移転農法)という見方は、光合成に重点を置いた見方です。

農業は「光合成産業」といわれていますが、光合成を積極的に操作する事例は少ないように見受けられます。

概して、光合成に関しては成行きに任せるしかない、ということかもしれません。

勿論、光の透過量を制限するような被覆資材や、地面に到達した光を反射して果樹に照射する反射シートのように積極的に光合成に関与する工夫もない訳ではありません。

極端な場合では、野菜工場のように人工照明で野菜を栽培したり、電照菊のように人工照明によって生産調整したり、ウドのように地下で栽培する事例もあります。

このような人工照明によって光合成を操作する栽培形態は、極めて小規模で限定的なものに限られ、光を完全に遮断して栽培する品目は限定されます。

ドッサリース農法は、「低分子量有機物を施肥して作物に吸収させる」、換言すれば、「炭素肥料という概念を取り入れる」という見方に立脚して概説しています。

しかし、「光合成を移転する」という、光合成に立脚した見方もできます。

     光合成     Photosynthesis   

     移転       Transfer

     農法      Agricultural Method

従来の認識では、植物が炭素を獲得する手段は光合成と考えられています。

とすれば、植物が施肥資材から経根吸収によって有機物を獲得することは、根から光合成を獲得するに等しいことといえます。

従来の農業では、栽培が進行している圃場での太陽光による炭酸同化作用(光合成)によって大気から二酸化炭素を獲得し、有機炭素に転換しています。

それに対して、PTA法(ドッサリース農法)は低分子量有機物を施肥し、これを作物に吸収させることを意図しています。

低分子量有機物の前段階の形態は、例えば、家畜糞尿のようなものです。

家畜糞尿の元の姿は飼料であり、それは、穀物や牧草です。

このように、低分子量有機物の源を辿ると、光合成産物となります。

  

これは、本来であれば光合成によって獲得すべき有機炭素を、施肥によって補うという考え方に他なりません。

このことから、ドッサリース農法を「光合成を移転する農法(PTA法)」というように解することもできます。

PTA法(光合成移転農法)という見方は、何が原料となり得るかを考える上で大変有益な見方です。

従来の栽培では、作物が有機炭素を獲得する光合成は栽培とリアルタイムで進行しています。

しかし、PTA法の見方に立てば、それ以外のどのような場所の光合成によって生まれた有機炭素であっても原料になり得ることがわかります。

PTA法という見方は、過去の光合成産物を今進行しているリアルタイムの光合成に加える、という考え方をします。

光合成産物を、時間的、空間的に異なる時空の光合成に移転する考えです。

従来の光合成は「栽培期の圃場」に限定されたものだけを利用するものです。

PTA法の光合成は、「栽培期の圃場で太陽光を受けて進行している光合成」以外の過去において営まれた光合成の産物全てが、この現在進行している光合成に加味することでもあります。

このように考えると、PTA法の原料となる光合成産物は、無尽蔵とも言えるほど大量にあります。

代表的なものは、「家畜排せつ物」、「各種食品工場における原料残渣(通常は圧搾ケーキ)」、「生ゴミ」、「雑草」等の物質は、直ちに生石灰分解によって大量の低分子量有機酸カルシウムを生成するため、良質の原料となります。

一般的には、前記の原料物質を想定するだけでPTA法による耕種農業に必要な原料は十二分に確保できると思われます。

PTA法(光合成移転農法)の原料が所望の量だけ確保されたならば、「炭素肥料」という見方が便利かもしれません。

ただ、このホームページのタイトルを「ドッサリース農法」とし、焦点を「低分子量有機物の施肥は炭素肥料ともいえる役割を果たす」と、「肥料」に重点を置いたのは、日常生活を見まわしても「肥料」は頻繁に目にして馴染み深いのに対して、「光合成」という文字は日常生活でほとんど目にしないことによります。

それぞれの理解しやすい視点で解釈していただければ、良いと思います。



第3図(再掲載) PTA法(ドッサリース農法)のフロー図
7.2 数式で見るPTA法

ここでは、PTA法を数式化してみます。

PAT法(即ち、ドッサリース農法)は、低分子量有機物を施肥して、作物に吸収させる栽培の見方です。

   W:作物を構成する有機炭素

   P:圃場の光合成によって大気から獲得した有機炭素

   D:施肥された低分子量有機物に由来する有機炭素

従来の考え方

    WP                           (7.1)

PTA法の考え方(斜めの字体とします)

    WPD                         (7.2)

このように、PTA法を数式化すると、PTA法による栽培では、作物が光合成によって有機炭素を獲得する(P)、と共に、加えて、施肥資材に由来する有機炭素を獲得する(D)ため、必ず旺盛な生長を示すことが示唆されます。

勿論、実際の作物の生長には限界があり、このような関係式が全ての範囲において成立するものではありません。

しかし、定性的に見れば低分子量有機物の施肥というものが「光合成を付加する」に等しい行為であることがわかります。

D(施肥された低分子量有機物に由来する有機炭素)を獲得するに際して、P(圃場の光合成によって大気から獲得した有機炭素)の一部が消費されることもあるかもしれません。

ただ、Wは作物を構成している有機炭素であるため、上記の数式上はこのような消費は表わされていません。

しかし、(7.1)(7.2)式は低分子量有機物の施肥が、植物の生育に有益であることを如実に示唆している関係式です。

このように考えれば、低分子量有機物の施肥が、幅広い植物の生育に対して有益であることが示唆されます。

上記数式(7.1)(7.2)の見方に対して、更に、「獲得した有機炭素」「代謝によって失われた有機炭素」というように植物の生長の過程におけるより詳細な見方を取り入れる見方もできますが、原料の性状が不安定なために、ここでは触れません。

何故ならば、ドッサリース農法は「低分子量有機物が植物に吸収されること」「吸収された低分子量有機物が植物の同化に利用されること」の2つの事柄を「仮説」として設定しています。

このため、仮説の上に仮説を重ねることは好ましくないと思われるからです。

前記、(7.1)(7.2)式から、PTA法のDは、過去のある時期の光合成によって大気中の炭酸ガスが有機炭素として固定されたものであり、過去の光合成産物(有機炭素)が、今の栽培の成果(W)に付加されて利用されたことを示唆します。

その意味で、PTA法は、光合成を移転する農法でもあります。

光合成を移転するとは、光合成産物(有機炭素)を固定し、別の作物の生育に付加する考え方です。

7.3 稲作で見るPTA法

ここでは、稲作を例にとってPTA法を考えてみます。

水稲は、米を生産します。

私たちヒトが食糧として必要とする部分はモミもしくは米粒です。

は食糧には不要です。場合によってはモミガラも食糧としては不要となることもあります。

更に、ご飯を食べた後に排泄されるものも食糧としては不要です。

この根・茎・葉・モミガラ・糠及び排泄物にはいずれも天然由来の腐敗性有機物が含まれています。

これらは、全て、PTA法の原料となり得ます。

これらの天然由来の腐敗性有機物を適切に取り出して、含まれる有機物を何らかの手段で低分子量化すれば、再び、水稲の栽培に低分子量有機物(炭素肥料)として利用することができます。

すなわち、水稲の生長に伴う代謝エネルギーを生み出す有機物(代謝のために消費される有機物)、あるいは、人間に吸収される有機物の有機炭素は二酸化炭素として無機化されますが、モミガラ排泄物のような有機高分子は、必ずしも分解者(バクテリア・細菌等)によって無機化される必要はなく、PTA法によれば、適切な手段で低分子量化すれば、有機物の形態で再び作物に還流されることになります。

ただ、作物の代謝エネルギーは、あまり表面化することはありません。

従って、表層的に見れば、1作の稲作における光合成の生成物(獲得有機炭素)において、私たちが必要とするものは「米粒」だけであり、私たちの排泄物を含めて残余の有機物は、例えば、生石灰によって分解処理して低分子量化すれば、米粒として収奪する有機炭素量以上の有機炭素が再び水田へ還流できることが容易に理解できます。

同一の水田を考えれば、水稲の栽培期以外の時期に、雑草や、稲刈り後の稲によって光合成が営まれる場合もあります。

もちろん、実際に稲の根や茎や排泄物を収集することは困難が伴います。

しかし、PTA法の見方によれば、私たちを取り巻く環境には、ほとんど無限ともいえるほどの「天然由来の腐敗性有機物」が満ち溢れていて、ほとんど利用されていない感があります

さらに、PTA法では、D項は過去の光合成を固定したものであり、これを繰り返すことで、作物の有機炭素Wがどんどん高められていくことも示唆されます。

すなわち、光合成を将来のために固定して、蓄積し、いろいろな栽培に移転することに他なりません。

7.4 PTA法の収量

ここでは、作物の収量をCとします。斜字体C はPTA法の収量です。

従来の栽培の収量は次のように表わされます。

なお、は有機炭素と収量との比例係数です。

作物を構成する有機炭素の量が多ければ、収量はそれに比例して多くなることに根拠はありませんが、ここではそのように仮定しています。

   CkP                  (8.3)

また、PTA法における収量は次のように表わされます。

   CPD              (8.4)

PTA法では、リアルタイムの光合成で獲得した有機炭素P以外にも施肥による有機炭素Dの獲得があるために、従来の栽培より多くなることが容易に理解できます。

   C<C

なお、ドッサリース農法(PTA法)という見方は、あくまでも、家畜糞尿のような天然由来の腐敗性有機物を酸化カルシウムCaOで分解したときの低分子量有機物を多量に含む残留物を「有機カルシウム質土壌改良資材」として施肥した時に、収量が激増し、しかも、食味が格段に向上する、という現実に繰り広げられている現象を合理的に解釈するための仮説として生まれたものです。

即ち、収量が増加する現象を理解するための一つの見方です。

それゆえ、

   C<C

という、PTA法の収量の方が大きくなるという見方は当然の帰着です。

7.5 光合成の産生量

一般的に、光合成の産生量は、同化特性という捉え方をするようです。

そして、作物の種類に応じて飽和照度(lx:ルックス)というものがあり、最大同化度(単位面積の単位時間における炭酸ガスの同化重量)という見方があります。

この最大同化度に関しては、1時間当たり、100p2における同化量として、例えば、約2〜30mgCO2というような値となっています。

この約2mgという値はフキやショウガであり、約30mgCO2という大きな値はトマトです。押し並べて、飽和照度の高い植物が最大同化量も大きな傾向があります。

すなわち、植物の生長量は、植物の種類によって自ずと異なるようです。

そして、飽和照度が高い値の陽性植物は概して良く育ち、飽和照度の低い値の陰性植物は概して育ちが遅いという傾向があります。

さて、ここで8.4式を再度示します。

   CPD

成長量の遅い植物は、Pが小さいことを意味します。Pが小さければ、Dの効果が顕著と言えます。

以上に述べたPTA法(ドッサリース農法)を要約しますと次のように言えるでしょう。

PTA法(ドッサリース農法)は、積極的に低分子量有機物を施肥して作物の根から吸収させ、光合成に以外の経路で有機炭素を作物に与えることを意図した方法です。

そして、現行農法で普遍的に利用されているNPK等の主要肥料元素の無機塩類を主体とした化成肥料による施肥設計と組合せることで効果的な栽培を目指ものです(但し、施肥した低分子量有機物が作物に吸収されている過程を検証したわけではなく、単なる仮説です。)

これまでの栽培では、主として窒素N・リンP・カリウムKというような元素を含む物質を肥料として施用しています。作物の体内で最も多量に含まれている炭素C・酸素O・水素Hという元素については、作物が光合成によって獲得できることから、格別施肥によって補うという見方をしていません。

家庭菜園レベルでの作物の栽培を見ると、NPKのみならずCa 、Mgなどの所謂作物の要求する必須元素の施肥量は、専門書にある適正な施肥量の数倍にもなることは日常茶飯事であり、リービッヒの最少律が示唆する「一番少ない要素に支配される」という見方とは程遠い現実があります。

NPKをはじめとする必須の無機養分元素は大過剰に施肥出来る現実があります。

しかし、光合成に関すCOHの獲得については自然の風土が支配しています。

これまでの栽培では、主として窒素N・リンP・カリウムKというような元素を含む物質を肥料として施用しています。

作物の体内で最も多量に含まれている炭素C・酸素O・水素Hという元素については、作物が光合成によって獲得できることから、格別施肥によって補うという見方をしていません。

PTA法(ドッサリース農法)では、作物の約96%を占める炭素・酸素・水素を、光合成で獲得する以外に低分子量有機物として施肥して与える考え方をします。

従来のNPKの施肥では、僅かな施肥で多量の光合成産物を自然から獲得していますが、仮に、COHという元素を施肥によって作物に与えることができたとしても、自然界から得るものは殆どが水だけであり、大きな利得にはなりません。

作物体内では常に呼吸が行われているため、COHという元素はそのエネルギー源として消費されるものです。

このことから、PTA法(ドッサリース農法)では、低分子量有機物を施肥し、作物の根から吸収するようにしても、施肥量と収穫物の量とにはほとんど差がないくらいのものかもしれません。

その意味で、従来の窒素・リン酸・カリウムというような肥料成分に比べて格段に効率が悪い施肥元素といえます。

然しながら、仮に低分子量有機物が作物の根から作物体内に取り込まれるのであれば、当該作物は光合成によらずに有機炭素を獲得することでもあります。

このように獲得した低分子量有機物をATPによる生化学反応の原料としてさまざまな生体組織の合成に利用できるのであれば、光合成の負担は著しく軽減されるものと推測されます。

耕種農業の現場では、時として「日照不足のために不作となった」という事態に遭遇します。

もし、低分子量有機物の施肥によって、作物の根から低分子量有機物が作物体内に取り込まれるものであれば、当該作物は少ない日照でも通常あるいは良好な生育が期待できます。

従来の農業における施肥元素は、N・P・K・Ca・Mg或はそれ以下の微量元素に限定され、植物体内の主要な割合を占める炭素酸素・水素の3元素については施肥によって補うという見方をしていませんでした。

PTA法(ドッサリース農法)は、低分子量有機物という形で施肥することで炭素・酸素・水素についても施肥対象元素とすることを提案するものです。

PTA農法(ドッサリース農法)の考え方では、従来のNPKの施肥元素のような極めて高い効率での作用は期待できないかもしれませんが、意図しない気象異変によって日照が不足し、光合成が低下することによる作柄の被害を未然に防止できるかもしれません。

 このように、PTA農法(ドッサリース農法)は、低分子量有機物を施肥することで作物の根から作物体内から低分子量有機物を補給し、恰も、光合成を助勢するような作用を期待するものです。

PTA法(ドッサリース農法)の見方によれば、低分子量有機物の施肥は擬似的に光合成を助勢するものであるために、幅広い作物(蔬菜・果樹・水稲等)に対して共通して効果的に作用するものと思われます。

ただ、作物によってはその効果が顕著に現れにくい場合もあるものと思われます。ダイコンのように重い作物であれば、更に生育を助勢することは過剰な重量なって商品価値を失うこともあり、水稲のように生育しすぎると強風による被害(倒伏)を受けやすくなることもあります。

しかし、多くの作物においては生長が旺盛になることで収量が増すことに繋がることが予想されます。

或いは、PTA法(ドッサリース農法)を光合成の移転(移動・移設・移し替え)と見ることもできます。

生態系における有機炭素の源は、光合成に行きつきます。今日の農業における光合成の役割は、作物を栽培している圃場でリアルタイムで進行するものと認識しています。

栽培中における作物に生じた光合成のみに由来して収穫物が決定されると考えています。

否、日常的な生産の現場では、光合成を意識することすらあまりないのかも知れません。

PTA法(ドッサリース農法)では、時間的にも空間的にも生育中の作物とはかけ離れた場所・時に光合成によって生じた光合成産物(高分子有機物=生体組織)を低分子量化して施肥して作物に与えます。

この光合成を移転する考え方は、ドッサリース農法固有の視点かもしれません。

「低分子量有機物を施肥して、炭素肥料として作物に与える」ということは、「他の光合成で生まれた有機物を、作物に与える」という、光合成の移転を意味します。

この移転は、光合成産物の時間的空間的な移転を意味します。

光合成の移転のパターンには様々なものがあります。

しかし、はっきりと特定できるのは、圃場から収穫物として持ち出すものは決まっており、それ以外の天然組織は基本的に原料になり得る物質です。

ほ場とは別の場所で生じた光合成産物でもよく、圃場自体の別の時期に生じた光合成産物でもよいことになります。

従来の栽培では、「光合成を移転する」という視点はありません。

その意味で、PTA法(ドッサリース農法)の炭素肥料の原料となる生体組織は、殆ど無尽蔵に残されている、と考えられます。

ただし、耕種農業によって獲得すべき作物の生産量は、ヒトが必要とする量に止まるために、通常は家畜排せつ物や食品の生産工程から残余として排出される脱水ケーキの処理の一環として生石灰処理をするだけで原料としては十分な量が確保されるものと思われ、野原の雑草を利用するような事態にはならないでしょう。


第2図(再掲載) 植物の生長に伴う炭素の獲得の比較 (従来とPTA法:ドッサリース農法)


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日本作物學繪紀事50(別号2)pp.91‐92  1981 1001

46 根−根面−土壌系における有機物のダイナミックス

第1報 土壌有機物の経根的吸収の可能性について

岡田謙介※ ・玖村敦彦(東大農)

植物が根において種々の有機物を吸収し、また炭酸を固定することはよく知られている、吸収量は炭素で純生産の数%ないしそれ以下であるとされているが、それらはいずれも水耕で得られた結果である。

そこで砂耕および土耕により、有機物の経根的吸収について検討した。玖村・杉山(1980★)より、有機物吸収能が大きいとみられるサツマイモを、石英砂または土壌を培地としてポット栽培した。δ14Cの異なる3種の有機物を堆肥にして与えた。

ポットの口をアクリル板でしゃへいし、さらにポット内の空気を常時ポンプで排気して、堆肥の無機化により生じたCO2が直接葉で固定されることのないようにした。

移植後約6週間の栽培の後、植物体をサンプリングして各部分に分け、δ14C及びδ13Cを測定して凵iδ13C =25‰に標準化したδ14C値)を求めた。一方栽培期間中、昼間の大気中のCO2をNaOHで捕捉し、その凾煖≠゚た。もし植物が大気中のCO2のみを炭素給源としているならば、植物体の凾ヘ大気の凾ニほぼ一致するはずであるが、本実験では堆肥の凾ノ応じて植物体の凾ェ異なった。

このことは、サツマイモが堆肥の有機物に由来する炭素を根から吸収し、これを植物体の構成に用いたことを示している。試算によれば、植物体の全炭素中、堆肥由来の炭素の占める割合は10〜20%であった。

(以下、表1、表2、図1、図2、および引用例は等省略。)

 植物が、根から有機物を吸収するか、否か、はPTA法を理解する上で大切な要素です。

 今日でも、「植物は有機物を吸収しない」とする見方が、ある意味、支配的です。

 さまざまな一般向けの書物では「植物は無機物を吸収するので、有機物は吸収しない」とする説明が支配的ですらあります。

 しかし、少なくとも1981年の時点で、上記文献は「植物体の全炭素中、堆肥由来の炭素の占める割合は10〜20%」とのことを報告しており、堆肥(有機物)由来の炭素が無視しえないほど多量であることが報告されています。

 とすれば、少なくとも「植物は、有機物を根経吸収している」とする見方が正しいと言えます。

 PTA法は、原料である家畜糞尿や有機廃物の巨大分子量有機物を、分解して低分子量有機酸カルシウムとして施肥することで低分子量有機酸を炭素肥料のように考える栽培です。

 即ち、上記の文献に記載された事柄は、PTA法の見方が、あながち間違っていないかもしれない、とする資料になります。

 この文献では、堆肥からの炭素が10〜20%程度占めている可能性が示唆されていますが、PTA法の収量増加は、果菜類で著しく、+250%程度の増収(100⇒350)が記録されています。