PTA法(ドッサリース農法)


第8章PTA法のまとめ

植物の生長エンジンが、「光合成」「有機物の吸収」との2つに増えた

「光合成は、新品の有機物」、「吸収は、有機物の再利用

 最終訂正日:2010-12-29

PTA法(光合成移転農法)のまとめ



● PTA法は、作物の有機炭素の獲得経路を[光合成][有機物の吸収]との2つに広げ、耕地の生産性を高めます。

● 有機物(炭素肥料)の吸収は、過去の光合成を今の光合成に付加することです。膨大な過去が今に蘇ります。

● 栽培は予期できない光合成に支配されています。炭素肥料は予め光合成産物を準備して、作物に加えます。収穫が安定します。

● 物質収支、エネルギー収支という自然の理を考慮した上で、増産を目指します。

● 過去と今の光合成を固定し、貯蔵し、作物に無駄なく付加します。未来は益々豊かになります。

● 耕地の生産性向上は、大量の余剰耕地を生み出します。

● 炭素肥料は、過去の光合成産物を、作物の光合成をバイパスして、作物にリサイクルする所作です。

● 「吸収という新しい生長エンジン」「人為的に準備できる堅実な生長エンジン」です。

● 炭素肥料によって、有機COHの3元素を施肥元素に加え、必須養分元素の全元素が施肥対象となります。


PTA法(光合成移転農法)は農業の姿を次のように考えます。

【完成域に達していた施肥設計と肥培管理】

これまでの耕種農業は、NPKなどの肥料は十分に施用されていました。NPK等が不足している訳がありません。NPKの化学肥料が普及した時点で、施肥設計、肥培管理は申し分のない水準に達していたといえます。ある意味で、栽培の限界に達していたと言えます。それ以上の努力は不要だったのかもしれません。

しかし、全国の何処かで「高い収量」「高品位の銘柄」「名産」などの噂が流れると、更なる努力に駆られるのかもしれません。

でも、NPKの大量要素、Ca、Mg、Sの中量要素、以下の微量要素は作物が吸収しきれないほど大量に手当がなされています。これ以上の施肥は、不要です。無意味でもあります。

【不可欠な新しい視点】

もし、更に上があるなら、それは別の手段に依らねばなりません。過去の実績の繰り返しではない、全く別のものです。実績を重んじれば、更なる向上は、恐らく無理でしょう。

オカッパチとして高名な「憧れのハワイ航路」の時代は、海外へは船旅でした。速さを求めるなら、船では限度があります。今日では、憧れのハワイ旅行は飛行機が常識です。更に上があるなら、今まで考えたこともない、新しい視点が必要です。

【2つの有機炭素獲得経路:光合成と有機物吸収】

植物には、2つの有機炭素獲得系とがあります。【光合成】【有機物吸収】です。

光合成は、炭酸同化作用で、無機炭素を有機炭素に転換する方法です。

有機物の吸収は、過去の光合成で生じた有機炭素を獲得することです。換言すれば、有機炭素の「リサイクル」廃物利用」です。

家畜糞尿や動物・植物残渣のような有機廃物の有機炭素は、低分子量化することで、植物が吸収できる場合があります。

家畜糞尿のように、ただ消え去っていた用済み後の有機物が、生石灰で殺菌することで低分子量化され、作物が吸収できる炭素肥料に転換されます。

過去の光合成を低分子量化で固定し、貯蔵し、未来の食糧の有機炭素として利用することができます。

吸収による有機物の獲得は、光合成の複雑なメカニズムをバイパスするため、幅広い作物に対して効果的に作用します。

膨大な過去の光合成、生命の営みが、時間・空間・種を超えて、圃場の作物に付加されます。


【見落とし:物質収支とエネルギー収支】

収支、帳面の世界は、必ずピッタリと一致しています。会計でも簿記でも金庫でも出納でも、すべて出入と残高はピタリと一致しています。施肥設計も同じ考え方です。

化学工場、発電所、機械工場等では、物質収支とエネルギー収支は、例外なく計算されています。

● COHの3元素については、物質収支から除外されいました。

● エネルギー収支は、全く考慮されていません。エネルギーは太陽光任せです。

【後知恵:PTA法(光合成移転農法)・炭素肥料・エネルギー肥料】

ところが、何故か、どんな作物でも、収量が激増し、食味が改善される土壌改良材の事例があり、それは糞尿の生石灰処理残渣による土壌改良材で、主成分は有機酸カルシウム塩です。処理費を遥かに上回る増収効果で、規模を拡大しています。

その解釈の手法として、「土壌改良ではなく成分吸収」、「作物に吸収されることによる効果」、「炭素肥料」、「エネルギー肥料」、という概念で解釈しました。

実際の物質の挙動の科学的な検証はされていませんが、新しい概念を導入することで、物質収支、エネルギー収支の観点から理解しやすい考え方かもしれません。

PTA法(光合成移転農法)の考え方が、現実に即応しているのは、現実を解釈するための考え方、として想到したものだからです。所謂、後知恵です。

【堆肥や生糞尿は効果がない】

同じ糞尿を出発原料にして、効果に違いがあるのは大方の人には理解ができないことでしょう。NPK等の肥料要素では、分子量の違いが差異に現れることはありません。巨大分子量の有機物だけの問題です。しかし、江戸時代、10年以上もし尿を熟成させ水のようにしてから施肥していたのは「堆肥や巨大有機物は施肥してはならない」ということを古の人は、実体験として熟知していたと思われます。現に、堆肥を利用する場合、無機化した時に解放されるNPKとミネラルです。COHは利用する成分にはなっていません。

【低分子量化】

しかし、古人の所作を現代風に言えば「巨大有機物でも低分子量化させれば利用できる」というものかもしれません。古人は10年以上の歳月を要して、それを肥料としていました。糞尿の生石灰処理は、それを10分で成し遂げるものです。10年以上の歳月は、今日では待てないでしょう。10分程度の処理時間であれば、何とかなります。

巨大有機物の場合には「低分子量化」がキーとなる技術であったようです。無造作な所作では効果を奏しません。

【膨大な資源】

糞尿・雑草・食品残渣等巨大有機物を低分子量化することで「炭素肥料」「エネルギー肥料」として作物に付加できるなら、3つの観点で大きく変わります。

● 膨大な未利用資源が、有用資源として浮かび上がります。糞尿のエネルギーは、食品のエネルギーと等価です。

● 今の耕地面積で、作物の収量が激増します。これは耕地の節約、耕地の生産額、社会資本等大きな影響を与えます。

● 家畜糞尿等の有機廃物の完全殺菌が、全く経営の負担にならず、むしろ、社会の発展に大きく寄与します。

【概観すれば】

今までは、「必要な道具」を欠いて農業と向き合っていたのかもしれません。その範囲でもう十分に手を尽くしています。今まで考えたこともない「炭素肥料」「エネルギー肥料」を収支のパズルに当てはめると、人の手当ができる処は全て埋まります。

糞尿の生石灰処理残渣は、今までの農業で手付かずの部分を充当するものだったのかもしれません。光合成が担うCOHの獲得と、エネルギーの獲得とを人為的に「炭素肥料」「エネルギー肥料」で充当できれば、気温・降水量・蒸散等の要因のうち・・・人が出来ることは「潅水」「換気(施設で)」「気温(施設で)」位なものかもしれません。

PTA法(光合成移転農法)は、農業に無限の努力を強いるものではなく、慣行農業に炭素肥料を加えることで、殆どの手当が完了することを示唆しています

或いは、PTA法は、今まで右往左往して寝る間を惜しんで努力していたことを、「一つひとつが的確に有意義に作用する」その様な所作を提案するものです。無駄な努力は排除できます。


PTA法(光合成移転農法)は、低分子量有機物を「炭素肥料」と考えて栽培を進める新しい農業の取り組みです。

作物が要求する窒素・リン酸・カリ等の従来の肥料要素は、従来通り、その全量を化学肥料によって補います

作物が、有機物を直接吸収し、同化する現象が科学的に確認されています。

吸収される有機物は「炭素肥料」「光合成のリサイクル」・「光合成のバイパス」と考えることもできます。

PTA法(光合成移転農法)は、この現象を最大限に注目し、それを活用したときに浮かび上がる栽培の取り組みです。

PTA法(光合成移転農法)は、「炭素肥料」「光合成リサイクル」「光合成のバイパス」「有機圏内炭素循環」等斬新な自然観を提供するものです。

光合成産業と言われる耕種農業では、「栽培中の作物の光合成だけ」に限定して考えていませんか?

炭素肥料が存在することは、光合成が「現在進行形の光合成」に拘束されないことを示唆しています。時空を超えて光合成が移転できる全く新しい自然の姿です。

PTA法(光合成移転農法)は、膨大な食糧増産の可能性を提案し、また、飛躍的な耕地の生産性の向上を提案するものです。

耕地の生産性向上は、大量の余剰耕地を生み出し、来るべき持続可能な社会の礎になりますPTA法は、農業の改善に止まらない広がりを持つものです。

産業革命以後の文明社会が完全に行き詰まり、未来の方向を見出せない状況にあります。PTA法(光合成移転農法)は、持続する未来社会の入口であることは確かです


【PTA法(光合成移転農法)は実績に基づいた新しい見方】

PTA法(ドッサリース農法)は、約30年も前に始まり、今日耕地面積数千haまで普及しているリサイクルに基づく新しい農業の見方です。

家畜糞尿や食品屑に生石灰CaOを添加し、混合することで短時間に殺菌・分解して、その処理残渣を「有機石灰質土壌改良資材」として耕地に利用し、さまざまな作物・植物・果樹・樹木の生育に良好な結果をもたらし、全体としてみれば、前記有機廃物の処理コストを上回る利得があり、有機廃物の処理の経済的な負担が解消されているリサイクルが30年以上も続いています。

開発から約30年に渡りこの現象が続き、その面積は漸増を続け、今日では数千haにもなっています。

この30年の間に、さまざまな作物・植物に利用され、何れも良好な結果を得つつ、利用の仕方、処理原料など現実に即したノウハウが蓄積されました。

この実績を要約すると次のようになります。

1) 水稲・根菜・葉茎菜・果菜類・花卉・果樹・樹木・芝等ほぼ全ての作物・樹木に対して効果的に作用する

2) その効果は、「増収」「食味の向上」「連作障害抑制」「老木の若返り」「酸性土壌のpH矯正」「土壌の物理・化学的特性改善」等。

3) この資材は、NPK等の肥効成分量を「ゼロ」とし、作物の要求するNPK等の肥料成分量は、その全量を化学肥料で補うことが望ましい。

4) この資材と併用してはならない資材として、「堆肥」「有機配合肥料」「石灰質資材」がある。

5) 現下の経済では、本資材の施用による経済効果は、この資材を生産するコスト(一般には、糞尿処理コスト)を遥かに上回る。

6) ただし、畜産の糞尿処理費でいえば、畜産売上のほぼ半分にもなり、6〜7割を占める飼料代と合算すると売上を遥かに超えてしまう。

7) この処理費の負担を耕種農家に求めると、NPK等の主要肥料代金の3〜10倍の土壌改良資材費を追加して負担することになり、余りにも過大な負担に思える。

8) 現実には、畜産では、設備・処理・人件費・販売費・些少の利益を含めて資材単価が決定され、畜産、耕種農家双方が共にこのリサイクルによって潤っている。

9) 増収の効果は、概ね50〜100%程度で、現実には、食味の向上に伴う単価の上昇、販路の確立が経済的にはより大きな貢献をしているようです。

最早、(30年前から)家畜糞尿の完全な殺菌とその経済的なリサイクルは完成していました。


PTA法(光合成移転農法)のいろいろな表現:

PTA法は、生態系に関する余りにも基本的な事柄の改変のため、影響は多方面に及びます。

農業ばかりでなく、生態学・環境・肥料・食物栄養・食品・食糧・保健衛生・感染症・畜産・リサイクル・省資源・・・多種多様な方面に決定的な影響を及ぼします。

このため、それぞれの立場によって見方が大きく異なるかもしれません。

私たちがこれまで、当然の基盤としてきた生態系の姿が、全く異なって見え、効率がよく、新しい部分に、社会全体が乗り移ることを提案するものです。

1) PTA法は、低分子量有機物を「炭素肥料」と考える新しい農業の取り組み方であり、炭素が施肥元素となりました。C+NPK・4元素農法と考えれば簡単です。

なお、これまでの実績では、施肥するNPKの主要肥料代金よりも炭素肥料代金が3〜10倍にもなっており、このことは、炭素肥料の経済規模が、NPKの規模よりも大きいと言えます。

2) PTA法は、過去の光合成産物(有機物)を、低分子量化して、今の光合成に取り入れる「光合成リサイクル」「光合成のバイパス」と見ることができます。

目に見える有機物の全てが、低分子量化すれば炭素肥料として利用できることを示唆しています。即ち、有機物は、基本的に食糧に転換できることになります。

3) PTA法は、生物地球化学的炭素循環において、「有機圏内炭素循環」を提案するものです。この形態は、食虫植物・従属栄養植物という希少種に見られた現象です。

そして、実社会の根幹を、有機圏内炭素循環に移行することを提案するものです。炭酸ガスを経ない有機炭素の循環は、低エネルギーで高効率です。

4) PTA法は、膨大な過去の遺産である有機物を現在に蘇らせる「光合成産物のリサイクル」ともいえます。炭素肥料の原料は膨大であり、無限の蓄積があると言えます。

5) PTA法では、NPK等の従来の肥料成分は従来通り化学肥料で施肥するため、削減はされません。(安くなりません!)

6) PTA法では、家畜糞尿や食品残渣の殺菌処理費が、実質的に耕種農業で得られる収穫物の増益によって完全に充当され、実質的に処理の経済的な負担はありません。


有機廃物の生石灰処理の残渣を「有機石灰質土壌改良資材」としてではなく、「低分子量有機物は炭素肥料のように振舞う」と解釈したのがPTA法です。

そして、PTA法(光合成移転農法)のように概観すれば、従来の光合成が「現在の光・耕地・その他条件」に限定された光合成であり、PTA法の提案する光合成は現在の光合成に過去の光合成産物を付加する全く新しい光合成の形態が浮かび上がり、これは、高効率の農業生産に直結する可能性が生まれます。

しかし、それは「願望に近い可能性」ではなく、30年来生じている現象に他ならず、その驚異的な現象を合理的に解釈するためにPTA法(光合成移転農法)は編み出されたものです。

或いは、PTA法は、生態系における「有機圏内炭素循環」という全く新しい炭素循環経路を提案することでもあり、炭酸ガスを経ない新しい有機圏内炭素循環経路は低エネルギー循環回路でもあり、「耕地面積」「日照」等のように一定の限界を持つ光合成に対して、過去の光合成産物を付加し、光合成を増幅するものでもあります。

PTA法(光合成移転農法)

「過去の光合成産物」「現在の光合成」

耕地の生産性を飛躍的に高める(過去を追加する)

即ち、PTA法は、「光合成のリサイクル」と見ることもできます。

光合成の多様な産物の中で「糞尿・生ゴミ・植物屑」というように不要になった光合成産物(有機物)を、低分子量化して作物に施肥し、作物の光合成の時に一緒に取り込ませるものであり、炭酸ガスを経ないことから、光合成のリサイクルと見ることもできます。

以下、これらのことをいろいろな視点から要約して概説します。

家畜糞尿や有機廃物の生石灰処理とリサイクルの模式図(30年以上続き、約数千haの耕地に利用さている形態)

PTA法(光合成移転農法)は、これを契機にして想到した新しい自然界の姿です。

PTA法(光合成移転農法)は「光合成のリサイクル」ともいえます


PTA法は、入口は家畜の厠⇒その実態は「炭素肥料」「光合成リサイクル」「有機圏内炭素循環」等という驚くべきもの

収量の激増・・・広大な余剰耕地の出現は、持続可能な社会における再生エネルギー生産に不可欠の要素です。

耕地の生産性激増・・・資源枯渇の下では、食糧の高効率生産は絶対的に必要とされる要素です。

耕地の生産性向上・・・生活圏の近くで食糧が多量に生産され、流通動線の短い、経済的な社会が構築できます。

食味の向上・・・大豊作は、美味しい産物を提供し、多くの人の生活実感を向上させ、且つ、菜食指向は生活習慣病を回避します。

環境保全・・・腐敗による環境汚染が懸念される家畜糞尿・有機廃物が、殺菌処理され、食糧に転換されるため、汚染源が取り除かれ、そして、活用される。


従来の農業の模式図(耕種農業は、現在進行形の光合成産業)

PTA法(光合成移転農法)の模式図

(過去と現在の光合成の統合/有機圏内炭素循環がPTA法の特徴)

光合成産物が、炭酸ガスを経由しないで光合成に取り込まれ、「光合成のリサイクル」となっている。

昔の光合成産物が、今の光合成に蘇る(有機物を低分子量化できれば・・・)



PTA法(光合成移転農法)の関連するカテゴリと効果の概要


(1) 耕種農業: 食味向上・大幅増収・連作障害抑制・老木の若返り・対象は殆ど全品目

(1.1) 対象はほぼ全品目

PTA法(光合成移転農法)は、殆ど土耕の全品目について、効果があるものとされて、「万能の土壌改良資材」という認識で利用されています。

水稲・根菜類・果菜類・葉茎菜類・花卉・果樹・芝・山野草などの品目に及び、陸上植物であれば本資材の利用が励行されています。

品目によって、その施用効果の現れ方は異なりますが、次のような施用効果となります。ただ、「万能の土壌改良資材」と認識されて、栽培する全ての品目に用いられている現実からして、対象はほぼ全品目に適用できるものといえます。

(1.2) 食味の向上と同時に大幅増収

多くの品目では、収量の増加と、食味の向上が望まれることが多く、PTA法(光合成移転農法)では、両者を同時に満たすことが期待されます。

PTA法(光合成移転農法)の見方では、低分子量有機物を炭素肥料と考えて作物に吸収・同化させて、生長を促します。

光合成によらない有機炭素の獲得は、少ないエネルギー消費(ATP消費)で作物が生育できるため、本来消費されるべきブドウ糖(ATP)が多量に残留することが考えられます。

その結果、作物体内には高濃度のブドウ糖が蓄積され、作物のより旺盛な生長を促します。ことのことは、収量を増加させる可能性があることが示唆され、現実に、このリサイクルでは大幅な収量の増加が確認されています。

また、ブドウ糖の高濃度の蓄積は、作物に美味しさを与えます。このことは、本リサイクルによって収穫されるさまざまな農産物が美味しさゆえに安定した価格で取引されていることからも裏付けられます。

このように、PTA法(光合成移転農法)では、「食味の向上」と「増収」との双方の効果が一体となって現れるといえます。

(1.3) 連作障害抑制

今日の耕種農業では、連作障害の強弱は把握されています。そして、連作障害の強い作物は連作を避ける配慮がなされています。

しかし、ゴボウ・ナガイモのように特殊な農機具を用いる栽培では、農機具の使用頻度を高めるために連作を強いられることがあり、また、施設栽培では、連作の強い単一品目の栽培を余儀なくされることがあり、連作を回避できない場合があります。

PTA法(光合成移転農法)は、無理な連作を奨励するものではありませんが、さまざまな事情で連作障害の強い作物を連作する場合であっても、その連作障害が軽減され、現実に、ゴボウやナガイモ、あるいは、ナス・トマトなどの連作が行われています。

これは、収量が大幅に増えるために、連作障害が現れていても、「通常と同程度の収量がある」ため、連作障害が抑制されている、とする見方ができます。

ただ、現実の栽培において、連作障害を気にせず連作がなされているのであれば、連作障害を抑制していると見ることもできます。

(1.4) 簡単な用法

PTA法(光合成移転農法)は、「低分子量有機物を炭素肥料と考えて栽培を進める新しい農業の取り組み」ですが、NPK等の従来の肥料要素は、従来と同様に化学肥料によってその全量を補うもので、従来の農法に簡単に取り入れることができます。

通常の圃場では、本件炭素肥料を施肥して、土壌と混合した後、2〜3週間の後に従来通りに化成肥料の元肥を施肥し、従来通りの播種・定植を行い、農作業を進めます。

また、果樹や樹木にあっては樹木の周りに本件炭素肥料を鋤き込むことで、炭素肥料の施肥を達成できます。

(1.5) 食材が楽しくなる

PTA法(光合成移転農法)は、C+NPK・4元素農法で、炭素+Cが肥料要素に追加されます。その結果、驚くべき自然の世界が拓けます。

同じ耕地で同じ品目を栽培するにしても、収穫される農産物を、「質」「量」の観点から、どのように導くかを選択できることになります。

これまで、野菜・果物・穀物等では「美味しい・不味い」という主観的な選別が主流でした。しかし、PTA法(光合成移転農法)は、美味しさにも程度の違いを生み出すことができます。

また、品目に応じた、多様な食味を生み分けることができます。

農業が楽しくなり、多様な食材の世界を誰もが楽しむことができます。

ほとんど、点でしかなかった食味の世界が、二次元の平面に広がり、これを、幾つかの味覚と組み合わせれば、多次元の空間が広がります。


(2) 光合成のリサイクル : 原料は有機物・低分子量化できれば膨大な炭素肥料が出現・光合成の集約

(2.1) PTA法(光合成移転農法)の最も大きな意義は「光合成のリサイクル」

「過去の光合成」を固定し、貯蔵し、今と未来の食糧に加えるのがPTA法です。

今まで、捨て去られて、消滅していた「過去の光合成」を、殺菌して、今と未来の食糧に転換します。

PTA法(光合成移転農法)の、最も本質的で重要なな見方は「光合成のリサイクル」かもしれません。

PTA法(光合成移転農法)は、「作物の光合成と生長」に際して、低分子量有機物を同化します。

この炭素肥料として吸収・同化される有機物は過去の光合成において生成された有機炭素であり、その意味で、光合成のリサイクルといえます。

光合成は、全生物の根幹をなす最も重要な化学反応です。日頃、気にも留めない光合成が断たれると、全生命の命運が断たれます。それだけに、光合成を活性化することは極めて重要な事柄です。しかし、日常生活において、光合成に関して配慮することは稀です。それは、ほとんど人為的な工夫が入り込む余地がない、とおぼろげながら考えていたためと思われます。

しかし、有機物を適切な低分子量有機物に転換出来れば、有機物のまま作物に吸収・同化する術が見出されたことは、不要な有機物を有機物のまま作物に転換できることとなり、それは「光合成のリサイクル」と言うべきものです。

(2.2) 未利用で膨大な炭素肥料原料の出現

PTA法(光合成移転農法)は、有機物の新しい活用方法です。ヒトが代謝によって消費するエネルギーは約「0.4」、耕地の光合成量「4」、地表の光合成量「60PgC/y」、地球の有機物量「2500PgC」であることを考えると、耕地の光合成量を桁違いに増やすことができる可能性が生まれたことになります。

生物の代謝によって失われる有機物以外の有機物は、有機物の形態で植物に移行できる可能性が生まれ、代謝による消費量に比べ、膨大な有機物が身近に存在していることが判ります。

炭素肥料の原料は、身近に大量に存在し、それを、作物が吸収できる低分子量化すれば、作物に直接的に転換できます。

窒素N以外の肥料原料は(リン鉱石・鳥の糞の堆積物)(カリ鉱石・塩湖)というように地域的に局在していますが、炭素肥料=有機物は、ヒトが存在し農業が営まれている地域には多量に見出されます。

(2.3) 食糧増産の可能性

PTA法(光合成移転農法)は、作物が光合成によらない有機炭素の道を開くものであり、光合成のリサイクルに他なりません。このことは、膨大な食糧生産の道が開けたことになり、さまざまな可能性を拓くものです。<PTA法(光合成移転農法)は、現実の不思議な現象を観察して想到した考え方であり、食糧の増産、は現実に生じている現象です。>

作物に吸収される有機物が、ATPにより作物に同化するエネルギーは、その経路によってさまざまなものがあるはずです。現実に生じている「収量の倍増以上の増収」という現象からし、代謝エネルギーの負荷が半減していることは想像に難くありません。

即ち、私たちは、現在の耕地の農産物生産性を2倍程度までは高めることができる可能性を手にしたと言えなくもありません。食糧の倍増は、飢餓で苦しむ人を救える可能性が高まることを意味します。

(2.4) 耕地の生産性向上

PTA法(光合成移転農法)は、光合成のリサイクルを提案するものであり、さまざまな有機物を低分子量化することで、限定された耕地に移転するものです。

作物を栽培中の耕地では、リアルタイムの光合成による炭酸同化作用の他に、低分子量有機物を吸収して同化することによる有機炭素の獲得によって、作物の生育が促され、大幅な増産となります。

耕地の農産物生産性が高まることは、耕地の農地としての経済価値を高めます。これまで、NPKという化学肥料の発達で、耕地の生産性は飛躍的に向上しました。それは、人口の増加による食糧危機を回避するために大いに貢献しました。

PTA法(光合成移転農法)は、「炭素+C]を肥料元素に加えると言う提案です。単に、収量が増加するばかりか、美味しくなります。


(3) 畜産 : 排泄物は最良の炭素肥料原料・未処理で投棄することは大きな損失

(3.1) 家畜排せつ物は最良の炭素肥料原料

PTA法(光合成移転農法)は、有機物を低分子量化して作物に吸収・同化させ、作物の生育を促進する新しい農業の見方です。

有機物が多量に濃縮され、また、その主たる成分が蛋白質・核酸・生体膜というような生石灰分解し易い原料は動物の排泄物が一番です。その意味で、家畜排せつ物は最も経済性の高い炭素肥料原料と言えます。

日本の家畜排泄物の発生量は約8800万トンであり、国内の耕地(全体で450万ha)で消費する炭素肥料を生産するには十分なものがあります。

(3.2) 生石灰分解は完璧な殺菌処理

畜産に由来する排泄物には原虫・菌類・ウイルス・プリオン等さまざまな感染性病原体が含まれており、厳正に浄化処理をしなければ様々な感染性疾病を引き起こすおそれがあります。

大腸菌O-157、SARS、BSE、鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ、ニパウイルス、クリプトスポリジウム原虫、西ナイルウイルス、肝炎ウイルスなど数え上げれば限が無いほどの感染症が、家畜糞尿によって引き起こされる恐れがあります。

PTA法では、活性な生石灰を添加して混合することで、家畜糞尿に含まれるこれら感染性病原体を分子レベルで分解し、以後、感染性が失われます。

また、その際に生じた低分子量有機化合物を「炭素肥料」として耕地に利用することで、合理的な施用をすれば、その施用効果によって糞尿の処理費の相当額、あるいは、全てを充当できるものであり、環境の保全効果を勘案すると、実質的に社会にとっては過大な負担とはなりません。

堆肥化や発酵液肥というような処理では、様々な菌類・ウイルスやプリオンに対する処理が明確ではなく、酵素に対する処理も十分とはいえないものがあります。

(3.3) 家畜排せつ物の生石灰処理と生成する炭素肥料の利用効果では、後者が経済的に上回っている

PTA法(光合成移転農法)を想到するきっかけとなった、家畜糞尿の生石灰処理とその耕地へのリサイクルでは、処置とリサイクルが経済的に優れていからこそ約30年にも継続してい行われているものであり、他の事例では希有なことかもしれませんが、ふん尿に関しては生石灰により完璧に殺菌分解してリサイクルした方が、はるかに経済的に優位となります。


(4) 生態系:見方を根本的に変革する「有機圏内炭素循環」

(4.1) PTA法(光合成移転農法)は、新しい生態系を提案します

生態系は、およそ、実体経済とは縁遠いものと思われ、単に、学術の分野でしか検討されないものと思われていました。特に、植物が有機物を吸収する現象は、「食虫植物」「従属栄養植物」という限られた分野だけの現象で、実社会に寄与するものはありませんでした。

しかし、PTA法は、ほとんど利用価値のない知識と思われた「植物が有機物を吸収する」という知見を、耕種農業という最も基礎的な産業分野で「過去の光合成産物を現在の光合成に付加する」という極めて斬新で、しかも、新しい骨格をなす考え方を提案するものです。

このため、「生態學」という思考分野は、本来あるべき位置である「全ての生命活動・社会活動の中心的役割」を担うものとなります。

PTA法は、生態系の例外的な存在であった「植物が有機物を吸収する現象」を、産業の中心に位置付ける斬新な考え方です。

(4.2) 有機圏内炭素循環は、生物地球化学的炭素循環において低エネルギーで炭素が循環する高効率サイクル

PTA法(光合成移転農法)は、「植物に有機炭素を吸収・同化させる」という「生態系における有機圏内炭素循環」を提案するものです。

生態系において炭素原子が循環するには、光合成に依らねばなりません。葉緑体における光合成では、炭酸ガスと水と太陽エネルギーとによって、ブドウ糖が合成され、その物質とエネルギーが生態系を構築します。しかし、PTA法(光合成移転農法)では、作物に吸収された有機炭素がATPによって植物組織に取り込まれるために、光合成の過程が省略され、光合成が増幅されたように植物の生育が促されます。

作物に吸収される低分子量有機物には多様な種類があり、また、同化の過程は作物の種別や生育段階によって必ずしも同一の過程を辿るものではないと推測されますが、熱力学的に見て、光合成よりも半分以下のエネルギー負荷となる場合も示唆されます。

このことは、PTA法(光合成移転農法)によって作物の生育が大いに促されることが予想されますし、実際に、家畜糞尿の生石灰処理残渣を利用した栽培では、作物の収量は大きく増加しています。

また、果樹や桜やサツキのような樹木においては、老木が旺盛に実を付け、或いは、開花力を回復して若返ったような効果を示すのは、老木で光合成が衰えても、少ない同化エネルギーで済ますことができるためと、推測しています。

実質的に不要となった有機物(家畜糞尿、食品残渣、雑草等)は、従来は炭酸ガスまで生分解されて、その有機炭素は大気中の炭酸ガスへ転換され、その上で、光合成によって再び有機炭素として生命体に取り込まれていました。しかし、PTA法(光合成移転農法)では、有機物のまま作物に同化されるので、大気中の炭酸ガスへ転換される割合が少なくなります。

(4.3) 有機圏内炭素循環の方法は、成分によっていろいろ

PTA法(光合成移転農法)は、天然由来の有機物を低分子量化することで、光合成と共に植物に同化できる、とする見方をします。しかし、現実的には有機物の形態によって具体的な手段に違いはあります。

家畜糞尿のような有機物であれば、活性の高い生石灰CaOを添加し、混合することで短時間に低分子量有機物に転換できます。これは、蛋白質、核酸、生体膜等の成分が分解され、主として低分子量有機酸カルシウムが生成するためです。それ以外にも、カルシウムによるリン酸の固定などが行われます。

この生石灰分解に適した有機廃物としては、「腐敗性の有機物」という属性を備えたものが該当するものと思われます。

木質や繊維質を主体とした有機物は、酸分解による低分子量化が主体となるものと推測されます。ただし、木質や繊維質を主体とした有機物は腐敗性ではないために、公害という見地からすれば、汚物感の程度は低く、家畜糞尿のような有機廃物の生石灰処理が優先されるものと思われます。

天然由来の有機物の殆どは、時間の長短を問わなければ、概ね生分解によって炭酸ガスになります。しかし、木質の有機物は分解が遅く、古くは、人のし尿を「樽」に貯めて地中で液肥とする際、し尿の成分は生分解されてトロトロの液状になるのに対して、同じ有機物でも樽を構成する「木質」は、ほとんど腐ることがなく、このため、し尿や液肥を漏洩することなく保持しています。そのような木質でも、考古学的な年代で見れば、数千年・数万年というスケールでは保存状態が良くなければ残っていません。


(5) 安全: 分子レベルの分解による感染性病原体の殺菌・汚物の有効利用のゴール

(5.1) 分子レベルの分解による感染性病原体の殺菌

家畜糞尿等排泄物には、原虫・大腸菌・ウイルス・プリオン・体液などが含まれ、さまざまな感染性病原体が多量に含まれています。動物の排泄物は、昔から動物の活動に伴い発生していたものであり、格別忌み嫌う必要はありません。しかし、その取扱を誤ると、一気に集団発症する可能性は否定できません。(日米のような先進国であっても、1万人近い人数の集団下痢、数10万人規模の集団下痢が発生しています)

仮に、PTA法(光合成移転農法)の炭素肥料としての「低分子量有機物」を得る手法として、生石灰の混合による分解を行えば、僅か10分間程度の攪拌操作で、完全に分子レベルで殺菌され、その際に生成する有機酸カルシウムを主体とした残渣は、そのままでも、或いは、通気乾燥して粉末化しても、良質の農業資材として幅広い植物に利用することができます。

以後、原料に由来する感染性疾病は一切生じることがありません。

(5.2) 汚物の有効利用のゴール: 全ての処理プロセスの目標

各種排せつ物・食品残渣・有機汚泥など天然由来の有機物が集積された物質で、始末に困るものが見受けられます。

生分解では、微生物を増殖させるだけで、格別価値の創造は伴いません。また、増殖した微生物を別途焼却したりする手間を要し、結局は、大きな負担が生じることがまま見受けられます。

概して、有機物の排出を伴うプロセスでは、過去から泥縄式の単位工程を繋ぎ合わせて、非常に大きな負担となっているものが多々あります。

しかし、低分子量化することで耕地に利用できるのであれば、その利用形態を目指した処理プロセスを採用することが最も合理的であり、「有機物の好ましい利用形態」が明確になることで、処理プロセスが大きく効率化されます。

(5.3) 短時間の殺菌処理

PTA法(光合成移転農法)は、生石灰添加後、約10分ほどの攪拌処理で腐敗性有機物を殺菌分解できます。

家畜糞尿やさまざまな有機廃物を、短時間に殺菌・脱臭でき、更に、ハエや蚊などが付着しないので、汚物の拡散を抑制できます。


(6) 食生活の改善:美味しさと安さが同居する

(6.1) 農産物の食味の改善

PTA法(ドッサリース農法)は、「炭素肥料」「有機圏内炭素循環」「過去の光合成産物を今の光合成に付加する」「光合成のリサイクル」という、およそ、「食生活」、言い換えれば「台所の主婦」の世界と隔絶した概念の出来事です。

しかし、それは大いなる誤解であり、家庭の台所は、社会の写し鏡そのものです。PTA法は大変難解な概念かもしれませんが、その最終的な結果は、「美味しい農産物」を「安価に台所に届ける」ことに他なりません。

美味しい農産物は、其々の生活を充実したものとし、且つ、低カロリーで満足する食事は、肥満を抑制し、生活習慣病に掛かりにくい食生活へ誘議、それぞれの人生をより充実したものとし、かつ、社会の負担を軽減します。

美味しい食事で、それが達成できるのであれば、最も好ましいはずです。

PTA法(光合成移転農法)は、有機炭素を獲得して少ないエネルギーで作物が生育するために、エネルギー(ブドウ糖・ATP)の消費が少なく、このため、作物は旺盛に生長するとともに、その体内には高濃度うのブドウ糖が滞留し、美味しくなります。

昔から「豊作の作物は美味しい」とされてきました。PTA法(光合成移転農法)が生み出す収量の増加は、同時に、美味しい農産物を生み出すことに他なりません。

(6.2) ローカルなリサイクル

PTA法(光合成移転農法)は、狭い地域のリサイクルです。その出発原料は、「家畜糞尿」であることが多く、あまり遠方まで出かけなくても存在するものであり、発生源から近い場所で殺菌処理した方が望ましいといえます。

また、その結果得られる「低分子量有機酸カルシウム」も、炭素肥料として品目を問わず利用できるために、利用先は近隣であることが多いでしょう。排泄物やその生石灰処理物は、地域別に特色を持つものではなく、どの地域も同じであり、耕地に利用するのであれば近隣のものとなるでしょう。

ローカルなリサイクルは、数多の地域に美味しい食材をもたらすものと思われます。

(6.3) 美味しいものは、決して、高くはない

PTA法(光合成移転農法)は、美味し農産物を生産する栽培方法として活用されています。勿論、農産物の食味の嗜好には個人差があり、用途によって適否が異なります。しかし、概して、「食味が良い」とされているためか、高く評価されています。

しかし、家畜糞尿や有機廃物を原料としているために、原料の値段がほとんど無料であり、リサイクルのコストは必要最小限のものとなっています。そして、食味が改善されると同時に、収量が増える傾向があります。

現状では、NPK等の従来の肥料要素に関しては、従来通りの成分量を化学肥料で充当するため、従来の肥料の削減になはならず、その上に、炭素肥料の上乗せがあり、そのコストは、NPKの従来の肥料の代金の3〜10倍程度となります。即ち、PTA法(光合成移転農法)の栽培では、炭素肥料の初期投資が大きくなります。

ただ、収量が増加するために、結果的には、生産原価はさほど上昇しません。勿論、栽培の形態によっては、収量が増えないものもあり、一概には言えませんが、多くの場合では、消費者に過大な経済的な負担を強いるものではありません。

(6.4) 明確な美味しさが、食生活を豊かにする

PTA法(光合成移転農法)の出現で、ある程度人為的に美味しさを生み出すことができるようになりました。このことは、消費者としては、作物に美味しさ(食味)の幅があることが判り、選択の幅が広がることを意味します。

祝祭日・命日・誕生日・記念日というような特別な時には、特別に美味しい素材を利用し、そうでないときは、それなりの素材を利用して、日々の食卓に、食味の変化をもたらすことができます。

ほとんど意味のない「形状の違い」を争うよりは、遥かに、健康的と言えます。


(7) 健康: 肥満・生活習慣病

(7.1) 食事の低カロリー化

PTA法(光合成移転農法)は、およそ農業に関連することであり、健康とは直接的な関係がない事柄と思われるかもしれません。しかし、さほど縁遠いものではありません。PTA法による農産物は、概して美味しいものとなります。

「ベジタリアン・菜食主義」の人達には、肥満が少なく、生活習慣病の患者も少ないとされています。

美味しい農産物は、食事に占める農産物の割合を高めます。食事のカロリーが適切であれば、肥満に由来する「高血糖」「高血脂」による「動脈硬化」「血栓症」「糖尿病」というようなほとんど治癒することのない生活習慣病が回避されやすくなります。

耕種農業が生み出す多様な低カロリーで美味しい農産物は、私たちの食生活を充実したものとすると同時に、健康の増進にも大きく寄与します。

(7.2) 社会の医療負担の軽減

肥満が蔓延しています。メキシコでは男性の半分、女性の66%以上が肥満であり、この人達が生活習慣病に移行することになれば、医療機関の負担は想像を絶するほど大きなものとなり、「医療費」「医療施設」ばかりでなく、社会的損失も甚大なものとなります。

その全部とは言わないまでも、菜食への移行によってかなりの割合で生活習慣病を回避できる可能性が生まれます。


(8) 高緯度農業 : 日照の少なさを肥料によって補う

(8.1) 高緯度農業・・・緯度・日照の格差を解消する

地球上における「緯度」に関しては、変更のしようがない条件です。緯度が高い地方は、太陽の仰角が低く、単位面積当たりの日照量が少なく光合成の量も少なくなります。日照は、耕種農業に決定的な制限要素となります。概して、高緯度地方は、耕種農業には不利です。

   英・蘭・瑞・・・210〜220、  伊・仏・日・・・300〜320、  ケニア・・・644 (単位:cal/cm2/d)

日照が少ない地域では、耕地の生産性が低く、更に、「不味い」とされています。逆に、日照の豊富な地域は、料理が美味しい、とされています。PTA法は、日照の不足を「炭素肥料」という形で補うことができます。このことは、高緯度地域において食糧の生産性を高め、そして、食事をより美味しいものとします。

これまで、緯度や日照による農業格差を改善する試みはありませんでした。

(8.2) 農産物の貿易・・・地理学上の格差解消

耕種農家個人が所有する耕地で、緯度が異なることで問題が生じることはありません。緯度の違いが問題になるのは、農産物の交易に関する場合で、高緯度地方の農業は不利な立場にあり、高い生産性を持つ低緯度地方の農産物が他国の農業基盤を脅かすことです。

家畜糞尿の生石灰処理とそのリサイクルで、高緯度地方の農業の生産性と食味を高めれば、とかく解決の術を見出せない農産物の貿易に建設的な解決の道が開けます。


(9) 経済 : 生産性向上・広大な休耕地・消費地近郊の農業

(9.1) 生産性向上による、近郊農業の発展

PTA法(光合成移転農法)は、耕地の生産性を高めます。即ち、耕地の生産性が高まれば、休耕地が蘇ります。特に、都市近郊の耕地が生産緑地として作付され、近郊農業が発達します。

消費地近隣の耕地が、一大産地となり、流通動線の短い食糧供給の形態が生まれます。

反対に、遠隔地においては広大な休耕地が生まれることが予想されます。

(9.2) 国土整備の負担軽減

耕地の生産性が高まれば、中山間地の耕地の必要性が失われます。中山間地の耕地を整備するには、水・ダム・道路・橋・法面等法外な費用が掛かり、大きな負担となっていました。この国土整備の負担が軽減されます。

(9.3) 経済性の向上

耕地の生産性の向上は、農業の産業としての効率や経済性が高まるばかりでなく、流通動線の短縮による経済性の高まり、且つ、中山間地の整備を先送りできることによる負担軽減で、著しく経済性が高まります。


(10) 陰性植物 : 光合成の不得手な植物の生長の助勢

陰性植物は、低い照度で光合成量が飽和するため、光合成によるブドウ糖獲得量が少なく、生長速度の小さい植物です。

PTA法(光合成移転農法)は、低分子量有機物を作物に直接吸収させ、同化させて作物の組織として取り込むことを意図する栽培です。

低分子量の有機物を取り込んだ作物は、ATPによって同化するため光合成よりも少ないエネルギーで生長することが予想されます。

PTA法(光合成移転農法)では、光合成以外の経路で有機炭素を獲得でき、光合成によって有機炭素を獲得するよりも少ないエネルギーで同化できることが推測され、結果として、少ない光合成量でもより多く生長できるものと推測されます。

陰性植物の性質に着目し、格別に生育を促すことを意図した肥料は他に類例を見ないと思われます。勿論、約30年前から家畜糞尿の生石灰処理とリサイクルに付随して実施されていたものです。或いは、江戸・明治・大正・昭和初期に行われていたし尿に由来する液肥の施肥で発現していた現象とは思いますが。


(11) 飢餓・食糧問題 : 耕地の生産性向上による飢餓問題の軽減

PTA法(光合成移転農法)は、土耕という原始的な栽培形態において、簡単に適用できる栽培であり、幅広い作物において収量を大きく増加させることが期待されます。

約63億人と言われる総人口に対して8億人の飢餓人口がいるとされています。有機物を低分子量有機物に転換出来れば、作物に直接有機物を供給する経路が見出されたことで、耕地の食糧生産性が飛躍的に高まります。

土耕という栽培形態、家畜糞尿のような有機物を原料とすること、および、石灰岩という地球規模で広域に存在する反応剤原料等PTA法(光合成移転農法)はいずれも、何処の地域でも簡単に実施し易い特徴を備えているために、飢餓に対して近隣で解決し易い利点があります。


(12) 環境保護・自然破壊の抑止 : 既存の耕地が生み出す膨大な食糧は、耕地の開発を抑止する 

食糧生産のために、大規模な自然破壊が行われています。

ヒトは、食糧の獲得のために広大な耕地を必要とします。一人の人間を養うための耕地面積は約1,400uといわれ、広大な耕地面積です。

この耕地を獲得するために、国土が開墾され、道路・橋・法面・上下水道・農業用水・排水・ダム等さまざまな社会資本の投下を必要とします。当然、立地条件の良い場所から開墾・整備され、順次、条件の悪い地域へ開発が拡大します。有史以来、常に、より困難な地域の開発に向かうバイアスが掛かり続けています。

しかし、PTA法(光合成移転農法)は、耕地の食糧生産性を飛躍的に高めます。仮に、耕地の生産性が倍増した場合、耕地の新規開拓は不要となり、無用な自然破壊は抑止できます。


(13) 再生エネルギーの創造 : 広大な休耕地の出現は再生エネルギー 

日本の総発電量は年間、約1兆2000億kWh程度とされています。一人平均では1万kWh/年です。また、1uのパネルの年間発電量は約100kWhとされています(効率10%)。計算上は、一人当たり、100uのパネル面積を必要とします。これを、住居に求めることはできません。

しかし、一人1400uを必要としていた耕地面積が、生産性の50%の向上で450uの余剰耕地が出現します。

送電は、最も使いやすく、しかも、効率の良いエネルギー輸送手段の一つです。耕地としての整備が難しい、遠隔地・中山間地の狭い耕地であっても太陽光発電として考えれば、大都会・大工場地帯・高級住宅街と全く等しい太陽光が照らしており、電線一本で理想的な太陽光発電所に変貌します。

発電した電力の貯蔵と分配については別途工夫は必要とされますが、技術や人知で解決できない最大の障害であった「広大な敷地」は十分すぎるものが得られます。

変動する太陽光発電エネルギーを貯蔵し、需要に応じて利用できる技術が見いだせれば、再生エネルギーを基盤とした、持続性のある社会が構築できる可能性が生まれます。


関連するカテゴリが多岐にわたるPTA法(光合成移転農法):

PTA法(光合成移転農法)は、多種多様な分野に関連します。これは、余りにも基礎的な事柄について全く新しい見方をしたことによります。

耕種農業★★★ 畜産★ 生態系★ 生態学★ 環境保全★★ 公衆衛生★  感染症★ 食物栄養★★★ 調理★★ 

食味★★★ 家事★★ 経済★★ 飢餓★  国土開発★★★ 肥満★★  生活習慣病★★ 医療負荷★ 医療負担★★★

健康★★ 太陽光発電★★★ 自然保護★★ 陰性植物★ 貿易★ 省エネルギー★★★ 省資源★★★ 光合成★★★ 

リサイクル★★★等(★印の数は、関連の深さ)

PTA法(光合成移転農法)は、上記のようなカテゴリについて直接あるいは間接的に関連します。

そして、このようなカテゴリの何れか一つであってもPTA法(光合成移転農法)との関連で述べることは、意義深いものがあります。

それだけに、当サイトは魑魅魍魎としたものになりがちなことをお詫びします。


この有機石灰質土壌改良資材は、これまでほとんどの植物に利用され、すべて良好な結果を得ています。また、これまでの過程で、経済的な使用方法も確立されました。

今日では、生業として水稲・蔬菜・果樹・花卉等の栽培を営む場合であれば、栽培する種類に依らず「万能の土壌改良資材」として利用されています。

PTA法(ドッサリース農法)は、この現象を「土壌改良資材」ではなく、「低分子量有機物は炭素肥料のように振舞う」と考えて見直したものです。

家畜糞尿等の有機廃物の生石灰処理とリサイクルの実績の概要】 

● 処理の原理 : 生石灰による有機廃物の殺菌分解

● 処理対象  : 家畜糞尿、食品残渣、圧搾ケーキ等の天然由来の有機物

● 処理の特徴 : 短時間で殺菌分解が完了する(反応時間としては10分程度)

● 生成物    : 有機酸カルシウムを主体としたカルシウム化合物(有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の低分子量有機酸)

● 生成資材   : 有機石灰質土壌改良資材

● 生成物の用途: 水稲・蔬菜類・果樹・花卉など陸上の植物全般に対して万能の土壌改良資材として利用されている

● 施用効果  : 収量が増加する/食味が向上する/連作障害を抑制する/老木が若返る等

● 経済的特色 : 処理費が非常に高額(通常の畜産の売り上げの半分程度にもなる)

            処理費を、耕種農家が負担するなら、NPKの肥料代の3〜10倍程度の追加の負担となる

●リサイクルの特色:非常に高価であるにもかかわらず、現在、数千haの耕地で利用され、リピータばかり。


第3図(再掲載) PTA法(ドッサリース農法)のフロー図


【背景・経緯: 家畜糞尿等の有機廃物の生石灰処理とそのリサイクルの実態】

【信じ難い現実】

耳目を疑うような、廃棄物処理と農業へのリサイクルが連綿と続いています。

悪い事例ではありません。余にも良すぎる事例です。「信じられないほど良いから、から信じない」そんな驚くべき現実です。

何よりも困ったことは、識者が好ましい現実を説明できないことです。

この現実が真実なら、有機廃物の処理と耕種農業は明らかに簡便で効率的なものとなります。

その対象は、世界の全てであり、その有機廃物処理と耕種農業について言えることです。

また、世界中の農産物に由来する食糧は、もっと豊富に、もっと美味しく、もっと安く、多くの人が健康になるでしょう。

PTA法(ドッサリース農法)は、この30年近くも継続している劇的な廃物処理と農業のリサイクルについて新しい見方をしました 。

【今、何が?】

 家畜糞尿等の有機廃物に生石灰を添加し、瞬時に殺菌分解し、これを乾燥して土壌改良資材とします。

 生石灰による処理は、ウイルス・プリオンという感染性病原体まで殺菌できる可能性がある公害防止方法です。

● しかし、生石灰処理は凡そ畜産の売上の相当の割合を占める高額な処理で、経済性を考慮すると躊躇する処理です。

 この土壌改良資材は、殆ど全ての作物・植物に効果的に作用します。水稲・蔬菜・果樹・花卉・ほぼ全部。

 その効果は、「増収」「食味改善」「連作障害抑制」「老木若返り」「酸性pH矯正」等

● しかし、従前のNPK肥料代金に加えて、その数倍(3〜10)の追加負担となります。真似のできない法外な費用を要します。

【不思議?】

? 生石灰処理は、処理費用の高さを考えると、先ず、処理方式として採用されない代物です。畜産の利益の数倍も高い糞尿処理です。

? 誤って導入すると処理費用が高すぎて、長続きすることなく、畜産事業がとん挫するはずです。

? 厳しい経営環境の耕種農業において、NPK等の肥料の数倍にもなる過大な追加の経済的な負担はできないはずです。 

? 施用効果のうち「老木若返り」「食味改善」等、願望はあっても対処の術が判らないものもあります。不思議です。

 しかし、この一連のリサイクルは30年近く実績を積み重ね、今日では数千haの耕地で利用されています。

 その間、ほぼ全ての対象に対して、全て好適に作用することが確認され、その使い方も定まってきました。

 高額な処理費は全て「土壌改良資材代金」として耕種農家が負担することになります。それを負担してもなお利用され続けています。

 資材の利用者はリピーターです。

【どちらが正しいのか?】

? 生石灰処理とリサイクルを、不安視する大多数の専門家、畜産・耕種農業関係者の不安が正しいのか?

? 周囲の不安をものともせず、生石灰処理をし、また、その生産資材を利用し続ける農家や畜産が正しいのか?

 後者の当事者が何不自由なく処理をし、農業を営んでいる以上、後者が正しいかもしれません。

 とすれば、家畜糞尿のような有機廃物はほとんど経済的な負担がなく、最も高度な浄化処理である生石灰処理をし、農業資材としてリサイクルができることになります。それは、環境保全の観点からも、耕種農業の観点からも、喜ばしいことです。

PTA法(ドッサリース農法)は、一般的な常識や専門知識では説明のできない「大変好都合な事態」を、理解しようとする一つの試みです。

一般常識や専門的な知識や長年の経験からすれば理解不能な良い現象が、長年、同じ人たちによって継続して営まれています。

ただ、その実績だけを以てして、大多数の人が真似をすることでもよいのですが、何か、納得しやすい考え方があるのであれば、便利です。


【PTA法(光合成移転農法:ドッサリース農法): 炭素肥料という概念の導入:光合成のリサイクル】

PTA法(ドッサリース農法)は、低分子量有機物を炭素肥料と考えます。

家畜糞尿のような有機廃物に生石灰を添加して、殺菌分解すると有機酸カルシウムを主体とした処理残渣が反応機に残ります。

これを通気乾燥した粉末には、さまざまな物質が含まれています。元々、家畜糞尿のように有機廃物ですから成分を特定することはほとんど意味のないことかもしれません。糞を構成する一つの大腸菌を取り上げて見ても、無数の物質を含有しており、一つ一つの物質を取り上げて、その推移を云々することもできません。

しかし、その生成物には、低分子量の有機酸カルシウム、低分子量有機物、高分子有機物、消石灰・炭酸カルシウムおよび原料に由来するミネラルが含まれていることが確認されています。

低分子量の有機酸カルシウムとは「ギ酸」「酢酸」「プロピオン酸」というような分子量の小さい有機酸のカルシウム塩です。


PTA法(ドッサリース農法)では、ここに含まれる低分子量有機物が水や酸性溶液に溶解しやすい性質を持つことやさまざまな事柄を考慮し、全部ではないまでも、かなりの部分が作物に吸収されるものと考えます。

ひとたび植物体内に有機物が吸収されたとすれば、作物は必要に応じてこれらの有機物を自由自在に同化に利用できるものと思われます。

PTA法は、当初、次の2つの仮説に基づいて検討したものですが、その後、この2つの仮説は何れも誤りではないことが判りました。

即ち、「低分子量有機物が植物に吸収され、同化されるものがある」とする、本サイトの仮説には、誤りはないといえます。

西暦2000年以降、サイト検索から簡単に判別できるように、「有機液肥」「有機液体肥料」が爆発的に進展しています。

これは「有機物が経根吸収されて作物に同化する」との考えに基づいてものであり、その意味で、本サイトの2つの仮説を是とするものです。

この「有機液肥」のトレンドを、別の見方をすれば「固体有機物である堆肥を見限り、有機物が直接作物に吸収される有機液肥に走った」と言えなくもありません。

その意味で、ここで触れる「2つの仮説」は、科学的には何ら意味を持ちません。単に、正しい、というだけのことです。

(2009年11月7日)


【第1の仮説:低分子量有機物が植物に吸収される】

植物が、有機物を吸収することは確認されています。不思議なことではありません。

葉面撒布や除草剤などではごく普通に有機物が植物に吸収されています。また、トレーサーを用いてアミノ酸が根から吸収されていることを確認した研究もあります。その一般的な植物の細胞膜の透過についての認識は次の通りです。

(高橋英一著「ここまでわかった作物栄養のしくみ」1993年12月20日農山漁村文化協会発行:194頁〜202頁参照)の要旨

    1) 作物の根から吸収される物質は水に溶けていなければならない

    2) 水やガスは細胞膜を透過する

    3) 分子量が小さい有機物は透過する。分子量の目安としては200以下

    4) 電荷をもつイオンは透過しにくい

    5) 大きな分子は透過しにくい

    6) 電荷をもつイオンでも、能動移送で細胞内に取り込むことができるものもある

(上記文献以外のもので、次のことが検証されている)

    7) アミノ酸が吸収されている事実は、検証されている。

ただ、「根から有機物を吸収させて生長を促す」という視点に立つことが少なかったため、軽んじられていました。

PTA法(ドッサリース農法)では、無視しえない程の大量の低分子量有機物が有機酸カルシウムの形態で施肥されるため、その吸収が生育に顕著な影響を発現させているものと思われます。


【第2の仮説:吸収された低分子量有機物が同化作用によって植物体内に取り込まれる】

PTA法(ドッサリース農法)では、一旦植物体内に取り込まれた低分子量有機物は、さまざまな同化過程に利用されるものと推定してます。

格別な根拠はありませんが、生命体の持つ自由自在な生体機能は、計り知れないものがあります。

「低分子量有機物が植物に取り込まれる」ことが証明されている以上、同化されて植物の組織の構築やエネルギー物質の生成に利用されているものと思われます。

因みに、植物ばかりでなく、動物においてもATPが「万能のエネルギー通貨」としてあらゆる代謝(同化)の場で、必要となるエネルギーを補給しています。

PTA法(ドッサリース農法)では、低分子量有機酸カルシウムを多量に含む資材を炭素肥料と考えて施肥し、作物に吸収させる見方をしますが、この低分子量有機酸にはさまざまなものがあり、仮に、作物に吸収された場合に同化によって取り込まれる過程には単一ではなくさまざまな過程が考えられ、一つに特定はできないものと思われます。


【光合成に依らない有機物の獲得は、植物の生長の負担を軽減させる】

PTA法(ドッサリース農法)では、低分子有機物が植物体内に取り込まれて、同化して植物の生育を促すと考えます。通常、植物が有機炭素を獲得するには光合成によるものとされています。

光合成は、太陽光や気温、湿度、水分、炭酸ガス濃度、風速のような因子に影響を受ける化学反応ですが、基本的には、燃焼排ガスである炭酸ガスと水からブドウ糖(炭水化物)を合成する化学反応です。

光合成には多量の光エネルギーの吸収を必要とするため、仮に、光合成に依らず植物が有機物を獲得するとすれば、植物にとって同化に要するエネルギーが軽減されるものと予想されます。


【NPKの肥料成分量は別途補う:C+NPK=4元素農法】

PTA法(ドッサリース農法)では、NPK等の肥料成分量は別途化成肥料で補います。

通常は、速効性化成肥料によって施肥設計がなされます。

Caは、ドッサリースによって補われるため必要はありません。

堆肥や有機質資材との併用は、一時的なアルカリ性の発現によりアンモニアガスを発生し、障害を及ぼすことがあるため、禁忌事項です。

PTA法(ドッサリース農法)では、速効性化成肥料による肥培管理が推奨されます。このため、栽培期間の長い作物にあっては、追肥を必要とします。


【PTA法は光合成移転:光合成のリサイクル】

PTA法Photosynthesis Transfer  Agricultural Method 光合成移転農法という見方に基づいて表記されたものです。

植物が有機物を吸収して同化するという見方において、この施肥される有機物の源を辿ると、ある時期光合成によって空気中の炭酸ガスが有機
物として固定されたものであるといえます。

光合成によって産生されたブドウ糖(炭水化物)が、生体組織に取り込まれたり、或いは、食物連鎖を通じて他の生命体に吸収されたり、或いは、排泄物の中の有機物質となったりしたものを低分子量有機物として「炭素肥料」のように考えて施肥するものであり、これら低分子量有機物は、ある意味で光合成産物(生命体)の断片という見方もできます。

このことから、PTA法は、光合成産物を断片化して吸収しやすい低分子量有機物とし、これを植物に吸収させてATPで植物体として同化することで、炭酸ガスを出発点とする光合成のみの生長に比べ、生長の負担が軽いものと思われます。

PTA法:光合成移転農法という見方をすることで、どのような物質が原料となり得るかが判りやすくなります。

およそ、光合成産物・生体組織・生命体に由来する物質が原料と成り得る可能性があることが判ります。

家畜糞尿、食品工場の有機廃物、飲料工場の有機廃物、雑草、浮草、水草、野菜屑、生ゴミ・・・およそ、天然由来の物質で、腐りやすいものは動物質・植物質を問わず全てPTA法の原料となります。

PTA法の原料が大過剰に存在することが判れば、PTA法という表示はあまり意味を持たないかも知れません。

むしろ「ドッサリース農法:Dossarys farming」の方がより現実的な表記かも知れません。


【炭素肥料は聞きなれない概念ですが、現実の現象を説明しやすい】

植物の栽培において「炭素肥料」という見方はあまりありません。 俄に、穏当な考え方ではありません。

しかし、「低分子量有機物が植物体内に吸収される」とする見方に立てば、現実に生じている、大変好ましい現象を説明しやすいものといえます。

炭酸ガスを出発点とする光合成のみに依存した生長に比べて、低分子量有機物からの植物体の同化は少ないエネルギー消費となります。

このため、PTA法(ドッサリース農法)では、概して生育が旺盛になり、作物であれば増収となります。

また、光合成の助勢となれば、特定の植物に限定された作用ではなく、幅広い植物に対して効果を奏するものです。

更に、光飽和点の低い陰性植物の生育を顕著に助勢することは、新たな光合成によらない有機炭素の獲得経路を想定すれば、理解しやすいといえます。

そして、低分子量有機物からの同化であれば、炭酸ガスからの光合成に比べて少ないエネルギーで生長ができるために、光合成能力が衰えた老木であっても、成木と同様に開花し、果樹を付けることになり、老木の若返りも理解できます。

また、同様に日陰となって開花しなくなった庭木の開花が回復することも頷けます。

このように、低分子量有機物からの同化では少ないエネルギーで生長できることが予測され、エネルギー消費が少なく、このため、通常産生されるブドウ糖が過剰に残留して、美味しい作物となるものと思われます。これは、

従来から言われるように、「豊作の年の作物は美味しい」という現象に符合するものです。

或いは、(北半球の日本では)南に海が広がる山の南側斜面の果樹は海面の反射があって特別美味しい果物が収穫される、というように豊富な日照は作物を美味しくすることは、生産地ではよく知られている事柄です。

このように、炭素肥料という見方は奇異な見方ではありますが、30年近くも続いている前記の不思議な現象は「見間違え」とは言い難く、明らかに現実に生じている真実の現象であり、PTA法(ドッサリース農法)の見方は、何となく説明しやすいものと言えます。


【炭素肥料と慣行肥料:炭素肥料は美味しさを付加する肥料であり、慣行肥料は植物を所定の大きさに育てる肥料】

従来のNPKを中心とした化学肥料や、堆肥や有機質肥料のようにNPKあるいはミネラルを供給することを目的とした、所謂、慣行肥料は、作物を所定の大きさにするための資材であり、最も安価に所定の収量を得ることが施肥設計であり、肥培管理でした。

そこに、ヒトが美味しく食べるための農産物を生産する思想はありません。

炭素肥料は、作物に美味しさを与える肥料です。

炭素肥料は、低分子量有機物を施肥して吸収させることで、作物が光合成に依らない有機炭素の獲得経路を得ることでもあり、少ないエネルギーで同化を推進できるものと思われます。

その結果、限られた光合成の条件の下で、炭素肥料の吸収によって恰も光合成が増加したような現象が生じ、作物は旺盛に生長します。

旺盛な成長は、収量を増すばかりでなく、作物の体内に光合成が活発に行われた時の証であるブドウ糖が高濃度に集積し、大量のブドウ糖が作物の旺盛な生長を促します。

このような、ブドウ糖の高濃度の集積は、当該作物を旺盛に生長するけん引力となり、それを収量の増加に導くことも、収量ではなく美味しさを高めるために利用することもできるでしょう。

慣行肥料の施肥設計、肥培管理が「安価な肥料」「簡便な施肥作業」を意図したものであり、そこに人が食べるための美味しさを与える思想はありません。

炭素肥料は、美味しさを与える肥料であり、従来の思考を逸脱する肥料です。このため、「炭素肥料」という文字を見ても、理解に窮する方がいます。

この上の図は、従来の施肥設計の技術思想です。炭素肥料は、美味しさを与える肥料で、疑似的に光以外の手段で光合成を助勢する全く新しいものの考え方です。

これまでのNPKを主体とした肥料の考え方は、「如何に安く肥料を調達するか」の考え方を学ぶものといえます。そして、様々な物質の成分含有率が体系化され、計算方法が自動化され、NPKを中心とする肥料は、現実の費用を別にすれば、その思考に格別高度な知識を要するものではなく、水か空気のような存在でしかありません。

炭素肥料は、作物に美味しさを与えるものであり、従来の「如何に安く済ますか」という思考回路とは、隔絶した新しい肥料の考え方です。


第2図(再掲載) 植物の生長に伴う炭素の獲得の比較 (従来とPTA法:ドッサリース農法)


PTA法(ドッサリース農法)は、25年以上も継続して続いている、大変好ましい事柄を、「炭素肥料」という非常識な見方で検討したものです。

大変好ましい事柄とは、家畜糞尿のような有機廃物を生石灰で短時間に殺菌分解した残渣を土壌改良資材として、水稲・穀物・蔬菜類・果樹・樹木・花卉等ほぼ陸上植物全般に対して利用し、その際に、耕種農家側において処理費とその適正な利益を加算した資材代金を負担しており、結果的に、前記有機廃物を処理する者に、経済的な負の負担を齎していないことです。

この奇異な現象は、約30年弱の間に、数千haの耕地に利用されるまでになっています。

従来の「土壌改良資材」という見方では、ニッチという概念によって齎される適地適作からすると、「ほぼ万能の土壌改良資材」というものは有ってはならないはずです。

品目Aに効果があれば、A以外の品目では効果を奏しない懸念を持つのが土壌改良資材です。

しかし、肥料なら、ほとんどの陸上植物に対して万能に近い形で利用できるはずです。

土壌改良資材であれば、土壌を調べ、作物に応じた好適な土壌条件との差を埋めるべく、必要な土壌改良資材を選定しなければなりません。

PTA法(ドッサリース農法)では、従来の「有機石灰質土壌改良資材」という認識から、「炭素肥料」という新しい見方を取り入れることで、現実に生じている現象を理解しやすくしたものです。

その結果、農業のみならず、生態学、環境保全、食生活、健康などさまざまな分野に対して極めて都合のよい未来像を提案するものです。

PTA法(ドッサリース農法)から誘導される次の事柄は、およそ、世界中の全ての人に関連し、よりよい生活を齎すものと思います。


PTA法(光合成移転農法)のまとめ

PTA法は、原理的には沢山のブレークスルーを提案するものです

1) 有機圏内炭素循環

生物地球化学的炭素循環において、有機炭素が有機炭素の形態で植物に取り込まれて循環する有機圏内炭素循環を活用する。

2) 光合成のリサイクル

現在進行中の光合成に、過去の光合成産物を加えて耕地の生産性を高める光合成の移転の考え方を耕種農業に活用する。

3) 有機物の吸収

植物の有機炭素の獲得経路として、光合成だけと思われていたものが「根における有機物の吸収」という新しい生長エンジンが付加された。

4) 炭素肥料と言う主要肥料

これまで、NPKが主要肥料要素と考えられていたものが、その10倍もの施肥を行う炭素肥料が一気に主要肥料要素に加わる

5) エネルギー肥料

生育のエネルギー収支を考えずに増収を願うことは、単なる願望でしかありません。作物に大量のエネルギーを与えた上で、増収を目指さなければならないはずです。

6) 必須養分元素全元素の施肥

物質収支・エネルギー収支は、自然界の全ての現象において成り立っている法則です。その全てを手ぬかりなく視野に入れた栽培です。

これらの事柄は、家畜糞尿などの生石灰処理とリサイクルの事例を解釈するための一つの考え方として想到したものですが、21世紀になって急激に増加している「有機液肥」「有機液体肥料」の基礎となっている「有機物を作物に吸収させて生長を促進する」とする考え方と軌を一にするものです。

この「有機物を作物に吸収させて生長を促進する」という現象を大袈裟に解釈すれば、上記の2つの基本的なブレークスルーに至ります。

さらに、このPTA法の考え方を現実の社会の様々な事象に活用すれば、想像を絶する効果をもたらします。

PTA法(光合成移転農法)の技術思想は、「生態学」「生物学」「植物学」「光合成」「同化」「耕種農業」「畜産業」「環境」「公衆衛生」「食物栄養」「省資源」「省エネルギー」「健康」「経済」「食生活」「健康」「飢餓」「肥満」「生活習慣病」 ・・・このように、およそ直接的な関係が薄いと思われる分野が、渾然一体となって私たちの生活環境・社会をより良い方向へ推し進めることとなります。

さらに付言すれば、このことは、世界中のどの地域においても全く共通して適用されることであり、世界中の人々に恩恵をもたらすことでもあります。

生態系の営みを概観すると、「小さいものを吸収」して、徐々に大きいものに加工して、大きいものといっても、体内の方々に送り届けるために「水に溶ける程度の大きさ」に止め、必要な部位に届けられてから「実体組織」として大きな組織を構築します。

細胞膜、蛋白質、核酸、脂肪、繊維というようにその場に止まって機能する実体組織は、水に溶けず、その場にあり続けます。

PTA法は、タンパク質、核酸、生体膜というような物質を小さく切断します。しかし、有機炭素は有機炭素であり続けます。

その小さな断片が、偶然、植物が吸収可能な分子サイズでした。

作物は、光合成だけを頼りに栽培されていました。「昼間」「日照量」「1日の長さ」など人の意のままにならないことが多々あります。

今の栽培は、今の日照を最大限に活用しています。限界とも言える生産性です。

PTA法は、「有機物の吸収」という別の経路で有機炭素を与えます。この炭素肥料は、事前に沢山準備できます。

炭素肥料は、過去の光合成によって生じた有機炭素です。炭素肥料は、光合成のリサイクルです。

生石灰処理は、さまざまな成分の全部を低分子の有機物には出来ないかもしれません。しかし、十分な量の低分子量有機物が生じます。

その炭素肥料の施肥は、有機物の吸収で、作物に対して、光合成以上の有機炭素を供給することができます。

耕種農業は、炭素肥料の出現で、日照の壁を越えて、蒸散を含めた「風土の壁」の限界を目指して新しいステージへ歩みを進めてきました。

「小さく切れば」、それは糞尿であっても、炭素肥料として作物に転換できます。


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