die.3






なあ、その手に触れさせておくれ。








屋上の端にも、この高い空間に入るための入り口に取り付けられているスピーカーから聞こえるチャイムの音は聞こえていた。
屋上の端にいる、の耳に、それは雑音となって押し込まれた。





誰かが、足音を忍ばせて屋上に入ってきた。
ドアが軋む音はチャイムにかき消された。



静かだった。
そのせいで、足音は、屋上に、しっかりと響く。
コンクリートを踏み締める、音。





つらいな。




「…何をしているんだ」


顔を上げる力すらもない。


屋上のはしっこ、隅の方で蹲っているの前まで来て、足音はやっと止まった。
最後の音が、響き渡る。





「聞こえないのか?何をしているんだ、と聞いているんだ、僕は」



ああ、うるさいな。
少しだけ、静かにしておくれ。


いまだ生徒の話し声、車のクラクション、鳥の鳴き声、人の叫び声、車が道を通る音、全てが雑音となっての耳に押し込まれていく。




しかし、に彼の声だけは、フィルターがかかっていないようにはっきりと聞こえた。



顔を、あげる。

闇しか映らないようなその黒い瞳には、しっかりと、雨竜が映っていた。
赤く、腫れ上がっている。





「彼に、何か言われたのかい?」


今さら何をとばかりに、彼女は笑った。嘲った。


「『あなたには関係ない』でしょう」




の瞳には、もう雨竜は映っていない。
雨竜の肩ごしに、空を見ている。


遠くを見つめながら、耳に押し込まれる雑音を、知らないふりをした。










…すっげえ言い辛いんだけどさ、いいか?』

オレンジ色の髪の人は、頬を人指し指で掻きながら、その台詞道理に言い辛そうに言った。
断れるはずもない。

力なく、頷いた。




『なあ、友達やめてくれ』




(何を言ってるんだと問い詰めたくなった) けど (そんなの格好悪いでしょう)


『は?』

あまりに唐突すぎた。


(そもそも友達って一体なんなんだろう?とか考えちゃうってば)
目を見開いたまま、考えだけがぐるぐると頭を回る。
オレンジ色の髪は、クラスの中でもやはり目立った。
(ねえそれってもう関わるなってこと?)

涙が出そうになった。



『何の冗談?黒崎く…』

『冗談じゃなくて、友達、やめよう』




それだけ言って、一護は浅野だとか小島のいるところへ行ってしまった。


ガタンと椅子を倒して大きく立ち上がる。
体が震えてしかたがない。握った拳も震えている。




(ねえそれって私のこと嫌いになったってことだよね昨日の告白でうざい女だなって思った?)








(そんな、つらいこと言わないでよ、忘れてまたバカやろう)










「あなたには、関係ないでしょう」










はもう一度言って、俯いたままゆっくりと震えながら立ち上がった。

























雨竜の喋り方がわからない。
…こりゃあ大変だ。
なんだか8くらいまでいけたら良いなあと思っています。






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