die.6










君の隣、予約させて。









が好きだった。
中学の時からずっと。
けれどそんなことは言えなくて、言うつもりもなくて。
だって彼女は自分ではない誰かを好きだと知っていたから。

黒崎、一護。

ああ、奪わないでくれよ。


石田雨竜は、そうして泣いた。
言うつもりもなかった。
けれど、彼女が死のうとしていると、風の便りで聴いたから。

黒崎、一護。

彼女を癒してやってくれよ。
その役目は、君にしかできないんだ。
僕じゃ効果なんて期待できない。
僕には、彼女の隣にいる権利がないから。














「…っぷは!」

ぐったりとしたを抱えて、一護は帰ってきた。
雨竜は慌てて駆け寄って、一護からを受け取る。



草の上に寝かすと、は水を吐いて、苦しそうに呼吸していた。
呼吸していた。

雨竜は、安堵して思わず座り込んでしまった。




「………」

頼り無い、蚊の鳴くほどの声で雨竜は呟いた。
ここで泣いてしまったら女々しいことこの上ない。

けれど、鼻孔がツンとして泣いてしまいそうだった。




「石田」

水に濡れたシャツを絞っていた一護が、少し調子を狂わせた声で言った。

雨竜は答えない。







のこと、頼む。俺にはこいつの傍にいてやれる資格なんてねえんだ」





なんてピンポイントな事を言う男だろう。

今自分はこれ以上なく情けない顔になっているに違いない。


雨竜の答えも待たずに鞄を持って、一護はどこかへ行ってしまった。
どこかという言い方は変だ。家へ帰ったのだろう。

















の隣に座り込んで、雨竜はただ泣いた。

























あと一息。






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