埃(ほ こ り)







私なんてどうせ、埃としか思われてないんでしょう?



邪魔な埃。
邪魔にしかならない私は埃。






家に無理矢理押しかけて、私は無理矢理キスをした。

メガネの奥の黒い瞳は私を捕らえて離さない。



「何をするんだ…!」

「何ってキスよ、口付け。知らないの?」
「そういう問題じゃない…!」

顔を赤くして可愛いったらないわ。
くすって笑って、もう一回。
頬にキスして、私は笑う。



「もしかしてファースト・キスだった?」



ねえ埃なんだったらね、雑巾で拭かれてしまう前に、したいことしようと思うのよ。


「なっ…!」
「可愛いひと…」


私は彼の真っ白な、きっと洗濯したばかりのシャツに唇を押し付ける。
赤いキスマークがそこにつく。
このために今日は口を赤く塗ってきたのよ。

「何するんだ…!」

「怒らないでよ」


頬に息を吹きかけると、赤くなっていた彼の頬は更に赤みを増した。




きっと私は埃なの。あなたにとって邪魔にしかならない埃…。








「ねえ、私のこと嫌いでしょう?」


嫌いって言ってよ。どうせ嫌われてるんだったらって思いきったんだから。



「べ、べつに…」

「曖昧な返事しないで」


どうせなら大嫌いだとか、顔も見たくないとか、思いっきり言ってやってちょうだいよ。







「…嫌いじゃないよ」




大きく目を開いて、私は驚いた。


だったら、地道に好感度アップを狙えばよかった。





でも、きっとこの人は、本当は大嫌いでも言わない優しい人…。








そこが好き、私の惚れた人。









「ねえ、私なんてどうせ埃でしかないんでしょう?」



「何言ってるんだ…」

「邪魔でしかないんでしょう…?今だって私が来なければあなたは読書ができたもの」


涙がほろりと一筋流れる。
私って涙もろいのかしら?




何も言わないで、雨竜は私にキスをした。
啄むように何回も…彼は私に小さなキスを与える。












「埃って言ってちょうだいよ。そうしたら楽になれる…」


彼の右腕にすがって、私は涙を一筋だけ流れさせた。


















なんかね思い付いたんだけどねたまには変わった書き方したいなって思ってね(もういいよ)





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