冷たい







コンクリートの道路。
端の端の更に隅。

そこにいるのは一人冷たい花。









「摘めば?」
「そんな可哀想なこと、しちゃいけないの」


は踏み切りの近くに咲く、小さな花を熱心に見ていた。
その花はまるでここで事故にあった人達の冥福を祈るかのように、そこに咲いていた。
何度踏み切りが開き閉じても、は渡ろうとしない。

付き合わされているほうの身にもなってみろと、雨竜は言いたかった。


けれど彼女の熱心な瞳を見れば言えなくなってしまう。

結局は惚れたものの弱味、ということか。



「雨竜みたいだよね」


立ち上がり、笑いながらは言った。



「はい?」
「ほら、誰にも気付かれないけど、がんばってるとことか」


恥ずかしい事を言う。



雨竜は少し頬を赤らめながら、の顔を見る。




「というわけで私はそんな雨竜が大好きです。んー家帰ろう!」


大きく伸びをして、はカンカンと鳴り続ける赤いランプを見つめた。



雨竜は口元を押さえながら、必死に復讐を考える。









思い付いた雨竜は、彼女に声をかけた。

んー?と振り向いたを、雨竜は抱き締める。



「うりゅっ…」
「はーい静かにする」
「ここ駅前…」
「関係ない」


頭を胸に押し付けて、雨竜はの髪に口付けを落とす。
腕の中の小さな彼女。




「関係なくない…ん、やめて…」


薄桃色の唇にも、雨竜は同じように口付けを落とした。




「ごめんって…あ、ほら開いたよ」

必死に言い逃れようとは目で踏み切りを見つめる。

「さっきから何回も開いてるよ」

とても反論できない。





雨竜はたまに仕返しと銘打って、こうしてを逃さない。


「…程々でお願いします…」


顔を赤らめて、周りの見知らぬ人々に注目されながら、は雨竜の胸に顔を埋めた。





















アホだ。俗に言うバカップルってやつですかな。題名に反して阿呆な内容ですみません。






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