小さな、小さな森の中で。
僕は迷子になってしまいました。

出れる筈の森から出ることが出来ず。
1人でひっそりと泣いていました。

いつしか周りは真っ黒な闇に包まれ。
遠くからは獣の遠吠えが聞こえます。

僕はまだ獣を見たことがありません。
だけど、とても恐ろしいものだということは知っています。
前に猟師のおじさんが教えてくれました。

そのおじさんは言ったのです。

獣というのは、やたら体が大きく、
その割に目にも止まらぬ速さで進み、
身体中が毛むくじゃらで、紅い瞳をしていると。
何でも小さな子供を食べるという話があるので、
この近くに住む子供は誰も森には入りません。

どうして、僕が森に入ったかというと。

僕の家は貧しくて、食べるものがありません。
そして僕は町に売られることになったのです。
お父さんは反対しました。
だけど、お母さんは「生きていくには仕方がない」と言い、
人を売っているおじさんを探しに町に行ったのです。

僕はその話をベッドの中から聞いていました。
町に売られるということは、もうここには戻ってこれないのです。
誰も知っている人がいないところで、どんなことをするかわかりません。
そんなの僕は嫌です。

そして、まだ日が昇らない時間に僕は目を覚まし、家をこっそりと出ました。
帰ってくるつもりはありませんでした。
寂しいけど、愛してくれたお父さんとは離れたくないけど。
家にいると僕は売られてしまう。
それなら、自分から家を出ることにしたんです。

行き先は決めていませんでした。
だけど町の方に向かうと、帰ってくるお母さんと会ってしまうかもしれません。
それではだめなので、僕は反対方向の森に向かいました。

うろうろと道をさ迷い歩けば、僕は迷子です。

でも帰ることは出来ないから。
ただ、ひたすら歩き続けます。

夜になって、風が出てきました。
肌寒く、我慢できなくて涙が頬を伝います。

何だか、さっきより獣の遠吠えが近い気がします。

切なそうな、悲しそうな遠吠え。
獣は何を想って吠えているんだろう。

その時、僕の前に何か大きな影が突然姿を現しました。

「だっだれ?」

返事はありません。
だけど暗闇の中に確かに浮かび上がる影。
・・・あれは人?

風が吹きます。
その風が厚い雲を動かし、明るい満月が顔を覗かせます。

月明かりに照らされたその人は。
とても大きくて、髪が腰まで届く長さで、紅い瞳をしていました。
そして、とても綺麗でした。
大人の男の人で、猟師のおじさんよりも強そうでした。

「貴様は、ここで何をしている?」

力強い、低い声でその人は言いました。













この続きが読みたいと言う奇特な方。
メールを送ってくだされば書いちゃいます(笑)

でも、ボーイズラブなのでご注意。

fura_remon@yahoo.co.jpまで。