シロギス釣り


 ●釣期

 相模湾では保護のために8月〜12月を禁漁期間としているのに対して,東京湾では特に設定されていません.東京湾では夏に釣る魚というイメージが強く,乗合い船で狙うのも5月〜10月頃までが中心です.基本的に一年中釣れる魚なので,たまに春先にカレイ釣りの外道として釣れることもあります.


 ●釣り場

 砂底で水がきれいな場所ならばどこにでもいるようですが,魚影が濃い場所となると限られてきます.著名なところでは,千葉県側の木更津〜富津〜大貫,神奈川県側の小柴,八景などが挙げられます.ボート釣り主体ならば京浜大津や金田湾,館山湾なども面白いポイントです.また,夏から秋口にかけては羽田の埋め立て地沖の浅場で数釣りが楽しめるようになります.

 基本的に砂地を攻めるので根掛かりで仕掛けを失うことは少なく,初心者でも狙いやすいメリットがあります.また,浅場がポイントであるため波も少なく,船酔いの心配もそれほどありません.


 

 ●タックル

 船のシロギス釣りに流用できそうな竿はないので,専用竿を購入するのがベストです.安物の万能竿でも使えないことはありませんが,竿先の繊細さに欠けたり持ち重りのする製品が多く,あまりお勧めできません.シロギス専用の竿には安くても感度良好のものが多く,2本買っておけばカレイやハゼを釣るときにも流用できて便利です.

 リールは小型のスピニングリールで,PEライン1〜2号が100m以上巻けるものが便利です.PEラインは感度に優れている反面,伸びがないので魚がエサを口にした瞬間に違和感を与えやすいという欠点もあります.ナイロンのラインを巻いたリールも用意して,あまりにもアタリの取り逃がしが多いときは交換してみるのも手です.

 仕掛けは全長60cm〜1mくらいで,ハリス0.8〜1号に流線6〜8号などの細身で柄の長い針を結んだ2本針仕掛けが一般的です.同じシロギス用でも,投げ釣り用の仕掛けよりもかなりコンパクトになっています.「競技用」と銘打った仕掛けも販売されており,小さな口で吸い込むように餌を食べるシロギスの特性をよく押さえた構造になっています.なお,ハリスの太さはせいぜい1号までで,これ以上太いと極端に食いが悪くなる場合があります.

 ミチイトには小型の片テンビンを接続し,その腕に仕掛けを接続します.カレイやハゼとは違い,仕掛けは海底に固定せずに常に引いてくるのが基本なので,オモリは通常は10〜15号で十分です.極端な速潮の場合は20号くらいのオモリを使うこともあります.


 ●釣り方〜基本は投げて探る

 釣り場に到着する少し前になったら,餌のアオイソメを3〜4センチほどに切り,濡れタオルに挟んで用意しておきます.開始の合図が出たらこれを通し挿しにし,アンダースローで前方に投入します.着低したところで人がゆっくり歩く程度の速さで仕掛けリールを巻き,船の真下まで来たら巻き上げて再度投入します.なお,エサのたらしは2cmくらいは出すようにしないと食いが悪くなるようです.

 アタリは体が小さいわりに大きく,竿先をブルブルッと振動させて持って行くような感じで出ることが多いようです.通常はブルブルときたところで合わせればOKですが,食いが悪い日は一瞬待ったほうがよいこともあるので,その日の釣れるパターンを早く見つけることが大切です.なおシロギスは群れで泳いでいるため,合わせが成功して魚を掛けたらそのまま仕掛けを引き,2匹目のヒットを狙う戦法も有効です.

 シロギスは口が小さいわりにエサを吸い込む力は強く,25センチオーバーの良型には針を飲まれることも少なくありません.その場合は両エラに親指と人差し指を突っ込んで口を開けさせ,ハリスを掴んで左右に振りながら引っ張れば大抵は外れます.

 シロギスはアブレることの少ない釣り物ですが,潮の具合が悪い場合(極端な濁り潮,急激な水温低下,赤潮など)には砂の中に潜ってしまい,極端な食い渋りになります.そんなときはメゴチをお土産に釣らせてくれることもあり,「食べたらメゴチのほうが美味い」といって喜ぶベタランも少なくありません.富津のコンビナート前の浅場などは,真夏には25センチオーバーの大型メゴチがよく釣れる好ポイントです.


 ●置竿でも狙ってみよう

 船のシロギス釣りの基本は「1本竿で投げて誘う」ですが,置竿釣法が意外に効果があります.船は常に潮に乗って移動するため,潮が効いているときはこれで十分釣れます.潮の流れが船に対して直角の場合,潮上では仕掛けが船の下に潜ってしまい,潮下では前方にどんどん引かれてしまいますが,こういうときにも有効な釣法です.

 タックルは投げ用と同じでもよいですが,2.1〜2.4mのエビメバル竿やマゴチ竿があればベストです.ただし,こまめなタナ取りが欠かせないので,リールは両軸受けタイプが有利です.仕掛けは投げ用と同じで構いません.オモリが底についた状態で針が10センチほど上に来るような胴付き1本針仕掛けを作るのもよいでしょう.

 竿を竿掛けにセットしたら,船が波の谷間にきたときに底を叩く程度にタナを取ります.投げて攻める横で放っておけばよく,投げ竿と置竿の穂先が同時に視界に入るようにリーリングすればアタリに気付かないこともありません.置竿のほうにアタリが来たら,竿先をブルブルと激しく揺するようになってから合わせれば間に合います.


 ●テクニック

ビニール袋に砂を入れて持って行き,釣り場に到着したら海水を汲んだバケツに入れてよく洗い,これをエサ箱に入れる.こうするとイソメ類は長持ちするうえ,指でつまみやすくなる

・仕掛けを投げるときは,大きく放物線を描くような感じ(野球の凡フライ)にすると仕掛けがあまり絡まない

大貫ではマゴチやヒラメなどの外道も期待できるので,それ用の仕掛けとタックルを1組持って行くとよい


 ●食べ方

 小型なので数が釣れたときは処理が面倒に感じるかもしれませんが,少し慣れればそれほど面倒ではありません.小型は天ぷらが一般的ですが,大型は刺し身でも美味です.  

・刺し身(大型の場合)

 1)キスは包丁の刃でこすって鱗を落とし,頭を落として内臓を出す

 2)三枚におろして腹骨をすき取り,水洗いしてペーパータオルでよく拭く

 3)手で皮を剥く

 4)身は適当な大きさに切り分けるか,細切りにして糸造りにする

 小皿にツマを盛り付け,大葉を敷いた上に刺し身を並べます.身が白いので,赤たでなどの色付きの薬味を添えると見た目が引き立ちます.

 

・天ぷら

 1)刺し身と同じように下処理をした後,腹開きにして背骨を取り除く.背に人差し指を乗せるような形で小出刃を握り,刃先をキスの背骨に当てながら平行に切るとうまくゆく

 2)洗って水気を切ったら冷蔵庫でよく冷やしておく.これは天ぷらのコロモをカリッと揚げるための大切なプロセス

 3)鍋などに卵の黄身1個と氷水800cc(普通のコップで4杯くらい)を注いでかき回す(氷は入れない).これがコロモを作るときの溶き汁になる

 4)大き目のボウル(または鍋)に溶き汁400ccと茶碗1杯くらいの小麦粉を入れて割バシでかき混ぜる.このとき,ダマができても構わない(ダマになるくらいのほうがよい)

 5)さらに同量の小麦粉を加える.今度は軽く2〜3回かき混ぜるだけにして,粉の大半が溶けずに残っている状態にする

 6)天ぷら鍋にサラダ油(ゴマ油が半分入っていると最高)を入れて170度まで加熱する.コロモをハシで落としたとき,一瞬沈んですぐにシュワッと揚がってきたころが目安

 7)キスにコロモをつけて,皮を上にして鍋に入れて揚げる.一度に入れる量は鍋の表面が埋まる程度までとする.箸にコロモをまぶして揚げているキスの上から注ぎ,それからハシでキスの表面をつついて何度か沈めてやると,魚の表面にサクサクのコロモがつくようになる

 8)途中で一度裏返し,ハシでつかんでもしっかりするようになったら中まで火が通った証拠なので油から上げ,キッチンタオルなどで油を切る.魚焼きのグリルを引っ張り出して,焼き網の上に乗せると簡単

 キスのほか,外道のメゴチも天ぷらにすると美味なのは有名です.キスを釣りに行く前の晩は,あらかじめ天ぷら用の野菜の下準備(洗って天ぷら用にカットしたものをビニール袋に入れ,冷蔵しておく)を済ませておくと,帰ってからの仕事が楽です.なお,揚げているうちにコロモが少なくなったら,小麦粉と溶き汁を適時追加します

 

・干物

 1)下処理をしたキスは腹開きにする.骨と頭はそのまま残しておいてもよい

2)10%の食塩水(例えば水1kgに対して塩100g)に20〜30分ほど漬ける.塩水の温度によって浸かり具合が違ってくる

3)塩水から出したキスは水気を拭き取り,竹串に刺して風通しのよい日陰に吊るす.干物用の網籠があればベスト.直射日光を当てるのは好ましくない

4)表面が乾き,触っても指に汁気がつかなくなったら完成.ビニール袋に入れて冷蔵庫で保管し,食べるときはグリルでかるく焼く

 干物は寒くて乾燥した時期に作るのがよく,一般に高温多湿の夏にはあまり向きません.その場合,ざるにならべて冷蔵庫内部で乾燥させるという手もあります

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