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T. 肥満の増加と栄養指導の必要性 厚生省の栄養調査などによると、最近の日本では総人口の約1/3はエネルギー摂取過剰であると指摘されていますが、反対にエネルギー消費量は減少しています。その原因として、生活の合理化、簡便化などにより、日常生活活動における消費エネルギー量が減少してきたことが考えられます。 このような状況から、近年肥満者が増加し、これに伴い糖代謝異常や脂質代謝異常が増加し、国民の健康上の問題になっています。 肥満は種々の疾病を誘発しやすく、肥満が原因で起こる疾病としては、糖尿病、高血圧、動脈硬化症、痛風、心疾患、高脂血症、胆石、肝臓病などがあげられます。 これらの疾病は、肥満の食事療法を実施することにより、ある程度改善されます。 U. 食事療法の基本方針 @ 摂取エネルギーの決め方 1日にどの位のエネルギーを摂取すれば良いかは、性別・年齢・身長・体重・生活状況(仕事内容・運動量)などによって違ってきます。また体重減少の速度についても、個人の状態に応じて決定します。 A 各栄養素摂取量の決め方 ・ タンパク質 標準体重1kgあたり、1〜1.5gのタンパク質が必要です。但し、1日最低60gは摂取すること。肥満者はとかく極端な制限をしたがることが多く、そのことが減量を中断する原因ともなります。 ・ 糖質 体脂肪にもっとも変化しやすい栄養素であるため、制限が必要です。しかし、1日最低100gを確保する。これ以上制限する必要はありません。それは、糖質は体脂肪がエネルギー源として完全燃焼するためにも、一定量必要であるからです。また、あまり不足すると疲労の原因にもなります。 ・ 脂質 脂質は少量で高エネルギーの栄養素ですが、極端な制限は空腹感のもとになり、糖質、間食の摂取を促す原因にもなります。1日30〜40gは摂取することが必要です。 摂取量とともに、脂質の種類を選ぶことも大切です。つまり、体脂肪になりにくいとされている、リノール酸を含む多価不飽和脂肪酸の多いものを摂取する。このことは同時に、高脂血症、高血圧症などの予防・治療にも有効です。 ・ ビタミン類 健康時の食事に準じて摂って下さい。 ・ ミネラル ビタミン類と同様に考えて下さい。但し、ナトリウム(塩分)は高血圧症をはじめとして、その他の疾病がある場合は、その症状の程度に合わせた制限が必要です。 また、合併症がない場合でも、塩分は食欲増進につながるので注意が必要です。 B 食品について ・ できるだけ使用を控える食品 アルコール飲料・砂糖・甘味品 ・ 取り過ぎないように注意する食品 米飯・麺類・パン類・いも類・もち・脂身の肉や脂の多い魚肉・油・せんべい・チョコレート・ケーキ・和菓子・落花生など ・ 普通に摂って良い食品 脂の少ない鳥肉や赤身の肉・白身魚・貝類・大豆製品(油揚げやがんもどきは除く)・牛乳・卵類 ・ 割合い多く摂取して良い食品 生野菜・果物・海藻類・こんにゃく・おからなど 食事療法を継続させることが一番大切です。 |
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編集 : 管理栄養士 滝澤邦子
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