T. 栄養補助食品(サプリメント)の必要性

栄養が病気を治したり、また悪くもさせる。例えば、動脈硬化、糖尿病、痛風、肥満などは毎日の食生活の如何で、良くもなり悪くもなります。
日本では、古くから死因のトップを占めてきた脳卒中は、食塩摂取の減少と、タンパク質などの摂取が多くなるにつれて、急速に減少してきています。これに対して、狭心症、心筋梗塞などの病気が増えたり、肺癌、膵臓癌、直腸癌なども増えてきています。
大きな原因のひとつとして、日本人の食生活の欧米化が考えられます。ファーストフード等の外食産業が発達し、いわゆる「肉類」を基本とした食事が現在の食生活の中心になってきています。動物性タンパク質や動物性脂質はたしかに必要ですが、すべての栄養素をバランス良く摂ることが一番大事なのです。
そこで最近では健康ブームもあいまって、俄かに栄養補助食品(サプリメント)が注目されています。但し、この栄養補助食品(サプリメント)も普段の食事と同じように、バランスを考えて摂取しないことには、なんの効果もありません。ただの気休めにしかならないのです。
しかし現代の食生活を考えると、管理栄養士の立場から言っても必要です。頼らざるをえないのが現状です。

U. 栄養素主要成分

ここでは、人間が生きていく上で必要な主な栄養素の概要を説明します。

1. タンパク質

体内では、体や組織を作り、筋肉を収縮させ、酸素・栄養素を運搬・貯蔵し、生体反応を触媒・調節しています。また、感染に対して抵抗し、エネルギー源になるなどの重要な働きもしています。
食品のタンパク質含量をみると、一般的に肉、魚、チーズ、卵などの動物性食品に多く、植物性食品では特に大豆に多く、米や小麦粉にもかなり含まれています。このタンパク質を構成しているのがアミノ酸です。
タンパク質は、構成されるアミノ酸の種類と数、その結合順序の違いによって多数存在します。主として組成から、単純タンパク質、複合タンパク質、誘導タンパク質に分けられます。
タンパク質の栄養価は、消化・吸収・利用のされやすさと、必須アミノ酸の組成とによって決まります。人体のタンパク質は、食物タンパク質が体内で分解して生ずるアミノ酸が構成単位となって作られます。その際、多くのアミノ酸は、アミノ酸以外の成分(糖質、脂質の中間代謝産物)からも体内で作られるが、9種類の必須アミノ酸は作られないので、必ず食べ物から摂取しなければいけません。
体が必要とするアミノ酸組成と食品タンパク質のそれとは必ずしも一致しないので、複数の食品を適切に組み合わせることが重要です。

2. 脂質

脂質は体内でエネルギー貯蔵物質、生体膜の構成成分、ビタミンやその前駆体、ホルモンとなり重要な働きをしています。食品中では、口当たりを滑らかにし、独特の風味を与え、色に関係し、また乳化・抗酸化の働きをするものもあります。油脂をはじめ、バター、マーガリン、肉類、魚類(特に脂身)、卵黄、種実類、大豆などに多く含まれています。
脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類に分けられ、不飽和脂肪酸の中のリノール酸、リノレン酸、アラキドン酸は体内で重要な働きをしていますが、体内で合成されないので、必ず食べ物から摂取しなければなりません。これらは”必須脂肪酸”(ビタミンF)と呼ばれています。この必須脂肪酸は、植物性油脂に比較的多く含まれています。
但し、脂肪酸の過剰摂取は、生活習慣病(成人病)、老人性痴呆の原因と考えられているため、抗酸化作用を持つビタミンEとの同時摂取が理想です。

3. 炭水化物(糖質・繊維)

炭水化物は、主に植物が光合成によって生産したものです。これを食物として摂取すると、体内でエネルギー源となり、また体内の構成成分となって重要な働きをしています。
食品においては、その構造、組織の維持、粘弾性の保持、色、香りなどに関係し、甘味料、保存料としても重要な働きをしています。
繊維については、不消化性で、エネルギー源にもならず、便秘に有効であるという程度の理解しかありませんでしたが、最近先進国、で成人病とかかわりが深いことが明らかになり、健康保持の為の重要な因子として認められるようになってきました。食物繊維の摂取不足で、直接的には便秘、憩室、大腸ガンなどの腸疾患が起こりやすく、間接的には肥満、糖尿病、虚血性心疾患、胆石症などの代謝性疾患も起こりやすくなると言われています。

4. ビタミン

ビタミンとは、微量ではあるが、成長や健康の維持に必要な物質で、体内ではほとんど合成されないので食物から摂取するしかありません。他の栄養素とは異なり、物質代謝を円滑にし、生理的機能を正常に保つ働きをしています。食品中においては、抗酸化剤(E)、還元剤(C)、色素(カロチン)として重要な働きをしているものもあります。
ビタミンはその性質から、水溶性ビタミン(B1,B2,B6,ナイアシン,パントテン酸,ビオチン,葉酸,B12,Cなど)と、脂溶性ビタミン(A,D,E,F,Kなど)に分類されます。
なお、AとDにつていは過剰に摂取すると、過剰症を引き起こすので注意が必要です。

5. 無機質(ミネラル)

無機質は体内で、骨、歯の構成成分として、生理活性物質(酵素、ホルモン、ビタミン)の成分・補助因子として、また、細胞内・外液の浸透圧の調節、水分保持などで重要な働きをしています。現在は、普通の食生活でも不足しがちです(特にカルシウムや鉄分)。一方、摂取過多になりやすいものとして、ナトリウム(塩分)があります。
塩分の過剰摂取は、タンパク質、脂質、カリウムの摂取不足と結びつくと、高血圧、脳卒中、心筋梗塞の有力な原因になると言われているので注意が必要です。
主な成分として、カルシウム、リン、鉄、ナトリウム、カリウム、マグネシウムがあります。

V. 補足

上記の説明からもわかるように、これらすべての栄養素が人間の体には必要ですが、過度の摂取もまた注意しなければなりません。食事もサプリメントもバランス良く食べることが大切なのです。


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編集 : 管理栄養士 滝澤邦子


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