ブルーブルーのエッセイ

消費者金融
 消費者金融。いわゆるサラ金だ。もちろん、私はお金を借りたことはない。が、何度も足を踏み入れたことがある。ハンドキャリー時代、コンピューターの部品を届けに全国各地を回った(?)。

 まあ私と契約しているコンピューター会社のコンピューターが壊れたときのみ縁があるのだが……。 

 最近、消費者金融のCMがバンバン流れると思いませんか? 

 消費者金融は、全国各地の駅周辺に必ずある。

 表側の路地には、デカデカとした看板が掲げてある。だいたい消費者金融がある場所は雑居ビルの中にあることが多い。

 通りには、大きな看板が目立つようにあるのだが、中に入ってゆく入り口がよくわからないことが多い。築何年かはわからないが、かなり古そうな雑居ビルの中に消費者金融があることが多い。

 表側には、でかでかとした綺麗な看板があるわりには、入って行くときには、古ぼけたエレベーターに乗ってゆくとか、薄暗い陰気そうな裏口にある階段から上ってゆくような感じである。

 汚いビルの汚い階段を上り、消費者金融の中へ入って行くと、驚くことがある。

 ここに来るまでのビルのエレベーターや階段は滅茶苦茶汚かったのに、消費者金融の中は、本当に綺麗なのである。

 消費者金融というとダークなイメージがあるが、中は、以外と綺麗なのである。

 入り口には、制服を着た受付嬢達がいる。

 もちろん、無人でお金が借りられるコーナーもある。銀行のキャッシュコーナーと変わらない。

 だが、私が部品を届けに行くのは、その奥にある事務所の部分だ。

 表側と違い、この事務所の部分で、ウッと息を飲む人達と遭遇することもある。

 いわゆる債権取り立て部門の人達だ。今時遭遇したことのない、パンチパーマの強面の人達だ。

 ああ、まだこんな人達もいるんだなあ……とある意味感動した。 

 中へ入ってゆく途中で、(階段やエレベーターの中で)実際にお金を借りにくる人達に遭遇することもある。

 大学生ぐらいの男の人やら、中年のおじさん。

 遭遇したのは、案外普通の人達だった。

 外見を判断しただけで、その人の金銭的面のことはさっぱりわからないが、けっこう気楽に足を踏み入れているような感じがした。  

 だが、子供を背負った地味な服装をしたお母さんと、お爺さんが、中に入っていったのを見て、この人達は緊迫した生活を送っているのだろうかと心配してしまった。

 数々の消費者金融に足を踏み入れたが、一番驚いたことがある。

 それは、玄関に足を踏み入れた途端、カウンターの向こうに座っていた人達全員がザッと椅子を引いて立ち上がり、声を合わせて一同一斉に「いらっしゃいませっ!」と大声で叫ばれたときだった。

 そして全員が腰を45度に曲げ、頭を下げたままだった。

「あの……部品を届けにきたんですけれど」とビクビクと言う私……。

 帰るときも、全員が立ち上がり「ありがとうございましたっ!」と大声で叫ばれ、全員に最敬礼で見送りされてしまった。

 あのときは、本当に驚いた。

 でも、この消費者金融。くるたびに、こんなことをされたんじゃあ、お金を借りに来た客は、かなりビビルよね。  

 

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