あの世の席順

偉い人が死んだら
大勢の弔問客が列をなし花輪が並びます
その盛大さは天国からも見えますので
当然その方々は野たれ死にした乞食や
養老院でひっそり息を引き取る名のない人達と同等の扱いにはなりません
あの世でも観光バスのお出迎え程度の特別な配慮がなされるのです
 
あの世では毎日々
日本ばかりか世界中から押し寄せる死者の受け入れに
担当者はおおわらわなのであります
特に大変なのは取り合えず出発ロビ−での席順を決める係です
先輩後輩 本家分家 元請下請 売り上げ順位 学閥 貫禄
教祖 神学博士 大僧上 院号居士 放言居士 因業親父 こころずけ
 
まめなあの世の受付は汗だくになってヘイヘイとこたえながら
雛段がエレベストの彼方に霞む会場に案内します
しかし一地域なら何とかまとめられるのですが
なにしろ世界中のエライ人間の順位を決めるのは難しく
上下左右の順序
また挨拶の順序を決めるのに折り合いがつかないのです 
[ちょいと兄さん わしゃあ あいつ先輩だがねえ こんな席でいいのかねえ]
[おれは知性は無いけど白人だ 弱いだろう 有色人種より同じ資格なら上になるのが当然でないの]
[先ず発起人を決めるべきだ]
何しろエライ人だらけで
年功序列だけでも3千年前まえのクフ王迄いるのですから大変です         
あの世の受付はその度にそれはどうも失礼いたしましたと
順位を変え続けるのです
いつまでも いつまでも 替え続づけるのです
そして何時かある日 妥協が成立しても
[ご指名ですので 高い席から一言…簡単ではございますが]
という挨拶をエライ方全員にして頂きますので
終るまでには何万年も何億年もかかるのです
 
でも生きていた時 勲章とか肩書きなども持たなかった方や 
その他大勢 以下同文 村人AやBの人達
また肩書きはあってもパンツと一緒に火葬場で焼いてきた人達は
受付を通らずいきなり大宴会場え行ってしまうんだそうです
そしてもう 子供も 大人も 外国人も偉らかった人も 
それなりの人も区別が付かなくなって
もう ドンチャン騒ぎなんだそうですわ