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ためになるプロのコメント集
(ちょっと、かたくて、退屈なコーナー)

comment8.htm



もちろん、これは私のコメントではありません
テープ起こしの通信講座で
受講生たちが取り組んだ課題のいろいろな問題点を
TCCが整理し、課題ごとにまとめたものです

全部で5回ありますので
注意事項などは重複したりしています

受講生は、私も含めて、何回も同じ間違いをしますので
そのたびに、何回も同じ注意をされるわけですね

私にはひじょうに役に立ちました
一人で、しまっておくのは、もったいないほどです

でも、こういうコメントは、課題に取り組んだ人でないと
興味がもてないことも確かですね



引用に当たって
ホームページの巻頭の「ごあいさつ」にも書いていますが
TCC の承諾を得ておりますことを、お知らせします。


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ためになるプロのコメント集

                        index
1 高校講座「現代社会」
      ― できるだけ原音に忠実に―
2 口述録「日本語の論理」
            ― 標準型で情報重視型
3 講演録「経済社会の長期展望」
      ― 標準型で情報重視型―
4 座談会「オールスターの思いで」
      ― 標準型で情緒重視型―
5 講演録「日本人と国際文化」
            ―  「である調」の情報重視型―
       1次リライトについてのコメント

● 2万2000〜3000字から1次リライト原稿を作り、8000字の2字リライト原稿を作る 「である調」の情報重視型
 課題(6)「主見出しと小見出しをつけてください」

●課題(5)の「日本人と国際文化」を2次リライトした約8000字の原稿に主見出しと小見出しをつけてください。


 
    
                                                                   

        
      課題(1)高校講座 「現代社会」のコメン

課題(1)のレポートは、次の3点に絞って添削しています。

(1)音に忠実に、正しく聞き取っているか
(2)誤字・脱字がないか
(3)同音異義語に誤りがないか

表記についてはこの課題では添削していません。
 《解答例》と自分のレポートを比較してみましょう。 ただし、解答例とぴったり同じでなくても
   
「きょう」→ 「今日」
   「ひとつ」→ 「一つ」

などとなっていてもけっこうです。
表記については詳しく第8課で学びます。◆課題(1)のテー プ起こしのポイントを簡単に解説しましたので、添削と《解答例》を参考にしながら読みましょう。

(1)ケバは取ります。
  「アー」「マア」などや、語尾の「と」「ね」もケバですから取ります。

(2)話し言葉は書き言葉に直します。

  
「いろんな」→「いろいろな」
  「思ってる」→「思っている」

(3)言い違いや間違い発言は、話し言葉ではしょっちゅう出てきますから、それらはていねいに直します。

  「ウランカワから」→「裏側から」
  「みんなのイッケ」→「みんなの意見」など。

(4)ただし、言っていない言葉を作って入れてはいけません。テープリライトの大原則す。
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(5)言い間違いなどによる重複発言は、読んで意味が通るように処理します。ただし、 
 いじりすぎると発言者ではなく、リライ
   ターの文章になってしまいます。 
そういうことのないように内容に十分注意しま
しょう。   
    
                   
 無理にいじるよりはそのまま起こしたほ
  うがいいのです。  
             

(6)わかりにくいところを「ここは無くてもい
   いだろう」と削るのは、避けてください

 テキスト1巻46ページの"やっていいこ 
  と悪いこと”を丁寧に読み返しましょう


         〜下書きをしてはいけません〜

  ケバも言い間違いも入れたまま下書きし
て後で整理するのはやめましょう。
  これではいつまでたっても上達しません。

  まず、テープをよく聞くこと。頭の中で書き言葉に直せるまで繰り返しテープを聞き、それから書きましょう。最初はあせらず、ゆっくりと。

         〜音合わせをしていますか〜

音合わせをしていれば防げたミスのあるレポートがいくつか見られました。テープ起こしした原稿は必ず音合わせをして点検します。もし、訂正箇所があれば直します。

手書きの場合は削除や挿入は読む人によくわかるように丁寧に明示します。提出原稿への書き込みは無いに越したことはありませんが、やむを得ない場合は書き込んでもかまいません。

       正確な原稿が第一です。


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     課題(2) 口述録「日本語の論理」のコメン

課題(2)のレポートは、初めの部分を次の4点にポイントを絞って添削しています。

 
(1)音に忠実に、正しく聞き取っているか
 
(2誤字・脱字がないか
 
(3)同音異義語に誤りはないか
 
(4) 常用漢字の範囲内で、正しく漢字が使われているか

 自分のレポートと《解答例》よく比較してください。そして、添削が入ってない後の部分は、必ずもう一度テープを聞いて、
 自分で赤を入れてみましょう。自分の手で直すことが、とても大事な学習となります。

課題(2)のテープリライトは「標準型」です。発言者が言葉を選んで、慎重に口述していますから、よく聞いて音に忠実に起こすことが求められます。

 
リライターの好みで文章を整えてしまうのはいけません。これではライターの文章になってしまいます。

  〜 文章をいじりすぎないことです〜

ポイントを解説しましょう。

(1)ケバは取ります。
(2)テープをしっかり聞いて意味をくみとり言 い間違いなどによる重複発言やいい直 しの箇所はていねいにカットします。


 
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(3)文末は整えます。
 
 他の文末との統一などを考え、テープのイントネーション(抑揚)も考慮に入れた上で、言葉を削ったり、ごくまれには言葉を補うこともあります。

 ただし言っていない言葉を補うのはテープ起こしの禁則ですから、補うのは最低限にしてください。
  

  
「そうですけど」→「そうです」

(4)話し言葉は書き言葉に置き換えます。

  「今日でなくちゃ」→「今日でなくては」な     ど 
 会話の場合はカギ括弧で囲ってナマのしゃべりを取り込み、柔らかく仕上げるのも一つの方法です

 ただし、文芸作品でない場合は会話としては独立させず、会話ごとに改行しません

(5)センテンスが長くそのままでは読みにくい場合は、句点(「。」)で区切ります。

 「違った論理がありまして、日本人は・・・」
→「違った論理があります。日本人は・・・」                                       など
(6)添削のない部分は、改行や表記のしかたなどについて、《解答例》とよく比較してください

『新しい国語表記ハンドブック』にも、常に目を通して起きましょう。                                        戻る
                                                                                                                                                                                                                                                               




           課題(3)講演録「経済社会の長期展望

課題(4)のレポートは、初めの部分を次のポイントに絞って添削しています。
 自分のレポートと《解答例》をよく比較し、必ずもう一度テープを全部聞いて、自分で赤を入れて見ましょう。
自分の手で確認しながら直していくことが、きわめて大事な学習となります。

(1)音に忠実に、正しく聞き取っているか
(2)誤字・脱字がないか
(3)同音異義語に誤りがないか
(4)明らかな表記の誤りはないか

ポイントを解説しましょう。

(1)講演録の場合は必ず表紙を1枚つけ、演題と講演者の氏名・肩書きを入れます氏名には、「氏」 「先生」 「女史」などの敬称をつけます。(指定により日時・会場を入れることもあります)表紙文字は本文より大きめにバランス配置しましょう。
 本文の終わりには、白紙の裏表紙を1枚つけます。

(2)この講演は「司会者・質疑応答不要、公演のみ書き起こし」という指定ですから、いきなり講演の最初から書き始めます。
 ただし、そうした指定がない場合は、

 司会 おはようございます。ー
 茂木 たいへんご丁寧な紹介をー

というように、1字下げて氏名を入れます。また、質疑応答は、質問を(質問者)(問い)などと表記し、講師の答えは、

 茂木 ○○

のように書きます。

(3)最初の「たいへんご丁寧な〜恐縮しております」は儀礼的な言葉なのでカットします。古風な言い方は いは直します。
 
  「できうるべくんば」→「できれば」など

(5)常用漢字外の漢字は、公文書や新聞記事では使えません。できるだけ常用漢字内で表記することを覚えてください。

  「造詣」 → 「造けい」
  「誤謬」 → 「誤びゅう」
  「舵取り」 →「かじ取り」
  「遡る」 → 「さかのぼる」
    遡 は、「そ」の音でしか使えません。
  「億 劫」 → 「おっくう」
  「鍋」  → 「なべ」      など

 ただし、古典などからの引用の場合は、制限漢字でも使用し、(   )で読みを入れるとよいでしょう。
(6)同音異義語の誤りがいくつか見られました。
 
前後の意味をしっかりつかむこと
 ・はてな、と思ったら、必ず辞書に当ることを実行しましょう。

                  
 
  「真剣に見当」 →   「真剣に検討
  「消費」    →   「消費

  財産の意味で、材料ではありません。

  「運営の省」  →    「運営の衝」
      要、重要な
  「運営の渉」   役目の意味です。
  「50度をえる」 → 「50度をえる」

     ・ 山を越えるのは「越」ですが、
       ・ 温度の超過は、「超」です。 





             
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「応々に」 →  「往々」
「産業・労働」→「産業・労働
  ・会と界はよく間違えます。要注意。
     「食料」  → 「食糧」
  ・食糧は主食物や穀物に、食料は
     食事や食料品に使います。

(7)2ケタ以上の数字は半角で1ます2字入れます。ワープロやパソコン入力で3ケタのときは、最初の半角をあけて打ち込みます。

(8)英語または外国語は原則として片仮名で表記し、言語で書きません。言語表記するのは、まだ翻訳されていない原書の書名やアドレスなど特殊な場合だけです。
 また単語の区分は、「=」ではなく、中黒「・」を用います。ただ最近では、「・」を入れないことも多くなりました。

(9)「ほら、あんな立派な人だってー」など会話の引用をカギ括弧でくくるかどうか。使っても誤りではありませんが、括弧やダッシュなどの記号類は、使い出すときりがなくなってしまいます.。どうしても使わなければ読みにくいとか、わかりにくいときだけ最小限に使いましょう。

(10)「はてな? あんまりー」のクエスチョンマークは、テープ起こし原稿では可能な限り使わないでください。?マークがあると、編集者はここに何か言葉があって、聞き取れなかったのかな」と誤解しがちだからです。使う場合は、この例のように、次の1ますを空けてください。
(11)「大きな木で、こんなに大きな箱ー」など、手振りで話されたものは、そのままでは理解できません。「大きな木の箱」ならイメージできます。

(12)「−女性は一人しかおられませんー」「コックリコックリしておられる方も・・・」などの話は、本題とは関係がないですから、削っていいのですが、特に「短くまとめてくれ」という指示がない限り、書いておきましょう。会場の雰囲気が伝わります。

(13)「身体髪膚(はっぷ)之を父母に受く・・・」は孝経からの引用です。講演ではよく出てきますから、ノートに書きとめておきましょう。(表記は『言泉』による)
 このような言葉は、ひらがな表記にすると意味がわからなくなってしまいますので常用漢字外でも漢字を用い、(  )で読みを入れるのがよいでしょう。
(14)耳慣れない言葉やあいまいな漢字は必ず辞書で調べましょう。
  「一助を担う」「浅学非才」「全体最適」
  「策定作業」「徐々に」「微動の集積」
  「専横的」「ご同慶の至り」 など

○○○氏のしゃべりは「実は」と「ございます」が多いのが特徴です
語り癖です。まず、これを適当に処理(3回に1回ぐらい残す)するのが第1です。

全体の傾向として「すること」「そのため」を事、為と表記する人が多く見られました。これれは、仮名書きが原則です。
 また接続詞の「また」「ただし」「あるいは」や副詞の「いろいろ」「ほとんど」も仮名書きにします

句読点は、息遣いにつられて、「、」が打たれたものが多かったですが、音を離れて、文章として読んだときに分かりやすいように心配りしてください「。」も多くして、センテンスを短くまとめましょう。

話が次々と続いて文がつながらなくなるような場合は、最小限の言葉を補って 「。」で切ります。その際も、できる限り、本人の言葉の中から拾って補うとよいでしょう。
改行の少ない人もいました。目安として200字に1回程度改行したほうがいいでしょう。 






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課題(4) 座談会:「オールスターの思い出
 いよいよ上級編の学習に入りました。基本編でできるだけ原音を忠実に生かすことを学びました。この学習を復習し、常に基本を確認しながら学習を進めましょう。
 おもしろいけれど難しい座談会のテープ起こしです。いろいろな解答があって当然で、ここに示した《良くできた解答例》も一つのモデルです。自分が聞き取れなかった発言はないか、語り口をどう生かしているか、などに注目しながら読んでください。
 

添削のポイント
課題(4)のレポートは、初めの方を次のポイントに絞って添削しています。

 
@音を正しく聞き取っているか
 
A誤字脱字がないか
 
B同音異義語に誤りはないか
 
C正しい表記がされているか
 
D情報重視型でリライトしているか

  そのほか、会話の流れを表すために落としてはいけない発言などをチェックしています。
 自分でももう一度テープを全部聞いて、聞き違いや落とした発言がないか、確かめましょう。


特に注意すること
長嶋の嶋は島ではありません。固有名詞はくれぐれも注意ください。 野球選手で、この座談会の出席者のようにちょっと前の世代の人などの場合、人名事典などにも載っていないことがあります。そんな時、もっとも確実に調べられるのは、新聞記事です。図書館で新聞の縮刷版からオールスターの記事を探して確かめるとよいでよう。あるいは、プロ野球選手名鑑などに出てiいるプロ野球記録を見ると、ほとんど探し出せるでしょう。

なにか聞こえているけれど言葉が聞き取れなかった発言は、ごまかしたりしないで、

  
○○ ・・・・・?・・・・・

としておきましょう。声が小さかったからといって大事な発言ではないということにはなりません。
そこになにか発言があったことが分かれば、場合によっては編集者が本人に確かめることもできるからです。その発言をカットするかどうかは、編集者が決めることです。

 基本編では、常用漢字内で表記することを厳しく学びました。これはテープ・リライトの大原則です。必ず守りましょう。
 ただし、いろいろなテープ起こしの現場では、常用漢字だけでは表記しにくい言葉に出会うことがあります。(たとえば、歴史的・文学的な専門用語や引用、特殊な用語など)。それをひら 

   



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がなで表記するとかえって分かりにくくまた読みにくいという場合に限っては、常用漢字外の漢字を用いて表記してけっこうです。その際には、必ず後に(  )でルビを入れましょう。

  同じことを繰り返す発言や、それに続く受けは場合によってはカットします。あまり人が変わると、読んでいてうるさく感じます。
 村山さんの「避けないかんのとちゃいますか」は大阪弁丸出しですが、この方言をどう処理するか。
著名人の座談会ですから方言を生かすことはもちろんです。
 「避けないかんのと違いますか」とするのが無難ではありますが、今はテレビコマーシャルなどで、「○○とちゃう」という関西弁も耳慣れていますから、このままでもいいのではないでしょうか。
 上級編の課題テープでは、そのような言葉も出てきますので、慎重に判断して原稿にしてください。
題(4)のポイント

 「オールスターの思い出話をお話しいただきたい」の部分は、前の「はなし」は名詞ですから「話」、後の「はなし」は動詞ですから、   「話し」と送り仮名をつけます。
 なお、「はなし」がダブるので、あとの部分を「・・・をしていただきたい」とまとめてもいいでしょう。

  「全セ」は「オールセントラルリーグ」の略です「前世」と書いた方は野球をご存じなかったのでしょうか。
テープ起こしでは自分の不得意な分野も出てきます。オールラウンドであらゆる社会現象に興味を持ってください。やはりテープ起こしはジャーナリズムの仕事です。
 村山さんのここの発言は、160字のパラグラフの中に「やっぱり」が7回出てきます。解答例では4つ削って3つ残していますが、この程度でちょうどいいのではないでしょうか

 縦書きの数詞は、一十百千万を使うのが原則ですが、スポーツのスコアは縦書きでも算用数字を使います。打率の表記も、最近の新聞では算用数字を用いています。
 なお、「4の3」というのは、4回打席に立って3回ヒットを打ったという成績のことです。

 
 「夜行でみな移動したからね、汽車で」の  「汽車」は、絶対に落とせません。3行先の「まだ飛行機じゃない時代だから」の飛行機と対で話をおもしろくしている箇所です。

 「ホンダドリーム(号)」は聞き取れなかった方が多かった箇所です。当時の青年たちに夢を与えるヒット商品だったものです。
こういうところは、聞き取れなくても、カットしたり、適当にごまかしたりしないで、音だけでも、「?ホンダドリーム」と片仮名書きしておくようにしましょう。 


              

                                                  

              


課題(5)講演録: 「日本人と国際文化」
(1次リライトに対するコメント)
課題(5) 解説ポイント
  
講演録の1次リライトです。音声は明りょうですが、人名、雑誌名などの固有名詞が多数入っていて注意が必要な課題でした。

(5)のレポートは、始めの部分は次のポイントに絞って添削しています。
 
@正しく聞き取っているか
 
A誤字・脱字はないか
 
B同音異義語に誤りはないか
 
C明らかな表記の誤りはないか
 
D固有名詞を正しく表記しているか
 
E適切な「である調」になっているか

自分のレポートと《解答例》を比較しながら、必ずもう一度テープを全部聞き、自分で赤を入れましょう。
 ご承知のとおり、テープ・リライトに100%の正解はありません。《解答例》も一つの参考として読んでください。しかし、落ちているポイントがないか、聞き違いがないか、文末の処理はどうなっているか、漢字の誤りはないかなどは、自分のレポートと比較することで確認でいます。この復習がより良いテープ起こしにとってきわめて大事な学習ですから、必ず実行しましょう。

次リライトについて、もう1度確認しましょう。
1次リライトとは、

  
@内容を落とさずにできるだけ短くする
  
Aその限界は逐語的なテープ起こしの          30%以内のカットである。

ということです。短くするためには、主として重複発言を削り文末を整理することが最大のコツです。

ポイントを解説しましょう。

@最初の司会も、最後の質疑応答も不要という指示がありますから、講演部分だけのテープ起こしです。指示をよく確認することはテープ・リライトの仕事の第一歩です。

A「1次リライト」では、話の内容・語られた事実を落とさずに、ケバや重複、間違いなどをできるだけ削る処理をします。自分の言葉で言い換えたり、言っていない言葉を補ってまとめてはいけません。ですから1次リライトでは、完全な書き言葉にはならないことを知っておいてくださいいわば、テープ・リライトの文体であり《解答例》もそうなっています。

B「である調」のまとめでは、テープ・リライトの文体でも、いわゆる話し言葉はできるだけ排除します。
 
「けれど」「けど」は使いません。
 
「なんか」「みたいな」も使いません。
 
「とか」が続く場合は、できれば「、」で置き換    えます。
 
「です、ます」を使わざるを得ないときは必ず    「 」に入れます。ただし、その場合でも「・・・    っていうのは」「・・・よ」などは使わないよう   にします。

学術分野で論文に近い形の原稿作成を依頼された場合は、上記の言葉に加え、  「けれども」 「でも」「というのは」などの使用も避けます。
軽い読み物になる場合や、文体を指定されない場合この限りではありません。話し言葉を少し残した方がいいこともあります依頼者の指定や内容、どんな人が読むのかなどによってまとめ方は千差万別です。いろいろな文体で1次リライトができるようにしましょう。
Cテープ・リライトでは、「  」、━、!などの記号の使用は必要最小限にします。
D人名、商品名、雑誌名など、固有名詞がたくさんありましたが、正しく表記できましたか。固有名詞は、できるだけ調査するのが原則でほぼ、100%の確認が取れない限り埋められません。
  確認が取れない場合は、《解答例》にあるようにその言葉の前に必ず?をつけます。削ってしまうよりは、?をつけて表示する方が、編集者には親切なテープリライトです。

  例   『?感動ホルモン』
       ?アベ(?安部敏行)

E雑誌名は『   』で引用しますが、雑誌名の表記は統一されていないことが多く苦労するものの一つです。表紙を見ても欧文のロゴと並んでカタカナ表記があったりするので、どれを採用するか迷うところです。また、刊行途中でロゴが変更されることもあり、とくに注意を要します。
 原稿にする場合は、雑誌総覧に出ているタイトルで統一する、ロゴで統一する、など、自分なりに一つの基準を決めるとよいでしょう。そして、編集者(依頼者)に、そのことを明示しておくことです。さて、この講座は、内容から1991年に行われたものであろう事がわかります。したがって、厳密にいえば雑誌名は、その当時の名を表記するのが正解でしょう。《解答例》もそうなっています。
 書店で確認して、現在のロゴで統一した解答もありました。これも誤りではありません。
きちんと調査する態度は、テープ・リライターには欠かせないもので、ほめられていいことです。ただし、編集者にはその旨を明示しておきましょう。
 なお、今回引用の雑誌の中で
『Hanakko』『とらばーゆ』『就職情報』
『住宅情報』などは移動がありませんからこの表記のみが正解です。
 いずれにしても、調査して確認することが重要で、確認がとれなかった固有名詞は、必ず字典や資料にあたって調べる習慣をつけましょう。

  

この問題は、「いま」という言葉がたくさん出てきました。解答例ではひらがなで表記していますが、もちろん漢字で「今」としても誤りではありません。
 ただ、たとえば「今期末の〜」と表記した場合いまきまつの〜、こんきまつの〜と二通りに読めてしまいます。このような時、「いま期末の」と表記すれば読み違いはありません。次に原稿を読む人が読み誤らないように配慮して表記することも徐々に学んでいきましょう。


基本編で学びましたね。テープ・リライトの3つの適正は語彙力・文章力・調査力です。



                    
                 
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課題(6) 主見出しと小見出しをつけてください  
課題(5)の講演録:2万2500字の「日本人と国際文化」を2次リライトで、約8000字に短縮した次の原稿に、全体の論調から「主見出し」を一つ、複数の段落ごとに小見出しを全部で七つつけてください★1には、主見出しを、7字から12字以内で★2〜★8には、小見出しを12字か、13字以内でつけてください。

                                                         (句読点や、「   」や ! なども字数に入ります)

                           

                   
《 主見出しや小見出しを考えるときのポイント



それぞれの文章の中身をよく考えて、読者に 「読んでみたい」と思わせるようなタイトルや小見出しをつけることだと思います。

内容的には、こっちのほうが適切だと思っても、字数制限内に収まらないということがあります。

どちらかと言えば、トピック性というか、意外性に着目して、できるだけ具体性がある表現を使ったほうがいいでしょう。


★1〜★8には、それぞれ
@〜Cまでの番号を打っていますが、できればそれぞれ四つぐらい案として考えて、どれが最もいいか、というふうに絞っていってもいいでしょう。

 ご注意  答えは直接このページに記入できません
         Hints はあくまでヒントです。クリックすると、ヒントがご覧になれます。
                 正解はHints をクリックするとページのトップに、私の解答といっしょに
                掲載 しています。
★1(主見出し)段落1〜45までの、全文の論調から考えて、どのようなテーマやタイトルが最もふさわしいでしょうか。悩むときは、複数、挙げておきましょう。                                     

@
A
B                                                                                                  
Hints 1
C
段落
.
日本人と国際文化というと、中国、韓国、インド文化の意義も相当なものであるが、現代の日本を考えると西洋文化との接触がより目立つ。そこで主として西洋の文化についてお話ししたい。

段落:

そもそも西洋文化との最初の接触がいつであったかは、よくわからない。正倉院にローマのガラス製品が保存されているから、日本人はずいぶん昔からヨーロッパの文化と、間接的にせよ関係があったわけである。しかし、西洋との接触は、だいたい室町の末期から始まったものである
★2(小見出し)段落3〜8までの論調から、最もふさわしいと思う小見出しを考えてください。    Hints.2
@
A
B
C
段落

1543年(天文12年)にポルトガルの船が種子島(たねがしま)に漂着して鉄砲を伝え、翌年キリスト教の伝道師が日本に着いた。鉄塔と十字架ーこの二つは当時のヨーロッパ文明の象徴にもなっているが、鉄砲を持ってヨーロッパ人は世界のいろいろな国を征服した。また、当時ヨーロッパのキリスト教信者は、自分だけが信じていればよいのではなく、キリスト教をまだ信じていない人々にもキリスト教を伝えることが義務であると、信じていた。こうして遠い日本まで伝道師がやってきた。

段落

このような態度は珍しい。中国の哲学、宗教の中心になっているのは儒教だろうが、儒学者たちは外国人にどうしても儒教を伝えなければならないという義務を感じていない。中国人は、外国人が文化を理解できる程度に達したら、唯一の正しい思想ー儒教を求めるに違いない、積極的に伝道する必要はなく、待てばよい、と考えていた。キリスト教の伝道師は、積極的に接近して、自分たちの宗教の正しさを説得しなければならないと思っていたのである。
段落

ヨーロッパ人が初めて日本にやって来て、日本人をどう思ったかは、宣教師たちの手紙に詳しく書かれている。宣教師の中で一番偉かったのはザビエルである。最近司馬遼太郎さんが書かれた『街道をゆく 南蛮のみち』という本にも紹介されているが、ザビエルは、難破してマカオで生活していためポルトガル語が多少できる漁師を通訳として、キリスト教の話をした。

段落

しかし通訳が日本語で「神」といっても、聴く者たちは日本の八百万(やおよろず)の神と思って別に抵抗もしなかった。そこでラテン語の「デウス」という言葉を使ったが、これが日本人には「ダイウソ」と聞こえて、「ダイウソ」の有難さを説くと、日本人たちは皆吹き出した。このような障害はあったが、彼は以心伝心で自分の信ずることを伝え、日本人の態度を見て大変感心したようである。彼は「日本人は私の心の宝である」と書いている。

段落

日本人と宣教師たちの付き合いが初めから対等であったことには、注意すべきである。アフリカなどでは必ずしも対等ではなかった。宣教師たちは、日本の生活の豊かさに驚き、日本人の生活水準がヨーロッパよりもはるかに高いと認めざるを得なかった。最も驚いたのは日本人の清潔さ、特に家の中の清潔さで、ある宣教師は手紙に「日本人の家があまり清潔なので、どこでツバを吐いたらいいかわからないくらいだ」と書いている。

段落

しかし、ヨーロッパ人が日本人について、絶対に認めることのできなかったのは、宗教である。当時のヨーロッパ人にとって正統の宗教はキリスト教ただ一つしかなく、どんなに頭がよくても、慈悲深くても、キリスト教の信者でなければ死んでから地獄へ行く、と信じていた。したがって、彼らは正しい道を教えない坊さんたちを実に憎い存在だと思っていた。
                                                                                                                戻る
★3(小見出し)段落9〜16までの論調から、最もふさわしいと思う小見出しを考えてください。 Hints.3
@
A
B
C
段落

ヨーロッパ人が日本に来て、日本人も西洋文化に驚き、いろいろなことを学んだ。それは、食べ物、着る物など具体的なものだが、何よりもまずたばこを挙げなければならない。あらゆるものが平仮名になったものはたった一つ、たばこだけである。ヨーロッパ人がたばこに初めて接したのは、コロンブスが1492年にアメリカ大陸を発見した後である。私それから50年たって日本に紹介された。考えてみると早いものだ。
段落10

ワインも16世紀にヨーロッパから入った。非常に人気があり、江戸時代になっても、京都にいた俳人、松永貞徳は定期的に長崎からワインを一たる取り寄せていた。
段落11

ビーフシチューも紹介されたが、これは太閤(たいこう)秀吉の一番好きな食べ物だった。彼は普段着に洋服を着て、桃山城の食堂でビーフシチューを食べていたのである。
段落12

宗教も入ってきた。現代人は、キリスト教を表面的に信じてもあまり深い信念はなかっただろうと考えるが、実際調べてみると、キリスト教の受難者の数は日本が圧倒的に多いのである。ローマ時代にキリスト教のために死んだ人の数はよくわからないが、分かっている数では日本が圧倒的に多い。特に島原の乱のころには3万何千人もがキリスト教のために死んだ。
段落13

キリスト教から取り入れたものに、南蛮美術と音楽がある。隠れキリシタンのオラショは、もとはヨーロッパの音楽だったが、数百年たつとデフォルメされて、そうは聞こえなくなったものである。
段落14

パンも入ってきた。当時の宣教師の手紙を読むと「世界で最もおいしいパンを焼くのは江戸の人だ」と言う。日本人は真似が上手だということになるだろうが、ヨーロッパではパンを焼く伝統が長い。その味をよく知っている人が一番おいしいと書いたのだから、天才的なしわざだと思う。ところが、そのパンがその後なぜ消えたのかはわからない。同時に紹介されたカステラは続いたのにどうしてだろうか。
段落15

このようにいろいろなものが入ってきたが、大部分は徳川時代、とくに鎖国時代に捨てられた。なかで一番目立つのは鉄砲である。数年前、アメリカの学者(ノエル・ペリン)が、『鉄砲を捨てた日本人ー日本史に学ぶ軍縮』という本を書いたが、世界の歴史を見ても、鉄砲を捨てた国民は日本人だけである。猟師は使っていたが、侍は使っていなかった。織田信長の時代には鉄砲隊があった。鉄砲捨てて刀に戻ったのは不思議な現象である。
段落16

まず国際的なものに向かっていって、また日本的なものに戻るという現象は日本の歴史によくあるが、鎖国の時代の日本人で、日本が鎖国していると思っていた人は一人もいなかったはずである。当時の日本人の常識では、中国、韓国と関係を保ち、カンボジア、ルソンとも接触があり、長崎の出島にはオランダ人がいる。鎖国は全くないと思っていた。「鎖国」という言葉は本来日本語にはない。19世紀の初め、ケンベルというドイツ人の書いた文献が翻訳された段階で、初めて訳語として日本語へ入ってきた。6
★4(小見出し)段落17〜21までの論調から、最もふさわしいと思う小見出しを考えてください Hints.4.
@
A
B
C
段落17

日本人は出島を通じてヨーロッパのものを吸収したが、ヨーロッパ人は、なぜ日本人が出島を許すのかがよく分からなかった。日本人は少しも得をしていないと思ったのである。日本人は珍しいものを喜び、銅や金を使って役に立たないヨーロッパのぜいたくな品など、いろいろな物を買った。例えばビロードや更紗(さらさ)のような織物を島原や吉原の太夫(たゆう)や花魁(おいらん)が何よりも喜んだ。鳥居清長の浮世絵を見ると、太夫たちが立派な着物の上に粗末な更紗の帯を締めている。
段落18

しかし、役に立たないものを輸入するだけではなかった。出島の一番の存在理由として、日本人は外国の知識が欲しかった。出島の商館長は毎年義務として、前年の出来事について『和蘭(オランダ)風説書』といわれる報告を作り、将軍に提出した。前の年にスイスでこんな出来事があったと知っても、日本人の役には立たないのだが、日本人の好奇心は大変なもので、あらゆることを知りたがった。
段落19

日本人は惑星の数など、どうでもいいと思えることを正確に知りたがったが、農業国にとって天文学には特別な意義があった。暦は農業と密接な関係がある。天文学を知らなければ正確な暦を作ることができない。したがって、鎖国時代にヨーロッパの本が厳密に検閲されたときも、天文学の本だけが許された。また、日本人は医学、歯学のような実用的な知識を喜んだし、地理の知識についても、わりあい早くからアフリカや北米、南米のことを知っていた。
段落20

日本人は地動説に対して何の抵抗も示さなかった。なぜかというと、日本人は大昔から天照大神(あまてらすおおみかみ・太陽の神)を信じていたので、太陽が真ん中にあるのは当然ではないかと思ったのだという説明もできる。しかし日本人にとっては、真ん中にあるのが太陽でも地球でもどうでもいいことで、19世紀の初めころには、日本人の科学者たちほとんど全部地動説を信じていた。
段落21

また、西洋に百科大辞典があるのを知って非常に驚いた。日本人の典型的なものの数え方は師匠から弟子に伝えるというもので、極端な場合には、自分の息子一人にしか教えなかった。これは密教から学んだのではないかと思われるが、弟子の中から一番の適任者を選び、その者だけに貴重な仏法を教えるという原理があった。もしあまり頭のよくない者に教えたら、狂ったかたちで理解し、さらにもっと狂ったかたちで別の人に教えてしまう。だから特殊な人にしか教えられないというのが日本的な教え方だった。ところが百科大事典には、たとえば銅版の作り方が、絵入りで丁寧に説明されているから、これを読めば師匠がいらない。そうすると師匠はどのようにお金をもうけるのか。師匠たちは皆飢え死にするのではないかと日本人は思った。
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★5(小見出し)段落22〜27までの論調から、最もふさわしと思う小見出しを考えてください。.Hints.5
@
A
B
C
段落22

西洋の文化との接触は、日本人の好奇心の賜物だった。私の友人のアラブ人は、私の書いた『日本人の西洋発見』を読んで大変驚いていた。18世紀の日本は鎖国時代で、しかもヨーロッパから一番遠い国であるにもかかわらず、日本人は大変な障害を乗り越えて言葉を覚え、書物を取り寄せてヨーロッパの学問を覚えようとした。アラブはヨーロッパから近く、アフリカの北端からスペインが見えるほどで、船で2、3時間で行ける。しかし当時のアラブ人にはヨーロッパの文化について好奇心が全くなかった。20世紀までずっと関心を示さなかった。
段落23

インドも同様である。インドは国際文化と激しい接触があった。英国人がインドに来て大部分を征服したにもかかわらず、物理学者や天文学者になろうとしたインド人は一人もいない。英国文学のインド語訳は全くなかった。日本人の好奇心は、私には説明できないが、事実として認めざるを得ない。
段落24

ヨーロッパの文化に対してだけでなく、中国の文化に対しても同じ現象があった。奈良朝、平安朝の日本人は中国文化に対して限りない好奇心を向けていた。中国のあらゆるものを自分たちのものにしようと思った。見たこともない山、聞いたこともない鳥の鳴き声について日本人は漢詩を書いた。
段落25

私は18世紀の蘭学者について研究したが、彼らの目的の一つは純粋な学問的好奇心である。しかし、それだけでなく、日本の防衛のために必要であるとして、西洋の学問を学ぶ人もいた。日本は海国であるから、軍備がなければヨーロッパの攻撃を受けるかもしれない。そのためにヨーロッパの武器や軍艦のこと学ばなければならないと思った。また経済的な面でもヨーロッパを知らなければならないと思った人もいる。私の研究した本多利明はその一人である。
段落26

本多は、人口は幾何級数的に増えるが、食べ物は算術級数的に増えるのみだと考え、その解決として、植民地の必要を唱えた。当時最も繁盛していた都市ロンドンの緯度は、カムチャッカの緯度と同じようなものだから、気候も同じようなものだろう、日本の首都をカムチャッカに移したら同じように繁盛するだろうと考えた。これはちょっと勘違いだったが・・・。
段落27

鎖国時代から開国となると事情がずいぶん違ってくる。ペリーは将軍への贈り物に、日本人がどんなに驚くだろうと思って、西欧の新しい発明の品を持ってきた。しかし彼が驚いたのは日本人が驚かなかったことで、日本人はたとえば汽車のことをすでに知っていたのである。佐久間象山が下田で初めて接触したアメリカ人は、カメラで象山の写真を撮ろうとした。象山は驚くどころか、カメラの種類ついて何型かと聞いたので、アメリカ人がびっくりしたという。
★6(小見出し)段落28〜34までの論調から、最もふさわしいと思う小見出しを考えてください。 .Hints.6
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A
B
C
段落28

日本人はあらゆるものを喜んで取り入れたが、見えないもの-思想、宗教などはそう簡単に取り入れなかった。像山は、理想的なのは「東洋道徳・西洋芸術(技術)」だと言った。「和魂洋才」という言葉もある。そうしたコンビネーションは魅力的だが、日本人もだんだんそれが非常に実現しにくい理想であるとわかってきた。しかし、日本人は思想や、特に宗教に対して相当抵抗した。この抵抗は今でも続いているようだ。
段落29

日本人の抵抗の仕方はいろいろある。幕末に尊皇攘夷(そんのうじょうい)を唱えた薩摩(さつま)、長州の連中は、いったん明治維新が成り立つと、尊皇攘夷を忘れ、何でも西洋的なものがいいと思うようになった。熊本の神風連(しんぷうれん)は西洋のものを絶対取り入れない主義だったが、同じ熊本に熊本バンドというキリスト教の団体があった。同じ伝統をもつ町に二つの傾向が同時に現れていたのである。以来、このような矛盾した現象が続いている。
段落30

私の友人は、「日本人の国際文化に対する態度は『排他的』であると同時に『拝他的』である」と言っている。排他的のほうは、外国の文化に抵抗を示し、無条件には取り入れようとしない傾向である。これは新しい現象ではない。昔、中国文化を尊重した日本人でも、あらゆるものを取り入れたわけではなく、たとえば中華料理、建築など、取り入れなかったものは圧倒的に多い。もう一つの拝他的は、まさに崇拝することで、国際文化を崇拝する傾向は昔からあり、現在もある。
段落31

日本人は日本人に合うものと合わないものを区別する。私の知人がアメリカから日本人にチーズを贈ったら、日本人はちょっと食べて「これなら日本人の口に合う」と言った。これは西洋人の常識としては極めて珍しい発言である。「私の口に合う」となら言いそうだが、私が日本の食べ物を食べて「アメリカ人の口に合う」とは絶対に言えない表現である。
段落32

また「われわれ日本人は・・・」と平気で言うが、「われわれアメリカ人は・・・」とは絶対に言えない。文法上の誤りではないが、英語にならない言葉である。日本人にはこのような「日本人観」があり、その意識をずっと保ち続けてきた。
段落33

外国のものを取り入れて、それを変えるところも、いかにも日本的である。建築でも、明治初期の洋館はヨーロッパの建築と変わらないか、明治中期になると和洋折衷が始まる。和洋折衷も初めは洋館の一つの部屋だけ和室だったのが、だんだん逆になって洋間が一つであとは全部日本式になった。今はまた昔に戻って和室が一つになったが、和室がなければ落ち着かないようである。
段落34

洋服も、明治初期には都会人や、少しでも身分のある人は皆着ていたが、その後和服に戻り、日清戦争のころになると、洋服を着ていたのは、皇室、軍人、郵便関係くらいであった。石川啄木(たくぼく)などは洋服を着る人を「気取っている」とばかにしている。
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(小見出し)段落35〜40までの論調から、最もふさわしいと思う小見出しを考えてください。Hints.7
@
A
B
C
段落35

一つの極端まで達したら、そこからまた反対の極端へ転向する。このような揺れが絶えず認められるのはいかにも日本的である。ところが、それでも純日本的な物がなくなったと嘆く人はたくさんいる。一番の例は日本語そのものである。外来語の氾濫(はんらん)から日本語の純潔を守ろうと言う。
段落36

確かに外来語が目立つが、逆説的に言うと、外来語は非常に少ないともいえる。片仮名で書くから外来語であることがすぐわかる。外来語を全部廃止することもいたって簡単である。戦争中、野球の用語、ストライクやボールが禁じられた。英語の場合、外来語を取り入れたらその段階で英語になってしまい、元は英語でなかったことにだれも気づかなくなる。日本語の場合はたばこ以外に「帰化」した外来語は一つも無い。
段落37

外来語の数はそう多くない。新聞で使用されている言葉の調査をすると、外来語は3%以下で、広告を除いたらもっと少ないし、広告のはやり言葉の運命は短い。
段落38

片仮名でも日本語に入った言葉はある。私は教科書で大正時代の日本語を習った。初めて日本に留学したとき、「乗合自動車」の停留所を聞くと皆驚いた。今はバスと言わなければわからない。日本人はバスという便利な外来語を採用した。もう一つ私が習った言葉に「同盟罷業」があるが、ストライキと書くほうが早い。ストで十分である。「公明罷業」は書こうと思ったら気が遠くなる。
段落39

日本語は何でも便利なことを喜ぶようになった。日本人ば、便利さのためにはあらゆるものを捨ててもいいと考えているようにも思えるが、捨てないものが必ず残っている。また舶来品も喜んでいても、日本のものも喜ぶのである。現在ではどちらかというと日本のものの方が高いが、日本のものを選ぶ。
段落40

日本は外国人にとって大変魅力のある国であり、同時に神秘の国である。言葉が自由に通じないから、日本人は何を考えているかわからないと思う。ところが日本人も、日本は神秘の国で外国人には理解できない国だと思うようになった。これはちょっと困ったことで、昔の日本人はそんなことを問題にしていなかった。現在は日本の研究をするが外国人が非常に増えた。日本について正しい知識を持つ学者もかなり増えたと思いたい。しかし、外国人は日本をどうしても理解できないと思いたがる日本人が増えてきた。私も犠牲者の一人である。
★8(小見出し)段落41〜45までの論調から、最もふさわしいと思う小見出しを考えてください.Hints.8
@
A
B
C
段落41

私は40年も日本語、日本文学の研究をしているが、私が日本の文字を読めることに素朴に驚く日本人が多い。特別頭が優れていなくても、40年間勉強していれば文字も多少は知っているはずだ。どうして驚くのか、私にはわからない。
段落42

私は先ごろ朝日新聞に日本人の日記について連載を発表したが(『百台の過客ー日記に見る日本人』)、私に会うと多くの方が「日本人として恥ずかしい」と言う。私はその意味がよくわからない。国文学を研究している人なら少し恥ずかしいかもしれないが、技師や料理屋のおかみさんはどこが恥ずかしいのだろうか。
段落43

恐らくお世辞の意味で言うのだろうが、どこかに「どんな外国人よりも日本人は日本のことをよく知っているはずだ、外国人が書くのはけしからん」と言う潜在意識があるようだ(笑い)。しかし、もう国際時代に入ったので、仕方がないとあきらめていただきたい(笑い)。これからますます外国人が日本のことに詳しくなるだろうが、それは何も日本人の恥にならない。そのかわり、日本人が私よりはるかにアメリカのことに詳しくなっても、私は決して恥ずかしく思わないから、どうか一生懸命勉強していただきたい。
段落44

日本人と国際文化という問題についてお話ししてきたが、これは決して新しい問題ではなく、奈良朝、平安朝からあったものである。「国際」という言葉に西洋という意味を持たせても、室町時代末期からあった問題である。日本人はこの問題にいろいろな反応をしめしてきたが、現時も問題は残っている。日本の伝統をどうすべきか、外国のものをどれほど取り入れたらよいか。これらの問題の解決策を提供することは、私は外国人として遠慮する。あくまで日本人が解決すべき問題である。
段落45

しかし、あるいは解決しなくてもいいかもしれない。日本人がある意味で純粋な日本人でなくなっても、国際人になってしまたら、それはそれほど悪いことでもない。私たちすべての人間が狙っている理想の一つである。国家というものは悪い面も多くある。必ずしもいいものではないと私は信じている。いいものだとしても、ともかく国際的なものを忘れてはいけない。人間はこの狭い地球の上で生活しているのだから、皆が何かのかたちで協力していかなければならないと私は思う。
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少し肩がこるような問題ですから、
嫌いな人はとことん嫌いでしょうね。

そこそこ問題に取り組んだ人は、
そろそろ解説を見てみましょう


課題(6)「日本人と国際文化」
の2次リライト原稿に、
主見出しと小見出しをつける問題の解説
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