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スキー教室

平成10年12月 6日(日)

我が勤めている学校のスキー教室だが、なかなか人が集まらないようだ。こんな不景気な時代に、高校で実施するスキー教室に参加させるのも、大変なのだろうか。それとも、スキーに生徒の関心が離れてきているのだろうか。

私が初めてスキーをしたのは、就職した年のスキー教室であった。冬が近づき、スキー教室の募集をしていた頃に、先輩から誘われた。


「杉山さん、スキー教室の引率、一緒に行かない?」
「いやー、私はスキーってやったことが無いんですよ。」
「そうなのか。うん、それじゃー、助手の形でついていって、一緒にスキーを覚えたらどうだい。」
「えっ、でも全然やった事ないんですよ。」
「大丈夫、ちゃんと教えてやるから」
そんな会話がきっかけで、まるっきり初心者の私が、スキー教室についていくことになった。

生徒と職員は同じバスに乗っていく予定なのだが、私は先輩のスキー名人と二人で、一足先に自家用車で先発隊として出発。とは言っても、当時は運転も出来なかったので、ただ助手席に乗っているだけ。午後到着した後、先輩は早速ゲレンデの状態の確認などで大忙し。右も左も分からない私は、ただ、部屋の中でぼんやりと先輩の仕事が終わるのを待っていた。

一仕事終わった先輩が、帰って来た。


「杉山さん、早速宿の前の丘を使って、スキーの練習をしよう。」
「えっ、これからですか。」
「そうだよ、生徒が来る前に覚えておいた方が、良いだろう?」
「‥‥‥」
丘といっても、ちょっと小高いだけで、頂上から5mも滑ると、もう平らになってしまう。でも、当時の私にとってはそんな所でもやはりちょっと怖い。
「さあ、まずは道具のつけ方だ。」
〜〜〜 ヒー、ヒー 〜〜〜
「やっとつけ終わったかい。じゃー、今度は、転び方。」
「えーーっ、転び方の練習をするの?」
「当然だよ。ちゃんと転べれば、斜面が怖く無くなるから。」
〜〜〜 ヒー、ヒー 〜〜〜
「次は、歩き方!」
〜〜〜 ヒー、ヒー 〜〜〜
「じゃー、今度は斜面を少し登ってみようか。」
「あれーっ、スキーが後ろに滑って、全然登れませんよー。」
「まっすぐ前に進んで登れるわけ無いじゃないか。はい、こうやって横に少しずつ!」
「うううーーー、これでも滑りますよ。」
「ちょっと膝を山側に傾けてごらん。そうすれば、滑らないでちゃんと登れるよ。」
「あっ、出来ました!」(こんな事で、感激。丘の途中まで登ったところで、)
「じゃー、今度はここで転ぶ練習をしてみようか。」
「えー、こんなところでですか?」
「さっきのような平らな場所より、斜面になっている方が簡単なんだよ。ほら、やってごらん。」
〜〜〜 コテン、コテン 〜〜〜
「こりゃー、簡単ですね。」
「だいぶ上手くなってきたね。それじゃー、今度は直滑降の練習だ!」
‥‥‥以下省略‥‥‥

短い時間だったが、何とか直滑降、斜滑降の二つを練習して、特に斜滑降と転ぶ練習に力を入れた。

真夜中にいよいよ生徒たちが到着。早速宿の中に入れて、仮眠を取らせる。ちょっとでも早く来ているの、不思議なもので、こちらは先輩のゆとり。てきぱきと指示を出す事が出来た。さあ、朝起きてから、講習を開始する。道具のつけ方を知らない生徒たちに、こちらはベテランのような顔をして、アドバイス。上手く出来ない生徒の手伝いもきちんと出来た。生徒も宿の前で、少し練習だ。

今日から初心者の女子の班の、コーチ助手。コーチ(と言っても、これも同僚)が先導して、いざゲレンデへ。驚いた。宿から歩いて行くと、ゲレンデの上に出た。いやー。斜面って結構急である。ここを下まで降りるのか!怖い。しかし、生徒の手前、こっちは慣れているような顔をしたい。うん、頑張ろう。

こんな斜面で直滑降をしたら、あっという間にケガをしてしまう。生徒は恐る恐る斜滑降で滑っていく。転んだ生徒はなかなか起きられない。すると、私がそこまで滑っていって、助け起こす。そんなこと言ったって、自分だってまともには滑れないのだ。ヒーヒー言いながら生徒を起こす仕事をしているうちに、何とか滑れるようになってくるものである。ターンなんかも出来ないから、端まで滑っていくとその場で斜面に腰を下ろし、足とスキー板を持ち上げて「よっこいしょ!」と向きを変える。そのまま立ちあがって、今度は反対の方向に斜滑降。こんなもんで、結構下まで滑って下りられる。素晴らしい。

昔の、懐かしい思い出である。

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