勇者達一行は最後の敵である魔王を倒すべく、魔王の城に足を踏み入れいれていた。
夥しい数のモンスター。油断ならない罠の数々。
幾多もの困難に立ち向かい、今までの苦しみを乗り越えてきた彼らでさえも、今回の冒険は何度も危うい場面に遭遇した。
そして既に一行の体力は限界に来ていた。
だが、こんな所でくたばる訳にはいかなかった。
全世界の命が、勇者を始めとする一行の肩にかかっているからである。
各国の王達が集まり、あの手この手と、手を尽くしてきた。
結果、万策使い果たした。
魔法騎士団、最終兵器、大魔道師団等々。
どれも期待をかけられては崩れていった。
そんな中、呆れた一部の市民の中から決起する者が現れた。
生き残り、最後まで戦い抜いた者たちがこの勇者一行である。
ここまで来たんだ。あともう少しでこの戦いが終わる。
そんな思いで、我武者羅に戦い抜いてきた。
そして、残すは最上階のみ。
最上階の廊下を真っ直ぐ突き当たりの最後の扉。
今までの、どの扉よりも大きく、そして、豪華な装飾が施されていた。
遂にここまで来たのかと思うとさっきまでの疲れも不思議と和らいでいた。
妖精の森で、長老から貰ったお守りのおかげかも知れない。
お互いの顔を確かめあう様に顔を見合わせ、取っ手に手をかけた。
重々しい音と共に、徐々に開いていく。

そこは薄暗い大広間だった。
壁には十分とは言えない数の松明が掛けられ、
足元には、床を覆い隠す程の一枚の大きな絨毯が敷かれていた。
広間の奥の玉座に堂々と構えているのが魔王である。
二、三言葉を交えたところで勇者が切りかかった。
魔王もそれに答えるように魔法を放ってくる。
今までのどんな魔法よりも強力だった。
そんな中、魔法使いが後方支援に防御魔法を勇者と戦士にかけた。
勇者と戦士が魔王と対峙し激しい攻防が繰り広げられる。
隙を見せず攻撃を仕掛ける二人をよそに魔法使いは遥か後方で魔法の詠唱をしている。
魔王はそれに気が付いているが二人の攻防が激しい為魔法使いに攻撃が仕掛けられない。
詠唱が終わると魔法使いのまわりが光に包まれた。
その中心で大きな光の玉が生まれ出ている。
大きく両腕を掲げ、光の玉を魔王に射ち放つ。
ぎりぎりまで攻撃を仕掛けていた二人の横から僧侶が魔王の足元に向けて何か魔法を放った。
足止めのための魔法だった。
一瞬の出来事に魔王は身動きがとれず逃げる事が出来なかった。
光の玉が二人の背後に迫ったところで二人は左右に散った。
すると光の玉は魔王に直撃した。
魔法使いそれを見ると崩れ落ちた。
老齢である彼もよくここまでがんばってくれた。
しかし魔王を見るとまだ生きている。
勇者は走り寄り、天井に届くのではないかと言う程まで跳躍。
そして剣を大きく振りかざした。
慟哭が、満月の夜空に鳴り響く。

今、長い戦いが終わった。




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