リレー小説「料理館」





土地柄

ヨーロッパっぽいどっかそこいらに何故かそびえるチャイナ風豪邸。
面倒なので困ったら『これはファンタジー』で済ませる算段。



ルール

一度入ったら料理を作るまで出られない。しかも気に入られてしまうと付属料理人にされてしまう(合格=監禁)
新しい料理人が一人入ると古参の一人は解放される。
カツの麦茶浸し、レタス練乳和え等研究(暇つぶし)には余念がない。



メンバー

経営者1名
料理人3名(+主人公)
皿洗い1名
見習い2名
ウェイトレス2名
常に10名のメンバーで経営される
現在のチーフは擦り傷をも恐れない「かさぶたのジョー」。得意料理は目玉焼き(成功確立1/2)。サブチーフ「金物折りの金」とは言語を越えたチームワークで驚異の料理を作りだす。
パティシエ「白髪混じりのジェームズ(23)」はウェイトレス「ものぐさチェリー」に夢中らしい。
他、皿洗い「破壊王田中」
国籍不明「日本人スズキ」
「ナイフ投げのアン」
「磯臭いマイク」



ちょっとブレイクタイム

経営者デビル・テフロンは料理館設立の際、こう述べている。
「この館に何の罪もない料理人を閉じ込める…凄い反対に合いましたよ。中には危険思想だのなんだのと言って、これを法廷にまで持ち込んだ輩までいたほどです。もっとも、当時はまだ一人の料理人も捕らえていませんでしたから当然勝訴でしたけどね。他には人権委員会とか…この話をするとかなり長くなるので割愛させていただきますよ。ともかくです、それらの反対に合いながらもこうして料理館がオープンできたのは私の主張が正しかったという証明に他ならないと思いますね。だってそうでしょう?罪も無いといいますが料理人であれば誰であれ『材料の命を絶った』という大罪を背負っているんです。こう言っては少々過激かもしれませんが、むしろ私は料理人に人権は必要ないと思っています。彼らは皆、人である以前に料理人なのですから。」

しかし彼らだって休日には外の世界に出て息抜きをしたいのではないのか?私はとある昼食会にて彼にこの質問をぶつけてみた。すると彼は悪戯っぽく笑って言った

「彼らに抜くべき息があるのか…そもそも料理人という人種が肺呼吸をしているのか私は知りませんが、一応娯楽施設は料理館内に備えてあります。えぇ、子供向けから大人向けまでね。」

――もしかしてそれは料理館に隣接しているあのテーマパークのことですか?

「隣接…やはりそう見えますか。あれも昔は小さなメリーゴーランド一つだけだったんですよ。最初に入館したボニーはまだ8歳でしたから、彼の希望です。個人的にはあの乗り物はどうも納得いかない部分が多いですが…だってあの正式名称はメリーゴーラウンドというんですよ?ラウンド、ラウンドですよ?」

はぁ…で、どうしてあれだけの規模のテーマパークをお創りになったんです?

「料理館に年齢制限はありません。ついでに言うと前科も問いませんから様々な料理人が集まってくるわけですよ。8歳と40歳、公務員と受刑者。彼らの満足する娯楽は大きく違います…それに合わせて造っていったらいつの間にかああなっていたんです――おや、納得いかないですか?」

それはそうだ、彼ら料理人を監禁し、人権はないと言い切るテフロン氏がどうしてそこまでするというのか

「別に私は料理人たちに媚びる気はさらさらないんです。彼らが暴動を起こそうが、目玉焼きを焦がそうが、私は痛くも痒くもありません。ただね、ひとりの料理人が我々の用意した娯楽施設に向かってこう言ったんです『こんなものは子供騙しだ』とね。」

それだけで、世界中から客を呼ぶだけの施設を創ったというんですか?

「ふふ、大人気ないとは思いますがどうにも勝負師だった頃のクセでね。もちろん彼には最高の娯楽を用意して死ぬほど楽しんでもらいましたよ」

…。彼らの料理は実際の所どうなんですか?

「さぁ?私も今の代になってから食べに行ったことはないので…それに昔は普通の客を入れてましたが、今は例のテーマパークにつられてくる客が増えたのでね。全部受け入れてたらパンクしてしまいますから会員制になっているんですよ。おかげで外からの評価もないですから…神のみぞ知るといったところでしょうか」

やがて昼食を終えた彼は仕事があるので失礼とだけ言って去っていった。彼に対する周りの評価は「経済王」「俗悪の極致」など賛否両論様々であるが、その内のひとつだけは確かなものであると感じた。「彼は何かを見失っている」