どんな話がでてくるやら…

裏サザエさん(イットリウム) 後編 - 03/11/08 01:06:52
電子メールアドレス:パロディ

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「いいわよ、かえりうちにしてあげる。ねっ、お兄ちゃん。」
ワカメは座った目のまま、パンツ丸出しでそう言った。
カツオはすでにこのゲームの恐ろしさを理解し、今すぐにでも止めたかった。
それはカツオに限ったことではなく、マスオとワカメを除く全員が 自分の手紙の内容を見てガタガタと震えている。
が、マスオの凄まじい形相の前で、そんなことを言えるわけもなく、全員が小さく頷いた。
(ちなみにカツオの手紙には「タマを犯す」と書いてあった。)

運命の歯車はすでに動き出し、このことが単なるプロローグでしかないことを、 全員が予感していた。
さっきまでコタツの布団で気持ちよさそうに寝ていたタマは、 この空気に絶えられなくなったのか、部屋を飛び出しどこかへ行ってしまった。


「それじゃ次始めるよ。」

重い空気が部屋中を覆っている。
さっきまで騒がしく窓を鳴らしていた風も止み、 約10分間、無音の空間が続いた。
カツオは考えていた。実際やってみてわかった。これは本当に悪魔のゲームだ。
他の人にさせたいことを書く。しかしそれは自分を誤爆するかもしれない。
そんなギャンブル要素がある。また自分の引いた“手紙”をすぐに読めないため、 相手の顔色や手紙の内容から、自分の“手紙”のヘビーさを推測してしまう。
誰が考えたか知らないが、このゲームを考えた奴こそが本当の悪魔だ!!

全員が書き終え、“手紙”を交換した。
全員が全員、各々の“手紙”を見て震えている。声も出ない状況だ。

「それじゃカードを引きましょうか。」
しばしの沈黙・・・・誰も何も言わない・・・・
「えっおいおい、まさか・・・」マスオが残った一枚をめくる。
そこには満面の笑みを浮かべたジョーカーがいた。

ふね:「べんぞうさんの勉強を見てあげる」
ワカメ:「性転換手術を受ける(実費で)」
マスオ:「サブちゃんに愛の告白」
波平:「一生ポルトガルで暮らす」
カツオ:「丸坊主にする」
サザエ&タラ:「裏のおじいちゃんの息の根を止める」
あれから3か月・・・・みんなそれぞれの新しい道を歩き出していた。
奇跡的に ノーダメージだったカツオは皆の心配をする毎日を送っていた。
「奇天烈な世界から帰ってこれなくなったナリ」
時々磯野家にかかってくる、ふねからの電話はいつも語尾がおかしい。
それとは対照的に、波平からの電話はいつも生き生きとしている。
「カツオ、元気でやっているか。さようか。ポルトガルはいい所だぞ。 今度ワールドカップに出ることになったぞ。
昔からどんな所でも“住めば都” と言ってな、そこ・・」
いつもこの辺りで電話を切る習性がついてしまった。
ダラダラと下らない話が続くからだ。

マスオ兄さんは告白が実り、アメリカへ行った。
なんでもそこには男同士で 結婚できる地域があるらしい。
サザエ姉さんとタラちゃんは塀の中で“お勤め中”だ。
ワカメはホストとして社会に出ている。源氏名を「磯野妹子」というらしい。

2003年、11月6日現在、磯野家はギリギリのバランスを保って、 今日も地上波に登場している。

裏サザエさん(イットリウム) - 03/11/02 01:08:51
電子メールアドレス:パロディ

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「お兄ちゃん暇〜」
「なんでウチには七人もいるのに話題に尽きるかねぇ」
「ホントになんでだろうねえ、マスオさん?」
「えっ、おいおいサザエ、僕に話を振らないでくれよ」
「さよう」
磯野家は今、未曾有の危機にさらされていた。
2003年、様々な電子機器と無限とも思える情報が生活の中に入り乱れ、 人が人を避けるようにして生きる社会の中で、一家団欒の鏡とされていた 磯野家にも、ついに家族で話せる話題が無くなってしまったのだ。波平は すでにこの社会の中で会話の流れをつかむことができなくなり「さよう」 としか言わなくなってしまった。
冷たい冬の風が窓をカタカタと揺らしている。その音が今この家の静けさ を嘲笑っているようにも思えた。

   「そうだ!デビルレターをしよう!!」
「デビルレター??」
カツオの突然の発言に一同(波平以外)が食いつく。


デビルレターとは・・・
まずそれぞれがメモ用紙に好きな命令を書く。そしてその紙をそれぞれ選び、 自分に見えないように額まであげ他の人間には内容がわかるようにする。
そして用意されたカードを引く。ここでジョーカーを引いた人間は「○○さん、 悪魔から手紙が来ましたよ」と好きな人間にその掲げている手紙の内容を 実行させることが出来る。人数制限も無い。だがもし、誰もジョーカーを 引かなかった場合、全員がその手紙に書かれた内容を実行しなければならない・・・。

「へえ、カツオ君、なかなか面白そうなゲームじゃないか」
「ホント、面白いわお兄ちゃん」
「へへ、そうだろ、中島に教えてもらったんだ」
「私はこういうのは好きじゃないんだけど、これでお父さんの具合が良くなるかもしれないわね」
「さよう」(ふね:カチーン「お前のためにやってやるって言っとんねんぞ、コラ」)
「じゃああたしはタラちゃんと一緒に参加させてもらうわ」
「世の中信用できるのはママだけです〜。ママ大好きです〜。従います〜」
「じゃあ姉さん、トランプと紙とボールペン用意してよ」
こうして6人と一組による熱きバトルが幕を開けた。

約30分後、それぞれが“手紙”を書き終え、一斉に引いた。
カツオがそっと回りの“手紙”を読んでみた。

波平:「ウィ○パー夜用を買ってくる」
ふね:「ストリップ」
サザエ&タラ:「即席漫才。全員から爆笑をとるまで終われない」
ワカメ:「さよう」
マスオ:「いささか家に爆竹投下」

ヤバイ、このゲームはヤバイ。手から変な汗が滲み出る。一回目でこの 破壊力か。果たして僕の手紙は何と書いてあるのだろう・・・
カツオは心の中でそう思った。

「それじゃあカードを引きましょう」

一瞬の静寂の後、ワカメが悪魔の笑みを浮かべた。
「マスオさーん、悪魔から手紙よー」
そう言われて手紙を見るマスオ。
「え、ワカメちゃん、これは出来ないだろー??」
「駄目。絶対実行」
「さよう」
波平の台詞が流れにあっている!全員がそのことに驚きながら、同時に マスオの顔色が変わっていくのも読み取っていた。

十分後、パンパンという乾いた音の後、サザエを含めた全員が、生まれて初めて 必死に走って逃げてくるマスオさんの顔を見る事になった。

「ははっまさかこれで終わりって言うんじゃあないよね、ワカメちゃん??ねえ??ん??」
その顔はもう、普段の海山商事での“窓際族+イエスマン”の顔ではなく、 復讐に燃えるリベンジャーの顔だった。

     続く・・・・?

イットリウム - 03/10/28 11:19:34
電子メールアドレス:フィクションホラー

コメント:
・・・坊やはいい子だねぇ。 誰にも言っちゃあいけないよ?
もし誰かに話したら・・・・・
いつの頃からか、僕はピエロに対して異常な恐怖を感じる。
  どうしてピエロに怯えるのか、思い出せない。思いだそうとするとひどく頭が痛む。
ただ、漠然とした恐怖だけが思い出される。

「おい、今度にサーカス団が来るんだってよ。一緒に見にいかねえか?」
僕は行きたくなかったが、空気が悪くなりそうで、その誘いを断ることができなかった。

「レディースアーンドジェントルメン!!ようこそ自愛慈悲雑技団へ。子供には楽しい思い出を、大人には安らぎの時間をプレゼント いたしましょう。どうぞ楽しんで行ってください!!」
そこには摩訶不思議な光景が広がっていった。ライオンの背に乗り火の輪をくぐる少女、すごいスピードで互いにナイフを投げあう双子の少年、 平気な顔をしてワニに頭をかじられる女の人。
それらの演技が終わる度に、会場は惜しみ無い拍手で包まれていった。そうした世界に、次第に僕の心も恐怖を忘れ没頭していった。
「今宵も自愛慈悲雑技団の演技に最後までお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。」

「な?来てよかっただろ??」
「ああ、そうだな凄く楽しかったよ。」僕は本心でそう答えた。
「じゃあ帰るとするか。あ、ちょっと待ってて、俺トイレ行ってくるわ。」
友人はそう言うと足早にトイレに向かって行った。
ふと辺りを見ると、会場用のテントの他に、もう一つ小さなテントがある。
少し気になって近づいてみる。その時僕の頭にまた「恐怖」がよぎった。しかし僕は好奇心に負けて中を覗いてしまった。
「やあ、また覗きに来たんだね。悪い子だ。」

そこには地獄が広がっていた。
背中に大やけどをした猛獣使いの少女、
その傍らで焦げた体から異臭を放つライオン、
お互いの体に刺さったナイフを抜き合う双子の少年、
そして頭にワニの歯がささったままの女の死体。
勝手に歯がガチガチと鳴り出す。
涙が出てくる。
テント中に充満する腐臭に吐き気がした。

ピエロがニヤニヤと笑いながら囁く。
「君、5才の頃にこれを見てしまったよねぇ」
空白の記憶が甦る。
「昔の君は小さかったから団員にはなれなかったけど、もう立派に演技が出来るね。」
「ちょうどワニに食べられる役が空いたところだったんだよ」

あれから2か月が過ぎた・・・

「レディースアーンドジェントルメン!!ようこそ自愛慈悲雑技団へ。子供には楽しい思い出を、大人には安らぎの時間をプレゼント いたしましょう。どうぞ楽しんで行ってください!!」
僕の頭に今日もワニがかぶりつく。
「もし君が逃げ出したり誰かに助けを求めようとしたら、“死ぬこと”より恐ろしいものが待ってるからね。もう大人なんだからわかるよねぇ。」
ぼくは大勢の観客の前で、力なくおどけて笑ってみせた。
            END

- 03/10/28 11:19:27

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