★ ★
演技たるもの
 フジテレビ開局45周年記念ドラマ「白い巨塔」。テレビ朝日の45周年記念ドラマが「エースをねらえ!」で本当に良いのか?!と余計なお節介をやきながら、世のご他聞に漏れず「白い巨塔」だけ見ていた私ですが、その第19話に次のような場面がある・・・。

 佐々木(かたせ梨乃)は夫をガンで亡くした。しかし主治医 財前(唐沢寿明)に過失があったとし提訴。第一審は敗訴し、控訴審の最中、原告側弁護士の案により原告被告による対質尋問を行うことになる。佐々木は涙ながらに財前の非を主張する。

 泣きながら声を張り上げているわけだから、うまくしゃべれるわけがない。かたせ梨乃の判断か、演出家の指示かは分からないが、劇中、佐々木は噛んでしまう。もちろん、本当に役者が噛んでしまったわけではないことは分かっている。リアリティを追求したが故の演技なのだろう。
 
しかし、その判断は正しかったのか。ドラマはフィクション、現実ではない。役者がセリフを噛んでいるシーンを見たら、視聴者はまず演技のミスととらえるだろう。そして冷静に考え、これもまた演技であると知る。が、視聴者を冷静にしてしまうというのはどういうことか。現実に引き戻してしまうということだ。演者は視聴者を現実に引き戻さないようにするのが役目。こういう手法をとるべきではないのではなかっただろうかね。