WRITEN BY KAZUHITO SHINOBE

 

僕とたっくんは富士山頂に立っていた

辺りは登山者の懐中電燈の明かりがあちこちで灯るのみで

頭上には満天の星が輝いていた

ただ遠くの東の空だけはほんのりと薄らいでいて

夜明けが近づいていることを教えてくれた

夏だというのに気温は1桁台

冷たい風が僕らの体温を瞬く間に奪っていった

それまでTシャツ1枚で何ともなかった2人も

あまりの寒さに慌ててありったけの防寒具を着込んだ

時は2001年7月23日午前3時半

僕らを知る誰もが寝息を立てていただろうその頃

到達の余韻を味わう間もなく

僕らはお湯が沸くのをまだかまだかと待ち続けていた

 

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