2003年度歌舞伎見物日記

あたしも最初は、着物を着て観に行くものだと思っていました。
でも、そんなに気張って行かなくても大丈夫。
特に歌舞伎座は建物が古いせいか、座席でお弁当を食べてもOKだし、なんでもありありです。

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3月25日(木)三月大歌舞伎:歌舞伎座
大石最後の一日/達陀/義経千本桜・木の実、小金吾討死、すし屋
ローマイヤのサンドイッチ【一階二等】
信二郎さんは男前だから好き。でも、このお話は、ちょっと、、、切腹って失血死なワケで、事切れるまでに時間がかかるんでしょ。全員、介錯付きだったのかなあ。
達陀は、勇壮!團蔵さんは舞台写真が売り切れるほど、かっちょいい!亀蔵さん、どうしてもゴリえちゃんとダブってしまふ。。。ホンモノのぼんさんも、あんなふうに踊るん???ちゃうやろ???
仁左衛門さんの権太、いかったです。ふふふ。松明の煙が目に染みるふりして泣いてるし。しっかし、維盛&内待&六代君のトリオは、無表情で佇んでいるよね、いつも。お里がバッタバタになってる時も、権太が事切れる時も。静と動の「静」なんだろけど。高貴な者は、取り乱したりしないんだね。涼しい顔して。
首実験って、生首を見るのは珍しいことではなかった時代もあったのかなあ。死体が街に累々としていた時代もあったらしいし。

3月22日(月)三月歌舞伎公演:国立劇場
通し狂言・加賀見山旧錦絵
開演前にカレーライス(心なしか辛くなっていて美味)【一等A】
休みが取れたので、前日に電話して予約したところ、前から3列目のほぼ真ん中の席がとれました。こんな前で観るの初めて。
これって、いわゆるキャリアウーマンのお話じゃないですか。奥女中って、上場企業の秘書みたいでしょ。かなーり、感情移入して観ましたね。
尾上の扇雀さんはお上品で、かわいそうでした。岩藤の翫雀さんは、コワイ、コワイ。お初みたいな部下がいたらいいしね。マッサージの上手な同居人もいいな。
ただね、やっぱりね、用心が足りなかったと思うんですよ、尾上は。岩藤がどんなヤツか、もうわかっているんだから、もっと用心しなくちゃ。モノを隠されるなんて、一番初歩的なイジメでしょ。いまどき、小学生のうちに予防策を学びますよ。少なくとも、あたしはそうでした。

2月22日(日)二月大歌舞伎:歌舞伎座
三人吉三巴の白浪/仮初の傾城/お祭り
お弁当:知床鮨650円【一階二等席】
『月も朧に白魚の、篝もかすむ春の空、冷てえ風も微酔に、心持よくうかうかと・・・』『こいつァ春から縁起がいいわえ』
「濡れ手で粟」の百両って、今のいくらなんだろ。100万円くらい?
この演目は、平成8年に、菊五郎・宗十郎・幸四郎で観ているんですが、あんまり記憶に残っていません。その頃はビギナーだったから・・・でも、宗十郎さんは、お気に入りだったので、この時のお坊吉三が影響していたのかもしれません。今回のお坊=仁左衛門、かっこいい!足、キレイ!玉三郎さんのセリフまわしは、音痴に聞こえてしまうのですが、振袖姿の美少年のイメージにぴったり。團十郎さんの和尚もステキ。こんな話だったんだ。映画『スナッチ』の元ネタはこれだね、絶対。間違いない!(こらこら、そんなコト言い切るなよ自分。)
「ドラマ:黙阿弥アワー」とか作って、現代に置き換えたドラマを作ってほしい。絶対、面白いって。SABU監督が、映画化してくれてもいいや。
お嬢=藤原竜也、お坊=沢村一樹、和尚=渡辺謙、でお願いします。
しっかし、22歳と45歳が双子の役で畜生道って、すごい設定です。歌舞伎ならでは、です。めちゃめちゃオッサンが、前髪の美少年や振袖美人に見えてしまう。これが特殊メイクや外科的整形ではなく、芸の力や伝統的視覚トリックでそう見えるというのが、歌舞伎の面白いところです。
「本郷火の見櫓の場」では、遠景と近景で、お嬢とお坊が入り乱れ、「どっち観たらイイんだよっ!」ってカンジ。ニザさん、屋根の上で頑張るし、タマさん、櫓の下で頑張るし。和尚と落ち合えた時、お坊は肩で息してますけど、マジなんです。立ち回りで、マジで息があがってるんですよ。なんか、刀が長く見えましたけど、もともと刀って、身長にあわせて作るモノなんでしょうか?だって、長すぎて地面にひこずったら、使えないでしょ。
今回も両花道でした。行ってみてびっくり。玉三郎さんの生足が良く見えました。(ニザさんのおみあしの方がイイけど。)
三津五郎さんの踊りは定評がありますが、独りで「お祭り」って。しかも、酔うてるし。

1月5日(月)初春歌舞伎公演:国立劇場大劇場
浮世柄比翼稲妻/戻橋
両花道は観たことがなかったので、行ってみました。定価でチケット予約した後に、一等席が半額ダンピングされたのでショックでしたが・・・
二階席でも、花道の中程まで観ることができたので満足ですけど。「まき手拭い」は、届かなかったなあ。二階には・・・
「両花道」に惹かれて行ったため、誰が出演するのかチェックせず・・・紀尾井町一家でした。段四郎さんも出ていました。だから、見覚えのある顔も。国立劇場の筋書きには、名題下の顔写真は載っていないので、なんとなくしか確認できませんでしたけど、帰宅して『かぶき手帖2003年版』(伝統歌舞伎保存会他編)で確かめました。
三津五郎さん、二重アゴじゃなーい?濡れツバメの精悍さがね。「貫禄」と呼ぶべきなんでしょうけど。橋之助さんの悪人、イイです。ホント、悪くて嫌な奴。
福助さん、大忙し。お国と花魁葛城の(やや)早替り、顔の痣はどうしてんのかなあと思ったら、シール貼ってました。鶴屋南北は、毒とかグロいのがウリなのかな。
戻橋の道行は、途中で寝てしまいましたっ。すみませんっ。でも、鬼女に変身後は、ちゃんと観ましたよ。鬼女、コワーい。『羅生門』といい、鬼は片腕を切り落とされるものなんですね。渡辺綱の頭、なんか、とぐろ巻いてました。
(南北線・永田町駅付近は、お買い物をするところもなく、歌舞伎座と比べてちょっと物足りないんです。で、今回は、いつも気になっていた駅構内のサンドイッチ屋さんで、ベーグルサンド他を夕食用に買って帰りました。なかなか美味しかったです。)

1月2日(金)初春大歌舞伎:歌舞伎座
昼の部:義経千本桜/高坏/仮名手本忠臣蔵/芝浜革財布
お弁当:細工寿司1000円
思い立って、行ってきました。残り物の席にしては、中央でイイところ。
鳥居前は、うん。亀蔵さんがいたからいいや。たかつきは、勘九郎が、勘九郎だった。新之助が男前なのは認めます。鼻筋が通ってて。って、白く描いてるから余計。山科閑居は、確かに豪華な顔ぶれでしたけど、動きが少ないので、うつらうつら。でも、親のわき腹刺したらダメだよ。最後の菊五郎さん、菊五郎さんでした。政さんが酒盛りする場面で、浜鍋(ハマグリと焼豆腐らしい)とてんぷら、お造りが出てくるんだけど、鍋は本物だったのかな。お麩みたいにだらんとしたのを食べてました。暗転した時に鍋が下げられ、てんぷらはお皿から消えていたんですけど、お造りの上には徳利やら茶碗やらが無造作に積み上げられたままだったんです。あれは、蝋細工だったのかな。うそっこにしても、食べ物の上に食器が乗せられたままだったので気になりました。(初日だから、いろいろあるよね。SPがうようよしていたり。警備に都合がいいお席は、花道の裏側になっちゃうんだね。)
紅白餅入りたいやき、おいしそうでしたが、食べるのにかぶりつかなくてはならないので、いつもの人形焼にしました。(まいうー)

11月15日(土)吉例顔見世大歌舞伎:歌舞伎座
昼の部:梶原平三誉石切/船弁慶/松竹梅湯島掛軸【ち2】
お弁当:升本1200円(ボリュームがあって食べた気がする。)
石切梶原は観たことがなかったんで。仁左衛門かっちょいい。橘屋型なんですね。
平知盛は霊だから、どこへでも出てくるんだ…富十郎さんの一世一代、よーく観ました。
菊之助の人形振り、お見事でしたけど、人形使いさんも大変そうでした。今回は兄弟で担当されてたみたい。

11月9日(日)十一月歌舞伎公演:国立劇場大劇場
天衣紛上野初花【17列35番】
開幕前にビーフカレー(こんなに甘いカレーは、子どもの頃以来だ。)
幸四郎の河内山は、数年前に歌舞伎座で観ているんですよね。その時は爆睡したんだった…なのに、また、行っちゃいました!
なんでだろ…そうだ…ホクロだ!
あたしは、ホクロ・フェチなんで、あのホクロに吸い寄せられてしまうのでした。
入谷蕎麦屋の大道具で、「やりくりお断り」という貼り紙がしてありました。「やりくり」って何だろ。そう見えただけで、ちがうことが書いてあったのかな。
おそばを作る芝居をしてるんだけど、客に出す前に、一回しゃがむんですよね。その間に、うそっこと本物を取り替えるみたくて。役者さんは、本物を食べてました。

10月22日(水)芸術祭十月大歌舞伎:歌舞伎座【ね31】
夜の部:祇園祭礼信仰記(金閣寺)/於染久松色読販(お染の七役)
お弁当:角煮まん180円、升本のすみだ川弁当(あさりご飯)1200円(お昼抜きだったので、観劇前に角煮まんで腹ごしらえ。八角風味まいうー。)
金閣寺の幸四郎、なにもかもデカ!巨悪ですから。ヅラも大きければ、薙刀も大きいです。帯も太っといし。雪姫に降る桜吹雪、どか雪状態!すんごい花びらです。
なーんか不必要に黒子さんがね、雀右衛門さんに貼り付いていたんですよ。やっぱり、セリフのおさらいしていたのかな。
玉三郎の早替り、なかなかです。でも、替わった後に「どやっ!」って得意げに見得を切らないので、拍手しそこなうというか、気が付かないオバハンもいるというか。それに影武者がフツーに、違う顔を晒してますよねぇ。あれって、どうゆうつもりなんだか。ばればれなのに。もっと、後ろ向きになって隠すもんじゃないのかなあ。
今回の三階さんたち、おみ足がキレイでした。ちょっと見惚れた。
団十郎の鬼門の喜兵衛に惚れました。ワルい奴なんだけど、頼り甲斐があって、付いて行きたいなあ、ああゆう男に。だから、その女房の土手のお六もお気に入り。姐さん、カッコいいぜっ!幕切れのお六でご満悦。
(最前列に、変な間合いで拍手をする男性がいました。立ち上がって拍手してみたり。なんか変だよメガネくん。)

10月13日(祝)十月歌舞伎公演:国立劇場大劇場
通し狂言・競伊勢物語【9列7番】
サンドイッチ700円(懐かしい味。チーズがオレンジ色でハムがピンク色。列車の車内販売とかじゃないと買えないようなヤツ。)
5時間の観劇は、しんどいですが、演じる役者はもっとしんどいと思います。今日は12時からの1回上演だったのですが、1日2回の日もあるんですよね。スゴイなあ。歌六さん、今日もステキ。大納言宗岡の悪役は、憎憎しくて男らしいし、在原行平のご乱心ぶりもステキ。あたしも頭に紫の鉢巻をして会社に行きたいです。今回の宙乗りは、動きが少ないの。まっすぐスルスルと昇っていっておしまい。体力に負担がかかるようなことは、しないほうがいいものね。花道のそばの座席が多いので、役者さんの横顔だけ、よく見えるんですけど、門之助さんの横顔はホントに役者顔。鼻が役者鼻なんだな。やっぱり最後は、猿之助丈がお立ち台に登って大団円。あのいい意味での「俺様ぶり」が猿之助歌舞伎なのかも。確かにオレ様しかいないんだもの。なんやかんやゆうたかて、みんなも認めていることだし。
(右近さん、何言ってるのかぜんぜん聞き取れない。セリフがわかんない。)

8月28日(木)八月納涼歌舞伎:歌舞伎座
第2部:怪談牡丹燈籠/団子売【た18】
焼きたての人形焼(まいうー)
幽霊と逢瀬を重ねた萩原は、だんだんやつれて、ついには死んでしまうんだけど、七之助は元々ガリガリだから、、、なんだかねえ。でも、七之助の若衆は好きです。
三津五郎さん、サイコー!福助さんもイイカンジ。本水の雨って、初めて観たかも。巳之助、大きくなりました。
扇雀さんは、顔も声もママ似。つくづく、そう思う。勘太郎と七之助、兄弟でもタイプが全く違う。勘太郎の女形は、あんまり好きじゃない。七之助の弁天小僧が観たいから、浅草へも行ってみたくなりました。

7月23日(水)七月大歌舞伎:歌舞伎座
夜の部:四谷怪談忠臣蔵【三階に30】
お弁当:JOHANのサンドイッチと紙パックの白ワイン、くずもち350円
四谷怪談は、何度か観たことがあります。『鶴屋南北全集』も読みました。なので、今回のお岩さんは、ちょっと不完全燃焼。血の道の薬だといわれて面体の変わる毒薬を飲んだ後のお岩さんが、なんか物足りませんでした。あんなふうに、スグに気が付いたらつまらないもの。やっぱり、お歯黒の鉄漿を付けようとして、やっと気が付くのがいいな。赤ちゃんの着物、今回は麻の葉の刺し子模様でした。黄色と黒じゃなくて。隠亡堀のだんまりは、あれれ?なんか、あっさり薄塩。もっと、きらびやかだったはずなんだけど…伊右衛門は、長身の役者じゃないとダメなんでしょね。段治郎、はまってました。でもやっぱり、佐藤浩市のが一番だな。(って、歌舞伎じゃないじゃん!)「深川三角屋敷」の場の上演はめずらしいのだそうですけど、『鶴屋南北全集』で読んでいたので観た気になっていて、新鮮に感じませんでした。討ち入りのときの殺陣、今回はチャンバラでした。歌舞伎の殺陣って型だけだから「斬ったフリ」ばっかりなんだけど、猿十郎さんが頑張ったのかな。本水も、なんか控えめ。節水。濡れたまま白布の上に来て、毎回カーテンコール(?)をするから、白布に舞台板の茶色い染みができてしまっていました。

7月20日(日)七月大歌舞伎:歌舞伎座
昼の部:妹背山婦女庭訓/檜垣/盲長屋梅加賀鳶【そ33】
お弁当:手毬弁当900円、焼きたて人形焼き5ヶ320円
蘇我入鹿というのは、白牝鹿の生き血を飲んだ母親から生まれたそうで、蘇我蝦夷はタネなしだったのでしょうか。歌六さんの役、タネなし…この巨悪の入鹿をやっつけるには、爪黒の鹿の血潮と疑着の相ある女の生き血とを混ぜて笛に注いで吹けばよい、とのことです。とにかく、超人だったから、生きたまま棺に入って修行!なんてできたんでしょうね。御摂勧進帳の弁慶同様、右近さん、なんか迫力足りないの。
檜垣の老女、色気がありました。
加賀鳶のツラネ、お約束だけど、それが歌舞伎。花道にズラッと並んでカッコイイ。梅玉さんもカッコイイ。
今月の歌舞伎座掌本には、「歌舞伎俳優屋号一覧」が掲載されていました。久しぶり。

6月21日(土)六月大歌舞伎:歌舞伎座
夜の部:御存鈴ヶ森/曽我綉侠御所染【三Aり10】
お弁当:カツサンド700円と紙パックの白ワイン
ここでも幡随院長兵衛です。幸四郎と染五郎の親子競演。白井権八は、音羽屋の家の芸なんだそうで。今回は、高麗屋さんだったのですね。「権八不良少年の雲助殺傷マニュアル」なんだそうですけど、電気のない時代って、ホントに「漆黒の闇」があったのでしょうね。月明かりがない限りは。手探りでソロリソロリ動いていたから。
「時鳥殺し」の百合の方:仁左衛門の悪女役、恐い恐い。足腰が立たない老女なのに、ホトトギスをなぶり殺すのです。死骸は池のふかの餌。
「御所五郎蔵」では、仁左衛門にメロメロ。五郎蔵ってダメ男なんですよ。でもね、カッコイイ!立ち回り・殺陣、カッコイイ!オペラ・グラスで観た表情、切ないっ!玉三郎の胡弓は、吹き替えナシ、自分で弾いていたと思いますが、仁左衛門の尺八は、ウソだよね。だいたい、切腹して虫の息のひとが、尺八吹けるとは思えないもの。

5月18日(日)團菊祭五月大歌舞伎:歌舞伎座
昼の部:鞘當/実盛物語/襲名披露 口上/極付幡随長兵衛【三Aは16】
お弁当:観劇弁当みたいなの
口上って、好きなんです。役者の顔と名前を覚えるいい機会だし。一座の関係もわかるし。それと、幡随院長兵衛が観たくて。
えっと、幡随院の團十郎、男っぷりを堪能しました。最後、風呂場で殺られてしまうのですが、わかっていて、ワザと飛び込んで行ったんですね。そんな男気、男ぶりがかっこよかったです。

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