** 詩 〜This is cry〜 **

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「孤独の群集」 「楽園」 「非・常識」 「堕天使」 「月の子供」 「恋愛慕情」 「孤独の群集U」


「孤独の群集」

                   私はあまりに多くの過去に 溺れて去り行く影                    あなたはその影に未来を見た哀れな予言者                      色のない夢を見た                    モノクロの瞳に強く射られた                    声もなく 動作もなく                    強い思いだけで 僕を殺した                    灰色の現実に 僕は存在る                    アナログの痛みに深く顔をしかめながら                    寝物語の残酷童話をきいた                    そんな 現在に                    涙を流す理由もない                    私はあまりに遠い未来に 嘲笑われて消え行く風                    あなたはその笑いに涙を見た 愚かな雨                    強く強く 泣くがいい                    激しく激しく 憎むがいい                    私の傷を消せぬなら                    私の真実を知らぬなら                    いつまでも いつまでも嘆くがいい                    私は過去を嘲笑って 未来を消した                    あなたの姿を見ることはない

「楽園」

         家という名の牢獄と           学校という名の刑務所と         愛という名の鎖が            僕を縛り付け、動けなくする。          親という名の動物と            クラスメートという名の悪魔と          愛という名のナイフが           僕を切り裂き、あざ笑う。           世間体という名の罪隠しが           モラルという名の大きな壁が         愛という名の大罪が           僕を地獄へ突き落とす。           僕はずっと上を見ていた。            うつむくことはしなかった。      だけど            前を見ることもできなかった。           僕はずっと上を見ていた。            そこには美しい楽園があるから      そして            きっと君がいるから。

「背徳の祈り」

「漂流」

「非・常識」

                 朝食に出てきた卵は生まれない僕の死がい。                  誰かがそれを落としても                  “カワイソウ”なんて人はいない。                  カラを割っても もうヒナは生きてない。                 “そんなの常識だろう”                  そう君は嘲笑うだろうね。                  確かめてもいないのに。                 そんな努力すらしないくせに。                  常識ニ非ズ。                  常識ニ非ズ。                  ようは“普通”じゃないって事だろう?                  常識なんて人間が作ったものなのに                  なのに君は信じ込んでる。                  キリストの言葉は神の声。                 新聞の記事は世界の真実。                 常識でできた卵の生まれない君の死がい。                  僕らがカラを割ったとき                  “オロカダネ”なんて君は笑った。                  カラを割っても もう僕は死んでいる。                 “常識に非ずだ”                  そう君は嘲笑うだろうね。                  だけど、いつしか                  僕が君を笑ってあげる。                  生まれずに食べられる                  何ヨリ オロカナ 君ノ 死ガイヲ・・・・・・。

「堕天使」

                   純粋な瞳が欲しかった。                   よく聞こえる耳が欲しかった。                    強い力が欲しかった。                    ・・・・君を守りたかった。                    君を見るための瞳が欲しかった。                    その声を聞くための耳が欲しかった。                    強い心が欲しかった。                    何よりも、君を欲していた。                   涙の出ない瞳が欲しい。                   完全なる自由が欲しい。                    清い心が欲しい。                   何よりも、                   純白の翼が欲しい。                   いつしか、涙は出なくなった。                    心は何事にも動じなくなった。                    けれども、この僕の翼は血に染まったまま・・・・・・。                   天使の羽を欲していた。                    純白の心が欲していた。                    手に入らないと知ったとき、                   僕は己の羽を引き裂いた。                   すべてを望んだわけではないのに、                    欲張りだとは思えない、                    ただ1つのことを願っただけ・・・・。

「月の子供」

                 月が                  月の光が螺旋を描いて、地上に降りる。                  僕の体は光りに包まれ、空を舞った。                 モット                 モット                 少しでもあの輝きに近づけるように、僕は飛ぶ。                 1センチ、1ミリでもそばによれるように                  この闇を舞う。                  今は祈ろう。                  少しでも、そこへ近づけるように。                  僕はそこで生まれたんだ。                 あの冷たい月面に横たわり、産声をあげた。                  風が                  緩やかな風が螺旋を描いて、月へと舞う。                  僕の心は風に包まれ、空を舞った。                  ハヤク                  ハヤク                  ハヤク                  月に帰ることを夢見るように、僕は飛ぶ。                  1分、1秒でも速く着くように                  この宇宙を舞う。                  今は叫ぼう。                  すべて壊れてしまえ、と。                  今、この町で空を飛んだ僕は                  ・・・・・・月の子供。   

「恋愛慕情」

                  「恋と愛ってどう違うの?」                    見知らぬ誰かが、誰かに聞いた。                   「恋はいつか終わるもので、愛はずっと続くの」                    見知らぬ誰かに、誰かが答えた。                    ならば、恋とは刹那で、愛とは永遠なのか。                   「恋と愛ってどう違う?」                    僕の中の誰かが、僕に聞いた。                   「恋は正気で、愛は狂気だ」                    僕の中の誰かに、僕は言った。                    だから、恋とはキレイで、愛とはオソロシイ。                    僕は『恋』がしたかった。                    君は僕を『愛』していた。                    これはきっと                    とてもちっぽけで                    けれど、大きすぎるすれ違いだった。                    僕は『永遠』の『恋』がしたかった。                    ・・・・けれど                   たぶん、あのとき                    僕は君を『愛』していた。                   君がいるから、正気でいるのか。                    愛しているから、狂気に変わるのか。                   その答えはでないまま                    僕は今、誰も愛せないでいる・・・・・・。

「孤独の群衆U」

                  今、ここに                   社会という名の孤独の群衆がある。                   彼らは皆                   飢えた目で嘆き、凍えた体で叫んでいる。                   その悲鳴は誰にも届かない。                   誰もが孤独過ぎて、己の耳をふさいでいる。                   この仮面の群衆でしか、                   僕という僕は存在しない。                   だけど、それは僕ではなくて                   確かなる僕はそこにはいなくて                   僕はいつも僕ではない僕に嘲笑われる。                   この愚群の中でしか、                   僕は呼吸を得られない。                  「僕はここで生きてる」                   一体誰が保証する?                   SOSは無意味な微笑み。                   愛情表現は螺旋の償い。                   皆、孤独なのだ。                   誰もが凍えているのだ。                   この孤独の群衆に、僕は存在る。