**SING SONG**

INDEX

片道1250円の愛情 明日の夜 バレンタイン・キス 眼鏡越しの恋 其れだけ。
ろくでなし ゴミ箱 無人 ハヤリヤマイ ひとり
ESC 愛文 恋だけじゃ last letter NO NAME


「片道1250円の愛情」

雨だからって 晴れだからって 電車の中じゃ関係ないし    きついからって 遠いからって いまさら帰れるわけないし   最後の電車で貴方のうちまで  仕事がえりのそのままで    片道1250円って        結構きついって        それでも会いに行くから    口づけはいらないの      それより早く暖めてよ     人気の無い駅のホームじゃ   風が強くて飛ばされそうだわ  夜だからって 寒いからって  断る理由になってないし    眠いからって 仕事だからって 会いたいことにはかわりないし 寝てるあなたに電話して    怒られたって         切られたって         それでも会いに来たから    一言もいらないの       それより早く抱きしめてよ   何かをまってるあなたの顔じゃ 電話のセリフも忘れそうだわ  ”愛してる”はいらないの   いいから早く手をとってよ   時間もお金もかかってるのに  愛情だけはなさそうだわ   

「明日の夜」   

もっと完璧な力で        あたしに屈してみせてよ     その完全な身体で        あたしにひざまづいてよ     あたしは貴方をふみにじり    奇麗に咲き誇るから       今日の朝はゆで卵で       昨日の昼は幕の内        貴方の嫌いなものばかり     えらんで            えらんでるんじゃない      今日の服はアニマルプリント   明日の色はブラッティマリー   あたしの好きなものばかり    明日貴方の唇が         あたしに向かって        スローで動いて         たとえそれが4回でも      あたしは傷ついたりしないから  怖かったのは遠い未来      貴方がくれた愛の言葉      もっと簡単な言葉で       あたしにささやいてよ      その肝心なところで       あたしに吐き捨ててよ      あたしは貴方を侮蔑して     華麗に咲き乱れるから      怖かったのは遠い未来      貴方がくれた最後の言葉    

「バレンタイン・キス」

あたしの作った自慢のケーキは 貴方の口にはあわないかしら? ちょっとハートがいびつでも  あたしの心はゆがんでないのよ 今日は私の祭典        甘いものの嫌いな貴方の仏滅  あたしの送った自信の愛は   貴方の心にとどかないかしら? ちょっとおいしくなくても   チョコレイトのついた口で   熱いキスして ダーリン    今日は一日かかあ天下     貴方が泣いても気にしないわ  あたしの心は甘くてビター   味付けはプロ並        隠し味は恨みのスパイス    ちょっと泣けてきても     チョコレイトをつけた口で   もっとキスして        ダーリン ダーリン     

「眼鏡越しの恋-視力2.0の悲劇-」

128メートル先の貴方    いつもは見えないその後ろ姿  紺のコートに見知らぬマフラー 見たあたしが悪いっていうの? 震えた手 わざと無視して   冷たい言葉 それが優しさ?  泣くあたしを 困る貴方が   慰めるの?          イタイ ツライ ダマッテ   ソバニイタイノ・・・     少し前まで見えなかった貴方  いつも もうすこし近づいて  何度もそういったじゃない   コンタクトにしたあたしのせい かすれた声 聞こえないフリ  軽い口付け それで終わり?  怒るあたしと 呆れた貴方   ふざけないよ         ナミダ コボレ フレズニ   モウスコシダケ・・・ 

「其れだけ。」

クラクション 喧騒 足音 君を追いたてるすべて 其れだけ。

「巣」

貴方の手が 右回りに捻られなかったから 浴室はこの現状 あたしの声が 貴方に響かなかったから 寝室はこの残状 アイシテルなんて言う気はまるでない 水槽の中の犬がただ泣くだけ あたしだけ残る気などまるでない 背中の爪痕がただ疼くのみ 残ったのは魚が遊ぶ浴槽 鳥が泳ぐ寝具 無録音のMD サヨウナラなんて言う気はまるでない 鳥篭の猫がただ鳴くだけ 貴方だけ残すつもりはまるでない 胸中の虫が騒ぐのみ 残された傷が叫ぶのみ

「ろくでなし」

貴方はいつもカップ片手に 二つ折りの新聞をみるの あたしがいつも入れてるの 恨みがましい琥珀の液体 其の喉がゆっくり上下して カップが軽くなるのを あたしは満足げにみつめるの 恋してるみたいね 何も話さないで 指ひとつ動かさないで あたしだけ睨みつけて 貴方は只のろくでなしだから

「ゴミ箱」

小さな紙くずをひとつ 古びた箱に入れました いらない想いを少し 黄色いバケツに捨てました ねえ、貴方 食べてくださる?

「夢」

私の椅子に白い猫が一人 長い尻尾を垂らしたまんま ぴくりともせず座っています 泣きたいでしょう 笑いたいでしょう 嘆きたいでしょう でも ただそこに在るのみ

「無人」

小鳥のさえずりなんて聞こえない たくさんの足音や無邪気な笑いに 起こされました ・・・まだ早い カーテンさえ燃やしそうな太陽に 睨まれました 仕方なく身体を起こした私は 一枚の紙に気づきます ・・・もう遅い 何がいけないのでしょう 誰が消えるのでしょう 残ったのは 重い沈黙と 私の笑い声

「ハヤリヤマイ」

あの河の水が溢れ出しそうで ぼんやり川辺に立っていました 水鳥もどこかへ旅立ったので ただ独りぼんやりと 貴方の発した言葉ばかりが 病のようにこだましていたのです だぶんどこかで拝聴しました 今年の冬のハヤリヤマイ あたしがかかろうとかかるまいと 貴方に何の関係もございませんが せめて薬を下さいませと それくらい耳に入れて下さいな あと少々で水の中なので ぼんやりする暇はございません 景色は誰かが食してしまい ただあたしはじっくりと ハヤリヤマイに侵されてゆき 貴方の言葉すらなくしてしまうのです

「ひとり」

さっきみた天気予報では雨 なのにあたしはカラカラで 銀の指輪すら 落ちてしまいそう 左手首の時計が あたしをきつくしばりつけ 動けなくしてた やっと降ってきた雨に ひどく安心したのに 寂しくなったのは ぬれてたからかな

「ESC」

やっぱりきっと誰一人 気がつかないのが当然で あたしがここにいる自体 誤りですか? 点滅する色が迷惑で でもESC押せなくて 呆れた指が故障中 見なれぬ文字に混乱して でもサヨナラ言えなくて 開いた唇ウソツキですね 君はいつも正常です フリーズしても大丈夫 あたしのデータがとんででも ESC押さないで 震えた目がバグですね

「愛文」

いつまでも共にいたいとは 思いません どんなときも傍にいるとは 言いません 私達は一人で一つです 一日中は貴方のことを 思えません 死ぬ間際も思い出すとは 限りません それでも 焼ける胸の熱さは 本物なのです それだけでは、駄目ですか?

「恋だけじゃ」

許してね そんなには想えなかった アイなんて マダ感じられない SOね 恋してただけね 貴方の指が250円の煙を つかんで離れない 私の言葉を踏み消したいの? ”許せない” でも もう無理だった キスなんて そんな必要ない ただね 想ってただけね 許してね そんな そんなには想えなかったの

「last letter」

"全部は読まなくていいわ" そう前置きしたの あなたへのlast letter 恋心への遺書ね ヒマワリの咲く便箋が5枚 貴方はうんざりするでしょう それでいいの 心変わりした貴方には 私の想いなんて紙切れ以下 全部は読まなくていいの 貴方の性格知ってるし 最後の便箋messege アイシテルとサヨウナラ

「NO NAME」

頬を刺す光に 朝を見ました 君が言ってた明日が 静かに僕を見下ろして 足元には暗く長く続く影 顔を上げれば限りある道 それでも前に進めずに 風はシミのように 地に這いつくばって 君がみてた青空 君が歩いた永い道 どうして笑って どうしてとまらずに 君はイキテいるの?