稲史会設立要旨

 早稲田大学稲史会は、平成十一年(1999)早大生ほか他大有志により、「歴史をより深く、おいしく、楽しく」をモットーとして設立された。歴史はその価値を寸分違わぬ史実の正確さに求むることにあるのではない。むしろ歴史は作者の意識の介入を自覚した上で歴史の総体を分析し、普遍的事象を哲学的に考察することによりその本領を発揮するのである。いわゆる近代資料絶対主義は、資料自体の公平性に問題があることが明らかになった今、最早偽りのものであることは誰の目にも明らかである。我々は歴史の有する古来よりの本分を些かも見失ってはいない。歴史を相対化し分析、考察する作業において我々は、専門にその作業を行う人に比べ数千分の1の力しか有していない。これは我々の作業の無駄を意味するのか、否、これは始まりなのだ。我々は今この試行錯誤を結集し、その成果を記憶の深奥に刻みつけ、初めて歴史の形相(エイドス)を感得することが出来るのである。その作業をより完全に近からしむる要因はなんであるか、敢えて言おう、「数」であると。我々は歴史編集・考察を使命としながらそれをおおいに楽しんだ歴史家、歴史哲学者たちの熱き血潮を我が血潮としてここに改めて稲史会の設立を宣言するものである。
ジーク、ジ・・・稲史会!?

                         稲史会初代総帥
                               大場 一央