Washington大学のまちづくり教育

Autumn2002

UDP520: Survey of Urban Planning (必修) Donald Miller
この授業はplanner としてこの先どう進んでいくかというヒントを与えるということを目的としています。
いわば入門編。なので内容は多岐に渡ります。今のところトピックは経済学的な見地からのplanningへのアプローチや、comprehensive plan, rational planning などです。
Millerはほんとに早口で、今のところ聞き取るのが大変ですが・・・。そしてもちろん読み物の宿題がたくさん。アメリカの都市計画に特徴的な言葉を覚えるように心がけています。

Homework#1: comprehensive planについて
シアトルのコンプレヘンシブ・プランについてレポートを提出したのですが、英語が添削されて返ってきました(笑)でも成績はよかったので、やさしいおかただと感心しました。特に「専門用語を多用していないか」という問い(彼はしばしばこのことについて言及します。)が私には一番分かりにくい質問です。だって英語だし。
シアトルのコンプレヘンシブプランは市民参加で有名ですが、(特にネイバーフッド・プラン)プラン作成時点での市民参加について全くプランの中では触れていないのです。そして56万人という人口に対してこの項目の多さ!もう少し整理できないもんかと思うのですが・・・。ただ、「クオリティー・オブ・ライフ」を基本コンセプトのひとつにしているだけあって、「目に見えない」生活に大切なものにまで言及してるのは、見習うべき点だと思います。また、市民からプランに対しての意見をもとめるプロセスが確立しています。
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HomeWork #2 Rational Planning process
日本語で言うと「合理的なプロセス?」直訳するとそうですが、微妙にニュアンスが違うような気がします。自分なりの「rational planning process」を組み立てよとの宿題です。私が考えるとどうしてもpublic よりになってしまい、いわゆるplannerとしての立場とは違うのでは?と悩んでしまいました。
授業では「倫理観」とか、「美徳」とか、「真実」とか、よっぽどplannerって悪いことやって来てんのか〜?plannerとしての良心を持ちましょうみたいなのが多い。あなたがplannerで、デベロッパーや役所から雇われていて、でも市民からそのプランが猛烈に反対されたらどうするの?っていわれても雇われている立場だと実際デベロッパーや役所に歯向かえないよね。その辺ちょっと現実的ではないような気がしますが、プランナーに基本的な理想や倫理観が無かったらとんでもないことになるとは思いますので、学ぶことは大事だとは思います。

Homework #3 Plannerとしての目標
どんなPlannerになりたいか?ということです。最初のquarterでまず考えてみるのは良いことだと思います。あとで読んで苦笑いしそうですけどね。しかし返ってきたコメントがひどかった。「言ってることが良く分からん。もっと具体的に書け。ライティングセンターでも行ってこい!」とのことでした。ははは。
Homework#4 Citizen Involvement Process
市民を引き入れる仕組みを考えろ,(もちろんrationallyにです)とのことです。日本でもよくやってたことなので,あ〜得意得意と適当に書いてしまいましたが,どうも結果は芳しくありません。帰ってきたコメントは,「モデルが複雑で分からん。混乱した。もうちょっと市民へ情報を伝達する手段とかも考えて欲しかったな〜」とありました。3ページまでという制限があったので,無理です。こういっちゃなんですが,経験もしくはケーススタディ無くして,本からだけの知識で一般的なプロセスモデルを作り上げるなんて愚の骨頂じゃない?同級生は殆ど全員プランナーとしての経験なんて無いわけなんですから。経験をつんだ人が経験則から,一般解は無いと知ったうえであえてモデルを作り上げるというのとはわけが違うと思うのです。以上不満でしたっていうか英語の作文力の無さから来る誤解も多々あるわけですけどね。
UDP562 Neighborhood Planning and Community Development Hilda Blanco
ネイバーフッドプランに興味があったので、とったクラスです。Hildaはちっこくておっとりとしゃべるやさしい教授です。非常に聞き取りやすいので私にはありがたい。
実際はこの授業ではネイバーフッドプランについてもちろん触れるのですが、それよりもうちょっと実践的というか・・・。
フィールドワークやデータ解析など、plannerとしての基礎技能を身につけるための授業といった方がいいかもしれません。


Homework#1: Neigborhood の調査
neighborhoodをひとつ選んで、ケビン・リンチの「都市のイメージ」で述べられている5つのエレメントを意識しながら調査したものをレポートします。私は大学の隣にあるネイバーフッドを選んだのですが、昼間なのに人あるいてねーよ、ってアメリカだしね。ちょっとどきどき。アラン・ジェイコブスの"Looking at Cities"を参考に読んだのですが、彼の文体は気取ってなくて、ふつーのことが書いてあるんだけど、面白くて、実際読後まちあるきをしていると彼の言ってたことが思い出されてさすがだなと感心しました。イタリアで会ったときはただの女子生徒好きのおやじだと思ってたけど。ごめんね〜。下はリクエストにお答えして。ネイバーフッドがランドスケープからどのような影響を受けているかです。崖がこのネイバーフッドのエッジになっていて、崖の上と下で建物のレベルも変わります。この地域は大学に強く影響を受けている地域で、来年には新しい学生寮もできるそうです。学生相手の街のせいか、For Rentのサインが目立ちます。single family housingも極端に少ない。なんてだれでも気づくだろ、ってことをつれつれと書いて出したが、内容には特にコメントもなく、スケッチが上手ね!という評価と満点と書いてあった。絵にだまされて下さったようです。いひひ。英語ひどいもんね。(Nod とNode 間違えたし)楽しい宿題でした。まちあるき好き。



おっとりしたヒルダ教授

使用したスケッチ
Homework#2: Censusから読み取るNeighborhood の特性
宿題#1で選んだNeighborhoodと,Seattle市全体のCensusデータを比べることによって,そのNeighborhoodの特性を浮かび上がらせる・・・というのが目的の課題でした。Censusとは日本でいうところの国勢調査で,全ての結果をネットで見ることができます。(日本の国勢調査の結果はネットでは見れませんでした。別にね〜,秘密じゃないんだから出せよって感じなのよね。)但しアメリカらしいところは,Censusでの調査単位と市で定められているNeighborhoodの境界と全く一致していないこと・・・。(おーい,じゃCensusの調査単位は何のためにあるんだよう)教授も「困ったもんよね〜。」と言いながら,意に介していない様子。そんな訳であんまりこの宿題の結果は正確ではないのです。Censusの単位のなかで,このNeighborhoodに一番近いものを選んでやりなさいとのこと。比較するポイントは人口,年収,仕事場へ行くための交通手段,持ち家の割合,そしてアメリカらしい指標が「人種」と「アメリカ以外で産まれた人の割合」,「英語以外を話すの家庭の割合」,「貧困家庭の割合」 アメリカでは今貧困家庭の増加(政府で決めた貧困を表す指標に当てはまる家庭を指す。毎年指標は変わる)が問題になっていて,イラク復興どころじゃねーだろ,おい。って言う人が増えてます。無料で貧困家庭に食料を配る所では年々行列が長くなっているそうです。

ちなみに左に示したのは仕事に行くときの交通手段の比較グラフです。このNeighborhoodは大学に近接しているので,まあ大学関係者が多く住んでいるでしょうし,その人たちは歩いて職場に行くでしょうね。そんなわけでシアトル市全体より車を使う人の割合が少なく,歩くか家で仕事する人の割合が多くなっています。
Data from US census bureau
Field Trip: New Holly
New Urbanismの事例を見に行きました。土曜日。雨降り。そんなわけで参加者もあまり多くありませんでした。まあでも興味深かったです。かなり規模の大きいプロジェクトで,Mixed-incomeを目指し,安い低所得者向けの賃貸住宅とそこそこの値段の分譲をミックスさせています。ただしWalkableかというとちょっと・・・。雨がひどかったせいもありますが,New Urbanismと言ってるわりにはけっこうAuto-orientedだったと思うのです。但し,近い将来に新しい公共交通の駅ができるそうなので,そうすれば状況は変わってくると思います。
全体図 各住宅の図面(第3段階目の開発部分) 移民が多いため,地域センターには英語教室がある
地域センター概観。マイクロソフトが寄付をしているそうです。 分譲住宅エリア 賃貸エリア
Homework #3: African-Americanに対する補償
人生初の英語でプレゼンが待っている恐ろしい宿題#3です。先に述べた「貧困家庭の割合」と「人種」をかけ合わせたグラフを作ると,ヒスパニック(ラテン系)以外の白人の貧困家庭の割合と,黒人の貧困家庭の割合の差が年々開いていることが分かりました。つまり統計上の結果から言えるのは,全体的に言えば白人はより豊かに,黒人はより貧しくなっているということです。もちろん黒人でも最近アッパーミドルクラスの仲間入りをする人も増えていますが。シアトルを歩くだけでも分かりますが,Pioneer Squareというダウンタウンの一角にあるホームレスの溜まり場のようなところに居るのは,圧倒的に黒人です。
そもそも白人が奴隷として連れてきた過去から遡って現在に至るまで,黒人の住むエリアの環境の悪さから貧困から抜け出せないサイクルが生まれてしまっています。(白人と黒人は殆ど混じって住むことはなかったようです。黒人が来ると白人が家を売り払って逃げ出す,そして白人がみんな逃げ出した後,その地域は黒人でいっぱいになるといったことが多くあったようです。不動産業者が安く土地を買い叩くための陰謀からこのようなことが多く行われたようですが。)
さて,宿題はそれぞれ補償アイディアを出すというものでしたが,私は「彼らのプライドを取り戻すためにバックグラウンドであるアフリカ文化を利用する!」というアイディアを出しました。
さてこれはプレゼンをしなくてはならなかったので,私は原稿を作り,全てに発音記号を付けて,2日間ほどずーっと読む練習を家でしてました。さすがに今はもうそこまでしませんが・・・。おかげで発音記号をすっかり覚えましたよ。「African-American」と「Poverty(貧困)」の発音は特にバッチリです。(何回も文章内に出てきたからね・・・。)
UDP520 Statistic(必修)
統計の授業。っていうか数学じゃん。これ。宿題が毎週出るので、数学好きの私はつい夢中になってやっている最中にわれに返って、「おい、私アメリカに何しに来たんだ・・・」と思ったりなんかして。でも考えてみれば、統計の基礎なしで卒論・修論と好き勝手なグラフを作って分析してきたわけです。実務ではそうはいかないよね、っていう風に思い直してみました。それにだって計算とかしてるの楽しいんだもん。先生もphDでたばっかの先生でいつも陽気で半そで短パンだし。(カリフォルニア出身?)