駅 弁 の 話 ・ あ れ こ れ 

 私は、これまで多くの列車の旅をしてきました。そんな旅では、駅弁は旅の思い出として「不可欠」のものでした。

 ここでは、これまで食してきた駅弁の中で、印象深かったものについての「個人的な感想」を書いています。

 ただし、私の一方的な意見であることをご承知の上、お読み下さいますようお願いします。


・第一回 吾左衛門寿し

 この寿しは、駅弁として山陰本線の米子駅で売られています。
 もっとも、この事実がはっきりしたのは2年前でして、それまでは「どこの駅のどういう駅弁なのか」わからずにいたのですが・・・。
 
 1991年の秋に山陰地方を旅しました。
 京都から山陰本線経由で入ったのですが、このときの宿泊地のひとつが米子で、ここで「吾左衛門寿し」を購入したのでした。
 
 この寿司はいわゆる「ばってら寿司」の仲間なのですが、ぶ厚い鯖の半身を酢じめにして、さらに全体を厚い昆布で巻いてあるのが特徴です。
 
 ところで最近、スーパーの寿司コーナーでさば寿司を見かけることが多くなりました。
 リーズナブルな価格なので、ファンとしてはけっこう重宝しています。
 それに対して「吾左衛門寿し」は1本1553円(税別、1999年10月現在)もするのですが、全体のずっしりした重みと、巻かれた昆布と酢飯・鯖のコンビネーションを一度でも体験してしまうと、忘れることができない味として残ることでしょう。
 
 最近、近くのAコープで駅弁大会が行われました。
 「大会」といっても、有名どころの駅弁が10数個並べられているに過ぎないくらいの規模でしたが、偶然にもこの「吾左衛門寿し」が置いてありました。
 
 そこで買ってきた本体にはパンフレットが入っていました。
 ここにフリーダイアルが載っていましたので、いつでも注文することができるようになりました。(パンフレットの中身はこちらで)


・第二回 パエーヤオーレ弁当

 この弁当は上野駅構内でしか売っていないのですが、たったひとつの例外が東京駅です。
 売店の場所はJR東日本の新幹線改札口の正面で、「たったひとつの例外」ゆえに貴重な弁当といえるでしょう。
 
 「パエーヤオーレ」はスペインの料理で、海老とか貝などの魚介類をごはんとともに煮込んだものです。
 イタリアにも同じような料理がありますが、味付けがスペイン風なのでしょう。(本格的なレストランで、イタリア料理を食べた経験がありませんので、正しい判断は不可能ではありますが)
 
 エスニック料理なので、人によって好みがはっきりしてしまいますが、「新しい駅弁」として認めてやりたい…と、私は思っています。


・第三回 北の小鉢〜かに・いくら

 この弁当は「駅弁」とは言えないかも知れません。なぜならば「オホーツク紋別空港名物」と書かれているからです。
 
 そしてこの弁当には、いままでと違うことがあります。それは「何でこんなものを売っているんだ!」という、怒りの批評だからです。
 
 理由は明らか。表紙の写真と中身が「著しく異なっている」弁当だからです。
 はっきりいって、ここまでひどい弁当は見たことがありません。
 
 なぜそうなったか、思い当たることがあります。
 最初に書いているように「駅」ではなくて「空港」で売っていると思われるからです。
 
 駅弁は、JR側からかなり厳しい審査を受けます。
 素材もそうですが、すべてにわたってチェックが入り、これに合格しないと駅構内では売らせてもらえません。
 
 私は、空港での弁当販売がどのようになっているか知りませんが、少なくともこの弁当を見る限りでは、これだけ「でたらめな内容」であっても、売ることはできるようですね。
 ますます飛行機が嫌いになりました。
 
 クレームをつけたくても、住所は書いてあっても電話番号は書かれていません。こういうのに限って載せていない…と悪意に判断されてもしかたないでしょうね。
 とにかく駅弁大会で見かけても、絶対に買わないほうがいいです。
 
 味…ですか。寿司飯の上にかにやいくらが載った丼を見かけますが、それの「エセモノ」だと思ってもらっていいでしょう。
 なにしろご飯の上に載っているもので、一番面積を取っているのが、「かに」でも「いくら」でもなく、「鮭」のフレークだからです。
 だから、食べなくてもあなたにも味が想像できるでしょう。


・第四回 峠の釜飯〜横川おぎのや

 おそらく東京にいる人の大半が知っている…と思われるのが、この「峠の釜飯」だと思います。
 高崎から長野を経て直江津、新潟まで行く線が「信越本線」なのですが、この線路は長野新幹線の開業によって「横川〜軽井沢」が途切れてしまいました。
 そしてその駅の片方、横川駅のホームで長く売られていた駅弁がこの「峠の釜飯」です。
 
 わたしは長野から東京にでて、再び長野に戻ってきました。
 その間、何度この区間を往復したか、数え切れません。そしてほぼ二回に一回は「峠の釜飯」を買っていました。
 ですから、単なる「思い出」と言ってしまうには寂しすぎます。ひとつの「青春」だったとでも言っておきましょうか。
 
 この駅弁の特徴は、いうまでもなく「いつ食べてもおいしい」と感じさせる点です。
 そのために、できるだけ暖かいうちに食べていただくよう、販売する篭にも工夫がされています。
 また、駅のすぐそばにある工場から暖かいものを絶えず補給していたとも聞きました。
 
 横川駅が単なる一つのローカル駅に成り下がってしまった今、おぎのやでは駅弁というはんちゅうにこだわらずに、各地でドライブインを開業しています。
 鉄道ではなく車の車内で食べる…という違和感は残りますけど、でも「いつでもおいしい」が変わっていないのはうれしいことです。