GK 佐藤 櫛引 DF 内藤 西田 室井 小川 奥野 カルロス 石井(86分真中) 野口 MF 栗田(71分増田) ミネイロ ジョルジーニョ 大熊 ビスマルク ダニエル(75分松山) 山口 FW マジーニョ 藤吉 黒崎 武田(86分井原) 柳沢(64分長谷川) 得点者 鹿=柳沢(42分)、京=ダニエル(58分)、 武田(70分)、鹿=増田(73分)、京=武田(84分)
ゴールの内容 右からのジョルジーニョのアーリークロスを、ゴール前中央でヘッド。(もう1人選手がかぶっていたが、柳沢の頭に当たる)左隅に決める。試合前のインタビューでは、「最初から全力でゴールを狙って、必ず勝ちます」
前節のサンフレッチェ広島戦では、延長戦で辛くも勝利し、この試合が始まる時点で鹿島は3位につけていた。ジーコが「苦しい試合だった」と語った広島戦をモノにして、波に乗りたい鹿島だったが・・。京都の必死な守りと、ハゲハゲ芝のひどいピッチに悩まされ、ボールを支配しながら攻めあぐねる。前半途中で藤吉が退場するという数的優位も生かせなかった。
この試合を落とした鹿島は、その後3連勝してジュビロ磐田を追撃するが、ラスト2戦に連敗し、念願の年間完全優勝はかなわなかった。
それでも、やなぎはいいプレーをしていた。
・50分ごろ、相手DFのクリアミスを前線で拾い、突破。DFに詰められ、中央にマイナスのパス→ビスマルクが右に浮き玉のスルーパス→内藤が受けきれずCK。・53分ごろ、後方からのパスをマジーニョ→やなぎがワンタッチで前方に浮き玉のパス→黒崎が抜け出してキーパーをかわし、シュートするも、DF小川が戻っていて身体で防ぐ。
1997年の状況<厳しいFW争いの中で「スーパーサブ」に>
この年はFWの争いが激烈だった。マジーニョ、真中、黒崎、長谷川、それに増田も前めで使われていた。やなぎは1stステージの最初のころは先発だったが、次第にベンチスタートになり、6月のWユース(マレーシア)から帰ってきてからは「スーパーサブ」として定着してしまった。そのかわり、短い時間の中でチームの雰囲気をガラッと変え、いい仕事をして結果も出した。シュートも多く、非常にモチベーション高く試合に臨んでいたことが伺える。
(2000年シーズンの本山の使われ方を見ると、この年のやなぎの役割に重なる。キレ味のいい若手を監督がどう使いたいのかが、わかったような気もする。当時はそんな使われ方がイヤで納得がいかなくて仕方なかったが・・。だから本山もあと一歩のところなんだろう。個人的にはすぐにでも先発で使ってほしい選手だが)
それにしても、いくらFWが多いからって、ベンチにMFはゼロでFWが3人・・そして一度に2トップを総入れ替えしたり、3トップにしたりする・・という贅沢な大盤振舞い采配はなあ・・。大味で好きじゃなかった。
でも、今思えば、人数は多かったけど、黒崎・長谷川は下り坂で、やなぎはまだ少し足りず、「帯に短したすきに長し」状態だったから、継投策を取るしかなかったのかもしれない。
★余談ですが(笑)★
やなぎの顔つきは、この年の後半頃、劇的に変わったように思う。
広島戦の豹のような身のこなし。横浜フ戦で見せた猛禽類のような目つき。京都戦の厳しい表情。マレーシアのWユースで得た危機感と勢いを、そのまま持ち帰ってきた感がある。まだ少年の面影を残す輪郭と、精悍な表情・・その微妙なアンバランスさがまた何ともいえなかった。
アレックスさん@97年Wユースを生観戦(羨)は、マレーシアで生で見た「ギラギラとした近寄り難い雰囲気」が、いまだに忘れられないという。私も、このころの眼光鋭い顔つきが大好きだ。