GK 佐藤 前川 DF 内藤 ポポヴィッチ 秋田 伊藤 奥野(79分長谷川) 小島 相馬 MF 本田 笛 ジョルジーニョ(61分室井) 桑原 増田(68分柳沢) 服部(45分金本) ビスマルク 山根(82分安部) 路木 FW マジーニョ アーノルド 真中 高木 得点者 鹿=ジョルジーニョ(4分)、真中(27分)、 広=高木(44分)、笛(62分)、 鹿=柳沢(83分)
ゴールの内容 GK佐藤からのロングパスを、長谷川がヘッドで前にすらし、それを柳沢が胸でダイレクトに右前方にトラップ。それを追いかけるかたちで突進し、DFと競り合い、倒れ込みながら右足でシュート、ゴール右隅に決める。角度がなく、しかも狭いニアポストギリギリの場所だったが、見事に決まった。
両腕を広げ、歓喜のポーズで走る柳沢を、チームメートがもみくちゃにして祝福。柳沢の陶然とした表情と、ベンチのジーコとジョルジーニョの握手が印象的。
前節の清水エスパルス戦を落として、フリューゲルスに首位をあけ渡した鹿島。優勝するためには絶対に負けられないこの試合だったが、暴風雨で、水びたしのピッチはボールが止まってしまうという悪コンディション。思い通りのサッカーがなかなかできない。2点の先制を守れず、ジョルジーニョが負傷で途中交代した上に、2-2に追いつかれるというイヤな流れ。
それを、途中出場したやなぎが見事に変えてみせた。Wユースから帰ってみれば、攻撃陣が(FW4人+増田)好調で、なかなか出番がない。これが帰国後初めてベンチ入りした試合。投入時、ぴょんぴょんと跳ねながらスタンバイする姿に気力がみなぎり、何かやってくれそうな雰囲気をプンプンと漂わせていた。
・入った直後、68分のCK。左コーナーからビスマルクが蹴り、相手DFがクリアしたボールをやなぎがヘッド→枠に飛んだが、相手DFが身体でクリア。
・69分、右サイドを抜け出してボールを受け、鋭い突破。DF2人に詰められてCKを取る。
・?分、左サイドを突破し、切り返して中央にマイナスのパス→ジョルジーニョ?のミドルシュートはバーの上。
――こうして目に見えて攻撃が活性化し、83分には待望の勝ち越しゴール。このゴールで首位を奪還した。
試合後のヒーローインタビュー
(マレーシアでのWユースの過酷な戦いを終えて、日焼けした頬も引き締まり、一段と逞しくなった。でも、表情はとても初々しい)――決勝ゴールの柳沢選手でした。おめでとうございます。
Y(柳沢)ありがとうございます。
――途中出場でいい仕事をしましたね。
Y がむしゃらでもいいから動きまくって、得点を取ろうと思って、入りました。
――2-0から追いつかれて、決してムードとしては良くなかったと思うんですよね。
Y そうですね。まあホント、残り1試合少ない中で、1敗というのはすごく痛いので、死にものぐるいで勝ちにいこうと思って、結果につながってよかったと思います。
――アントラーズの優勝を考えると、本当に大きな場面でいい仕事だったと思うんですね。
Y そうですね。まあ、うーん・・一生懸命やった結果がこういうことにつながっているんで、良かったと思います。
――Wユースから帰って、そのまま好調は持続していたんでしょうか?
Y 自分のなかでつねにいいプレーをしようと心がけていたんで、そういうのが、まあ毎試合毎試合出せるとは限りませんけど、自分なりに一生懸命考えてやっています。
――2位で追ってくるフリューゲルスのことは気になりませんか?
Y そうですね。少し気になるんですけど、そういうことよりも、自分たちが負けないで、1戦1戦しっかり戦って勝つことが大事だと思うんで。
――ありがとうございました。
(某スポーツニュースで拾ったコメント)
Y いい時に1点が取れたというか、勝利につながる1点が取れてよかったと思います。どんな得点でも1点は1点だと思うんで。ああいう得点を大事にしていきたいと思います。
※ここで首位に立った鹿島アントラーズは、次の第16節アビスパ福岡戦2-0、最終の第17節セレッソ大阪1-0と勝ち、ぴたりと2位に併走する横浜フリューゲルスをふりきって、1997年ファーストステージを優勝で終えた。最終節まで優勝争いがもつれる、熾烈な戦いだった。
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