練習見学ルポ(屋内)

1999年10月27日(水)午後3時〜4時30分
(於・緑地公園内の体育館)

大嵐のため、練習場所はクラブハウスからほど近い、緑地公園内の体育館に変更。
最初は、正直言って「なんだ、体育館で基礎練か・・ついてないなあ」と思いました。でも、見に行ってみたら、これが非常に面白かったのです。基本的な運動能力や練習への姿勢を、至近距離でしっかり確認し、楽しんできました。



途中(3:15ごろ)から見たが、ランニングや準備運動を終え、ボールを使いはじめたところだったようだ。
2人一組になっていた。おもなペアの組み合わせは、
やなぎ−秋田、本田−増田(この組がトップ)、相馬−奥野、名良橋−長谷川、小笠原−本山、中田−中村
練習メニューの指示は、里内コーチ。
まわりに何人かコーチやスタッフが立ち、ボールの供給などをしていた。
石井コーチも発見!穏やかな中にも真剣な表情で見守っていた。おかえりなさい!(^^)
そうそう、体育館の向こう半分は、キーパーの練習だった模様。すごい声が響いてきて、声だけだと「地獄の特訓」みたいだった。あの閻魔様のような咆哮(笑)は誰だったのだろう・・(曽ヶ端か?)

 


●2人で平行に走りながら、ボールをパスし合う練習


1)手を使ったパス。パスしたあと、身体をすばやく90度ひねって戻し、またパスを受ける。

2)これも手を使ったパス。パスしたあと、斜め前後にジグザグに走り、またパスを受ける。

やなぎの動きは非常に敏捷。ジグザグの切り返しが鋭く、小気味よい。「プロバスケットの選手みたい」とMKさん。結構、適当に流している選手もいて、こういう狭い空間で同じことをしていると、かなりその違いが目につく。ざっと見たところ、ベテラン組はみんなきちんと動いていた。

3)手を使ったパス。ロビングのパスをワンタッチで返し、その間にくるりと身体を1回転(?)させる。

やなぎの回転、切り返しは素速くて、かつバランスがいい。

4)手で出した小さいロビングボールを、前に走り出て、胸トラップ(ダイレクト)で返す。

5)ここからは足。ダイレクトでぽんぽんとパスのやりとりをする。

6)5)のヘディング版。ヘッドのみでダイレクトパスのやりとり。

秋田のヘディングは、しばしば逸れがちになる(笑)。それをやなぎは、相手のちょうど走る先に届くような、やさしいパスで返していた。
小笠原−本山のペアもうまい! 若手たちは、やっぱり技術があると感心した。

●ここで、ストレッチ・・

もう、このメニューは「いつものお約束」なのだろう。
やなぎと秋田は、6)の練習が終わるやいなや、里内コーチの指示が出る前に、2人で組んでストレッチをはじめていた。他の選手たちは、練習と練習の合間などは、だらだら歩いたり、なにもせず立たずんだりする時間が(わずかだが)あるが、やなぎ−秋田組はそういう時間をつくらず、無駄なくきびきびと動いている。

・相手の肩に片足をかけたストレッチ
・壁に両手を当てて身体を斜めに伸ばすストレッチ

「以前、小谷泰介氏が、『柳沢選手のふくらはぎの筋肉は、ジョージ・ベストに似ている』と言っていたけど、本当にいい形をしていますね」とMKさん。

●3人1組で、足を使った本格的なパス練習

(3人のうち、両脇の2人が交互にパス出しをして、中の1人がそれを受けては返す・・という繰り返し)

1)グラウンダーな強いパスをいったん止めて受け、それを蹴り返す。

やなぎと秋田に、中村が加わる。ピシッ、ピシッとしたスピーディなパスのやりとりが繰り返される。まあ、基本中の基本だし、このぐらいは当然・・と思って他の組を見たら、結構バラケてしまっていたり、リズムの乱れたところもある。(決して、サボっているということではないのだが・・)

2)1)のバリエーション。パスを受けてから、ボールを2〜3歩ドリブルしてから返す。

3)浮き玉のパスを、ワンタッチで、やはり浮き玉で返す。

4)浮き玉のパスを、いったん胸トラップして、地面に落とさずそのままボレーで返す。

5)浮き玉のパスを、ヘッドでダイレクトで返す。

ここで、秋田のヘッドが炸裂(笑)! 勢いが強すぎて、両脇の選手が受けきれず、体育館の壁にダイレクトでババーン!と当たって、大音響を響かせることも。秋田のヘッドは“つなぐ”ヘッドでなく、“決める”ヘッドなんだとつくづく思った。至近距離であんなの受けるの、ヤだろうなあ・・。
やなぎは、あくまでも相手の受けやすいところに返している。

6)高ーいロビングボールを、ジャンピングヘッドで返す。

こういうジャンプのような動作をすると、バランスの良し悪しがハッキリ目立ち(笑)、手足がバランバランになってしまったり、つっぱったり、のびあがったりという仕草があちこちで見られた。
やなぎは、全体のバランスが非常にいい選手だと思う。どんな仕草をしても、また、かなり難しい位置でボールを受けても、バランスがくずれにくく、つねに美しく機能的なフォームになっていることに感心した。

7)浮き玉のボールをいったんヘッドで受けてから、それを足で返す・・という繰り返し。

これは、サイドステップで両足を交互に使ったものと、身体を反転させながら片方の足(利き足)だけで返すものと、2パターンやっていた。

8)浮き玉のボールをバックヘッドで、もう1人のパス出しの選手に送る。

両側のパス出しの選手は、ツータッチで処理する。
たとえば、秋田と中村が両端でパスを出し、中にやなぎがいる場合・・
秋田が(やなぎからのパスを)ヘッドでワントラップして右足でパス出し→やなぎがバックヘッド→中村が胸で受けて、左足でパス出し→やなぎがバックヘッド→秋田がヘッドで受けてヘッドでパス出し・・というふうに。
やなぎのバックヘッドは、なかなか正確だった。(変なところへ行ってしまうのもあったが・・)

9)8)のバリエーションで、まん中の選手がサイドステップを踏みながら、サイドヘッド。

これは、里内コーチから、「列が乱れないように!」という注意が飛んだ。
3人が一直線上でプレーできるように、精度を高めろ・・ということだと思う。

10)両側の選手はワンタッチでパスを出し、まん中の選手が3タッチでボールを返す。

一連のプレー全体に言えることなのだが・・
やなぎたちの組は、続けることをすごく大事にしていて、相手にいいボールを出そうと集中しているし、事実長くつないでいる。よその組は、選手の位置を変えるときに、いったんボールを止めて歩いて交代することが多いのだが、この組はプレーオンのまま(!)すばやく移動して、選手が入れ替わり、そのままプレーを続行する。だから、流れも途切れず、非常にリズミカルに進んでいた。それに、ロスが少ない。ほんのわずかな時間だが、こういうのを「チリもつもれば山となる」というのではないか?


●再びストレッチ・・

・ボールの上に両手を乗せて、上からのしかかるような姿勢で、両足を左右いっぱいに開く。
・ボールを抱えたまま、あぐらのような姿勢で壁を背に座り、広げた両膝を手で押す。

ここで、本山がじゃれてくる。にこにこっと笑って、やなぎが座っているところにボールを打ってくる。やなぎは自分が持っていたボールで、本山のボールを弾き返したりしている。なおも打ってくる本山。ニマッと笑うやなぎ。

●全体でパス回しの練習

選手を半分に分けて、半分はパス出し役。もう半分は走ってパスを受け、返す役。(ひとまわりしたら交代)体育館をいっぱいに使って、両端に選手が点々と立ち、そこをジグザグと走りながらパスを受ける。

1)足でダイレクトに返す。

2)胸トラップして、そのまま足で返す。(足は、右、左と交互に使う)

3)胸でダイレクトに返す。

やなぎは胸トラップがうまい。懐が深いというのか、安定感がある。他を見やると、ハンドまがいのフォームであぶなっかしくトラップしている選手とか(笑)、いろいろいて、基本技術ってずいぶん差があるものだなあ・・と改めて思う。

4)ヘッドでダイレクトに返す。

走りながら、次々にヘッドしていくので、これはかなり難しいようだ。バランスがくずれる選手続出。やなぎも、MKさんが掲示板で指摘されていたように、最後に金古のパス出しの時に失敗して、ちょっと違う方向へ行ってしまった。すると金古に声をかけて、もう一度やりなおしてもらっていた。今度は成功。
全体をさらさら〜っと流す選手もいる中、失敗を流さずに、きちんとプレーをするという意思が、こういうところにも見える。

これらのプレーの合間、やなぎは、ちょっとでも暇があるとボールとたわむれている。

・頭の上にボールを乗せて、トントンと小刻みにリフティング。
・両足の外側で、右、左、右、左・・と、交互にボールをトラップ。(これ、女の子のゴム飛びの仕草 みたいな内股になって、なんだかおかしかった)
・ワントラップで壁にシュート! 戻ってきたボールを胸トラップしてまたシュート・・と繰り返す。
・誰かに「胸で少し置いてから返せ」と言われたらしく、パスを胸で受けて、そのままそらせた胸の上 でしばらくボールをころがしてみたり・・。(with 満面の笑顔)


また、やなぎ、小笠原、本山の3人で、よく一緒にボールにじゃれていた。というよりも、やなぎのところに、本山たちがチャチャを入れにくる・・という感じ。
わざと強くパスしたり、それをまた強く蹴り返したり・・フェイントで抜こうとしたり・・。(途中加わった本田が、本山にするっと抜かれていた)そういうときのやなぎも、終始笑顔だった。
腰に手を当てて立っている選手や、ただなんとなく突っ立ってしゃべっている選手の多い中、とにかく必ずボールに触っているか、ストレッチをしているか、なにかしらしていた。
「ボール支配率、やなぎがトップですね」「ええ。そして2位は小笠原」ううむ、MKさん、しっかり小笠原にもチェックを入れていたか、恐るべし!


パスの出し手・受け手を交代するために、選手がぞろぞろと集まったとき、ふとやなぎがニヤリと笑って、誰かに向けて親指を下に向けブーイングの仕草をしてみせた。一瞬イジメッ子の目つきになった(笑)。視線の先を見てみたら、案の定(笑)中田だった。中田、小笠原、金古あたりがつるんで笑っていた。中田が何か言ったらしく、まわりに突っ込まれている様子だった。やなぎも笑っていた。
中田って、本当に愉快な、愛すべきキャラクターのようだ。

●ストレッチ・・

こういう時間を、「休み時間」だと勘違いしてダラダラしている選手と、しっかりやっている選手がいて、見ていて面白い。やはりベテランほどフィジカルコンディションの重要性が身にしみるのか、ていねいにやっているようだ。やなぎは以前からそうだったが、本当に徹底的にやる。





これぞ、眼福!・・と言いたいような、充実したひとときだった。
「うん、やなぎは大丈夫!」と確信を持てたし、
「やっぱり違う!」とひたすら感嘆してしまった。

やなぎの練習には、一つひとつ明確な意図を感じる。また、リラックスしながらも決して手を抜かず、ていねいにリズミカルにこなしていた。
そして、何より、その動作と姿勢の美しいこと! 
普段はきれいなフォームの選手でも、変なボールを無理に追ったりすると、その一瞬姿勢がくずれるもの。しかしやなぎの場合は、どのシーンで切り取っても、バランスが良く、非常に美しい。
それは、常にいい位置でボールをとらえているということだと思う。
美しさというのは、スポーツの本質に触れる、大事な要素だと思う。





MKさんの練習見学記(掲示板より)1999年10月28日

激しい風雨でふらふら揺れている行きのバスの中、「練習見ないで帰るのかな・・・」と
半ば覚悟していましたので、緑地公園の体育館での練習見学ができた感激は、ひとしお。
「次は雨の日を狙っていこう」とまで思ってしまうほどでした。

一言で言って「行ってよかった」です。
とにかくここのところ生ヤナギを見ていなくて(ふと気づくと、なんと9/11の浦和戦以来
でした・・・)頭では納得していても、心のどこかにすっきりしない部分が残って
いたのは否めませんでした。でも昨日の練習を見ていて、本当の本当に、
心から「ヤナギはヤナギだった」と確認できました。

やなぎ命さんも書かれていますし、以前試合前のアップについて書いたときにも
同じことを言っているかもしれませんが、ヤナギの動きは際だって美しいです。
今回は特に閉鎖された空間の中で、同時に全ての選手が同じ動きの運動をしていたので、
その際立ちは顕著でした。それに何といってもかなり間近に見ることができましたし。

ボールをつかってヘディングやボレーで短いパスを繋ぐような2人組、あるいは3人組などの
練習では、ヤナギは、誰よりも高い確率で相手の一番受けやすいところへやさしく
正確なボールを送る。
ジグザグに走りながらその合間合間にヘディング、というような練習では、ただ単に
くの字に走るのでなく、バスケットボールの選手のマンツーマンディフェンスのように、
軽快かつメリハリの利いた小気味よいステップで走る。

お相手はいつものとおり(笑)秋田選手。この二人組は、メニューとメニューの間、少し
時間があいたときなどでも、必ずボールを蹴りあったりストレッチをしたりしていました。
真剣、ということでいうと、選手をパチンコの杭のように(?)2列に立たせてボール出しを
させ、そのボールを順番に走りながらヘディングする練習では、一番最後の杭(失礼)金古
選手のボールに対してちゃんとヘディングで返していたのですが、
緩いボールだったのでそのタイミングが自分として納得できず、
気に入らなかったようで、もう一度ボールを戻してやり直していました。

ちょっとした合間の時間にもボールを離さないのは、相変わらずチーム一ですね。
(ちなみに2番目は小笠原)
天井に届くような高いボールを蹴り上げ、それを足の甲にのせて
一発でぴたっとトラップしたり、何だかあやしいステップで(?)置いてあるボールを
浮かせてみたり、色々遊んでいました。
どう見ても、「テクニックに問題なし」なんですけどねえ(^^;。

とにかく、身体のキレ、練習に対する姿勢、いずれも素晴らしかったことは断言できます。
今日発表の代表メンバーが、どういう結果になろうと、強い確信を持って待っていられる、
今はそういう気持ちです。


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