「フォルサ!アントラーズ」柳沢敦インタビュー
『今年1年を振り返って、全てを熱く語る!』

1999年12月2日(木)放映
J-sports

この日の「フォルサ!アントラーズ」は、
●最終節・ヴェルディ川崎戦のゲームリポート(秋田・熊谷のインタビュー付)
●柳沢選手へのロングインタビュー
の2本立てでした。この中の、柳沢選手のインタビューを掲載します。インタビュアーは、いつもの高城光代さんです。



(番組の最初に)


――今日のお客様は、この方です!
Y (斜めに大写し・・しばしの間、ボーッとつっ立ってる・・)柳沢敦です。よろしくお願いします。
――ところで柳沢選手、最近の音楽でお気に入りは?
(バックにMEJAの“All bout the Money”が流れる)
Y えーーー・・・(長い間があく)・・・・メイヤ?・・メイヤ、じゃなかったですか?
――邦楽がお好きだったんじゃなかったですか?
Y ええ、好きです。でも、たまたまもらったCDを聴いていたら・・・題名も分かりませんけど(笑)
――どんなところが、好きなんですか?
Y リズム的に・・なんか、いいんです。
――軽快ですよね。
Y 元気になるんです。
――それでは・・キーックオフです!(2人でハモるはずだったらしいが、やなぎ、微妙にずれる)
Y (無言でニヤニヤ・・・スタッフの間から笑いが漏れる)
――(ここからは、オフレコのつもりらしい)いま、何て言った?
Y なんか、突然来ると思わなかった・・。ボーっとしてた。まだ質問来ると思ってた(笑)。
――(しょっぱなからのやなぎの大ボケに、高城さん、顔を伏せて笑いくずれる・・)


「敦に聞け!」ヴェルディ川崎戦を振り返る


――先週から始まった、ゲームを振り返るコーナーです。ヴェルディ川崎戦の感想は?
Y 調子がよくない中で、最近の中では一番出る時間も長かったんですけど、自分の納得のいくプレーというのが結構できたんで、それなりにはよかったと思います。

――たとえば、どんなところですか?
Y 今年に入ってからボールがなかなか足につかなくて、クサビのボールが入ったときに、なかなかキープできないという場面が多かったので、それが少し良くなってきたかな・・という感じはありましたけど。

――後半からの出場でしたが、前半ベンチからチームを見ていて、状態はどうでしたか?
Y そんなに攻められる場面はなかったけど、そういう場面で相手の選手がかなりフリーになることが、要所要所であったなと。それ以上に、アントラーズの方に、攻撃の面でいつか点が入りそうだというのがありましたけど。

――後半31分ぐらいでしたが、相馬選手のセンタリングを合わせたヘディング、すごく惜しかったですね。
Y まあ、ボールも・・こう・・。前日よくシュート練習するんですけど、そのときジーコや関塚さんが手で投げるのと同じようないいボールが来たんですけど、あまりにもいいボールが来すぎて、力んでしまって・・コースを狙うということが、うまくいかなかったですね。(軽く微笑みながら)

――あれはキーパーの正面だったんですが、キーパーは目に入っていたんですか?
Y 入ってました。どちらかに狙うつもりだったんですけど、やっぱり一瞬・・あの短い時間の中での判断というのが、いかに難しいかというのが、あれでもよく分かると思うんですけど・・。ジーコにも、試合終わってから、「シュートは真ん中に打つんじゃない」と何回も言われました(苦笑)

――この試合が終わって、6位で後期を終えましたが・・感想を。
Y 試合前からジーコがミーティングで話していたことなんですけど、上位2チームとの差がそんなに離れてなくて、もし今日勝つことができれば2つ順位を上げられる・・と最初から頭にありました。「それを意識しながら、今日の試合を戦え」と、ジーコがすごく気持ちを込めてミーティングのとき話してたんです。結果的に90分以内で勝つことができて、たまたま上のチームが負けたので、順位が2つ?(と確認しつつ)上がって・・。
まあ、今年1年、監督が代わったりとか・・いろんなことがありましたけど、なんだかんだ言っていい位置につけたと。どん底から這いあがって、何とか中間の位置につけられたというのは、これからのアントラーズにとってすごくよかったと思いますけど。

――チームは上向きだと?
Y そうですね。一時と比べると、かなりいい状態に戻っていると思います。でもやっぱり、他のJのチームもどんどん力つけてきていますし、もっともっと努力していかないと勝ち抜いていくのは大変だと。

――天皇杯は楽しみですね。
Y そうですね。天皇杯では、すごくいい思い出もあるし。僕自身の今年の1年を振り返っても、天皇杯はすごく意味のある大会になってくると思います。

――柳沢選手のこの1年については、このあとのコーナーでじっくりとお聞きします。ありがとうございました。



「アントラーズファミリア」柳沢敦の1年、そしてこれから・・


(最初に、試合のモノクロ映像と共に、画面中央にテロップが出る)

立ちはだかる山は、あまりにも高い。

しかし、その壁を乗り越えた時に

かつて見たことのない蹴球の桃源郷へと辿り着く。

そしてその時、日本の蹴球もまた世界へと辿り着く。

その男の名は、柳沢敦。

男は遥かなる頂きを目指す。


――アントラーズファミリアのコーナーです。柳沢選手に、ちょっと早いですが、今年1年を振り返ってもらおうと思います。1999年、今年はいろいろありすぎて、振り返りたくないなと思われるかもしれませんが・・
Y はい(苦笑)

――今年は、どんな年でしたか?
Y ん・・・・・・ ま、ほんっとに(強調して)、いろんなことがあって・・。辛いことも多かったですけど、逆に、いい風に考えるようにして、僕にとっては良かった年かなと。今振り返って、よかったかなと。

――それは、辛さが糧になったということですか?
Y まあ、いい経験として・・うーん・・・受けとめながら、これから先、頑張っていきたいという気持ちですけど・・。

――今年いろいろあったとおっしゃいましたけど、どうして今年に集中したんでしょう?
Y (苦笑いしながら)・・わかりません・・
――難しいですよね。
Y はい(笑)

――なんか、そういう星の巡りあわせだったのかもしれませんね。2月のゼロックス杯のときは、結構「今年も行けるぞ!」という感じだったんですけど・・
Y そうですね。最初は点も入っていたし、まわりがそういう目で見てくれたというのもあると思うんですけれども・・。自分なりにも、すごくいいスタートが切れた・・という感じはありました。

――不調の原因は、ご自分で分析されたと思うんですけど。
Y いろんな問題が本当に重なったと思いますし・・。まあ・・そうですね・・(考え込む)・・・プレーの中で、すごく焦る場面が今年は多かったんで。まわりの状況が把握できてなくて。マークされてプレーして、ボールが来たとき、すごく焦る場面が多かったと思いますね。

――自分の頭の中でイメージしたことに、自分の身体がついていかない・・ってこととか、ありましたか? そういう調子の悪さ?
Y うーん・・。イメージが・・こう、なかなかできないから、身体が動かないというか・・。(ボールが)来たから考えて・・それじゃもう時間がないわけですから、そういうのの繰り返しで、なかなか自分のペースがつかめなかったという感じはありますね。

――いろいろ努力されたと思うんですが。差し支えなかったら、お話しいただけますか?
Y とにかく練習しかなかったんで・・。グラウンドの中で。毎日毎日、「今日こそはいい調子でやれるように」という気持ちの切り替えをして。今年の場合は、1日1日練習するごとに自信をなくしていったり、というのがありましたけど・・(苦笑)それでも、「次の日には前向きな気持ちで」というふうに、つねに努力してたんですけど。それの繰り返しで・・。
ジーコなんかも、とにかく練習して、グラウンドの中ですべてのことを忘れるというか、そっちに打ち込むしかないんじゃないか・・と。「そうしたら、いつかは良くなる」という楽な考えというか、そういうのを与えてくれたし。奥野さんなんかも、ロッカーの中で、冗談混じりで救ってくれるというか。・・うん・・すごく、僕の気持ちを乗せてくれるんで、すごく助かりましたね。

――奥野選手は、ずい分前だと思うんですが、「辛いときほど、前を向け!」という名言がありましたね。
Y そうですね。本当に、奥野さん自身の状態としても、今年はご自身ふがいないものがあると思うし、その中でもチームの中のいろんな人に目を配って心の支えになってくれたし・・。チームにとっても大きな支えだったと思うし、僕にとっても大きな存在でした。

――今は、結構いい状態とおっしゃっていましたけど、調子は?
Y そうですね。今控えに回って、少しの出場時間なんですけど、逆にその時間でがむしゃらになれて、やれてるというか、それがいい方向にいっている感じがして。やっている時間もすごく楽しいし、少しずつ自信も取り戻せるかな・・という感じがありますけど。

――前のようにイメージがまた湧くようになりましたか?
Y 少しずつ、余裕がまた戻ってきたし、でもまだまだだとは思いますけど・・。

――天皇杯につなぎたいですね。
Y そうですね・・。いい感じでオフに入りたいし、それがやっぱり来年につながると思うし。そういう意味でも、少しでも出て、少しでもいいプレーをたくさんしたいなと思います。

――それでは、サポーターの皆さんからの、柳沢選手へのメッセージを・・
(画面で3人紹介。「代表落ち残念ですが、頑張ってください」・・など)

――いかがでしたか?
Y そうですね。シーズン中、いろんなファンレターをいただきましたけど、すごくあったかいメッセージも多いし、そういう人たちがいるんだと思うと、頑張らなくっちゃいけないと改めて思うし。今のビデオを見て、また改めてそういう気持ちになりました。

――最後に、番組をご覧のみなさんにメッセージを。
Y 今年は、自分自身もふがいない結果でしたけれども、来年こそはサポーターのみなさんに喜んでもらえるような結果を残したいと思いますし、自分でも納得のいくような結果を残したいと頑張りますんで、これからも応援よろしくお願いします。
――ぜひ、これからも頑張ってください。
Y はい。
――ありがとうございました。




イメージが湧かず、思ったプレーができない・・そういうときの泥沼の心理状態を、ほんの少しだけうかがい知ることができました。そういう中でも、毎日気持ちを切り替えながら練習に打ち込もうとしたことや、ジーコやチームメートの励ましが支えになったことがよくわかりました。
このHPで集めた激励のメッセージも、なにがしかのお役に立ったかもしれない・・などとも(笑)。
まあ、でも、まだまだこれから。天皇杯は、1試合1試合、1プレー1プレーを大切に、闘っていってほしいですね。試行錯誤しながら、自分のプレーを取り戻していってください。

それにしても、「イメージ」と「フィジカル」を極限のところで一致させながらプレーしている、彼のようなタイプの選手は、スランプに入るとかなり厳しいんだろうなあ、とつくづく思います。

最後に・・本編の主旨とはちょっとずれるんですが・・

奥野選手、本当に長い間お疲れさまでした。ありがとうございました。
このインタビューでも出てきましたが、自分の状況があれだけ厳しいのに、それでもなおチームメートのためにいろいろと心を砕いてくださっていたのですね。思わず目頭が熱くなりました。(練習見学のときも、いつも率先してチームをひっぱっていましたし、後輩に茶々を入れるなど、気持ちを盛り上げてくれていました)
気持ちとしては、まだまだアントラーズにいて活躍してほしい選手ですが、最近の状況を見るにつけ、出場の機会の多いチームに移籍して活躍されたほうがご本人にとってもいいことだと思うようになりました。どのチームに決まるにしろ、どうぞ新天地でも頑張ってください!ご活躍をお祈りしています。


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