ハムスター地下二階(2)


わくわくサイエンス
《動物のたんじょう》

『わくわくサイエンス』 の 《動物のたんじょう》 は、本物のハムスターが主役となって活躍しています。
しかし、この番組は、視聴者さんに正しいハムスターの飼い方を教えよう、というものではありません。
子供たちにとって身近な存在(ペット)であるハムスターの協力を得て、動物の生殖の仕組みを理解してもらうのが目的であると思われます。

ですから、ハムスターにとっては少々迷惑な扱いも受けていますが、撮影のためには仕方がない、と、割り切って制作されたのでしょう。
この点は、他の動物番組を観ていても、同じような感じがいたします。
番組制作者側の気持ちになれば、すべて我々人間のためにしていることですから、良し悪しを語るには、いろいろな立場の人たちの話を聞かなければなりません。

少なくとも、生物学に興味ある者(筆者もそうです)の立場から観れば、最新の映像技術を駆使したシーンは、素晴らしいと言わざるを得ないでしょう。
普段は見ることができない部分を覗く面白さは、好奇心旺盛な人間(という生き物)にとって、人生を豊かにするために欠かせないエネルギー源となるからです。

そういう訳で、今回は番組について解説するのではなく、番組を観ていて気がついた点(ハムスターを飼育する立場から観て)だけを、簡単に述べることにいたしましょう。

まず、背の高いケージはリス用ですので、ハムスターには使わないようにしましょう。
飼育スペースを広くとってあげるのは良いことですが、それならば、単純に床面積が広くなるようなケージを選ぶべきです。
網の部分が多すぎると、事故につながる場合もあります。

どんなに床面積が広くても、木製のケージは(市販されていることは、まずないと思いますが)危ないですから、安易に使用するのは避けましょう。
ハムスターはネズミの仲間内で、最も硬い歯を持つともいわれている、脱走の名人なのです。
歯の先を引っ掛けやすい紙や木の板などでは、齧られて大穴を開けられてしまうのは時間の問題です。

もちろん、ハムスターが寝るために使う巣箱(ケージの中に入れるもの)でしたら、木製でOKです。
齧ってボロボロになってきたら、取り替えてあげましょう。

ハムスターに、いろいろな種類の餌(野菜や煮干しなど)を与えるのは、栄養バランスの点で望ましい飼育法だと思います。
けれども、初めて口にする餌は、少なめにしておかなければなりません。
運が悪いと、下痢をしたり体調を崩すことがあります。
農薬が付いたままの野菜を、誤って大量に与えてしまうと、それだけで致命的な結果が待っています。
また、人間用のチーズや煮干しは塩分が多いので、与えないように注意しましょう。
ペットショップへ行けば、ペット用のものが売られています。

ハムスターのトイレの位置は、ケージの隅が基本です。
巣箱や餌入れから最も遠い位置を好むようです(個体差はあります)。
トイレ砂には、いろいろな種類のものがあるようですが、特に固まりやすいものには気をつけていてください。
掃除がしやすいという便利な面があるものの、ハムスターの性格によっては、体内に付着して危険な状態になることがあります。

ハムスターを病院へ連れていくような時は、ケージごと紙袋(など)の中に入れて、外からの光を遮断してあげたほうが落ち着きます。
特に昼間に移動させる時は、眠たいはずのハムスターの身になって考えてみるといいでしょう。
移動中に、ケージ内の温度差が大きく変化しないように工夫することもお忘れなく。

ハムスターが赤ちゃんを産んでいる時は、むやみに母親のケージを覗かないように注意しましょう。
(番組で巣箱を覗いていたのは、番組の構成上、仕方がなかったものと思われます)

子供が生後3週間から1ヵ月を過ぎて、固い餌を食べられるようになったら、元気そうな子(体つきの大きい子)から、そろそろ巣分けをさせましょう。
この時期に上手に親子を離さないと、兄弟ゲンカの末、耳に切れ込みの入ったハムスターができてしまいます。
この耳の傷痕は残ったまま、一生、元には戻りません。
健康で美しいハムスターを育てる基礎を作るのは、繁殖させる人の責任です。
放任主義にはならないように気をつけましょう。


NEZUMI家 ハムチェッカーズ


☆



もどる