ハムスター地下室(2)


《1匹だけではかわいそう?》

よいこの みなさん!

ハムスターを かうなら、さいしょは あんぜんな 1ぴきだけ。
これが きほん です。

交尾中
交尾中の ゴールデンハムスター
(左のメスの毛色は、野生種にかなり近いアグーチカラー)
(右のオスの毛色は、ペット用ハムスターに改良されていく段階で
出現した突然変異の淡色系で、目と耳を除く全体が白っぽく見える)

前回は、ハムスターハムスターの飼育用品を購入する際に、ペットショップを上手に利用しよう、という話をさせていただきました。
では、数あるペットショップの中から、どんな店を選べば、本当に上手に利用できると思われますか?
店内が清潔で、悪臭がなくほどよいスペースを与えられた動物たちが、生き生きと暮らしている(展示されている)ペットショップを選ぶのは、もちろんのことです。
その上、あなたはハムスターを飼うのですから、当然、ハムスターに詳しいペットショップでなければなりませんね。

ハムスターに詳しいペットショップを見分けるには、ハムスター担当の店員さんに直接質問してみるのが、最も簡単でわかりやすい方法です。
そこで、今月以降数回にわたり、ハムスターに詳しいペットショップの見分け方』と題して、初心者さんがよく質問される内容と、望まれるべき回答を書いていきたいと思います。


ハムスターに詳しいペットショップの見分け方1

新しい家族の一員としてハムスターを選ぶ時、種類や毛色で悩んでしまうのは、よくあることでしょう。
確かに、ペットショップで実物を見てみないことには、簡単に決められないほど、ハムスターのバリエーションは豊富です。
しかし、ペットショップへ行く前に、きちんと決めておいてもらいたいことがあります。
それは、1つのケージに何匹一緒に入れるか、ということです。
ハムスターに詳しいペットショップなら、何匹がいいと答えるでしょう?

まず、ハムスターのペア飼いを強くすすめる店は、残念ながら『バツ』ですね。
特に、ゴールデンハムスターのペア飼いを安易にすすめる店は、『大バツ』です。
おとなになったゴールデンハムスター危険性を知らない、不勉強な店といえるでしょう。

成熟したゴールデンハムスターは縄張り意識が激しく、2匹以上を同じケージの中で飼っていると、争って大ケガをしたり、最悪の場合はかみ殺されてしまうこともあるのです。
すでにおとなの大きさになったゴールデンハムスターを、ひとつのケージに何匹か入れて販売しているペットショップがありますが、あまりいい状態とはいえません
そんなケージを覗いてみると、体のあちこちにかさぶたができていたり、耳がギザギザになっていたり、片目がつぶれていたり、足が一本見当たらないハムスターが混じっていることさえあります。
狭い所に大勢でいるとストレスも溜まりやすく、抵抗力が落ちるので、1匹が病気になると、たちまち広まって全滅してしまうケースも見られます。

あなたがハムスターペア飼いを希望する場合は、本気で繁殖させたいのかどうか、選ぶ前にきちんと確認をしてくれたり、万が一のケンカや育児のことも考えて、ケージがもうひとつ必要だと忠告してくれる店がよいでしょう。

最初から、できる限り1匹飼いをすすめる店は、ハムスターと飼い主の両方の立場を考慮してくれているので、こちらは『マル』です。
結局、1匹だけではかわいそうだから、という考え方は間違っているのです
あなたのせっかくの思いやりが、不幸なハムスターを増やしてしまっては、何にもなりません。

ゴールデンハムスターほど単独生活にこだわらないドワーフハムスターは、数匹を同じケージに入れても大丈夫だといわれることがあります。
しかしそれでも、例外なく全員が仲良く暮らしてくれる訳ではありません。
ハムスターたちの同居は、常に危険を伴っているのです。
万が一の事態を避けるため、やはり初心者さんは1匹飼いのほうが安全です。

どうしても2匹以上で飼いたい時は、必ず予備のケージを用意しておきましょう
筆者の経験上、親子兄弟(姉妹)なら大丈夫だとか、同性同士なら大丈夫だとか、そんなあいまいな説は信じないほうが無難です。
(実際、筆者が過去に失敗しているのです)
血縁者であろうが、幼なじみであろうが、相性や虫の居所が悪ければ、たちまちケンカになってしまいます。
昨日まで仲良しだった2匹が、ある日突然、攻撃し合うようになるのです。

もちろん、アカの他にんでも、一生仲良く暮らした例はあります。
しかし、いつケンカになってしまうのだろう・・・と、毎日ハラハラしながらハムスターを飼うのは、楽しいことなのでしょうか?
同居に失敗して傷つくのは、哀れなハムスターと、あなた(飼い主さん)の心、両方なのです。

ところで、ケンカの有無にかかわらず、ハムスターペア飼いをするということは、繁殖させるということになりますね。
ハムスターのしっぽはとても短くて、まるで別の仲間のようですが、ネズミであることには違いありません。
もちろん放っておけば、子供はネズミ算式に増えていきます
1回だけ子供を生ませてみたいという飼い主さんが多いのですが、必ず、経験者のアドバイスを受けておきましょう。

繁殖させてはいけない、とまでは申しません。
生命の誕生と育児(見守るだけであっても)を経験するのは、大変素晴らしいことだと思います。
ただ、何も知らないまま繁殖に挑戦すると、不注意で母子とも死なせてしまったり、オスとメスを別居させるタイミングを間違えて、もらい手のつかない子供をたくさん増やしてしまったりと、思いがけない事態におちいることがあるからです。

増えすぎてしまった子供は、いつでもペットショップで引き取ってくれる訳ではありません。
善意で引き取ってくれるペットショップもありますが、口コミなどで引き取りの噂が広まり、約束もしていないのにいきなり子供を持ち込んできたり、ケガや病気の子を平気で置いていこうとしたり、おとなになったハムスターを、馴れない、世話が面倒で飼い続けられないからと、勝手な理由で押しつけていく心ない飼い主さんが現れると、その善意が仇となって引き取りをやめてしまいます。

もちろん、外に捨ててしまうなどということは言語道断です。
捨てられたハムスターは、飢えと寒さ(暑さ)に苦しみながら死んでいきます。
くれぐれも、無責任な飼い方はしないように気をつけてください。


前回の 『ペットショップへ行く前に』 に寄せられた ご質問より

Q.近所のペットショップを覗いてみたら、そのお店が独自に組んだハムスター飼育セット』が売られていました。
でも、たった1セットしか置いていないのです。
ハムスターにはいろいろな種類がいると聞きましたが、どんな種類のハムスターでも、同じ飼育セットが使えるのでしょうか?

A.詳しくは別の回に書くつもりでしたので、前回では省略してしまいましたが、おっしゃる通り、ハムスターの種類によって、使用できる飼育器具は異なります
大まかに分けますと、ゴールデンハムスターと、ドワーフハムスターの2種類が、選別の基本となります。
(さらに詳しい店では、夏用、冬用と分けて販売しているところもあります)

ですから、最低でも2種類の飼育セットが置かれている店は、両者の違いを多少なりとも知っているということですから、1種類のセットしか置いていないペットショップより、ハムスターに詳しい店である可能性が高いと思われます。

ただ、1種類のセットしか置いていない店でも、『ゴールデン・ドワーフ兼用』と明記してあれば、ほとんどのハムスターに使用することができるようです。
最適なセットではありませんが、里子にもらうハムスターの種類がはっきりしない、などという場合は、兼用のセットを選んだほうが無難な場合もあります。
余裕があれば、できる限り店員さんに相談して、詳しいアドバイスを受けるようにしてください。

ここでひとつ、注意していただきたいことがあります。
ペットとして飼われているハムスターの中に、ロボロフスキーハムスターという、かなり小さなハムスタードワーフハムスターの仲間です)がいることをご存じですか?
この子たちは、少々特殊なハムスターですので、飼育器具は、他のハムスターよりも慎重に選ばなくてはなりません
ドワーフハムスターと書かれているケージでも、使用できないものがあります。
飼育セットの有無にかかわらず、必ず、ロボロフスキーハムスターに詳しいお友達や、店員さんの指導を受けてください。


原文&画像提供:NEZUMI(愛玩動物飼養管理士)


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