ハムスター地下室(3)


《冬眠させると長生きするの?》

よいこの みなさん!

ハムスターは、にんげんの あかちゃんと おなじです。
あついのも、さむいのも、どちらも にがて です。

臨終の時
臨終の時を迎える 老ゴールデンハムスター
(疑似冬眠の画像ではないが、低体温状態におちいり、凍ったようになっている)
(夜明け前なのに明るく見えるのは、上部から白熱電球で保温しているため)

野生のハムスターたちの中には、寒くなると冬眠(注:広義の)をするものがいます。
秋のうちに、あの大きなチークポーチ(頬袋)に餌をいっぱい詰めて、地面の下の自分の巣に運ぶのです。
もちろん、布団代わりの巣材も、たくさん必要です。

ハムスターの遠い親戚にあたる日本ヤマネは、冷たい雪の中でさえ、平気で冬眠してしまうことがありますが、体の仕組みが違うハムスターたちには、そのような真似はできません。
ハムスターの冬眠と呼ばれているものは、正確には、本当の冬眠ではないのです)

ヤマネとは異なる冬眠システムを持ったハムスターでも、大量の餌と巣材が用意できれば、冬眠の準備に入ることはできます。
野生のハムスターたちの冬眠は、自然の節理に任せるとして、我々がペットとして飼育しているハムスターも、やはり冬眠させなければならないのでしょうか?

上手に冬眠させると、ペットのハムスター長生きをするという話を、筆者もいくつか聞いたことがあります。
しかし、実際にそういう研究結果があったとしても、素人が少しでもミスをすると、ハムスターは眠ったまま、二度と目を覚まさなくなってしまいます。
一般のご家庭、特に初心者さんには、かなり難しい飼育技法だと思われます。

冬眠させてもよいといわれている、ある種のカメやシマリスでさえ、わずかな失敗が、死の危険を招くのです。
長生きさせるつもりが、逆に死なせてしまっては、元も子もありません。
研究者さんが一生懸命研究して導き出したデータを信用しない、という意味ではないのです。

ペットとなったハムスターの生活は、野生の状態とまったく同じではありません
人間(飼い主)が手伝ってあげさえすれば、真冬でも暖かい遊び場と、様々な食物を得ることができるのです。
他のペット動物たちと比べて、ハムスター寿命の短いほうだといえるでしょう。
病気知らずで、よく食べよく眠り、元気に遊び回っている・・・そんな生き生きとしたハムスターの時間こそ、大切にしてあげてください。

ところで、つい昨日まで元気に動き回っていたハムスターが、突然、疑似冬眠してしまった時、最も疑わしい原因は、いったい何だと思われますか?

実は、ハムスターという動物は、寒さに弱いというよりも、気温差に弱いのです。
いくら昼間がポカポカと暖かくても、夕方から明け方にかけて急に冷え込むような今の季節(晩秋〜初冬)は、実はとても危険なのです。
場合によっては、真冬よりも厄介な時期といえるでしょう。

秋は真冬ほどの寒さは感じませんが、気温差という観点から考えると、季節の変わり目のほうが、一日の気温差が大きくなる可能性が高いのです。
体力のないハムスターたちは、体温の調整がうまくできなくなり、すぐに(ほんの数時間で)低体温状態におちいってしまいます

疑似冬眠の怖いところは、それがどんな場所でも急に起こってしまうということです。
餌を食べている最中でも、トイレの帰りでも、元気に遊んでいる時でさえも、例外ではありません。
ハムスター自身が 『何だか少し寒いな、変だな』 と思った次の瞬間、意識が遠のいているという場合が少なくないのです。
巣材のまったくない場所で、疑似冬眠をしてしまったら、本当に凍え死んでしまうかもしれません。
寒い季節は底網を使わずに、ケージ全体に巣材を敷きつめておけば、ある程度、不慮の事故を防ぐことができるでしょう。

危険なのは今の季節だけではありません。
気温管理の必要性は、一年を通して変わることはありません
真夏のほんのわずかな時間に、熱射病(あるいは熱中症)で倒れるハムスターも、数多くいます。
(初夏に里子に出したハムスターの子供が、数時間後、駐車場に停めてあった車の中で死んでいた、という連絡を受けた時、自分が里親さんへの注意を怠ったことを、ずいぶん後悔いたしました)

気温差をなるべく少なくすることが、上手なハムスター飼育のポイントとなります。
ハムスターお風呂に入れてはいけないひとつの理由は、熱いお湯や、ドライヤーの風や、生乾きの風呂冷えが、ハムスター体温を急激に変化させてしまうことがあるからです。

ハムスター体の小さな生き物です。
体の大きな我々と比較して、環境の変化に耐えるために必要な調節機能が、働きにくくなっている部分があります。
ハムスターにとって、簡単にクリアできない 『差』 は、大きな障害となってしまいます。
常に 『差』 の少ない生活をさせるように、飼い主さんは心掛けていてください。


原文&画像提供:NEZUMI(愛玩動物飼養管理士)


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