○生態学関連

○地球の物質循環と微生物の役割

○炭素の循環
 二酸化炭素の同化は,地球上において第2の大きい物質変化であって,年間10^11tの炭素が有機物に変化している.このうち,1/2は水圏で行われており,植物性プランクトンなど,微生物の果たす役割は大きい.
 逆に有機物を二酸化炭素に戻す呼吸・発酵・腐敗などの過程は動物・微生物によって行われるが,動物の関与は10%以下と推定されており,微生物の役割が重視される.

○窒素の循環
 自然界における分子状窒素の固定窒素への変化(2*10^8t/y)は,空中放電による硝酸の生成を除けば,ほぼ微生物がその役割を果たしている.アンモニアの亜硝酸,硝酸への変化も細菌によって行われる.
 分子状窒素の生成においては,亜硝酸の脱窒(3*10^8t/y)があるが,この脱窒は細菌によって行われる.亜硝酸を生ずる硝酸塩の還元同化は植物によっても行われる.

○硫黄の循環
 無機硫黄の相互変化はもっぱら細菌によって行われている.硫化水素の発生も細菌によるが,有機硫黄の分解より,硫酸が還元されて生じる物が多い.

○その他
 鉄細菌によって鉄(U)イオンが鉄(V)イオンに酸化される.
 無機水銀(U)イオンの有機水銀への変化も微生物の作用による.
 

○共生と寄生

○共生と寄生
 異種の生物が同じ場所でともに生活するだけでなく,生理的に相互に恒常的に結びついているとき,共生symbiosisという.相互に生活上の利益を得ているときを相利共生であるというが,一方が益を得,他方は害を被っているとき,この共生の形を寄生parasitismという.しかし結びつきの強さ,害益の判定は難しく,独立の生活との区別も明瞭に出来ないことも多い.

共生例@:マメ科植物&根粒菌Rhizobium
 マメの根は根粒菌に接触するとそれを包み込み,細胞内に導管が出来て菌を侵入させ,組織が増殖して根粒を作る.この際,ヘモグロビンが生成して根粒内に蓄積,酸素分圧を低く保つことにより窒素固定が可能となる.菌はこの状態で宿主の生物から炭素栄養を受けながら窒素分子をアンモニアに還元して植物に提供する.

共生例A:反芻動物&ルーメン細菌rumen bacteria
 牛などの反芻動物は4箇の大きな居をもつ.その第1胃は発酵槽で,ルーメン細菌と呼ばれる嫌気性細菌によりセルロースが発酵され,酪酸・プロピオン酸・酢酸などが生成する.それと同時にアンモニアを用いて最近が増殖,タンパク質を作るが,それらは第4胃において消化され,低級脂肪酸とともに反芻動物の生命を支える.他の動物はエネルギー源としてグルコースを用いているが,この場合脂肪酸がエネルギー源となるわけである.つまり,反芻動物はアンモニア(→タンパク質)とセルロース(→低級脂肪酸:エネルギー源)だけで生活できるのである.

○細胞内共生
 共生が進んだ場合,微生物の細胞が他生物の細胞内に取り込まれる場合があり,これを細胞内共生という.光合成を行う藍藻がある主の動物の細胞に含まれ,栄養を助ける場合も知られている.
 また,ある種の病原菌が宿主の細胞内に寄生し,そこで生活し病害を与えることもある(リケッチア・クラミジアなど).