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◎【連載:コンビニ映画館へようこそ】

★今回の上映プログラム:『地獄の天使』/『明日の壁をぶち破れ』

たけし:1980年代中期〜後期というと狂ったようなビデオリリースブーム。今思えばなんとも映画ファンには天国のような時代だったんだけども、この『地獄の天使』(1968年・米)なんてこの時代ならではのリリースだよね。それにしてもこの作品のリリースに喜んだ人ってどれくらいいるんだろうね?(苦笑)『壮烈!怒りのリベンジャー』のリリースはありがたかった人はいたかもしれないけど(笑)。

れいこ:当時ではこれって空手ヒーロー映画として宣伝されたのかしら??おせじにも"空手アクション"とは呼べないけど。ここでのトム・ローリン扮するビリー・ジャックってトゥラ・サターナといい勝負なんじゃないかしら?

たけし:これは"ヘルスエンジェルスが出てくるバイク映画"として宣伝されたんじゃないかな?白づくめバイカーファッションのヒロインがとってもグッドだね。それにしても今見るとなんとものどかな映画だねえ。サスペンスらしいサスペンスが感じられない(苦笑)。でもおいらはなぜかこの映画が好きなんだな。

れいこ:アメリカ本国では1作目より続編の『明日の壁をぶち破れ』(1971年・米)がカルト化しているようね。こっちのほうを日本でもビデオリリースして欲しかったわー。

たけし:これが日本でコケたから3作目の"The Trial of Billy Jack"(1974年)が輸入されなかったんだけど、この3作目のスコアを担当しているのはエルマー・バーンスタインで、このサントラが無茶苦茶いいんだよ!!女性ボーカルによるソフトロックもフィーチャーされていて、ソフトさとバーンスタインの荘厳なスコアがベストカップリング!!このサントラは僕にとっての隠れ名盤だね。中古レコード屋では割合安い値段で売られているから機会があれば是非ともチェックしてほしいね。
[1999/6/29]

★今回の上映プログラム:『バタリアン・リターンズ』/『ナイト・オブ・ザ・コメット』

たけし:今日はゾンビ映画2本立てだね。しかもアメリカ物。ゾンビ映画というと雰囲気のおどろおどろしさという点でどうしてもイタリア物に軍配が上がっちゃうんだけど、この2作品は変化球狙いで素晴しい出来映えに仕上がっている。イタリアンゾンビ映画の傑作が『サンゲリア』『ナイトメアシティ』『人間解剖島ドクターブッチャー』とすればアメリカンゾンビ映画の傑作なら僕も迷わずこの2作を挙げるね。

れいこ:この『バタリアン・リターンズ』(1993年・米)って見てて涙腺がゆるんじゃったわ。これだったらスプラッター映画嫌いのレディでもオッケーよ。「ロミオとジュリエット」のバタリアン版ね。

たけし:ボンデージ女ゾンビっていう点に狂喜するマニアなファンがいるかもしれないけどそいつはいわば童貞オタクで「木を見て山を見ず」ってなヤな野郎だね。これは純粋に感動できるいい映画だ(きっぱり)。

れいこ:次の作品も良かった!一部ファンで名作との呼び声の高い『ナイト・オブ・ザ・コメット』(1984年・米)。これって当時、オタク雑誌「宇宙船」でも"日本劇場未公開の傑作"として絶賛されていたわよね。これはゾンビ映画というフォーマットを利用した青春映画の傑作だと思うわ!こんな傑作が今のホラーファンの間で語られないのはなぜ!?

たけし:それはやっぱりオタクは「青春」という甘酸っぱい響きに縁がないからだと思うよ(笑)。
 また、あらためて再見するとこの映画がまた違った魅力を持つ作品に生まれかわっていることに気付くね。つまり、エイティーズ感覚っていうのが存分に楽しめる。エイティーズなファッション(右写真を見よ!)、エイティーズな音楽など、この当時に青春をすごした人はもうたまらない作品になっているんだよね。こんな甘酸っぱくもホロ苦い(苦笑)ホラー映画をもっともっと見たーい!他にこんな作品ないかなー!?

れいこ:ただ、こういう映画に感動する自分に「老い」を感じちゃうのもまた事実(涙)。ああカムバック!私の青春!!
[1999/6/2]

★今回の上映プログラム:『発情アニマル』/『狼たちの影』

れいこ:今日はどっちとも復讐系ね。復讐モノだから気分がスッとするカタルシスを味わえるかなー?って思ったらどっちもそこはかとない虚しさってのを感じちゃったわ。

たけし:アメリカではスプラッター映画ファンの間でカルト的な人気を誇る『発情アニマル』(1978年・米)は日本では洋ピンとして劇場公開されたんだよね。80年代末期のビデオブームで『悪魔のえじき』ってタイトルで一般映画としてビデオリリースされてから日本のその手の映画ファンの間にようやく認知されたって感があるよね。
 それにしてもこのヒロイン、いかにも「私を犯して下さい」って言ってるようなもんだよね。自業自得だね。あんな人気の少ないところで薄着でいるんだから野郎は黙っちゃいないよ。彼らのレイプ行為は「そこに山があるから」って論理と一緒だと思うよ。

れいこ:それは男の勝手な論理よ!でも男の人ってチ○ポを切られたらすぐ痛がらないものなのかしら??

たけし:それはやられたことが無いからわからないねえ。この映画がいまいち後味がすっきりしないのは同情すべき童貞君がヒロインから同情の余地無しで殺されるからかなあ?それともただ単に映画自体の雰囲気がとことんサブイからかなあ〜。そういやこれって音楽使われてたっけ??

れいこ:同じ復讐系でも併映の『狼たちの影』(1975年・伊)のほうがカタルシスはあったね。映画コラムニストの三留まゆみさんもこの映画ってわりと好きみたいよ。三留さんいわく「大B級映画」との事だけど(笑)。

たけし:これは映画の設定が面白いよね。ジョージ・ケネディは戦争シミュレーションソフトの開発を行なっているNATOのコンピューター技師なんだけど、ある日、妻子がテロリストに惨殺されてしまう。テロリストへの復讐を誓うケネディは自分の開発した戦争シミュレーションソフトで復讐成功率っていうのを算出したらなんとまあ「成功率=8%」なんて数字が出ちゃう(笑)。
 しかし、死にもの狂いのド根性でテロリストへの復讐を遂げちゃう。見終った後、原題の"人間の要素"(The Human Factor)"という言葉がなんとも重く響いてくるんだよね。クライマックスのスーパーマーケットにおけるケネディ1人VSテロリスト集団の銃撃戦はアクション映画史に残る最高にサスペンスフルなシーンだと思うな。ここでのケネディは1人の軍隊だね。

れいこ:監督のエドワード・ドミトリクってハリウッドの赤狩り旋風以降、精彩を欠いて名匠になり損ねたってイメージがあるけど、こういう映画を見てると演出力はさすがって思ってしまうわね。

たけし:そうだね。もっとB級活劇を残してもらいたかったね。そういやドミトリクの戦争映画『アンツィオ大作戦』(1968年・伊)の主題曲は今でも鼻歌で歌えてしまう俺。

[1999/5/30]

★今回の上映プログラム:『アメリカの夜』/『野性の眼』

たけし:映画ファンだったら誰しも製作現場の様子を見てみたいもので、そんなファンの欲求に応えてくれるのが今回のプログラムだね。

れいこ:フランソワ・トリュフォー!こんな映画館で上映するなんて純粋なトリュフォー・ファンは面白くないんじゃないかしら(笑)。

たけし:まぁ、トリュフォーといったヌーヴェルバーグ一派の連中ってもともとはそれまで大衆娯楽映画とされていた作品群(アルフレッド・ヒッチコック、ハワード・ホークス、サミュエル・フラーetc)をちゃんとマトモに批評するっていう映画ジャーナリズム活動をしてたんだから、本当のトリュフォー・ファンだったらこういう与太な映画館で上映されることは大歓迎なんじゃないかねえ

れいこ:まぁ、そんなものかもね。フランス人はH・G・ルイスの『2000人の狂人』を評価するくらいだもんね。この『アメリカの夜』(1974年・仏)っていってみたらスキャンダル暴露映画よねえ。ケネス・アンガーの『ハリウッド・バビロン』の世界よね。

たけし:この映画で描かれているスキャンダルはスポーツ紙とか女性週刊誌で取り上げられたらドロドロの様相を呈した雰囲気で描かれること必至なんだけど、トリュフォーはそういったスキャンダルでもフレンチ的お洒落な出来事として描いてしまう。そういうところに「さすがトリュフォー」と思ってしまうね(笑)。

れいこ:併映の『野性の眼』(1967年・伊)はこれまたトリュフォーとは対局にあるような映画だわねー。

たけし:こちらは残酷ドキュメンタリー映画のカツドウ屋魂を描いた映画で、主人公は残酷ドキュメンタリー映画の巨匠グアルティエロ・ヤコペッティをモデルにしている。この映画を見るかぎりトリュフォーの映画製作熱などヤコペッティのそれの足元にも及ばない(笑)。
 映画撮影中に俳優が事故で死んでも撮影後は「撮影はスムーズに行きましたよ」ってふうに描くトリュフォーと、レストランに爆弾が仕掛けられた事を知ってもその事をレストラン客に知らせず、爆破の決定的瞬間を撮ろうとしてスタンバり、その爆破でヒロインの女優を死なせてしまったら「悲しみで途方にくれる俺を撮れ!」っていうヤコペッティの両者には明らかに差があるよなあ(笑)。

れいこ:この両方の映画に描かれる映画人を比較すると私は『野性の眼』のほうに好意を持っちゃう。人間らしいっていうか、映画に対するひたむきさ、無邪気さ、そして単純さ、愚かさがなんともいとおしいのよね。

[1999/5/29]

★今回の上映プログラム:『400人殺せ』/『ヒューマノイド・宇宙帝国の陰謀』

たけし:なんでも館長によれば今回のプログラムは「笑いとスリルと興奮を味わえ!」ってことだってさ。その「笑い」担当が『400人殺せ』(1967年・伊)なんだけど・・・。

れいこ:こ、これって笑える??この怪盗ドレリックってすっごい大量殺人鬼じゃないの!!

たけし:オープニングはいまいちノリの悪い演出(監督はステノ)、そしてテリー・トーマスの臭みのあるコメディ演技で「おもろいんかいな?」って不安になるけど、とある事情で殺人を開始し始めるあたりからこの映画の異常性が顔を出してくるんだよね。何も考えなければ楽しいんだけど、ちょっと考えると「こんなん楽しんじゃあかんだろう」って良心の呵責に苛まれるんだよね(苦笑)。

れいこ:先日、WAVEに行ったら右写真のような輸入CDが売ってたわよ。これってイタリアンレアグルーヴを集めた、渋谷系なオムニバスアルバムなんだけど、この映画がCDの表紙に扱われるくらいなんだからイタリア本国ではカルト的な人気を得ているんじゃないかしら?

たけし:このCD、輸入盤屋で平積みされてるのを見た時はショックを受けたねえ。「日本もいい国になったねえ」ってしみじみと思ったりしたものじゃよ。

れいこ:「スリルと興奮」担当は『スターウォーズ』のバッタモン映画『ヒューマノイド・宇宙帝国の陰謀』(1978年・伊)。これって意外と面白かったわね。クライマックスが倉庫での銃撃戦ですもんね(笑)。下手な特撮による空中戦をクライマックスに持ってこなかったのは大正解だと思うわ。

たけし:その銃撃戦の演出がエンツォ・G・カステラーリっぽいなーって思ってたら第2班監督として名前を連ねていたね。恐らくはカステラーリが実質的にメガホンを取ってるんじゃないかね?(監督としてクレジットされているのはアメリカ人名ジョージ・B・ルイス。カステラーリとは別人らしい)

れいこ:でもこの映画ってリチャード・キールに失礼よねえ。ここでのキールって悪玉(バーバラ・バック、アーサー・ケネディら)から特殊光線を浴びて怪人に変身してしまうんだけど、変身後が素顔のキールですもんねえ(笑)。つまり変身前の人間時の時にはキールはメイクをしているっていう・・・(笑)。

たけし:昔、ジョン・バリモアが凄い形相を作ってジキル博士をメイク無しで演じたっていう話があったけどキールの場合はナチュラルだからねえ。彼の後継者がマイケル・ベリーマンだったろうけど、今の映画界では?CGに負けないナチュラルマスクの俳優登場を望む!

[1999/5/28]

★今回の上映プログラム:『ガイアナ・人民寺院の悲劇』/『ザ・極限−名器づくり−』

たけし:最近のコンビニ映画館ってテーマを決めて作品をブッキングしてるみたいだね。今回は『新興宗教』って趣だね。

れいこ:人民寺院っていったらドキュメンタリー映画『アメリカン・バイオレンス』でも取り上げられていた、あの集団自殺の宗教団体??

たけし:おー、よく知ってるね。さすがコンビニ映画館の常連客だけあるね。『ガイアナ・人民寺院の悲劇』(1984年・米)ではジム・ジョーンズ教祖をスチュワート・ホイットマンが演じているんだけど、はまっているのかミスキャストなんだかよくわからんところがグッとくるよね。

れいこ:スチュワートなんとかってダーティー・ハリーの人でしょ??

たけし:それはマグナムはマグナムでも『ビッグマグナム77』(1977年・伊)でしょーが。いい映画だけど(ぼそ
 それにしてもホイットマン他、ジーン・バリー、ジョセフ・コットン、ジョン・アイアランド等々、"在庫一掃売尽くしセール"みたいなキャスティングだな、こりゃ。

れいこ:併映の『ザ・極限−名器づくり−』(1987年?・にっかつ)ってついこないだ東梅田日活で再映してたわよー。思いきってつい見てしまったんだけど、これってにっかつ末期の新路線だったロマンXの作品でキネコ作品だったのよねえ。だから画面が安っぽいのよねえー。なんでもスタッフの人が高い金を払って本番女優(静岡在住のバカ女)を起用したのに、監督、何を血迷ったか顔ばっかり撮ってしまってるなんていう失敗談を風の便りで聞いたことがあるわ。

たけし:あっはっは(苦笑)。さて、これって邪教として知る人ぞ知る"セックス教"こと真言立川流を題材にした作品なんだよね。真言立川流って映画向けにバッチリの題材のような気がするんだけど意外と少ない。丹波哲郎の初監督作品『砂の小舟』なんていうのがあるくらいかな?

れいこ:それって『地上より大霊界』なんて改題されてビデオ出てたわよ。NHK大河ドラマ『太平記』(1991年)で真言立川流ネタが出てきたのにはビックリ仰天よ!!

たけし:・・・君もだんだん濃くなってくるねえ(戦慄)。
[1999/5/28]

★今回の上映プログラム:『走る男たち』/『ラブ・マシーン』

れいこ:今日の映画!あぶないっ!!男性客も少ないし、女性客も少ない!観にきてたのは私たち物好きだけ!

たけし:いやはやなんとも薔薇族映画『走る男たち』(1996年・大蔵)はワイルドな映画だったねえ。

れいこ:「先輩!やっぱり僕は男しか愛せない。」ですもんね。もうどーにでもしてーって感じよねえ(笑)。

たけし:その「先輩」を演じているのがあのマゾ男優・観念絵夢だもんねえ。樹かずらから慕われる陸上部の先輩という設定だけでもうこの映画は破綻してるね。こんな男らしい役を観念氏にキャスティングするという、ベテラン・小林悟監督の狂ったセンスに"ある意味で"素晴しいものを感じていたんだけど、後で小林監督に聞いたら「(観念氏の所属する)モデルプロダクションから騙された。あいつは走る姿など全然サマになっとらんかった!」なんて憤慨してたもんね(笑)。

れいこ:併映の『ラブ・マシーン』(1971年・米)のほうも変だったよねえ。なんか荒っぽい作りなんだけど、逆にそれがこの映画のいかがわしさにマッチしているという・・・。

たけし:2代目シンドバッドことジョン・フィリップ・ローがテレビ局乗っ取りを企てる敏腕アナウンサー/プロデューサーって役で、そんな彼の野望を打ち砕くべく社長のロバート・ライアンや社長夫人ダイアン・キャノンが彼の身辺調査を行なうんだけど、そこで判明したのが、彼が女も男もいけるという"両刀使い"っていうこと(笑)。ライアンらはテレビ局の「倫理条項」で彼を失脚させるという、俺にとってはなんとも"対岸の火事"な内容なんだよなー。
 「彼はホモなのか!?」というセリフをしゃべる名優ロバート・ライアンの姿が見れる点がなんといってもポイントが高いね。

れいこ:ライアン様も晩年になってやっといい仕事をしたわねえ(笑)。さらに"ホモのリーダー役"がロバート・ミッチャムの弟みたいな顔のデヴィッド・ヘミングス(笑)。こんなんじゃ一生懸命さわやかな主題歌を歌っているディオンヌ・ワーウィックが気の毒としかいいようがないわよねえ(笑)
[1999/5/28]

★今回の上映プログラム:『ダンガン教師』/『女レスラー対アズテカのミイラ』

たけし:大仁田厚映画初主演作品『ダンガン教師』(1995年・東映)ね。大仁田のカリスマ人気を期待しての映画製作だろうけどヒットしたっていう話は聞かないね。

れいこ:じゃー、これって面白くないんだ。今日は見ずに帰っちゃおうか?

たけし:いやいや。なんつっても監督が福岡芳穂。福岡監督の作品でハズレはない!竹内力主演の一連のVシネ、吉本新喜劇映画『大阪好日』といったコメディ、骨太なシチュエーションコメディでかつ野球映画の傑作『プリズンホテル』、そしてなんといってもピンク映画にしてサイバーパンクSFの大傑作『イかせたい女』(1996年・新東宝)など傑作ぞろい!!
 ただ、この映画を見るかぎり、福岡監督はプロレスファンではないらしいことが伺えるね。プロレス的なコクが足りないのがちょっと不満だね。

れいこ:ところで併映の『女レスラー対アズテカのミイラ』(1967年?・メキシコ)がちょっとうさん臭いわね。女レスラーがなんでミイラ男と闘わなければならないのよー!

たけし:まぁ、それはメヒコ映画のお家芸だから許すとして、見てみたらレスラー対ミイラのクライマックスより途中の"女レスラー対女柔道家のタッグマッチ"のシーンが強烈!1960年代における異種格闘技戦についての貴重な映像資料って趣もあるね。

れいこ:はっきりいって今日のプログラムってプロレスファンじゃない私にはちとキツイでちゅー。
[1999/5/26]

★今回の上映プログラム:『マル秘盗撮素人穴場さぐり』/『道具責めONANIEナース』

 
 自分にとって最高のストレス解消は映画鑑賞だろう。基本的になんでも見る。そう、ピンク映画も見る(ホモ映画も含む^^;;)。ピンク映画では特に山崎邦紀という監督の作品がひいきである。
 山崎監督の作品はロックバンドに例えていうなら、ギター、ベース、ドラムの最小形態でアバンギャルトな演奏をするバンドといったところだろうか。彼の作品って見てると己の創作意欲が奮い立ってしまうんですな。
 また、「ピンク映画」というジャンルならではのテーマ/プロットに徹した作品作りを行なうのも魅力。"一般映画にお色気シーンが多い"っていう作品じゃないんですね。
 たとえば『マル秘盗撮素人穴場さぐり』(1996年・エクセス)。生まれてこのかた異性と付き合ったことがなさそうな盗撮マニアが主人公で、そんな情けない男の心象風景を観念的なタッチで描いた秀作。
 痴漢や覗きは出来るけど、最終行為にどうしても至ることができない彼、最後は病院で看護婦に痴漢を働こうとしたのを見つかり、「なぜこんなに大騒ぎするんだろう。みんながやってることじゃないか」「どこかでカレーの匂いがする・・・。こんな時間にカレーを食べているのは誰だろう・・・」とひとりブツブツつぶやきながら警察に連行されていく。そんな彼の姿があとあとまでに心にひっかかる作品でした(右写真:ケンちゃん所蔵のポスター)。

 彼の作品で特に印象に残っているものといえばなんといっても『道具責めONANIEナース』(1994年・大蔵)。これにはすごいショックを受けた。主人公の看護婦がなんと"看護婦の流れ者"という設定。彼女は渡り鳥のように全国各地を巡りながら患者をケアしていくという設定(左写真:性的障害を持つ患者に説教する"渡世人"看護婦の図)。
 そんな設定で軽くジャブを放つかと思ったら、内容もまたハチャメチャ。バイブレーター(看護婦の宣伝ビラ付き)が空から降ってきたり、自動販売機でジュースを買おうとしたらバイブレーターがガチャン!と出てきたりと、不条理劇のパンチの連打。僕はこれ、劇場で最初に見た時、「これはすごい!すごい!」とその映像世界にすっかりノックアウトされちゃいましたとさ。これはビデオ持ってますので見たい人はビデオ貸します。ただし近所に住む女性オンリーですが。
 山崎監督の作品ってほとんどこんな調子。だからハマればもうやみつきになりますな。しかし、現在の日本映画ジャーナリズムはこういう映画をちゃんと評価する状況じゃないですよね。誰からも評価されず、そのまま闇へと葬り去られていくピンク映画の傑作群・・・。これはなんかもったいないよね。貴重な映像遺産が埋もれていってしまうんだもんね。
 そういうわけで皆さんも機会があれば薄汚れたピンク映画館へと足を運んで頂きたいものです。
[1999/5/23]

★今回の上映プログラム:『空かける強盗団』/『バリゾーゴン』

たけし:今日のコンビニ映画館館長、ごっついプログラムを組みよるなあ。でも『空かける強盗団』(1968年・米)は感激やなあ。これ、子供の頃に1回見たっきりでいまだ再見するにいたって無かったんやー。

れいこ:ぎゃー、古い映画ーっ。これっておもろいの??

たけし:おもろいのなんのって。これぞ"最も面白い映画の1つ"だと思うな。こんな面白い映画なのに今この映画を語る人ってまずいないね。映画脚本家のまさきひろさんがこの映画を知っていたくらいだね。

れいこ:このキム・ノヴァクって女優、声が小原乃梨子っぽいね。

たけし:おー、すごい勘だねえ。テレビでやった時は小原さんが吹替を担当していたね。キム・ノヴァクっていうとヒチコックの『めまい』しか知らない人には是非とも見てほしいね。


れいこ:この併映の『バリゾーゴン』(1995年)ってすっごく面白そう!これって街の至るところにポスター貼ってるよね。「妊婦の方は絶対見ないで下さい!」とか「失神注意!」とか「鑑賞中ゲロは吐かないで下さい!」とか、すっごいグロいらしいね。

たけし:うわー、すごい客の入りだね。なんだかんだいっても大衆は「残酷モノ」には弱いようだねえ(笑)。

<鑑賞後>

れいこ:何これー!!金返せー!!ただのドキュメンタリー映画じゃないのー!!

たけし:監督、あこぎな商売やってるなー!!

 コンビニ映画館内は怒った客で暴動寸前。ちょうど来ていた監督の渡辺文樹氏に掴みかかろうとする高校生の姿があったとさ。
[1999/5/25]

★コンビニ映画館:過去の上映記録



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