GPターボ仮想試乗

とっても程度の悪いGPの場合

内装

大衆車でありながら、決して安っぽいとは言えない内装。

2000ccクラスの乗用車と同程度の質感があるというと言い過ぎか?

誇らしげなハンドルのTURBOの文字。何とも勇ましい。

また、ブルーとシルバーの派手なシートもなかなか良い。

若者に迎合したきらいがあるが、今時の地味くさいインテリアに慣れているとハッとする。

シフトレバーの位置は遠く、レバーも長い。ただし、コキコキと硬質感のあるシフトフィールは悪くない。

操作自体も軽いため、慣れればクイックシフトも可能になるだろう。

また、シフトレバーの真後ろにサイドブレーキレバーがあり、FR小僧は慣れるのが大変かもしれない。

あまり効かないような気もするが、これは4輪ディスクに関係するものなのだろうか?

シートベルトは若干取り付け位置が高過ぎる。誰が装着しても首に掛かるのは勘弁して欲しい。

背もたれを寝かせば良くなるが、それは正しい解決策ではないだろう。

上から真っ直ぐではなく、角度を変えるステーがあればいいんだろうが……。(もしかしたら、この車の場合は壊れているのかもしれない)

前後左右の見晴らしは悪くない。

特にボンネットが意外にもよく見える。

エアインテークがどんと存在するが、こいつが意外に車幅感覚を掴むのに役立つ。

また、前端を知りたい場合はライトスイッチをONにすれば、リトラクタブル式ヘッドライトがせりあがるため、誰でもすぐに前端を知る事が出来る。

俗に言う下手くそ棒が不要なため、下手な人でも堂々と運転できる。

エンジン始動

 セルを回す。
 さすがは10年前のマシンだけあって、一発では掛からない。

 2回目のセルでようやくエンジンは重苦しい音を立てながら始動。同時にルームミラーはマフラーからもうもうと噴きだされた真っ白な煙を映し出すことになる。

 ドロッドロッドロッ……ぷすん。

 車を停めて10分程度。再始動するとエンジンが止まってまう……。

 それも愛敬か?

気を取り直して発進!

 クラッチミートは1500rpm。半クラを滑らかに使いながらながらスタート。

 相手は昭和生まれの前期型。無理は禁物である。とはいえ、半クラが長過ぎても横に座っているオーナーの刺すような視線が気になる。

 アクセルをぐっと踏み込むと、2E/3E型エンジンに共通するロロロッという軽い打刻音を響かせながらゆるやかに加速を始める。

 1秒ほどして、遥か遠くからキーンという音が聞こえてくる。

 そのままアクセルを踏んでいると、メーターパネル丈夫のTURBOというメーターにオレンジのLEDが灯り始める。

 数字も何も入っていないが、これがブーストメーターらしい。

 何処から正圧なのかまるで分からないが、次の瞬間、アクセル開度は変えていないにも関らず、GPターボは猛然とダッシュを始めた。

 少々アクセルを戻しても、ブーストが勝手に車を運んでしまうようで速度が落ちるどころか加速は続いている。

 おい、GP何処へ行く気だ?

エアコンを付けてみる

 信号待ち。風が入ってこなくて暑いので、思い切ってエアコンを付けてみる。

 カチッ……グァーグァー……

 コンプレッサーの壊れそうな音が響く。この車、結構エアコンも傷んでるようだ。

 さらにアイドル回転がどんどんどんどん落ちていく……450rpm、エンストか!?

 直後、1100rpmに急反発そしてまた急降下。

 筆者はやむなく踵でアクセルを押さえ、1000rpm付近を強制的にキープすることとした。

 どうやらこの車、アイドリングではコンプレッサーの負荷に耐えられないらしい。その割にアイドルアップもきちんと働いていないようで……なかなか手強い相手だ。

 余談だが、窓は当然パワーウィンドウなど入っていないので手でハンドルを回す事になる。

 妙に堅いのは、ゴムの当たり具合か?

コーナーを攻める

 勇ましい名前と裏腹に、TEMSの無い標準サスは町乗り重視か、かなり乗り心地が柔らかい。

 フルブレーキングすると、明らかに前輪荷重が増え、後輪荷重が抜ける。

 この状態でステアリングが切れていたら、いとも簡単に後輪はグリップを失ってタックインからスピンに移行するに違いない。

 とはいえ、ブレーキの効きはさすがこのクラスには珍しい4輪ディスクだけあって素晴らしい。

 オーナーも車検の時に替えたという事で、安心感がある。

 クリップにつく当りではイン側の伸び切ったサスがどれだけ地面を捕らえられるかが勝負となり、実に綱渡りをするような感覚にとらわれる。

 踏めばアンダー、踏まないとオーバーのため、アクセルコントロールはシビアなはずだが、あまり深く考えずにいると、なんとなくクリアしてしまう。

 どうもこの足は猫足というにはほど遠いが、限界域でも決して神経質になることなく、ドライバーが馬鹿な操作をしない限りはどうにか道の上に踏みとどまれるようだ。

 しかし、何処からか聞こえるミシッという音と、時々飛び跳ねてタイヤ1本分ほど外にはらむ性格は、慣れない人にはスリリングだ。

 コーナー中盤までハーフスロットルで我慢して、アクセルを全開にしても、決してレスポンスに優れるエンジンではないため、さほど大事には至らず、トルクが出始めたらずるずると外に出ていくだけである。

 ただし、限度を超えると内側のタイヤが盛大にホイールスピンするので注意。
 そうなると、何処に向かって走っていくか分からない。

 なかなかいうことを聞いてくれない車だが、ミスに対する許容度は広く、初心者が腕を磨くにはちょうどいいのではなかろうか。

最高速アタック

 一体このマシンは時速何キロまで到達できるのだろうか。

 6000rpmでシフトアップしながら加速してみる。
 3速でリミットに入る頃には、お上には言えないようなスピードになっている。

 時速140キロ辺りまでは鋭い加速をしていたが、徐々に加速が重くなっていく。
 空気との戦いに、エアコンが悲鳴を上げはじめる。

 まずい、エアコンを切ろう。

 少しだけ軽くなったエンジンが上を目指す。
 さすがに160キロを超える頃には、ひたすら長い直線が必要な状況となる。
 決して安定性は高くない。
 そのまま我慢していると、5速のレブリミットが近付いてくる。

 メーターが180の目盛りを超える。ついに限界か?
 いや、3E-TEはまだまだ回りつづける。
 190、200……空虚なエリアに新記録が刻まれていく。

 そして、スピードメーターの針が真下に限りなく近付こうとしたとき、突然GPは力を失い、スピードを180キロ近辺まで落とした。

 なるほど、全自動ブレーキみたいなもんだが、これでGPは間違いなく180キロに達した事が証明できたかもしれない。
 本調子なら、時速200キロは出るだろう。

クルージングしよう

 高速道路を走る。時速100キロで3000rpmは結構回っている。

 走行距離が10万キロを超えているためか、耳ざわりな音もエンジンから聞こえてくる。

 エアロが効いているのかそれなりに車体は安定している。

 とはいえ、やはりショートホイールベース。また、その割に太いタイヤを付けているため、わだちに乗っかることは多い。

 高級セダンの快適さを求めなければ、このクラスの標準点には達していると思われる為、ここではそれ以上述べない。

後席に乗ってみよう

 さすがは2ドア。広くはない。
 だが、フロントシートの後部が若干えぐられるため、ニースペースは最小限確保される。

 シートの下に爪先が入るので、我慢できないことはない。ただ、後席の事を考えると、運転手は若干窮屈になる。

 筆者に言わせれば、S13シルビア等よりはマシなのだが。

 さすがに5名フル乗車となると、幅が狭いため苦しくなる。
 また、車重も増すため、エンジンの負担が大きくなるのも言うまでもない。

荷物を積もう

 一応乗用車だが、開口部の大きなハッチバックは、それなりに荷物の積み下ろしもしやすい。
 リアシートは座面を起こしてから背もたれを倒すという2アクションでほぼフラットな貨物室に変わる。
 ただし、この時起こした座面が運転席に干渉し、リクライニングが効かなくなる恐れがある。

 この辺りは愛敬だ。

 まぁ、荷物を積む分に不満はないが、シートを倒すとトノカバーの踏ん張りが効かないのか、ハードブレーキング時にごとんと外れて落ちて来たりする。
 慣れてしまえばどうってことないが、ちょっと気にかかる。

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