トゥールビヨン
トゥールビヨン。かの天才ブレゲ考案の最たるもの。フランス語で「渦巻き」という意味です。
もうこれこそ「複雑時計」ですね。今までお話ししたミニッツリピーターなどの機構と違って
この機構は純粋に精度を追求した機構です。機械式時計の宿命の一つ、姿勢変化(時計着けて
歩くだけで重力のかかる位置は変化しますね)から生じる誤差を極力少なくする機構なんです。
カラクリを超簡単に言うと、ゼンマイの力でトゥールビヨンの本体を調速して常に回転させる
訳です。この中にはヒゲゼンマイがあり60秒で1回転(秒針ですね)するのです。
これにより遠心力を考えなければヒゲゼンマイにかかる重力は(例え机に置いておいても)
常に一定でなく全周に渡ってかかる訳です。解りますか?
性能とは切り離してこの機構の素晴らしいのは「機能美」とでも言えばいいでしょうか?
多くの場合トゥールビヨンは表、裏から見えるように細工してありブリッジやキャリッジの
美しさを見ることができます。もし機会があれば(なかなか無いとは思いますが・・・)
是非じっくりと見てください。すごい技術です。
現在このトゥールビヨンを生産しているメーカーは超一流所ばかりです。ブランパンや、
ブレゲなどなど。まぁ現代においての位置づけはメーカーの技術力の誇示って感じでしょうか?
もちろん熟連中の熟練が手間を掛けて作りますから価格帯もだいたい800万以上ですね。
ミニッツリピーター行 はここです。