いい時計は狂わない?


よく時計を趣味にしていない方や純粋な道具として 時計を使っている方に言われるのですが
「そんなに高い時計で1日10秒も狂うの?俺の時計は1万円 しないけど月に5秒だよ!こっちの方がいいじゃん!」
「高い時計ってさー、見栄とかブランド代が値段のほとんど だよね!」
ある意味核心を突いた正解でもあり間違った答でもあります。

高いってのは後でお話するとして、「いい」ってどうなんで しょう?今回は「時計」としての「いい」お話をします。
「いい時計は狂わない」これはだれも文句が言えない正解だと 思いますよね?じゃぁ例えとして25万のゼニスの時計と 1980円のクォーツ時計で比べると確かにゼニスの時計は 日に±10秒ぐらい狂います。一方クォーツは月に±10秒も 狂わないでしょう。新品の時は。

同じ条件で使用していけば
#ゼニスはOHして、クォーツは電池交換して。
10年後にはクォーツのほうがダメになります。ゼニスは その先20年後も相変わらず日に±10秒ぐらい狂います。 なんとなく「ウサギと亀」の話みたいですが本当のことです。 安い時計は安い努力をしています。ムーブメントの耐久性を 極端に削って部品単価も削って、組立は出来るだけ(ほとんど) ロボット化。耐用年数の設定も2〜3年ってとこですか?
#1980円だったら、ですよ!
一方ゼニスのほうは組み立てもマイスターが行ない一品一品 摺り合わせて作って行きます。軸受けも天然ルビーを使い 耐久性を持たせます。手間とお金をかけて耐用年数の設定は 「一生」です。

そうなんです。アプローチが違うんですね!
安い単価のクォーツはクォーツが故の大量生産性を武器に 消費財として「いい時計」を供給していきます。 「高い」と称される機械式時計は(一生の)財産として 「いい時計」を目指している訳です。
そうするとオイラとしては「いい時計は長い年月を経ても 狂わない」のが「いい時計」だと思っているので 「高い」時計に興味がある訳です。
もし機能やムーブメントに納得出来て高い機械式時計を 購入する時には新品での日差が10秒〜20秒 なんてのは気にすることはないと思いますよ。 それよりも今後、(一生、例え子供にあげた後でも) 修理サービスがずっと受けられるのか?ってほうが 重要ですね。おじいちゃんになって時計屋に持ち込んだら
「すいません、このメーカーは潰れました。修理を 受け持ってくれるマイスターも存在しません。」とか
「部品も生産中止ですね。修理出来ませんよ。」
ってのはオイラ、「いい時計」だとは思えないです。

では「高い」ことを考えてみましょう! 前記しましたがオイラが言う「いい時計」は残念ながら 1980円では買えません。
おいおい!なんで時計に1ヶ月の 給料じゃ追いつかないような金額出すんだ?
ほんと、そうですよね。だけどオイラは納得しているから 買ったんです。どんなことに納得出来たか?
設計、部品、組立、デザイン、使い心地、サービス、全てです。
国家認定の時計技師学校で「マイスター」の称号をもらった、 時計と共に暮らす人達によって前記したように 「一生使えるいい時計」を1人で1個、手間をかけて、 テストが終わるまで責任持って作ってもらい厳しい社内規格や 信用できる第三者機関によって「出荷時の精度」は保証されて 過去に出荷したムーブメントの記録は一個一個全て保存している。 例え1900年製造の時計も記録はあるし修理に問題がない。
オイラは安心して10秒の狂いを毎日直すわけです。

ただし!全ての条件を満たした「いい時計」は日本では ちょっと「さらに高い」とは思います。同じ時計なら ちょっとでも安いほうがいいのは言うに及びませんが。