98年シーズンの話題

 

★タイヤが変わる。F1も変わる?

 毎年めまぐるしく変わるF1マシンの規定(レギュレーション)。しかし今年の変更は非常にインパクトの強いものだ。これまでF1のタイヤには溝のないスリック・タイヤが使われていた(雨のときは別)のだが、今季からこれが廃止され、溝つきタイヤの着用が義務付けられた。これはタイヤの接地面積が減り、曲がるときに車の踏ん張りが利かなくなることを意味する。またマシン本体の幅も、これまでの2メートルから1メートル80センチへ狭められた。これにはダウン・フォース(走行中、車を路面に押しつける力)を減らすことでスピードを抑制しようという狙いがある。何でこんなルール改定をしたのかといえば、要はマシンのスピードを落とすことで安全性の向上を図り、さらには接戦を人為的に生み出すことでレースを面白くしようという趣旨なのである。この2点により、今年は昨年までより大幅にタイムが落ちることが確実視されている。これでホントにこれまで以上に面白くなるのか、それは開幕してみないとわからない。

★タイヤの話をもう一つ。

 F1のタイヤといえば、アメリカのグッドイヤー社。ここ数年はグランプリの度に優勝回数記録を伸ばしてきた。他メーカーが参入していなかったので、どのマシンが優勝してもタイヤはグッドイヤーだったからだ。それが昨年、日本のブリヂストンが参戦したことで様相は一変。ブリヂストンを履いたチームは優勝こそできなかったが、レースによってはグッドイヤー製よりもはるかに優れた耐久性を示し、関係者を驚かせた。こうした活躍もあって、今季はベネトンとマクラーレンの強豪がブリヂストンへ乗換え。フェラーリもかなり真剣に採用を検討したという。今年は上に書いたようにルールが変わり、タイヤも新しい溝つきタイヤを供給しなくてはならないが、昨年同様旋風を巻き起こし、1日も早く初優勝を飾ってもらいたいものだ。ちなみにグッドイヤーはなんと今季限りでのF1撤退を発表。有終の美を飾るべく全力で挑んでくるだろう。しかし来年からはどうなるのだ…?

グッドイヤー採用:ウィリアムズ フェラーリ ジョーダン ザウバー ティレル

ブリヂストン採用:ベネトン マクラーレン プロスト アロウズ スチュワート ミナルディ

★やっぱり気になる日本人。

 片山右京が去り、中嶋悟の愛弟子、高木虎之介がやってきた。いよいよ日本人F1ドライバーも第2世代へ本格的にバトンタッチだ。今年はプロストからミナルディに移籍し片山の後がまに座った中野信治と、かつて中嶋も片山も在籍したイギリスの名門、ティレルのシートを得た高木の2人が日本人としてエントリーする。これまでの日本人ドライバーのF1での目立った活躍といえば、89年オーストラリア・グランプリでの中嶋の雨中の激走(この日の最速周回記録=ファステスト・ラップを記録)、90年日本グランプリでの鈴木亜久里の3位表彰台、94年の片山の活躍(予選でコンスタントにひと桁の順位を獲得)などがあげられる程度で、ここ数年は正直パッとしていない。ここらへんで高木あたりに目の覚めるようなレースをみせてほしいものだし、中野にも昨年のうっぷんを晴らすような走りをしてほしい。しかし2人ともマシンがマシンだけに、あんまり期待しちゃいけないのかなぁ…。


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