Chapter-9

Revenge

  美貴は叔父の衝動的行為に怒りをつのらせる一方で、家族との折り合いの悪さを除けば曲がりなりにも兄妹を引き取り育ててくれた恩も忘れ去ることはできなかった。しかも今日まで人並み以上に裕福に育ててもらっている。もっと大人として気持ちを切り替え、思い去ろうか・・・。

複雑な思いに悶々とした日々が続いた。
しかし、再三繰り返して考えても女として絶対に許せない。若い肉体を目の当たりにした一時的な衝動と片づけられない。叔父は、たとえ父とは異母兄弟であるが血の繋がりがあり、しかも扶養として引取った子供に対し、見境もなく美貴の操を奪い、犯した獣なのだ。いつか必ず仇をとってやる!
そして今にして美貴は叔父に唯一の財産の放棄させられ奪われてしまったうかつさに、今更ながら悔やまれた。でもその頃も今も、狡猾な叔父に対しいったい自分一人で何が出来たろう。

日が経つにつれ、すこしづつあの晩の悪夢を思い起こす回数は減ったが、心に負った傷は決して消える事はなかった。美貴はいよいよもって自暴自棄に陥り始め、悩みを深くした。時に自殺を考えたときもあったが、このまま誰にもこの事が暴かれぬまま引き下がり、自分の命にピリョードを打つ気には決してなれなかった。自分はそんなやわな女ではない!

美貴にとっていつかこの恨みを果たしたい。何としてでも仇を討ちたいという想いが徐々に増しはじめた。そして、自分が受け継ぐべき父からの桂川の財産を取り戻したいという固い決意に昇華しはじめていった。

あの日の凌辱を何度、叔父の家に乗り込んで女房である叔母にぶちまけようかと考えたことか。昔からの折り合いの悪さも手伝い、さらには叔母にも財産横奪の加担者でもあることを考えるとついにはその気にはなれなかった。また、単に叔父の不貞を暴くだけでは、逆に今の生活基盤を失いかねず、決して得な事ではないと考えた。まして、身も心も財産も奪われ、その上今の保証までも切られることは、何の得にもならず、美貴にとって逆に叔父の悪事を逃すことにも繋がりかねず、癪でならなかった。

もっと違う有利な方法で、自分の生涯をかけて徹底的な仕返しをしよう。それが唯一自分を支える勇気につながり出すことだと思い始めるようになった。そのためにはあらゆる手段を考えるのだ。そして、いつかこの無念を晴らそうと考え出すことで、美貴はこれまでの閉塞感から徐々に開放され始めだした。





...Chapter-10.....Confidences