Chapter-4

Bed morning

気だるさと喉の渇きを憶えて目が覚めたのは、12時すこし前であった。ベッド左のカーテンを開けるとひんやりとした風と冬の低い昼の太陽が枯れた木立の間から差し込んできた。空は澄んだコバルトであった。女は既にいなくなっていた。 そしてさっきまでいたと思われる枕元には、ミラ・ショーンのチーフが忘れ去られていた。

しばらくして身支度を整え、サンドイッチと苦めのコーヒーを胃に流し込んだ後、玄関脇の木立に囲まれたひっそりとした駐車場へ向かった。今日はこれから富士スピードウェイでのプライベートなサーキットトレーニングが 2時からの予定である。ロメオのコックピットに座り、軽いタッチのスロットルを3回ほど踏み、神に祈るようにスターターをひねる。「ブウォーン!」と一発で掛った。熱価の高いロッジのプラグをかぶらせないようにゆっくりと狭い枯れた木立の道を抜け、国道に出た。アスファルト道路に出るとようやく暖まったエンジンに活を入れ、セコンドで6500回転に上げながら10分ほどで、富士スピードウェイの脇のゲートをくぐった。ピットにはサーキット仲間の小粒なヨーロッパの車達が集まっていた。

しばらく互いの車の調子をしゃべりあった後、今日の走行についてのミーティングがはじまり出した。ミーティングが解散になろうとした頃、老舗百貨店の御曹司がポルシェスピードスターの右席に髪の長い女を乗せて遅れてやってきた。次から次へとよくもまあ女を連れてくるわいと思いながら、その女の方を良く見ると、なんとその女は・・・。

そして心臓がドキンと高鳴った。


...続く..........Chapter-5 on the circuit