クラリネットのテクニック



アンブッシュアはさまざまな考え方・教え方があり、これが正しいといったことは存在しません。
人それぞれ口の形、歯の形、骨格みんな異なっているためです。
とりあえず、私がイメージしているアンブッシュアについての意見です。

  ・上歯のあたる位置     ・アンブシュアは一定か
  ・下唇のあたる位置     ・唇を前に集めるか
  ・口の周りの筋肉       ・マウスピースパッチ





 

上歯のあたる位置

人それぞれですが、上の歯の位置は7〜8ミリです。

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下唇のあたる位置

普段の私は、上の歯と下の歯はぶつかりません。このまま楽器を口に入れると、リードとマウスピースの隙間はくっついてしまいます。
まず楽器をくわえていない状態で、下あごを少し前に出して、上の歯と下の歯の関係が若干下の歯が前に出るようにします。そこでマウスピースの厚みだけ口をあけて楽器をくわえます。そうすると、上の歯と下の歯の力の方向がずれますのでマウスピースとリードとの隙間を保つことができます。

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口の周りの筋肉

私は卒業して1年間のフリー奏者を経て就職しましたが、就職して2年ほどは練習時間が取れずに楽器から離れておりました。その後楽器を再開したときに、口の周りの筋肉が全くコントロールできず、きちんとした音が出ませんでした。
プロプレーヤーは、「口の周りをそんなに横に引っ張らないで、」「もっとアンブシュアをリラックスさせて、」「体の力を抜いて」といったことをおっしゃいます。でも、プロプレーヤーは1日何時間、何年間楽器を吹きつづけているのでしょうか?その長い期間のうちに楽器に必要な筋肉は強化され、リラックスを意識しないと、かなり力が出すぎてしまいます。そのためアマチュア奏者を見ると力を抜いてと言ってしまうのだと思います。
私はブランクの後にアンブッシュア等の筋力がどれだけ落ちたかを実感しました。アンブシュアにはかなりの力が必要だと思います。

そこで、どこを鍛えればよいのかということですが、

まず、息が漏れないように唇の両端をきっちり上下が閉じられるように鍛えます。ただ閉じるだけではなく息の圧力に耐えられなければならないので、相当の筋力が必要です。
ほっぺたは楽器を吹いているときは基本的には膨らませませんので、この筋肉も唇の両端と同じように息の圧力に負けて歯とほっぺたの間に空気が入り込まないように鍛えなければなりません。
上の歯と下の歯は、マウスピースの隙間分空いていなければなりません。(リードをコントロールするための噛む力は必要ですが・・・) ”お”の発音の時の口の形をしてから楽器を加えるとよいかもしれません。
鼻と上唇の間の部分も息の圧力に負けてしまうと空気が入り込んでしまいますので、筋力が必要です。
下顎の部分の筋肉ですが、下顎の形が分かるように(アントニオ猪木顔をイメージ)力を下のほうに向けなければなりません。ここは賛否両論があり下顎の部分は無理に伸ばしてはいけないというプレーヤーもいますが、そういっているプレーヤー自身、下顎に梅干マークは出来てません。これは本人が意識していない(私も全く下顎の筋肉を下げようとは意識していません。)だけで、長い年月を経て筋肉が鍛えられているんだと思います。
アンブッシュアを形成するためには筋肉を鍛える必要があるとは思いますが、吹いている自分の顔を鏡で見て、普段の顔とあまりに違うような部位があれば、余計なところに力が入っているのかもしれません。あくまでも、自然な形が重要です。

アンブシュアで注意すべきことは、口の周りを鍛える必要があるとは思うのですが、上歯と下歯を噛む、のではありません。マウスピースを唇で包み込むイメージです。私が鍛えないといけないといっているのはマウスピースを包み込んだ唇や口の周りの筋肉が息の圧力に負けて、息が漏れないように鍛えるべきだろうと言うことなのです。
後は自分の耳でよりよい音色が出るように自分にあったアンブッシュアを探してください。

余談ですが、ゴルフをレッスンプロに教わっていた時期がありました。いつも先生にグリップをそんなに力を入れて握ってはいけないと言われていたのですが、あるときわたしのグリップの上から先生が握って、「このぐらいにしか俺はグリップを握っていないんだよ。ほとんど力を入れていないでしょ」って・・・私よりも、ずっと力を入れて握っていました。ただし、力はうで全体に入っているのではなく、左手の薬指と小指だけにものすごく入っていたんです。私はアンブッシュアを人に教えるときは、いつもこのことを思い出します。

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アンブシュアは一定か

アンブッシュアは一定ではないと思っています。
例えば最低音のミの音と、開放のソの音で考えて見ると、ミの音を鳴らす場合、指をすべて塞いでいますから、クラリネットの管体はすべて使われます。ところが開放のソを鳴らすには、クラリネットの管体で使われるのは上管の上の方までです。当然ミとソの音では楽器からの抵抗が変わってきます。よってミとソは同じアンブッシュアではないといえると思います。ただし、マウスピースとリードの隙間は1mm前後ですから、アンブッシュアが変化するといっても、ほんの少しです。
わたしは上歯のあたる位置はほとんど変化していませんが、下唇の位置は若干変化させています。変化しているといっても、見た目にはほとんどわからないと思います。
チャールズ・ナイディッヒのエチュードには各倍音の下唇の位置が記されています。とても参考になります。

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唇を前に集めるか

私の最初に師事した先生は吹き矢を吹くように唇を前に集めるように教えてくださいました。大学時代の先生は下唇を薄くしなさいって・・・難しいですね。まったく正反対の意見です。しかし、どちらも正しいと思います。
息をまとめるためには唇は前に集まるのです。吹き矢を吹くときの口の形、あるいは口笛を吹くときの口の形はアンブッシュアに似ています。どうですか、唇は自然に前によってきます。ほっぺたも膨らみませんし、下顎に梅干も出来ません。
ただし、クラリネットを吹く場合、下唇を薄くすることはリードの自然な振動を妨げないために必要です。ようは両者のバランスです。唇を前に集めつつ、リードの振動を損なわない程度に下唇を薄くしなければなりません。
最後は自分の耳でよりよい音色が出るアンブシュアを見つけ出すことです。ただし、唇の両端を必要以上に横に引くことはありません。唇の両端を横に引いた状態で風船を膨らますのは大変です。つまり息を効率よく利用できていないのです。

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マウスピースパッチ

東急ハンズで売っている厚さ1mmの飴ゴム(黄色のゴム)の裏に薄い両面テープを貼って適当な大きさに切ったものを使っています。
市販の透明のパッチは、自分の音色が固めなので使ってません。
ヤマハの厚手のパッチは逆に厚すぎる気がします。
色々なゴムが東急ハンズに売ってますから、市販のものよりしっくりくるものがあるかもしれません。

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