三槻直子のPoint of Jazz Vocal


<<Big BandによるVocalistのための演奏>>

私自身いつもビッグバンドや10ピースバンドなどで唄わせていただくときに感じ、又大切にさせて頂いている問題です。 まず、何と言っても第一は、音量でしょう。 シンガー自身の声量が無ければ,初めから話しになりませんし、シンガー自身の体でいう楽器が自鳴りしていなければならないのは、コンボでもおなじですが。マイクのボリュームをいかに上げても無駄ですし・・・。 ただ、アレンジそのものがシンガーを生かすようにできているはずです。歌詞のあるところ、シンガーが唄っているところは4リズムのみで、その合いの手的に管のフレーズが入っていたり、又,歌詞の無い、つまりシンガーが唄って無いところに管のソリ作ってあったりするはずです。シンガーもそれを知って、アレンジが生きるように唄うべきだと思っています。 ですから、基本的には、譜面通りに吹いていればまず問題はないはずですが、勿論、アレンジによっては、シンガーが唄ってるところにも管が入っていたり、エンデイングは、当然皆さんが吹いていることでしょうから、バランスを損なわないていどに、唄が浮き出て見えるように、極力音量を押さえて上げて欲しいとおもいます。 以前、家の師匠のマーサ三宅が40周年記念リサイタルを中野サンプラザで開いたとき、アメリカから4人の一流サックス奏者を招き、(誰だったかもう忘れちゃったのですが、すごい人ばかり、一人が急に体調をくずし、急遽、トラでルー・タバキンが来たくらいです。)そのとき、すごいショックだったのですが、イントロまですごい勢いでブアーと吹いていたのに、マーサが出てきて唄いはじめたとたんにすごーく音量を下げて演奏し出したのです。10分の一くらい。 ピアノは、ハンク・ジョーンズさん、ベースは、レイ・ドラモンド,ドラムは、マーヴイン・スミテイ・スミスでした、だんだん想い出してきた。あ、ルー・ドナルドソンとかだ。 そして、そのことを誰かに聴いたら、アメリカでは、それが普通なのだそうで。ヴォー カルが出てきても,ゆったり唄え無いほどに、音量で吹きまくることは、無いのだそうです。すごいショックでした。でも、確かに、その方が、ダイナミズムもいきてくるとおもいますよね。唄の後ろでは、そっと生かすように吹いて上げて、管のソリになったらソレー、ドーダー。みたいな感じになって、かっこいいですよね。 あと、ワンコーラスの中にも起承転結があって、唄う人もダイナミズムを把握してない といけないと想います。素人さんや、生徒さんによくありがちなことは、初めから終わりまで、大きいか小さいかのどっちかで、一本調子な事です。曲の成り立ちをよく精査して、演奏の出来上がりをよく計算して,唄に望むべきだと想いますね。 よく、ビッグバンドで唄うのは、気持ちがいいでしょうとかいわれますが、ダイナミズムもなく、アレンジも生かせず、初めからがなりまくって唄わねばならないときは、辛いだけだなと想う事があります。がその逆に、アレンジをいかして、アレンジがありながら、自由に唄えて、しかもアレンジを凌駕できた時は、エクスタシーです。


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