がんリスク、生活習慣で減らせるか。

特定のがんになりやすい遺伝子の型を持っている人は日常生活でどんな点に気を付ければよいか。遺伝子の型別に資料作り、10万人を20年追跡するのが目標だ。


 血液中のDNAから読み取った遺伝情報と生活習慣などのデータを組み合わせる、がんの大規模疫学調査を名古屋大学などが新年度から始める。10万人を20年間追跡するのが目標だ。(2005-03-05)


 参加予定は名古屋大、名古屋市立大、滋賀医大、京都府立医大、九州大、佐賀大、鹿児島大の7大学と、愛知、千葉両県がんセンターの計9施設。5年かけて住民健診や人間ドツクを受けた35-69歳の10万人を登録、食事や運動などに関する質問に答えてもらい血液も採取する。血液中の白血球からDNAを取り出すほか、コレステロールや肝機能などの検査値も記録する。

 遺伝情報に微妙な個人差を与えているDNA上の微細な差(一塩基多型)を数百カ所調べて、協力者をタイプ分けし、20年間の変化を追う。がんが早期発見された人からは、発病に先立ってどんな検査値に変化が見られるかなど、診断に役立つ研究も行う。

 遺伝情報を扱う研究では、文部科学省が糖尿病などの患者約30万人を目標に、病気との関係のデータベース化を進めている。これに対し、名古屋大などの共同研究は、現段階で健康な人を長年にわたり追跡するのが特徴で、遺伝的な体質と生活習慣のどんな絡み合いががんを招くか解明することが期待されている。

 大きな課題の一つは、協力者のプライバシーの保護だ。採取した血液から遺伝子を調べる際にはバーコードで匿名化するなどデータ管理を徹底、判明した遺伝子の型については、すぐには重要度が確定しないことから協力者本人にも知らせない方針だ。

 名古屋大が全体を総括して同大倫理委員会に諮るほか、各参加施設も研究内容をそれぞれの倫理委にかける。共同研究グルτプの内部と外部にそれぞれ、研究の科学的妥当性や杜会的間題をチェックする委員会を置く。

 研究代表者の浜島信之・名沓屋大教授(予防医学)は「これまでのがん疫学研究は、平均値的な結果。この研究で体質に合わせて生活習慣を変え、がん予防につなげる ための基本資料を蓄えたい。協力者へ十分説明して事前同意をとり、遺伝子の型を合めた個人情報が外に出ないシステムをつくる」といつている。

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