やはり過食は糖尿病の要因に
…インスリンの働き阻害

筑波大学講師らが仕組み解明

 血糖値を下げるホルモンのインスリンが肝臓で効かなくなり、糖尿病が引き起こされるメカニズムを、筑波大内科の島野仁講師らが世界で初めて解明し、英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジーに発表した。

 インスリンは、血液から筋肉細胞への糖の取り込みを促すほか、肝臓から血中に糖が放出されるのを抑えることで、血糖値を下げるよう働く。この働きが悪くなることが、国内で患者数約740万人とされる糖尿病の要因の一つ。

 島野講師らは、肝臓で糖を脂肪に変える遺伝子を制御する指令物質(SREBP―1c)に注目。食べ過ぎでこの指令物質が働きすぎると、肝臓でインスリンが作用するのに必要なたんぱく質の合成が抑えられ、インスリンの効きが悪くなることをマウスの実験などで突き止めた。

 逆にマウスを絶食させると、この指令物質は低下し、インスリンの働きは良くなった。この物質は、コレステロールや中性脂肪を増やし高脂血症を招くことが知られているが、肝臓でインスリンの働きを妨げ血糖値を上げる二重の悪さをしていることが分かった。

 山田信博・同大内科教授は「生活習慣病の予防に、過食や肥満を防ぐことの重要性が、遺伝子レベルで裏付けられた。この指令物質を抑制する治療薬の開発も期待される」と話している。
(読売新聞2004-3-16)