座右の銘、愛唱詩「青春」-- by M.Kub

「青春」
サミュエル・ウルマン



 青春とは人生の或る期間を言うのではなく、心の様相を言うのだ。

 優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦(きょうだ)を却(しりぞ)ける勇猛心、

安易を振り捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言うのだ。

 年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。

 歳年は皮膚のしわを増すが、情熱を失う時に精神はしぼむ。

 苦悶や、猜疑や、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ、

精気ある魂をも芥(芥)に帰せしめてしまう。

 年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。

 曰く、驚異への愛慕心、空にきらめく星辰、その輝きにも似たる事物や

思想に対する欽仰(きんぎょう)、事に処する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心、

人生への歓喜と興味。

  人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる。

  人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる。

  希望ある限り若く 失望と共に老い朽ちる。

 大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、そして偉力の霊感を受ける限り、

人の若さは失われない。

 これらの霊感が絶え、悲嘆の白雪が人の心の奥までも蔽(おお)いつくし、

皮肉の厚氷がこれを固くとざすに至れば、この時にこそ人は全くに老いて、

神の憐みを乞うる他はなくなる。             (岡田義夫氏訳)



米国実業家で詩人のサムエル・ウルマン(1840〜1924)の詩「青春」



2005年03月17日
 「青春とは/若き肉体のなかにあるのではなく/若き精神のなかにこそある」。この一節で広く知られる米国の実業家で詩人のサムエル・ウルマン(1840〜1924)の詩「青春」を、作家新井満さん(58)が新たに翻訳した写真詩集「青春とは」が23日、出版される。

 「青春」はウルマンが78歳の時に書いたとされる青春賛歌。終戦後まもなく、連合国軍最高司令官マッカーサーが座右の銘としていたこの詩を英語誌「リーダーズ・ダイジェスト」で読み、感動した織物業界の故岡田義夫氏が邦訳した。故松下幸之助氏ら高度成長期を担った多くの財界人が愛唱し、中曽根康弘元首相らが「青春の会」を組織し詩の普及に努めてきた。

 今回の企画は、ベストセラー詩集「千の風になって」(作者不明)を翻訳し、曲をつけてCDも出した新井さんが、昨年、ある会社経営者から「青春」に曲をつけてほしいと依頼されたのがきっかけ。

 新井さんがウルマンの原詩を調べてみると、日本で広まったマッカーサー版は言葉が削除されたり、逆に加えられたりしていることに気づいた。特に原詩の後半に出てくる「無線基地」と「アンテナ」という詩句がなかった。

 これらの詩句の背景には、1912年のタイタニック号遭難事件で、SOS信号を受信した米国の若き無線局員が三日三晩、励ましのメッセージを送信し続けたというエピソードがある、とするヘブライ文学研究家・手島佑郎氏の説を知り、新井さんは改めて完全オリジナル版を訳し直そうと決めた。

 「いまの若者でも写真詩であればイメージが膨らむと写真をつけた。大事なのは、人生の真理を大人や若者にどう届けるか。この詩には確かに人の心を打つ力がある」と新井さんは話す。 (税別千円。講談社)



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