脳梗塞を見逃さないで


目まい、ふらつき、視力・言語障害に注意
−難聴や手足のしびれ−



 脳梗塞(こうそく)の軽いケースでは、症状が一時的な場合は見逃しがちだが、放置していると重症化しやすい。脳梗塞について、東海大学医学部(神奈川県)内科の篠原幸人教授(神経内科)に早期発見のポイントを中心に聞いた。

● 危険因子あれば治療を

 脳梗塞は、脳の血管が詰まる病気。そのタイプは、
(1)太い血管が詰まるアテローム血栓性脳梗塞
(2)極めて細い血管が詰まるラクナ梗塞
(3)心臓などにできた血栓が、脳の動脈に流れて詰まる心原性脳塞栓
−の三つがある。
 「いずれも高血圧、高脂血症、糖尿病、心臓病、さらに遺伝などが絡み合って起こります。こうした危険因子を持っている人は基礎疾患の治療を徹底して、予防を心掛けるのが第一です」と篠原教授。
 脳梗塞は、片まひや意識喪失、言語障害といった大きな症状があると気付きやすいが、症状が軽いとか、全くないケースもある。
 「ラクナ梗塞のように小さな梗塞、あるいは多少大きくても脳の重要な部分から外れていると、症状が軽く、無症状の人もいます。しかし、見逃していると将来、大きな脳梗塞を起こしやすいのです」

● 画像検査を受けて

 脳梗塞の軽いケースでは、一時的に、目まい、ふらつき、片方の目が見えない、物が二重に見える、少しろれつが回らない、急におかしなことを言う、聞こえが悪い、片側の手足がしびれるなど、実に多様な症状を呈する。
 「聞こえが悪くなったので耳鼻咽喉(いんこう)科を受診し、異常がないと診断されて脳梗塞を見逃したケースもあります。こうした症状を自覚したときは、迷わず最寄りの神経内科や内科、もしくは脳外科を受診して、脳の画像検査を受けるべきです」
 一方、症状がないケースでは対応が難しいが、まず、無症状の脳梗塞があることをよく理解する必要がある。
 篠原教授は「特に、脳梗塞の危険因子を持っている人は、60歳を過ぎたら、脳ドックなどで一度は画像検査を受けた方がいいでしょう」とアドバイスする。
 脳梗塞は再発しやすく、繰り返すたびに重症化する。寝たきりや痴ほうにならないためにも、早期に適切な対応が望まれる。