変わる脳梗塞の病型


動脈硬化が原因のアテローム血栓性が増加
−コレステロール管理で予防を−


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 脳梗塞(こうそく)の病型が変わってきた。動脈硬化が原因となって太い血管が詰まる、アテローム血栓性脳梗塞が徐々に、特に都市部で増えている。脳梗塞対策として、血圧だけでなく、コレステロール管理も重要になっている。

● 背景に食生活の欧米化

 脳梗塞は、脳の血管が詰まって脳細胞に酸素や栄養が送れなくなり、脳細胞が死んでしまう病気。
 東海大学医学部(神奈川県)内科の篠原幸人教授(神経内科)らの研究グループが、1998年から2年間、入院した脳梗塞患者を調査したところ、脳梗塞の病型は、アテローム血栓性脳梗塞が最も多く、次いでラクナ梗塞(高血圧が原因となって細い血管が詰まる)、心原性脳塞栓症(心臓内にできた血栓が脳に運ばれ、脳血管が詰まる)の順だった。
 篠原教授は「10年前の調査では、アテローム血栓性脳梗塞は25%で、ラクナ梗塞が50%も占めていたが、最近は欧米の疾病構造と同じになりつつある」と指摘する。
 アテローム血栓性脳梗塞が増加した主な理由として、「日本人の食生活の欧米化」(同教授)が挙げられる。

● 高脂血症が関連

 日本人の食生活で総カロリーのうち脂肪が占める割合は、50%代後半には10%を超える程度だったが、97年には26.6%になった。25%を超えると、コレステロール値も上がり、動脈硬化、心臓病などの発症率が高まるといわれている。
 厚生省(当時)の研究班が98−2000年に実施した全国調査では、関東と近畿で、アテローム血栓性脳梗塞の増加が認められ、この2地域では他地域よりも高脂血症患者が多いという結果も出た。
 篠原教授は「脳梗塞の発症には高血圧や糖尿病だけでなく、高脂血症も危険因子となる。今後、脳梗塞対策としては、禁煙や食生活の改善、運動などを心掛け、コレステロール値を血液1デシリットル当たり220ミリグラム以下、できれば200ミリグラム以下にするのが理想的だ」と話している。