海外修学旅行問題


<割高な海外修学旅行>
 多くの添乗員、現地ガイド、看護婦を動員することで、安全性を高め中身を充実させているという修学旅行特有の理由はあるにしても、それによるコストアップは精々数千円であり、それ以外に下記2点の理由があると思われる。

1、もともと割高な日系航空会を利用してること。
2、中国、韓国方面向け日系航空会社には、修学旅行料金と呼ばれる割高な価格体系が存在すること。

  しかしながら、韓国、中国では、午前関空発、午後現地発という短期旅行に適する運航をしているのは日系航空会社だけであり、従来通りの現地滞在時間を確保するには、4泊5日の日程を組む必要が生じる。恐らく追加宿泊コストを上回るコスト削減が可能であり、安価で滞在時間の長い企画が可能であろう。

○航空運賃問題
*IATA修学旅行運賃         
 ここ1−2年に顕在化したIATA(イアタ:国際的な航空会社の連絡組織)の公示価格。中国、韓国行きの日本人修学旅行に適用される定価であり、一般団体に優先して座席を確保することと引き替えに、割高な料金体系となっている。ただ、便に関する差はないので、日系航空会社の大阪午前発、現地午後発の便を用いる場合は、一般団体料金と比べ大きく不利になる訳ではない。また、中国、韓国の現地航空会社は、この価格に拘束されない可能性が高い。

  ただ、このような高額運賃体系は、需要無しにはあり得ない。方面がソウル、上海、北京に、時期も10月に集中する現状が、需要の集中を招き、このような運賃を成立させているとも考えられる。時期や方面に関して分散してく方向で検討するのが、学校側、受け入れ側、旅行会社、航空会社など全ての関係者の利益に繋がるのではないだろうか。


 (99年4月発表の数値) 
          ・9/1-10/31   ・6/1-7/31  ・ 5/4-31,11/1-24   ・ 11/25-12/24,1/4-2/29
北京、天津  ・ 110000       ・ 100000    ・    90000        ・    72000
上海      ・ 79000        ・ 69000     ・    59000          ・    48000
 
*過去のチャ−タ−例
 上海往復4万円(但し、中国系航空会社。一機で全員搭乗の場合)

*ツア−との比較
 同時期のツア−価格は下記のように安価である。
               ツア-価格   食事観光を含めた総額推計
ソウル       4日間 35000円     約50000円
上海        4日間 40000        55000
北京        4日間 40000        55000
タイ        5日間 45000         60000
シンガポ−ル  5日間 55000         75000
ロスアンゼルス 5日間 49000         70000

(某大手上海 1月実施、和平飯店(5つ星)、朝食付き、一般ツア−)
                      3日     4日
 日系航空会社利用   53000     56000
 現地航空会社利用   45000     48000
 一般団体価格が基となっているツア−価格はこのように割安である。また、現地航空会社便(午後大阪発、午前上海発)を利用した場合は、1泊増やしても運賃減が大きいため、更に安くなる。

*一般団体扱いの場合
 運賃は旅行社と航空会社の自由交渉となる。その際、下記のように多少でも学校側が融通をきかせることができれば、交渉は有利に展開できる。
  ・・運賃、宿泊費等の内訳開示を求めない。
  ・ 出発日を、前後数日の範囲で幅を持たせる。
  ・ 出発日決定を、6ヵ月前程度まで待つ。
  ・・2便の人数配分比を一任する。

<参考資料>
■■ソウル■■
○日系航空会社
 大阪10:10−12:00ソウル13:45−15:20 JL(日本航空)
   10:55−12:45   15:05−16:40 JL(日本航空)
○現地航空会社
 大阪13:10−15:00ソウル10:00−11:40 OZ(アシアナ)
   12:55−14:45   10:10−11:50 KE(大韓航空)

■■上海■■
○日系航空会社
 大阪10:00−11:30上海12:35−15:25 NH(全日空)   毎日
   10:35−11:55  14:50−17:45 JL(日本航空)  毎日
   (滞在時間差約2時間で許容範囲)
○現地航空会社
 大阪13:40−14:55上海 9:35−12:35 MU(中国東方航空)毎日
   15:35−17:15  11:05−14:05 CA(中国国際航空)毎日
   (滞在時間差は小さい。MUの朝が早いがなんとか可能かも)

■■北京■■
○日系航空会社
 大阪10:25−12:40北京14:00−17:40 JL(日本航空)週5便
   10:00−12:10天津13:25−16:50 NH(全日空) 週2便
(天津−北京間の往復を加えると、滞在時間差は3時間を越えるが許容範囲か。)
 全日空の天津便運行には、今後不確定な要素が多く、修学旅行での利用は困難だと思われる。

○現地航空会社
 大阪15:35−20:10北京 9:35−15:00 CA(中国国際航空) 
   16:00−19:40   9:00−15:55 CA(中国国際航空) 
   (滞在時間差は小さいが、北京発時刻が早すぎる。)

■■バンコク■■
○日系航空会社
 大阪10:55−15:10 バンコク23:05−6:05 NH(全日空)    
   11:10−15:30   23:59−7:10 TGJ共同
○現地航空会社
 大阪10:10−14:25 バンコク22:50−6:00 SQ
   11:10−15:30   23:59−7:10 TGJL共同


<10-11月実施を前提とした各地域評価>
   ・   マイナス面                ・   プラス面、@は主な見所
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 上海・・市内渋滞が激しい。           ・・近い
   ・・修学旅行運賃回避の工夫が必要。   ・・中国系航空会社の使用が可能。    
   ・ やや犯罪多発気味。            ・・地域の経済競争が激烈で貧富の格差
   ・・偽札問題。                  ・・雨は少ない。
                             ・・気候が似ていて過ごしやすい

  ・                          ・@雑技団、水郷の村、像園
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ソウル・・特別な見所に欠ける。          ・・平和学習に最適。
   ・・修学旅行運賃回避の工夫が必要。   ・・大変近い。
   ・・在日生徒に対する徴兵免除等の手続 ・・修学旅行の実績が豊富。
     きが必要。                  ・・雨は少ない。
   ・・市内渋滞が激しい。             ・・オンドル部屋(多人数定員)確保可能。
   ・                          ・・現地航空会社の場合最も低コスト。
   ・・反「北」に思想が偏っている。       ・@民俗村、独立記念館
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 バンコク・・遠い。(6H)                ・・豊かな自然体験が可能。
   ・・暑い。                    ・・少数民族への接触が容易。
   ・・修学旅行の実績が少ない。       ・・物価が安い。
   ・・氷等による体調不良問題等衛生リス  ・・修学旅行運賃が存在せず運賃が安価。
    クあり。                    ・・乾季で雨が少ない。
   ・・市内渋滞が深刻。             @象トレッキング、少数民族
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 北京・・全日空の運行継続問題が不透明。 ・・壮大な世界遺産に恵まれている。
   ・・中国系の現地発が早く使いにくい。  ・・街が整然としていて迷いにくい。
   ・・修学旅行運賃回避の工夫が必要。  ・・雨は降らない。
   ・・安くしようと思うと時期的に寒い。
   ・・やや犯罪多発気味。            ・@万里の長城、故宮、天安門
   ・・日系利用の場合最も高コスト。  
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シンガポ-ル・・学校交流が困難。           ・・安全性が高く自由行動が容易。
   ・・街全体が高度に管理され、無機質    ・・各種テ−マパ−クが充実。
                             ・・医療、衛生、交通、通信が大変充実。
   ・・物価が高い。                ・・英語圏であり語学実習に最適。
   ・・雨季で高温多湿。              ・・修学旅行運賃が存在せず運賃が安価。  
   ・・遠い(6.5H)                      ・@安全な中での各種自由行動
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バリ ・・大変遠い(7.5H)             ・・地域の人々のホスピタリティが高い。
   ・・暑い                    ・・民族文化への接触が容易。 
   ・・修学旅行の実績が少ない。      ・・物価が安い。       
   ・・氷等による体調不良問題       ・・修学旅行運賃が存在せず運賃が安価。

                           ・@海洋体験、芸術体験、ジャングルトレッキング、ラフティング   
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